新年を迎える準備に欠かせない「鏡餅」。鏡餅をBlenderで手作りすれば、3Dアートとして楽しめるだけでなく、アニメーションや3Dプリントにも活用できます。
本記事では、初心者でも挑戦しやすいBlenderを使った鏡餅の手作り方法を画像付きで丁寧に解説します。
Blenderで鏡餅を手作りするメリットは?
Blenderは、3Dオブジェクトを制作できるソフトです。そのため、Blenderで鏡餅を手作りすることで、3D化されたリアルな鏡餅の制作ができます。
さらに、完成したモデルはアニメーションやゲームに活用できます。奥行きや立体感を活かしたデザインが作れるBlenderは、2D表現では再現しにくいリアルさを求める方に最適なツールです。
また、Blenderで作成した3Dモデルは3Dプリンターを使って現実世界に印刷することもできます。以下の記事では、Blenderの3Dモデルを3Dプリンターで印刷する方法について解説しています。
自作したモデルを実体化させたい方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
Blenderで鏡餅を手作りする方法
Blenderで鏡餅を手作りする際は、以下の手順で行います。
- 三方を作る
- 餅を作る
- 橙を作る
- 色をつける
- 書き出しの準備をする
- 画像を書き出す
実際にBlenderで鏡餅を手作りする方法についてみていきましょう。
1.三方を作る
Blenderを立ち上げたら、最初に立方体のオブジェクトが用意されているので、これを餅を乗せる台である三方に活用します。
立方体を選択したら、SキーとZキーを押しながらドラッグして、Z軸方向に拡大します。
続いて、ShftキーとAキーで表示されるメニューの中の「メッシュ」から「立方体」を選択しましょう。
GキーとZキーで一つ目の立方体の上に配置したら、SキーとXキーでX軸方向に拡大をかけます。
さらに、SキーとYキーでY軸方向にも拡大をかけて、下の台よりも大きな長方形を作成し、最後にSキーとZキーで立方体の厚みを薄くしましょう。
2つの台ができGキーで位置を調節したら、再度ShftキーとAキーで表示されるメニューの中の「メッシュ」から「円柱」を選択してください。
作成された円柱はRキーとXキーを押した後に90と入力して、90°の回転をかけます。回転がかかったら、SキーとYキーで下の台よりも円柱が突き出すぐらいの大きさまで拡大します。
拡大できたら、Sキーで下の台に開ける穴の大きさぐらいまで縮小しましょう。
ここまでできたら、ShiftキーとDキーで円柱を複製し、RキーとZキーを押しながら90と入力してZ軸方向に90°回転をかけます。
ここまでできたら、下の台を選択した状態でモディファイアープロパティの「ブーリアン」を開き、オブジェクトの横のスポイトアイコンをクリックしましょう。
そして、どちらか片方の円柱をクリックしたら、アウトライナーから目とカメラのアイコンをクリックして非表示にしてください。
すると、円柱の形で立方体がくり抜かれます。同じ要領で、立方体を選択した状態でモディファイアーを追加のブーリアンから、残っている円柱を選択して立方体をくり抜きましょう。
最後に、Tabキーで編集モードに移行し、数字キーの3で面選択モードに切り替えたら、下の台の底面を選択してXキーから「面だけ」をクリックして底面を削除しておきます。
2.餅を作る
三方ができたら、餅の制作に移ります。ShftキーとAキーで表示されるメニューの中の「メッシュ」から「UV球」を選択しましょう。
GキーとZキーで上に移動させたら、Tabキーで編集モードへ移行します。数字キーの1で頂点選択モードにしてから、UV球の一番下にある頂点のみを選択します。
Oキーでプロポーショナル編集に入ったら、GキーとZキーで餅の下側を潰しましょう。
このとき、マウスホイールをスクロールすると変わるサークルを、UV球すべてを覆う大きさに変更しておいてください。
餅の形にできたらGキーとZキーで三方の上に乗るように配置します。続いて、ShiftキーとDキーで餅を複製し、Sキーで大きさを調節したら、下の餅の上にGキーとZキーで配置しましょう。
配置できたら、餅を一つずつ選択して、それぞれにモディファイアーを追加から「サブディビジョンサーフェス」を選択し、「ビューポートのレベル数」を「2」に変更しておきます。
最後にそれぞれの餅に右クリックから「スムーズシェード」を適用して、モデルを滑らかにしておきましょう。
3.橙を作る
餅の上に乗せる橙を作成します。ShftキーとAキーで表示されるメニューの中の「メッシュ」から「UV球」を選択しましょう。
GキーとZキーで上に移動させ、Sキーで大きさを調整します。
みかんのUV球を作成したら、モディファイアーを追加から「サブディビジョンサーフェス」を選択し、「ビューポートのレベル数」を「2」に、そして右クリックメニューから「スムーズシェード」を適用しておきましょう。
続いて、橙の葉っぱを作成します。ShftキーとAキーで表示されるメニューの中の「メッシュ」から「平面」を選択しましょう。
GキーとZキーで橙の上に配置しSキーでサイズを調整したら、CtrlキーとRキーからループカットを縦と横の中央に挿入してください。
ループカットで頂点を挿入したら、編集モードの頂点選択モードからすべての点を選択し、SキーとYキーで縮小をかけます。
次に、左上と左下の2点を選択してSキーとYキーでY軸方向に縮小します。さらに、右上と右下の2点を選択してSキーとYキーでY軸方向に縮小しましょう。
次に、葉の中心の3点を選択して、GキーとRキーで位置を調整してください。
モディファイアーを追加から「サブディビジョンサーフェス」を選択し、「ビューポートのレベル数」を「2」に変更、さらにモディファイアーを追加から「ソリッド化」を選択し、「幅」の数値を「0.1m」に変更しましょう。
右クリックから「スムーズシェード」を適用させたら、橙の葉っぱの完成です。葉っぱの全体の位置はGキーを使って最終調整しておきましょう。
4.色をつける
最後に鏡餅全体に色をつけて仕上げます。まずは、色の変化がわかるように、3Dビューポート右上にあるマテリアルプレビューのアイコンをクリックしてください。
ビュー表示を切り替えたら、葉っぱを選択してマテリアルプロパティを開きます。「新規」からマテリアルを追加し、ベースカラーから色を変えましょう。
葉っぱは緑、橙はオレンジ、三方は茶色と、すべて同じ手順で色をつけていきます。
5.書き出しの準備をする
色をつけられたら、画像を書き出すための準備を行います。ShftキーとAキーで表示されるメニュー内の「ライト」から「サン」を選択しましょう。
ライトが追加されるので、光を照らしたい位置にライトを配置して、Rキーで照明を当てる向きを変更してください。
さらに、お好みでライトを追加してオブジェクトが綺麗に映えるように調整しましょう。
ライトが挿入できたら、ShftキーとAキーで表示されるメニュー内の「メッシュ」から「平面」を選択し、床を作成します。
Sキーで拡大したら、マテリアルプロパティからベースカラーをお好みの色に変更しておきましょう。
6.画像を書き出す
最後に作成した鏡餅を書き出します。Nキーでサイドメニューを表示したら、ビューに切り替えて、設定から「カメラをビュー」にチェックを入れましょう。
ここまでできたら、テンキーの0でカメラ指定に切り替えて、書き出すときの画角を調整してください。
画角設定ができたら、CtrlキーとF12キーでレンダーメニューを開き、上部メニューの「画像」から「名前を付けて保存」で書き出しを行いましょう。
また、Blenderを使った3Dモデリングの方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。実際にサッカーボールを手作りしながら、Blenderの使い方について学べます。
Blenderで鏡餅を手作りするコツ
Blenderで鏡餅を手作りする際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- ショートカットキーを覚える
- オブジェクトの位置を正確に合わせる
これらのBlenderで鏡餅を手作りする際のコツについて確認していきます。
コツ①ショートカットキーを覚える
Blenderで効率よく鏡餅を手作りするには、ショートカットキーを活用することが重要です。例えば、テンキーの視点切り替えや拡大縮小のSキーなど、基本的なキーを覚えるだけで作業がスムーズに進みます。
また、モデリング時にはEキーの押し出しやCtrlキーとRキーのループカットなどを活用するとモデリングに役立ちます。
コツ②オブジェクトの位置を正確に合わせる
鏡餅の各パーツを正確に配置することが美しい3Dモデルを作るコツです。Blenderでは、オブジェクトを整列機能を使うことで位置合わせを正確に行えます。
また、整列時には視点を適宜切り替え、各方向から確認することで、完成度の高いモデルに仕上がるでしょう。
2Dの鏡餅を手作りするなら
3Dの鏡餅ではなく、2Dの鏡餅を手作りしたい場合は、BlenderではなくIllustratorがおすすめです。Illustratorは2Dデザインに特化したソフトで、鏡餅の手作りに最適です。
Illustratorならベクター形式で作業できるため、線や形を自由に編集でき、サイズ変更をしても画質が劣化しません。楕円形ツールやパスの調整機能を使えば、鏡餅の丸い形やバランスのとれたパーツを簡単に作成できます。
また、レイヤー機能を活用することで、部品ごとに整理しながら効率的に作業が進められます。完成したデザインは年賀状やポスターなどに幅広く活用できるでしょう。
以下の記事では、Illustratorでお正月飾りのデザインを手作りする方法について解説しています。
鏡餅の作り方も紹介しているので、2Dの鏡餅を制作したい方は、ぜひこちらもあわせてチェックしてみてください。
Blenderの学習方法
Blenderで3D作品を手作りできるほどのスキルを身につけるなら、以下の方法で学習するのがおすすめです。
学習方法 | メリット | デメリット |
書籍 | 体系的に学べる。自分のペースで進められる。 | 実践をしないと知識が身につきにくい。 |
セミナー | 疑問を即解決できる。実践的なスキルを短期間で習得できる。 | 費用が高いことがある。自分で学習ペースが決めにくい。 |
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
学習方法①書籍で学ぶ
Blenderの基礎から応用までをじっくり学びたい人には、書籍での学習がおすすめです。
書籍は操作手順や理論を体系的に解説しているため、基礎を固めやすく、初心者でも迷わず学習を進められます。
また、特定の機能や応用テクニックに特化した専門書も多く、幅広いニーズに応えられるのが魅力です。
ただし、実践をしないと知識が身につきにくいため、学んだ内容をすぐ試す意識が重要です。
学習方法②セミナーで学ぶ
短期間で効率的にスキルを身につけたい人には、セミナーでの学習が最適です。
講師による実践的な指導で、疑問点をその場で解消できるため、特に初心者の学習に効果的です。
ただし、費用が高めになる場合があるほか、自分のペースで進めにくい点はデメリットとなります。
また、Blender基礎セミナーなら、会場受講とオンラインで学べるライブウェビナーが税込み38,500円(税込み)で学習できます。
さらに、動画学習のeラーニングなら27,500円(税込み)で学べるため、気軽にBlenderの学習を始められるでしょう。
安価で基礎から応用までを学べるセミナーを探している方は、ぜひBlender基礎セミナーをチェックしてみてください。
Blenderで鏡餅を手作りする方法のまとめ
今回は、Blenderで鏡餅を手作りする方法について紹介しました。Blenderを活用すれば、鏡餅の丸みや質感をリアルに再現できます。
さらに、完成した作品はデジタルアートとしてだけでなく、3Dプリントやアニメーション素材としても活用可能です。
鏡餅はシンプルな形状でBlender初心者でも挑戦しやすいので、本記事を参考に自分だけのオリジナル鏡餅を手作りしてみましょう。
