年賀状などに使用するお正月飾りのイラストを手作りしたいと考えている方もいるでしょう。
本記事では、AdobeのグラフィックデザインツールであるIllustratorを使って、お正月飾りイラストを手作りする方法について解説します。
手作りの方法を画像付きで丁寧に解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
お正月飾りとは
お正月飾りとは、年神様がお正月にやってくる際の目印や、依代として滞在するための飾りのことです。
代表的なお正月飾りには、門松・しめ飾り・鏡餅の3つがあり、それぞれ以下のような特徴を持っています。
お正月飾り | 特徴 |
門松 | 年神様を迎えるための目印や、邪気払いの効果がある。 |
しめ飾り | しめ縄を紙垂、裏白、ゆずり葉などで飾りつけたもの。年神様を迎えるための目印となる。 |
鏡餅 | 年神様が滞在する際に依代となる飾り。 |
お正月飾りは、新年の幸運を招き入れる大切な役割を持つだけでなく、日本の文化や習慣を感じられるアイテムです。
Illustratorとは
Illustratorは、Adobe社が提供している有料のグラフィックデザインソフトです。
図形やテキストを組み合わせてデザインを作成できるのが特徴で、フォントを編集したロゴを作成したり、イラストと画像を組み合わせてチラシを作ったりできます。
デザイン業界では一般的なソフトとして知られているため、デザイナーにとってIllustratorの知識は必要不可欠です。
また、以下の記事では、Illustratorでお正月の年賀状を作成する手順を解説しています。
お正月に合わせて年賀状の手作りを考えている方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
お正月飾りの門松を手作りする方法
お正月飾りの門松をIllustratorで手作りする際は、以下の手順で行えます。
- 青竹を作る
- むしろを作る
- 扇子を作る
これらの手作り手順について確認していきましょう。
1.青竹を作る
まずは、メインの青竹を手作りします。塗りを黄緑色、線をなしにしたら楕円形ツールで縦に細長い円を作成しましょう。
続いて、青竹のくり抜かれた影を表現するために、塗りを先ほどよりも少し薄くして、再度楕円形ツールで縦長の円を作ってください。
ダイレクト選択ツールで、円の下側を上に移動させて卵型にします。
断面が作成できたら、長方形ツールで円の外側とサイズが合うように縦に長い長方形を作ります。このとき、レイヤーパネルから重なり順を最下層に変更しておきましょう。
作成できたすべてのオブジェクトを選択したら、Altキーを押しながらドラッグして三つに複製します。最後に、竹の中心に直線ツールで線を入れたら、青竹の完成です。
2.むしろを作る
塗りを茶色、線をなしにしたら、長方形ツールでアートボード上をドラッグして、青竹の下にあるむしろを作ります。長方形が作成できたら、ダイレクト選択ツールで、長方形の下の二点を選択し、内側の丸いアイコンを中にドラッグして角丸をつけましょう。
続いて、線を少し濃い目の茶色にして、直線ツールで左側と右側に一本ずつ線を引きます。
両方の線を選択したら、オブジェクトメニューの「ブレンド」から「作成」をクリックしてください。
再度オブジェクトメニューの「ブレンド」から、今度は「ブレンドオプション」をクリックします。間隔の項目を「ステップ数」にして数を「6」に変更してOKボタンで閉じると、二本の線を埋めるように等間隔で線が挿入されます。
3.扇子を作る
最後に、むしろについている扇子を作成します。長方形ツールで縦長の長方形を作成したら、Altキーを押しながらドラッグで長方形が六つになるように複製しましょう。
続いて、色が交互になるように塗りをそれぞれ黄色っぽい色に変更します。色が変更出来たら、すべての長方形を選択し、Ctrl+Gでグループ化しておいてください。
グループ化したオブジェクトを選択したら、効果メニューの「ワープ」から「円弧」を選択しましょう。スタイルが「円弧」になっていることを確認してOKボタンで閉じると、長方形が扇形に変形します。
最後に扇子の位置を調節したら、門松の完成です。
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Illustrator基礎セミナーなら、基本の使い方から実務で使える応用的なスキルまで学べるので、Illustratorで作品を手作りするためのスキルを高めたい方は、ぜひ講座内容をチェックしてみてください。
お正月飾りのしめ飾りを手作りする方法
お正月飾りのしめ飾りをIllustratorで手作りする際は、以下の手順で行えます。
- しめ縄を作る
- 梅を作る
- 装飾を加える
これらの手作り手順について確認していきましょう。
1.しめ縄を作る
まずは、しめ縄を表現できるブラシを作成します。
長方形ツールで縦長の長方形を作成したら、ダイレクト選択ツールで長方形の対角線の点をShiftクリックで複数選択して、内側の丸いマークを赤くなるまで引っ張って角に丸みをつけましょう。
続いて、バウンディングボックスの四隅のどれかをShiftキーを押しながらドラッグして45°回転させたら、Altキーを押しながらドラッグして右側に複製します。
このとき、パス同士がきれいにつながるように調整してください。
二つオブジェクトができたら、Ctrl+Dで操作を複製します。真ん中の図形の塗りを薄い茶色、線をなしにして、両端の図形の塗りを少し濃い茶色で線をなしにしましょう。
3つの図形を選択したら、オブジェクトメニューの「パス」から「パスのアウトライン」をクリックして、パスをアウトライン化してください。
パスがアウトライン化されたら、長方形ツールで左右の図形の中心が端に合うように、上下は重なるように長方形を作成します。
長方形の線と塗りを両方なしにします。三つの図形と長方形をすべて選択したら、シェイプ形成ツールでAltキーを押しながら長方形からはみ出た部分をドラッグで削除しましょう。
その後、残っているオブジェクトをすべてを選択したら、ブラシパネル右下にあるプラスのアイコンをクリックします。パターンブラシにチェックを入れてOKボタンで確定してください。
画面中央に5つ表示されるアイコンの一番左を選択して「なし」に変更、着色の方式を「明清色と暗清色」に変更したら、OKボタンで確定します。
ここまでできたら、楕円形ツールで正円を作成し、ブラシパネルから、先ほど作成したパターンを選択することで、円にしめ縄のブラシができようされます。
2.梅を作る
続いて、しめ飾りを彩る梅を作成します。楕円形ツールで正円を作成しましょう。
回転ツールを選択したら、作成した円の下をAltキーを押しながらクリックします。角度を72°にしてコピーボタンをクリックすると円が複製されるので、Ctrl+Dを3回押して、梅の形を作成します。
すべての円を選択したらパスファインダーから「合体」を選択して一つのオブジェクトにしましょう。続いて、楕円形ツールで縦長の楕円を作成します。
ダイレクト選択ツールで上下の形を整えて雫のような形に調整してください。
梅の中心から少し上に配置したら、回転ツールを持って梅の中心をAltキーを押しながらクリックします。
角度を90°にしてコピーボタンをクリックすると、左側に模様が複製されるので、Ctrl+Dを3回押して一周分作成しましょう。
梅が一つ作成できたら、あと二つ複製して塗りの色を変え、それぞれしめ縄の上部に配置しましょう。
3.装飾を加える
直線ツールで画像のように始まりと終わりの装飾をつけ、レイヤーパネルから重なり順を最下層に変更してください。
両方の直線を選択したらオブジェクトメニューの「ブレンド」から「作成」をクリックしましょう。再度オブジェクトメニューの「ブレンド」から、今度は「ブレンドオプション」をクリックします。
間隔の項目を「ステップ数」にして数を「6」に変更してOKボタンで閉じます。最後にリフレクトツールで垂直方向へ反転をかけたら、しめ飾りの完成です。
お正月飾りの鏡餅を手作りする方法
お正月飾りの鏡餅をIllustratorで手作りする際は、以下の手順で行えます。
- 橙を作る
- 餅を作る
- 三方を作る
- 四方紅を作る
これらの手作り手順について確認していきましょう。
1.橙を作る
まずは、餅の上に乗っている橙を作成します。塗りをオレンジ、線をなしにして楕円形ツールで正円を作りましょう。
作成した円は、ダイレクト選択ツールで円の下を上に持ち上げて、下に重心のあるような形状にします。続いて、塗りを緑、線をなしにして楕円形ツールで縦長の円を作り、これを橙の葉っぱに見立てます。
円の下をアンカーポイントツールでクリックして、しずくの形にしてください。円の上もダイレクト選択ツールを使って、ハンドルを左右にドラッグして丸みを少し削りましょう。
最後に、ペンツールで葉っぱの枝をフリーハンドで描き、オプションバーの「線」をから線幅を3ptにすると、橙の完成です。
2.餅を作る
続いて、餅の作成に移ります。楕円形ツールで楕円を二つ描いて、上下に並べましょう。
作成した餅は、ダイレクト選択ツールでパスを編集して、少し平らにしておきます。
特に、下側の餅は円の下側を広げて、重心を下にすると見栄えが良くなります。塗りは白っぽい色にしますが、それぞれでわずかに色味を変えておきましょう。
3.三方を作る
餅を支えている三方の作成を行います。長方形ツールで、三方の形をしたオブジェクトを二つ作成します。
それぞれの塗りの色は茶色っぽい色にしますが、オブジェクトによって色を変えてコントラストをつけましょう。
続いて、三方の穴の部分を楕円形ツールで再現します。縦長の楕円を作ったら、回転ツールを持った状態で楕円の下でAltキーを押しながらクリックします。
開いたダイアログボックスから、角度を30°にして「コピー」ボタンをクリックしてください。
再度、楕円の下でAltキーを押しながらクリックし、今度は角度を-30°にして「コピー」ボタンをクリックします。
左右の楕円は選択ツールで上部を少し短くしたら、パスファインダーの「合体」で一つのオブジェクトにしておきます。
4.四方紅を作る
餅の下に敷かれている四方紅を作成します。多角形ツールをドラッグする際に、矢印キーを数回押して三角形を作りましょう。
Shiftキーを押しながら正三角形を作ったら、バウンディングボックスから回転をかけて、下向きの三角形にします。このとき、塗りは白、線を赤にし、ダイレクト選択ツールで形を整えましょう。
はさみツールで上側の両端のアンカーポイントをクリックすると上の辺が切り離されるので、不要な上の辺をDeleteキーで削除します。
最後にオプションバーの「線」から「線の位置」を「線を外側に揃える」に変更したら、鏡餅の完成です。
また、Illustratorで手作りの作品をすらすら作れるようになるための学習方法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
Illustratorの独学方法について解説しています。
お正月飾りイラストを手作りする方法のまとめ
今回は、お正月飾りイラストをIllustratorで手作りする方法について紹介しました。
Illustratorの豊富な機能を活用すれば、門松やしめ飾り、鏡餅など、お正月に欠かせないアイテムのデザインが可能です。
Illustratorならカスタマイズ性が高いため、自分らしいオリジナルの手作りイラストを作成できるでしょう。ぜひ、Illustratorを使って新年にふさわしい飾りイラストを手作りし、お正月の年賀状などに活用してみてください。
