新年の挨拶に欠かせない年賀状。その作成には、デザインの自由度が高い「Adobe Illustrator」がおすすめです。イラレはベクター画像を扱えるため、細かいデザインの年賀状作りに最適です。
本記事では、イラレを使って年賀状を作成する方法について解説しています。年賀状の作り方について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
イラレは年賀状作りに最適なソフト
イラレは年賀状作りに最適なソフトの一つです。その理由の一つとして、ベクター形式でデザインを作成できる点が挙げられます。
これにより、拡大縮小しても画像が劣化しないため、細かい調整が可能になります。また、イラレではフォントや図形、色の設定が自由自在に行えるため、デザインの幅が広がります。
さらに、印刷用データの作成に必要なカラーモードやトリムマークの設定も簡単にできるため、印刷所に提出する際にも安心です。オリジナリティあふれる年賀状を作りたい方は、自分のアイデアを忠実に再現できるイラレを活用してみましょう。
イラレで年賀状を作る際の設定は?
イラレで年賀状を作成する際には、以下の設定でドキュメントを作成しましょう。
アートボードサイズ
年賀状は、郵便ハガキの規格サイズである「幅100mm × 高さ148mm」で作成するのが一般的です。横向きで作成したい場合は、幅と高さの数値を入れ替えてください。
カラーモード
印刷用データはCMYKカラーモードで作成する必要があります。RGBはディスプレイ表示用の色設定であるため、RGBで設定していると、実際に印刷した際に画面表示と異なる色味になる可能性があります。
解像度
印刷物である年賀状の解像度は300ppiに設定しておきましょう。これにより、印刷時に画像が粗くなるのを防ぎ、高品質な仕上がりが期待できます。
Web用の72ppiと間違えないように注意しましょう。
年賀状をイラレで作る方法
実際に年賀状をイラレで作成してみましょう。年賀状をイラレで作る手順は以下のとおりです。
- ドキュメントを作成する
- フリーイラストをイラレに取り込む
- 文字を入力する
- データをPDFで保存する
それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
1.ドキュメントを作成する
まずは、年賀状を作るためのドキュメントを作成します。イラレのホーム画面左上にある「新規ファイル」もしくは、メニューバーの「ファイル」から「新規」をクリックしましょう。
すると、ドキュメントの設定画面が表示されるので、以下の設定をして右下にある「作成」ボタンをクリックしてください。
設定項目 | 内容 | 補足 |
サイズ | 幅100mm × 高さ148mm | 郵便ハガキ規格のサイズを設定する。 |
カラーモード | CMYK | 印刷用のカラーモード。RGBはWeb用。 |
解像度 | 300ppi | 印刷で高画質を保つための標準解像度。 |
2.フリーイラストをイラレに取り込む
年賀状に使用するイラストを一から制作してもよいですが、絵のスキルがなければ仕上がり時にチープな印象を与えてしまいます。
そのため、初心者の場合は無料で利用できる素材サイトからイラストをダウンロードして使用するのがおすすめです。
今回は、2025年の干支であるヘビのイラストをダウンロードして使用します。
イラストをフォルダーからアートボード上にドラッグすると、画像がイラレに挿入されます。
挿入したイラストは、クリックで選択すると表示されるバウンディングボックスから、Shiftキーを押しながらドラッグしてサイズを調整しておきましょう。
Shiftキーを押していないと画像の縦横比が崩れてしまうので注意してください。
3.文字を入力する
イラストを挿入し、サイズと位置を調整できたら文字の入力を行います。今回入力するのは、賀詞、本文、日付、差出人情報です。
ツールバーにある横書き文字ツールを使って、必要な情報を入力していきましょう。
文字の入力ができたら、バウンディングボックスをドラッグして文字サイズを変更したり、文字パネルからフォントを変更したりして見栄えを良くしていきます。
フォントはイラストのテイストに合わせて、柔らかい感じにするのか、力強い感じにするのかを決めましょう。
4.データをPDFで保存する
年賀状のデザインが作成できたら、データをPDFとして保存します。メニューバーの「ファイル」から「別名で保存」を選択し、ファイル形式を「Adobe PDF(*.PDF)」に変更しましょう。
続いて、ファイル名と保存先の設定を行い、右下の「保存」ボタンをクリックします。
すると、「Adobe PDFを保存」のダイアログボックスが表示されるので、右下の「PDFを保存」ボタンをクリックすると、指定したフォルダーにPDFとしてデータが保存されます。
保存したPDFデータは、自宅もしくはコンビニのプリンターで印刷しましょう。
イラレで年賀状を作る際に注意すべきポイント
イラレで年賀状を作る際は、以下のポイントに注意しましょう。
- レイヤーを分ける
- 余白を意識する
- 統一感を出す
これらの注意点について確認していきます。
注意点①レイヤーを分ける
イラレで年賀状を作成する際は、レイヤーを分けて作業するようにしましょう。テキスト、背景、装飾要素、画像などをそれぞれ別のレイヤーに分けて配置することで、デザインの管理がしやすくなります。
また、特定の要素を編集する際にほかの部分を誤って動かしてしまうリスクも軽減できるため、修正や変更がスムーズに行えます。さらに、レイヤー名をわかりやすく設定しておくことで、後から編集を依頼された場合や、自分で見直す際にも効率的にレイヤーを特定できるでしょう。
注意点②余白を意識する
デザインのバランスを整えるためには、余白を適切に設けることが重要です。年賀状は文字情報や装飾が多くなりがちですが、余白を意識することで見た目がすっきりし、伝えたいメッセージや要素が際立ちます。
適切な余白設計をすることで、素人でもプロのような仕上がりを実現できるでしょう。
注意点③統一感を出す
年賀状全体のデザインに統一感を持たせることも大切です。フォントや色使い、装飾のスタイルを一貫させることで、完成度の高いデザインになります。
例えば、フォントは2種類程度に抑え、使う色もテーマカラーに合わせて統一するのがおすすめです。装飾要素を多用する際は、過剰にならないように注意し、デザイン全体のバランスを確認しましょう。
統一感がある年賀状は、受け取った相手に好印象を与え、ブランドや個性を効果的に伝えられます。
また、イラレのスキルを上達させるには、練習を繰り返すことが大切です。以下の記事では、イラレの練習方法について解説しています。
ペンツールの使い方や、1日の練習時間の目安について紹介しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
イラレ以外で年賀状を作るのにおすすめのツール
イラレ以外の年賀状作りに最適なツールとして、以下の3つが挙げられます。
- Canva
- Photoshop
- Promeo
これらのツールについて見ていきましょう。
ツール①Canva
引用:Canva
Canvaは豊富なテンプレートと素材を使って、初心者でも高クオリティなデザインを作成できるツールです。
年賀状用のテンプレートも用意されているので、一からデザインを考えるのが難しい方におすすめです。
また、Canvaなら無料で利用できるため、イラレのように初期費用がかかりません。
コストをかけずにクオリティの高い年賀状を作りたい方は、ぜひCanvaもチェックしてみてください。
以下の記事では、Canvaを使ってInstagram用の画像を作成する方法について解説しています。どのようにCanvaを使うのか知りたい方は、ぜひこちらもあわせてチェックしてみてください。
ツール②Photoshop
引用:Photoshop
Photoshopは、イラレと同じくAdobe社が提供しているソフトです。ラスター画像の編集を得意としているため、年賀状で使う写真を加工するのに最適です。
また、テキストを入力したり、図形を挿入したりもできるため、Photoshopだけでも十分年賀状を作成できます。
Adobeのコンプリートプランと契約していればPhotoshopも使用できるので、利用可能な方はぜひPhotoshopもあわせて活用してみてください。
また、Photoshopは扱いが難しく、習得に時間のかかるソフトですが、Photoshop基礎セミナー講習を受講することで、効率的にPhotoshopのスキルを身につけられます。
Photoshopを使いたいと考えている方は、ぜひPhotoshop基礎セミナー講習もチェックしてみてください。
ツール③Promeo
引用:Promeo
Promeoは、豊富なテンプレートを使用できるオールインワンの画像編集ソフトです。
年賀状のテンプレートも多く収録されており、簡単におしゃれな年賀状を作れるのが魅力です。
また、スマートフォン用のアプリもリリースされているため、パソコンを持っていない方でも手軽に利用できます。さらに、操作画面もシンプルなので、デザインソフトに触れたことない方でも使いやすいでしょう。
イラレの使い方を学べるおすすめのセミナー
イラレを使いこなせれば、自分のイメージを忠実に形にできます。しかし、イラレの機能は豊富で、習得のハードルは高めです。
そこでおすすめなのが、Illustrator基礎セミナーです。Illustrator基礎セミナーでは、イラレの基礎から応用までを幅広く学べるセミナーで、初心者でもわずか2日間でプロのようなスキルを身につけられます。
また、セミナーはオンラインからも参加できるので、遠方に住んでいる方や仕事で忙しい方でも安心です。
イラレのスキルを高めてクオリティの高い年賀状を作りたいと考えている方は、ぜひIllustrator基礎セミナーをチェックしてみてください。
イラレで年賀状を作る方法のまとめ
今回は、イラレで年賀状を作る方法について紹介しました。イラレでは、細部までこだわったクオリティの高い年賀状を作成できます。
年賀状の作成時には、アートボードサイズを郵便ハガキ規格の「幅100mm × 高さ148mm」に設定し、カラーモードをCMYK、解像度を300ppiにすることが重要です。
また、レイヤーを分けて管理しやすくしたり、余白や統一感を意識したりすることで、デザインの完成度が向上します。
イラレを使えば、オリジナリティあふれる個人用の年賀状を自由に作成できます。今年はイラレを活用して、特別な年賀状をデザインしてみてはいかがでしょうか。
