エクセルを使えば、日付が自動で更新される便利なカレンダーの作成が可能です。手作業で日付を入力する手間を省けるため、一度作ってしまえば使いまわしができます。
本記事で、エクセルで日付が自動で出力されるカレンダーの作り方について見ていきましょう。
エクセルで自動カレンダーを作るメリット
エクセルで自動カレンダーを作成するメリットは以下のように複数あります。
- 効率的にカレンダーを使用できる
- 新たにカレンダーを作成する必要がない
- 予定を書き込む欄を作れるなど柔軟にデザインできる
それぞれについて見ていきましょう。
メリット①効率的にカレンダーを使用できる
エクセルで自動カレンダーを作成すると、毎月日付を手動入力する手間を省けます。
自動的に日付が更新されるため、手間なく最新のカレンダーを使用できます。
また、祝日や特定のイベントも自動で表示できるように設定すれば、計画立てやスケジュール管理がより効率的になるでしょう。
メリット②新たにカレンダーを作成する必要がない
一度エクセルで自動カレンダーを作成すれば、毎年新たにカレンダーを作成する必要がなくなります。
テンプレートとしてファイルを保存しておくことで、年が変わっても簡単に更新が可能です。
これにより、毎年同じ作業を繰り返す必要がなくなり、時間と労力の節約につながります。
メリット③予定を書き込む欄を作れるなど柔軟にデザインできる
エクセルの自動カレンダーは、予定を書き込む欄を自由に設計可能なため、会議の予定やプロジェクトの締切日などの予定を入力することもできます。また、セルのサイズや色をカスタマイズすることで、見やすく機能的なカレンダーにもアレンジ可能です。
これにより、業務効率が向上し、チーム全体のスケジュール管理がしやすくなるでしょう。
エクセルで日付が自動出力されるカレンダーの作り方
その月の日付を自動で出力してくれるカレンダーの作り方です。一列に日付を出力する形式で作っていくので、シフト表などに使えるでしょう。
1.年と月を自動表示させる
今回は、A1に年をA2に月を表示させ、なおかつドロップダウンリストから選択できるようにします。まずは、A1のセルを選んだ状態で、データタブから「データの入力規則」を選択しましょう。
設定タブから入力値の種類を「リスト」に変更し、元の値に「2024,2025,2026,2027,2028,2029,2030」と必要な分だけの年を入力してください。OKボタンで確定したら、年のドロップダウンリストは完成です。
月も同じ要領でドロップダウンリストを設定します。
元の値の部分のみを「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12」にしてOKボタンで確定してください。その後、B列に「年」と「月」を入力しておきましょう。
2.日付を自動出力する
まずは、A5に1日の日付を出力させます。A6を選択した状態で数式バーにある「fx」のボタンをクリックしましょう。
関数名から「DATE」を選んでOKボタンを押します。
すると、関数の引数というダイアログボックスが開くので、年の項目にA1を、月の項目にA2、日の項目に1と手入力しましょう。
OKボタンで編集を確定すると、A5に2024/1/1と出力されました。
3.ほかのセルにも日付を反映させる
一つ日付を出力できるセルができたら、2日目以降も日付を反映させていきます。A6に「=A5+1」と入力しましょう。
すると、前のセルから1日追加された日付が出力されます。
ここまでできたら、A6のセルの右下にカーソルを合わせて、カーソルがプラスのアイコンに変わったタイミングでA35までドラッグしましょう。
これで、すべての日付の列に1/1〜1/31までの日付が出力されました。
4.日付の書式を変更する
現状ではセルに年、月、日がすべて出力されており、カレンダーとしては見づらいため、日付と曜日のみを表示させる設定に変更します。
日付を出力したセルをすべてドラッグで選択したら、ホームタブの数値の右下にある矢印のアイコンをクリックして「セルの書式設定」のダイアログボックスを表示させましょう。
表示形式のタブから分類を「ユーザー定義」に変更します。続いて、右側の種類の項目を「d(aaa)」に変更しましょう。
「d」の箇所にはdayを意味する日付が、「aaa」の箇所には曜日が表示されます。そのため、OKボタンで編集を閉じると、2024/1/1と表示されていたA6の表示が「1(日)」に変わります。
最後にカレンダーに罫線や背景色をつけて見た目を整えたら完成です。
また、カレンダーはテンプレートを使用することで、複雑な関数を使わなくても簡単に作成可能です。以下の記事で、テンプレートを利用する方法について解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
エクセルで折り返しのある自動カレンダーの作り方
先ほどの見出しで作成したのは、日付が一つの行に収まったカレンダーです。続いては、1週間で日付が折り返す、ポピュラーなカレンダーの作り方について見ていきましょう。
1.カレンダーの見た目を作る
まずは、カレンダーの見た目から作っていきましょう。
上記の画像を参考に、A2〜G2に日〜土までを入力し、背景色で色分けをしましょう。
曜日の行ができたら、その下6行をドラッグで囲み、ホームタブのフォントグループから格子状の罫線を選択して枠をつけたら見た目の完成です。
2.年と月を自動表示させる
続いて、A1に年を、C1に月を自動表示できるようにしていきます。
年と月はプルダウンリストから選べるようにしたいので、セルを選択した状態でデータタブの「データの入力規則」から設定しましょう。
設定タブから入力値の種類を「リスト」に変更し、年のセルには元の値に必要な分の年を、月のセルには1〜12までの月を入力したらOKボタンで確定してください。
プルダウンの右側には、それぞれ「年」と「月」を入力してきましょう。
3.日付を自動出力する
カレンダーのマス目に対応した日付を出すために、カレンダーの枠外に日付を取得します。今回はI1に日付を出力していきます。
I1を選択した状態で、数式バーの左にあるfxボタンをクリックして、DATE関数を挿入しましょう。
OKボタンを押すと、引数を設定できるダイアログボックスが開くので、年の項目にカーソルを合わせたらA1をクリックし、F4キーで絶対参照にしてください。
続いて、月の項目にカーソルを合わせてC1をクリックして、F4キーで絶対参照にします。最後は日の項目に1と手入力しましょう。
これでOKボタンを押すと、I1に2024/1/1と出力されます。
4.曜日を自動出力する
続いて、I2に先ほど出力した日付に対応する曜日を自動出力させていきます。I2を選択した状態で数式バー左のfxをクリックします。
WEEKDAY関数を選択して、OKボタンを押しましょう。
引数のダイアログボックスで、シリアル値の項目に先ほどI1に出力した日付のセルをクリックして絶対参照にします。
OKボタンで編集を確定すると、I2に「2」と出力されます。これはWEEKDAY関数が曜日に対応している数字を出力しているためです。
WEEKDAY関数で返される数字と曜日の関係は以下のとおりです。
- 1:日曜日
- 2:月曜日
- 3:火曜日
- 4:水曜日
- 5:木曜日
- 6:金曜日
- 7:土曜日
WEEKDAY関数で2が出力されたことから、2024/1/1は月曜日だということがわかるので、カレンダーの月曜日のセルにI1のセルをコピーして貼り付けましょう。
また、エクセルで曜日を出力する方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。ぜひ、あわせてご覧ください。
5.前月の日付を自動出力する
関数によって1/1が月曜日だとわかりました。
しかし、カレンダーの一番左上にも数式を入れたいので、先ほど出力した日付と曜日の数値を利用して、左上のセルに入る日付を計算します。
A3を選択した状態で「=」と入力し、日付を求めたI1のセルをクリックします。
F4キーで絶対参照にしたら、「-(」と入力し、曜日を求めたI2をクリックしてください。
これもF4キーで絶対参照にしたら、続けて「-1)」と入力します。
これで、前月の日付の出力が可能になり、A3には2023/12/31と出力されました。
6.日付の書式を変更する
現状では日付が年月まで入ってしまってみづらいので、日付の書式を変更します。
日付のセルをすべて選択したら、ホームタブの数値グループ右下にある矢印のアイコンをクリックして「セルの書式設定」のダイアログボックスを表示させましょう。
表示形式のタブから分類を「ユーザー定義」に変更し、種類を「d」に変更してダイアログを閉じましょう。
7.ほかの日付を反映させる
A3に最初の日付を出力できたら、ほかのセルにも日付を反映させていきます。B3に出力した日付を削除し、そのセルに「=A3+1」と入力しましょう。
B3に日付が出力されたら、セルの右下をドラッグしてG3まで伸ばします。すると、オートフィル機能によって数式のコピーができます。
2行目のA4に関しては「=G3+1」と入力することで、G3の次の日付けが出力可能です。
続いて、B4に「=A4+1」と入力します。さらに、オートフィルでG4まで伸ばしましょう。ここまでできたら、A4からG4を選択してG8までオートフィルすることで、カレンダーをすべて埋められます。
C1にある月を変更しても、カレンダーがその月に対応して変化していれば完成です。
エクセルカレンダーで月と季節を自動対応させる方法
先ほど作成したカレンダーのC1に選択された月に対応した季節の文字を出力します。文字の出力には以下のDATE関数を使用します。
=DATE(A1,C1,1)
エクセルカレンダーで月と季節を自動対応させる方法について見ていきましょう。
1.日付を表示させる
DATE関数の年の引数にA1、月の引数にC1、日の引数に1を指定しましょう。この指定を行うことで、A1とC1で選択された日付が表示されるようになります。今回はG1に文字を出力させたいので、G1に「=DATE(A1,C1,1)」を入力しました。
続いて、ホームタブの配置グループの右下にある矢印のアイコンからセルの書式設定を開きましょう。
表示形式タブからユーザー定義を選択し、種類を「mmmm」に変更してOKボタンで閉じてください。
すると、A1のセルに出力されている日付に対応した季節の英語が表示されようになります。
2.季節の文字の見た目を整える
現状では文字が小さく目立っていないので、フォントやフォントサイズを変更して目立つように編集すれば完成です。
お好みで画像を挿入するとさらに見栄えのよいカレンダーになるでしょう。
エクセルの自動カレンダー作りでよく使われる関数
エクセルで自動カレンダーを作る際は、以下のような関数をよく使用します。
関数名 | 説明 | カレンダーでの用途 |
DATE関数 | 日付のシリアル値を求められる関数。 | 日付の取得に使われる。 |
WEEKDAY関数 | 日付に対応した曜日を数字で表示できる関数。 | 曜日の取得に使われる。 |
COUNTIF関数 | 指定した範囲の中から、条件に当てはまるセルの数をカウントする関数。 | 祝日の取得に使われる。 |
作りたいカレンダーの機能に合わせて、さまざまな関数を使い分けてみてください。
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エクセルで自動カレンダーを作る方法のまとめ
今回は、エクセルで自動カレンダーを作る方法について紹介しました。
自動カレンダーは、簡単な関数の知識があれば誰でも手軽に作成ができます。
また、カレンダーを自作することは、自分好みの機能を追加したり、デザインにしたりできる点においても魅力です。
ぜひ、今回の手順を参考にして、自分だけの使いやすいカレンダーを作成してみてください。
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