エクセルでは、さまざまな集計機能を活用することで、膨大なデータの整理や分析を効率的に行えます。
本記事では、エクセルでの基本的な集計方法について解説しています。それぞれの集計機能の特徴について解説しているので、用途に合った使いやすい方法を見つけてみてください。
エクセルの集計とは
エクセルの集計とは、さまざまなデータを整理・分析するために、データを合計したり、平均を求めたりする処理を指します。
複数のデータを比較したり、特定の条件に基づいて分類したりできます。
その結果、エクセルの集計機能を使うことで作業効率が高まるので、日常的な業務で使えるようになっておきたい機能の一つといえるでしょう。
エクセルの関数を使った集計方法
エクセルには、集計を効率化するための関数が以下のように多数用意されています。
- SUM関数
- SUMIF関数
- AVERAGE関数
- COUNTIF関数
これらの、データ集計ができる代表的な関数の使い方についてそれぞれ見ていきましょう。
関数①SUM関数
SUM関数は、指定した範囲内の数値を合計する関数です。
引数 | 説明 |
数値1 | 合計をする最初の値。数値やセル参照、セル範囲を指定できる。 |
数値2 | 合計する2番目の値。255まで設定でき、省略も可能。 |
上記の画像でいえば、C9に「=SUM(C3:C8)」、D9に「=SUM(D3:D8)」と入力して、売上個数と売上金額の合計を集計しています。
セル番地を「:」でつなぐことで、範囲指定が可能です。
関数②SUMIF関数
SUMIF関数は、指定した条件に一致するデータだけを合計する関数です。
引数 | 説明 |
範囲 | 条件に指定されたセルを判定する範囲。 |
検索条件 | 検索する条件の指定。 |
合計範囲 | 合計する数値の範囲を指定。 |
例えば、商品Bの売上個数を合計する場合、「=SUMIF(B3:B8, “商品B”, C3:C8)」と入力します。B3:B8は商品名の範囲で、「商品B」が条件です。C3:C8は売上個数の範囲です。
商品Bの商品をB列から探し、それに対応する売上個数の合計をC列から求めています。
また、SUMIF関数の応用的な使い方について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
SUMIF関数についてより詳しく解説しているので、深く理解したい方はこちらもあわせてご覧ください。
関数③AVERAGE関数
AVERAGE関数は、指定した範囲の平均値を求めるための関数です。
引数 | 説明 |
数値1 | 平均を求める一つ目の数値を指定。 数値やセル参照、セル範囲を指定できる。 |
数値2 | 平均を求める追加の数値を指定。省略可能。 |
売上個数の平均を求める場合、「=AVERAGE(C3:C8)」と入力、売上金額の平均を求める場合は「=AVERAGE(D3:D8)」と入力することで集計できます。
関数④COUNTIF関数
COUNTIF関数は、条件に一致するセルの数を数える関数です。
引数 | 説明 |
範囲 | 数えるセルの範囲を指定。 |
検索条件 | 個数の計算対象となるセルを指定。 |
例えば、商品Aの売上が発生した回数をカウントする場合、「=COUNTIF(B3:B8, “商品A”)」と入力しましょう。
B3:B8は、商品名の範囲で、「商品A」が条件となります。
また、COUNTIF関数の応用的な使い方について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。さまざまな状況でのCOUNTIF関数の使い方や、エラーが出る際の原因などについて解説しています。
エクセルの集計を自動化する方法
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エクセルの小計を使った集計方法
エクセルの小計は、項目をグループに分けて合計や平均を算出できる集計機能です。小計と総計を自動的に出力できます。
そんな、小計の使い方や解除の方法などについて見ていきましょう。
小計の使い方
エクセルの小計は以下の手順で使用します。
- 集計を出したい項目を並び替える
- 小計を設定する
詳しい使い方について見ていきましょう。
1.集計を出したい項目を並び替える
まずは、基となる表を用意しましょう。表が作成できたら、集計を出したい項目の列を選択します。
ホームタブの「編集」グループから「並び替えとフィルター」を選択し、「昇順」もしくは「降順」で並び替えをしてください。
これにより、項目が不規則に並んでいた場合でも集計を出せるようになります。
2.小計を設定する
データタブの「アウトライン」グループにある「小計」を選択しましょう。
ダイアログボックスが開くので、「グループの基準」を並び替えたい項目に設定してください。
今回は合計を集計したいので、「集計の方法」から「合計」を選択します。なお、集計は合計だけでなく、個数や平均なども算出できるので、用途に合わせて選択しましょう。
最後に、「集計するフィールド」に集計したい項目を設定したら、OKボタンで編集を確定します。
小計の表示・非表示
集計ができたら、左側にアウトラインが作成され、自由に表示と非表示が切り替えられます。
アウトラインのプラスとマイナスのアイコンをクリックして切り替えることで、見たいデータに絞って表示ができます。
小計の解除
小計を解除したい場合は、「集計の設定」ダイアログボックスを再度表示させて、左下にある「すべて削除」を選択しましょう。
このとき、一部の小計ではなく、すべての小計が削除される点には注意が必要です。
エクセルのピボットテーブルを使った集計方法
エクセルのピボットテーブルは、項目別に集計したり、集計の項目を入れ替えたりできる便利な機能です。
そんなピボットテーブルを使った集計の方法について見ていきましょう。
ピボットテーブルの使い方
ピボットテーブルは以下の手順で使用します。
- ピボットテーブルを作成する
- 集計をする
詳しい使い方について見ていきましょう。
1.ピボットテーブルを作成する
まずは、基となる表を作成します。表ができたら、表の一部分を選択した状態で、挿入タブの「テーブル」グループから「ピボットテーブル」を選択しましょう。
ダイアログボックスが表示されたら、「テーブル/範囲」に集計したい表の範囲が選択されていることと、ピボットテーブルが配置される場所が「新規ワークシート」になっていることを確認して、問題なければOKボタンで確定します。
すると、新規のワークシートにピボットテーブルが作成されます。
2.集計をする
ピボットテーブルが作成できたら、ワークシートを開くと右側に「ピボットテーブルのフィールド」が表示されます。
フィールドセクションに表示されている項目を、エリアセクションにドラッグすることで、その操作に対応した集計表が完成します。
例えば、売上表から商品名と日付を「行ラベル」に挿入し、金額を「値」に挿入すると、以下のような集計表の作成が可能です。
挿入するエリアによって表の見た目は変わるので、用途に合わせて見やすい集計表を作成しましょう。
ピボットテーブルの削除方法
必要無くなったピボットテーブルの削除は、テーブルの一部分を選択した状態でCtrl+Aを押して全選択してから、Deleteキーを押すことで行えます。
また、シート自体が必要ない場合は、シート見出しを右クリックして表示されるメニューから「削除」を選択しましょう。
エクセルの統合を使った集計方法
エクセルの統合機能を使えば、別シートや別ブックに作成されたデータも一つのデータに統合して集計できます。
エクセルの統合機能について見ていきましょう。
統合の使い方
統合は以下の手順で使用します。
- 表を複数シートに用意する
- データを統合する
詳しい使い方について見ていきましょう。
1.表を複数シートに用意する
今回は、複数シートにまたがる表を一つに統合して集計してみましょう。
それぞれのシートに用意された表は、セルの位置や項目の数が異なっていても問題なく統合できます。
2.データを統合する
新しいシートに統合したデータを表示させたいので、シート見出し右にあるプラスのアイコンからシートを追加しましょう。
シートを追加したら、統合した表を表示させたいセルを選択し、データタブの「データツール」グループから「統合」のアイコンをクリックします。
ダイアログボックスが開いたら、「統合の基準」の「上端行」と「左端列」の項目にチェックを入れます。
続いて、「集計の方法」を「合計」にし、「統合元範囲」をクリックしましょう。
すでに作成済みの表がある別シートに移って、表全体をドラッグで選択し、ダイアログボックス右側の「追加」ボタンをクリックします。
この操作を、用意している表の分だけ行いましょう。最後に「OK」ボタンで編集を確定したら、新しいシートにデータが統合された集計表が作成されます。
元データの変更を反映させる方法
元データが編集され、変更が生じた場合、統合先の集計表には反映されません。
しかし、「統合の設定」ダイアログボックスから、「統合元データとリンクする」の項目にチェックを入れておけば、元データの変更も反映されるようになります。
元データの変更が考えられる場合は、あらかじめ設定しておきましょう。
エクセルの集計機能について詳しく学ぶなら
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エクセルの集計についてのまとめ
今回は、エクセルで集計を出す方法について紹介しました。エクセルには、関数や小計、ピボットテーブルなど、多彩な集計方法が用意されています。
特に小計機能は、データをカテゴリーごとにまとめて表示できるため、効率的なデータ分析に役立つでしょう。
また、統合機能やピボットテーブルを活用することで、複雑な集計も簡単に行えます。
エクセルにあるこれらの集計機能の使い方を習得して、データ管理の効率化を図りましょう。
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