入力したデータをほかのセルにも反映させたいときに便利な機能がオートフィルです。
オートフィルを使えば、規則的にデータを反映させられます。
しかし、オプションの設定が適切でないと、意図した形で入力されないケースもあります。本記事で、オートフィルの基本的な使い方や、オートフィルでできることについて見ていきましょう。
エクセルのオートフィルとは
エクセルのオートフィルは、隣り合っているセルに連続したデータを入力したり、コピーしたりたりできる機能です。
日付や連番の入力は量が多くなればなるほど、作業に労力がかかります。
そんなときにオートフィルを使うと、設定した値の分までや、表の終わりまでのデータを一括で入力できます。
また、入力されている数値によってソフトが連番の規則性を自動で判断して実行してくれる機能もあるため、流動的に数値の入力ができるのも魅力です。
エクセルのオートフィルの使い方
実際に、エクセルのオートフィル機能を使って、隣接セルにデータを入力していきましょう。オートフィルの使い方の手順は以下のとおりです。
1.セルに連続データの開始値を入力する
まずは、開始となる値をセルに入力します。今回は、B2に「1」と入力しました。
2.オートフィルの設定を行う
続いて、ホームタブの「編集」グループにある「フィル」から「連続データの作成」をクリックし、オートフィルの設定を行えるダイアログボックスを立ち上げます。
ダイアログボックスでは、以下の表のような設定を行えます。
設定 | 内容 |
範囲 | オートフィルを反映させる範囲の選択。行と列から選ぶ。 |
種類 | データの反映方式の設定。加算、乗算、日付、オートフィルから選ぶ。 |
増加単位 | 数値の後につける単位の設定。日、週日、月、年から選ぶ。 |
データ予測 | チェックを入れると次に入力するデータを予測して連続データが作成される。 |
増分値 | データが増加する値の範囲設定。 |
停止値 | 増分値が停止する値の設定。増分値を「1」で停止値を「100」にすると1~100までの数値を連続で入力できる。 |
今回は範囲を「列」、種類を「加算」、増分値を「1」、停止値を「10」に設定しました。
これにより、列方向に数値が10になるまで1ずつ足し算する指定をしたことになります。
OKボタンで設定を確定したら、B2〜B11までに1〜10の連番が反映されます。
エクセルのオートフィルをマウス操作で行う方法
オートフィルは、マウス操作で行うのが一般的です。
開始値を入力したセルの右下にカーソルを合わせると、カーソルがプラスのアイコンに変化するので、その状態で停止値を入れたい箇所までドラッグしましょう。
こうすることによって、わざわざ設定画面を立ち上げる必要がなくなるため、効率的に作業ができます。
また、連続データではなくコピーモードに変えたいときなどに使えるオートフィルのオプションは、オートフィル適用後にセルの右下に現れるアイコンから設定可能です。
意図しない形で反映されてしまったときは、オプション設定を見直してみましょう。
エクセルのオートフィルでできること
エクセルのオートフィルでは、主に以下のような操作を行えます。
- 連続データの入力
- データのコピー
- 関数のコピー
- 書式のコピー
これらのオートフィルでできることについて詳しく見ていきましょう。
できること①連続データの入力
オートフィルは、連続データの入力に非常に便利な機能です。数字の連番や日付の連続入力であれば、簡単な操作で反映できます。
セルに「1」と入力し、そのセルの右下にカーソルを合わせてドラッグすると、自動的に「2、3、4…」と連続した数字が入力されます。
日付の場合も同様で、「2024/01/01」と入力し、オートフィルハンドルをドラッグすれば、「2024/01/02、2024/01/03、2024/01/04…」と連続した日付の入力が可能です。
この機能を使うことで、手作業でのデータ入力の手間を大幅に削減できます。連続データの入力が必要な場合は積極的に活用しましょう。
できること②データのコピー
オートフィルは数字を連番で出すだけでなく、データをコピーして貼り付けもできます。
そのため、同じ値を複数のセルに素早く入力するのに便利です。
例えば、あるセルに「A」と入力し、そのセルのオートフィルハンドルをドラッグすると、ドラッグした範囲内のすべてのセルに「A」がコピーされます。
表で同じ項目を入力する際などに重宝する機能です。
できること③関数のコピー
オートフィルでは、数値などのデータ以外にも挿入した関数のコピーも行えます。
例えば、請求書で各行に単価と個数を掛け算するための関数を挿入したいとします。
その場合、一行目にだけ関数を作っておくと、後はオートフィルを使えばすべての行に関数を反映可能です。
このように、表などで関数を使い回したい場合に関数のコピーはよく使用されます。
また、エクセルをマスターするにあたって関数の理解は必須です。しかし、関数の考え方が難しくとっつきにくい印象を持っている方も多いでしょう。
以下の記事では、エクセルで使用頻度の高い基本的な関数である「SUM関数」や「AVERAGE関数」などの使い方や使用例について解説しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
できること④書式のコピー
オートフィルは入力されたデータだけでなく、塗りつぶしや罫線などの書式もコピーできます。
そのため、オートフィルでコピーすることで、表に設定している書式を再度付け直す必要がありません。
しかし、場合によっては書式はコピーしてほしくないケースもあるでしょう。
特に、表内で交互に塗りつぶしの設定をしている場合、基準となるセルの書式がすべてのセルに反映されてしまうため、表のデザインが崩れる原因となります。
そのようなケースでは、オートフィルオプションの「書式なしコピー」を使用しましょう。
オートフィルで崩れてしまったデザインは、オートフィル後にセルの右下に表示されるアイコンから「書式なしコピー」のラジオボタンをアクティブにすれば元に戻せます。
用途に合わせて最適な方法でコピーを行いましょう。
エクセルのオートフィルで同じ数値が入力される原因
1.2.3.4.5と連続したデータを入力したい場合に、連続データではなく1のコピーになってしまうケースがあります。
これは、モードがコピーモードになってしまっていることが原因です。
コピーモードの解除は、オートフィルを行った後にセルの右下に表示されるアイコンクリックし、「セルのコピーが」アクティブになっているラジオボタンを「連続データ」に変更することで行えます。
エクセルのオートフィルで差分を変える方法
オートフィルでは1.2.3.4.5のように、つながった数字以外にも、1.3.5.7のように奇数の入力も可能です。
方法は簡単で、隣り合ったセルに「1」と「3」を入力してからオートフィルムハンドルをドラッグすることで、ソフトが自動的に奇数の入力を行ってくれます。
また、ホームタブの「編集」にある「フィル」から「連続データの作成」をクリックすることで立ち上がるダイアログボックスの増分値に、オートフィルで増やしたい数値を入力することでも実現できます。
エクセルで曜日のオートフィルができないときは
オートフィルは、曜日の挿入も行えます。そのため、開始値に1/1(月)と入力すれば、1/2(火)、1/3(水)といった具合に連続で日付と曜日を出力できます。
しかし、このときよくあるのが、日付だけが連続データになり、曜日は月曜日が火曜日、水曜日とならずに永遠とコピーされてしまう現象です。
このように、曜日がコピーになってしまう場合は、表示形式コード活用する必要があります。日付と曜日を同時にオートフィルで反映させる手順について見ていきましょう。
1.セルに開始値を入力する
まずは、セルに「○○○○/○/○」の形式で日付を入力します。今回は、B2のセルに「2024/1/1」と入力しました。
2.書式設定を変える
日付が入力できたら、ホームタブの数値グループ右下にあるアイコンをクリックして、「セルの書式設定」を開きます。
表示形式タブの「分類」からユーザー定義を選択し、種類の欄から「m”月”d”日”」を選択してください。「m”月”d”日”」では、mに月、dは日を取得してきて月と日の前に代入してくれます。
続いて、日付の後ろに曜日を反映させたいので、「m”月”d”日”」の後ろに「(aaa)」と入力しましょう。
aaaは曜日を一文字で表示する形式です。こうすることによって、1/1(月)の形式でセルに出力できます。
3.オートフィルを行う
表示形式を変更できたら、通常通りオートフィルを適用させましょう。すると、最初とは違い、日付だけでなく曜日も連続で出力できるようになります。
また、エクセルでは関数を使って曜日の出力も行えます。
さらに、今回使用した表示形式についてもより詳しく解説しているので、なぜ表示形式を変えることで曜日が出力できたのかわからないという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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エクセルのオートフィルについてのまとめ
今回は、エクセルの便利な機能であるオートフィルの使い方について紹介しました。
オートフィルは連番の入力やデータのコピーができる機能で、使いこなすことで日々の作業効率が格段に向上します。
しかし、連続データを入力できなかったり、意図しない形でデータが挿入されてしまったりするケースもあります。
業務中に混乱しないためにも、使い方をしっかりマスターしておきましょう。
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