エクセルの読み取り専用機能は、ファイルをほかのユーザーが誤って編集しないようにするための保護機能です。
しかし、場合によってはその設定を解除して、編集できるように戻したい場合もあります。
本記事で、エクセルの読み取り専用を解除するいくつかの方法について見ていきましょう。
エクセルの読み取り専用とは
エクセルの読み取り専用は、ファイルの編集や削除を任意でできないように設定する機能です。
ファイル内のデータをコピーしようとして、間違って貼り付けのショートカットキーでデータを上書きしてしまった経験のある方もいるでしょう。
この機能を有効にすると、ほかのユーザーが操作ミスで重要なデータを上書きしてしまったり、誤ってファイルを削除してしまったりすることを未然に防止できます。
ただし、内容の閲覧自体は可能なので、情報を確認するだけの場合には問題なく使用できます。
エクセルの読み取り専用はどういうときに使う?
読み取り専用は、主にファイルを他者と共有しているときに便利な機能です。
例えば、複数の人が同じファイルを扱っている場合、誰かがそのファイルを開くと、ほかの人が更新できなくなる問題が発生します。
そこで読み取り専用に設定しておくことで、ほかのユーザーがファイルを開いていても、内容の変更ができるようになるため、ファイルを安心して共有できるようになります。
書き込みを制限する場合だけでなく、ファイル共有をする場合も、この機能を積極的に使うことで利便性が高まるでしょう。
エクセルで読み取り専用に設定する方法
エクセルで読み取り専用に設定する方法は、以下のとおりです。
- ファイルタブから「名前を付けて保存」を選択する
- 参照から保存するフォルダを開く
- ダイアログボックス下部にある「ツール」から「全般オプション」を開く
- 「読み取り専用を推奨する」にチェックを入れる
- 「保存」ボタンをクリックして保存する
上記の手順を行うことで、次からエクセルのファイルを開く際に、読み取り専用で開くかを問うポップアップウィンドウが立ち上がるようになります。
エクセルの読み取り専用を解除する方法
エクセルの読み取り専用を解除する方法は、主に以下の4つがあります。
- 読み取り専用で開かない
- プロパティから解除する
- 保存から解除する
- 情報から解除する
これらのエクセルの読み取り専用を解除する方法について見ていきましょう。
読み取り専用の解除方法①読み取り専用で開かない
読み取り専用に設定されたエクセルファイルを開こうとすると、「作成者は、’ファイル名’を変更する必要がなければ、読み取り専用で開くように指定しています。読み取り専用で開きますか?」というポップアップウィンドウが立ち上がります。
このとき、「はい」を選択すると対象ファイルが読み取り専用になりますが、「いいえ」を選択すると設定された読み取り専用は解除され、一時的に編集ができるようになります。
また、間違って「はい」でファイルを開いてしまったとしても、ファイルを開きなおすと再度ポップアップウィンドウが開くので、その際に「いいえ」を選択することで、読み取り専用は解除可能です。
読み取り専用の解除方法②プロパティから解除する
読み取り専用を解除するポップアップが出ずにファイルが開かれてしまう場合は、ファイルのプロパティの設定を見直しましょう。
まず、対象のエクセルファイルがあるフォルダを開き、ファイルを右クリックから「プロパティ」を選択してください。
すると、プロパティパネルが開くので、全般タブの「属性」にある「読み取り専用」のチェックを外しましょう。
チェックを外すことで、ファイルを開く際に読み取り専用を解除するかのポップアップウィンドウが立ち上がるようになります。
読み取り専用の解除方法③保存から解除する
読み取り専用を設定するときと逆の手順で解除する方法です。ファイルタブから「名前を付けて保存」を選択し、参照から保存するフォルダを開きましょう。
続いて、ダイアログボックス下部にある「ツール」から「全般オプション」を開きます。
「読み取り専用を推奨する」に入っているチェックを外して保存することで、読み取り専用が解除されます。
読み取り専用の解除方法④情報から解除する
情報から読み取り専用の設定を解除する方法です。
まず、ファイルタブから「情報」をクリックしましょう。続いて、「ブックの保護」のアイコンにある下向き三角形をクリックで開きます。
「常に読み取り専用で開く」の項目をクリックすることで、読み取り専用の設定を解除できます。
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エクセルを編集できなくする方法
読み取り専用以外にも、エクセルの編集を制限できる機能として、以下のようなものがあります。
- ワークシートの保護
- パスワードの設定
これらについても確認していきましょう。
エクセルで編集を制限する方法①ワークシートの保護
ワークシートの保護を使えば、エクセルでの編集に制限をかけられます。ワークシートの保護は、以下の手順で行えます。
- 校閲タブから「シートの保護」を選択する
- 必要に応じてパスワードを設定し、「OK」ボタンをクリックする
これにより保護されたシートはロックされ、他者がシートに触れないようにできます。
また、保護したワークシートを元に戻したい場合は、再度校閲タブから「シート保護の解除」を選択することで行えます。
エクセルで編集を制限する方法②パスワードの設定
ファイルを開く際にパスワードを要求する方法は以下のとおりです。
- ファイルタブの「情報」から、「ブックの保護」のアイコンをクリックする
- 表示されるメニューから「パスワードを使用して暗号化」を選択する
- 「ドキュメントの暗号化」のダイアログボックスが開いたら、任意のパスワードを入力し、「OK」ボタンで確定する
- 「パスワードの再入力」で先ほど入力したパスワードと同じパスワードを入力し、「OK」ボタンで設定を確定する
これにより、パスワードを共有している人同士でなければ、ファイルを開くことはできなくなります。
また、パスワードは一度忘れてしまうと再発行ができません。そのため、設定したパスワードは忘れないようにしっかり管理しておくことが大切です。
それでも、万が一設定したパスワードを忘れてしまった場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。
こちらの記事では、エクセルにパスワードを設定するいくつかの方法と、パスワードを忘れてしまったエクセルファイルを開く方法について解説しています。
エクセルでよくあるトラブル
エクセルを使っていると、以下のようなトラブルが起こる場合があります。
- 計算ができない
- 参照するセルがズレる
- セルいっぱいに#が表示される
これらのトラブルの解決策について見ていきましょう。
トラブル①計算ができない
エクセルで計算が正しく行われない場合、セル内に数値ではなく文字列が入力されていることや、数式が間違っていることが可能性として挙げられます。
セルの表示形式はホームタブの「数値」グループから変更できますが、そこの設定が「文字列」になっているとソフトが数値を文字として認識するため、計算ができません。
このケースでは、表示形式のドロップダウンメニューから、「標準」や「数値」に変更することで問題は解決できます。
また、数式の入力ミスも計算が反映されない原因の一つです。数式は「=A1+A2」という形式で記述されますが、このとき「=」が抜けていたり、式の前ではなく最後に「=」がついていたりすると文字列として出力されます。
ほかにも、掛け算を「*」ではなく「×」で行っているなど、記号の間違いも考えられます。計算ができない場合は、セルの表示形式や数式の間違いに気をつけましょう。
トラブル②参照するセルがズレる
セル参照がズレてしまう原因として、セルの絶対参照と相対参照を誤って使用していることが挙げられます。
オートフィル機能を使って数式のコピーを行った際、絶対参照ではなく相対参照になっているとセルの参照位置がズレてしまいます。
これを防ぐためには、絶対参照を使用して計算に使いたいセル位置を固定しなければいけません。
絶対参照には、セルの行番号と列番号の前に「$」をつけるか、F4キーを押すことで変更できます。
また、絶対参照を使う方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。
エクセルで使える「絶対参照」「相対参照」「複合参照」の違いについても解説しているので、参照方式についてあまり理解できていないと感じる方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
トラブル③セルいっぱいに#が表示される
セルに入力した覚えのない#が埋め尽くされる場合は、セル幅がセルの内容を表示できるサイズではないことが原因として挙げられます。
このケースでは、セル幅を広げるか、文字を縮小して表示することで正しく表示されるようになります。
セル幅を広げる際は、列番号の右側の境界線をドラッグで広げましょう。また、右側の境界線をダブルクリックすると、内容に合わせて自動で幅を調節してくれます。
なお、文字を縮小してセル内に収める場合は、ホームタブの「配置」グループ右下にある矢印のアイコンから「セルの書式設定」を開き、配置タブの「縮小して全体を表示する」にチェックを入れましょう。
これらの対策を取ることで、#ではなく正しい内容がセルに表示されるようになります。
エクセルで読み取り専用を解除する方法のまとめ
今回は、エクセルで読み取り専用を解除する方法について紹介しました。エクセルの読み取り専用は、ファイルを保護しつつ、ほかのユーザーとも安全に共有できる便利な機能です。
しかし、状況に応じて解除する必要がある場合は、プロパティや保存のオプション、ポップアップでの操作などを使って解除しましょう。
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