エクセルのSUMIF関数は、特定の条件に一致するセルの値を合計する際に使われる関数です。これにより、データが大量にあったとしても、必要な部分だけを効率的に集計できます。
本記事で、SUMIF関数の基本的な使い方や、使い道について確認していきましょう。
エクセルのSUMIF関数とは
エクセルのSUMIF(サムイフ)関数は、特定の条件に基づいて数値の合計を計算して出力する関数です。
構文は「=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)」で、3つの引数を指定できます。
それぞれの引数の説明は以下の表のとおりです。
引数 | 説明 |
範囲 | 検索の対象としたいセルの範囲を指定する。この範囲内で条件に合致するセルが抽出される。 |
検索条件 | セルを検索する際の条件を指定する。「>100」や「りんご」といった比較演算子と数値や文字列を使って条件を指定できる。 |
合計範囲 | 合計を出したい数値が入力されているセル範囲を指定する。省略した時は、範囲自体が合計の対象となる。 |
SUMIF関数を使用することで、特定の条件に合致するデータだけを簡単に集計できるようになります。
エクセルのSUMIF関数はどういうときに使う?
SUMIF関数は、特定の条件を満たすデータを合計したいときに使われます。
例えば、売上データを管理する場合、SUMIF関数を使えば特定の商品や店舗、日付に基づいて売上の合計を求めることが可能です。
また、プロジェクトごとや部門ごとの経費を集計する際などにも使用されます。
条件に基づいてデータを素早く集計できるため、SUMIF関数を使うことで事務作業において効率的にデータ管理ができるようになります。
SUM関数との違い
SUMIF関数と似た関数としてSUM関数がありますが、両者の違いは引数に条件を指定できるかどうかにあります。
SUM関数は単に指定した範囲内の数値をすべて合計する関数です。
例えば、=SUM(A1:A10)とすれば、A1からA10までのすべての数値を合計した値を出力します。
一方、SUMIF関数は特定の条件を満たすデータのみを合計する関数です。
例えば、=SUMIF(A1:A10, “>100”, B1:B10)とすると、A1からA10までを範囲とし、100を超えるという条件に合致している範囲に対応するB1からB10までの値を合計します。
このように、SUMIF関数とSUM関数は数値を合計する点では同じですが、条件を指定したい場合と、そうでない場合で使い分けができます。
エクセルのSUMIF関数の使い方
エクセルのSUMIF関数の基本的な使い方について確認しましょう。今回は、取引先ごとの売り上げの合計をSUMIF関数を用いて算出します。
1.表を作成する
まずは、上記の画像のような表を作成します。
A列に日付、B列に取引先、C列に売り上げの列を作成しましょう。項目が作成できたら、見やすいように表の見た目を整えていきます。
表をすべて選択した状態で、ホームタブのフォントグループ内にある「罫線」をクリックしましょう。
すると罫線の種類が一覧で表示されるので、「格子」を選択して格子状の枠線を設定します。
見出しの部分はホームタブのフォントグループから太字や任意の背景色をつけて、さらに見やすくしておきましょう。
続いて、合計の結果を表示するための表をF列とG列に作ります。F列に取引先、G列に売り上げの合計を表示する列を作りましょう。
項目ができたら、左の表と同じように罫線や背景色を使って見た目を整えたら、表の完成です。
また、エクセルで表を作成する際は、テーブルに変換して使うことで利便性が向上します。以下の記事では、エクセルのテーブル機能を使うメリットや、テーブルを使う手順について解説しています。
テーブルを活用したことがないという方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
2.SUMIF関数で合計を集計する
続いて、実際にSUMIF関数を使って合計の売り上げ額を集計します。まずは株式会社AAAの合計を表示させたいので、G3のセルに関数を入力していきます。
SUMIF関数を使う手順は以下のとおりです。
- G3に「=SUMIF(」と入力する
- B3〜B9を検索範囲にしたいので、B3〜B9をドラッグで選択する
- F4キーを押して絶対参照にする
- 「,」を入力する
- 検索条件としてF3をクリックして選択する
- 「,」を入力する
- 合計範囲としてC3〜C9をドラッグで選択する
- F4キーを押して絶対参照にする
- Enterキーを押して確定する
すると、株式会社AAAの売り上げのみを合計してG3セルに出力できます。
最後にG3セルの右下にカーソルを合わせ、ポインターがプラスのアイコンに変わったらG5までドラッグして、ほかのセルにも関数を適用させましょう。
エクセルのSUMIF関数を応用した使い方
続いては、エクセルのSUMIF関数を応用した使い方について見ていきます。
「エクセルのSUMIF関数の使い方」で作った表を活用して、月ごとの売り上げの合計を算出してみましょう。
1.表を修正する
「エクセルのSUMIF関数の使い方」で作成した表のF列を月に置き換えました。
また、月の列には数字だけでなく「月」の文字列も出力したいので、Ctrl+1キーで「セルの書式設定」を開き、「ユーザー定義」から「種類」の値を「0月」に変更しています。
そして、D列には日付に対応する月の数字を入力する項目を新たに追加しています。
月の数字はMONTH関数を使用して出力します。D3に「=MONTH(」と入力し、A3の日付をクリックして選択しましょう。
Enterキーで確定し、オートフィル機能で下まで伸ばしたら、日付に対応する月を自動で取得できるようになります。
2.SUMIF関数で合計を集計する
続いて、G3のセルにSUMIF関数を設定して月ごとの合計金額を算出します。SUMIF関数を使う手順は以下のとおりです。
- G3に「=SUMIF(」と入力する
- D3〜D9を検索範囲にしたいので、D3〜D9をドラッグで選択する
- F4キーを押して絶対参照にする
- 「,」を入力する
- 検索条件としてF3をクリックして選択する
- 「,」を入力する
- 合計範囲としてC3〜C9をドラッグで選択する
- F4キーを押して絶対参照にする
- Enterキーを押して確定する
これで、月ごとの合計金額の算出もできるようになりました。オートフィル機能でF5までドラッグして同じ関数を適用させましょう。
また、月を数値として取得してきているD列が表示されていると見た目的によくないので、最後にD列を右クリックして表示されるメニューから「非表示」を選択して見えなくしておきましょう。
エクセルのSUMIF関数がうまく使えない原因
エクセルのSUMIF関数を使っても合計が合わなかったり、エラーが出てしまったりする場合があります。そのような場合は、以下のような原因が考えられます。
- 文字列を「””」で囲っていない
- 比較演算子が間違っている
- オートフィルで参照セルがズレてしまっている
これらの原因と対策について確認していきましょう。
原因① 文字列を「””」で囲っていない
SUMIF関数で文字列を条件として使用する場合は、その文字列をダブルクオーテーション「” “」で囲む必要があります。
例えば、「りんご」という文字列を条件に含める場合、関数の条件には “りんご” と記述しなければなりません。
もしダブルクオーテーションを忘れると、エクセルは条件の文字列を認識できないため、結果として正しい結果が得られません。
条件に文字列を含む際には、必ず文字列がダブルクオーテーションで囲まれていることを確認するようにしましょう。
原因②比較演算子が間違っている
SUMIF関数で条件を設定する際、比較演算子の記述が間違っていると期待した結果が得られません。
例えば、100より大きいを意味する「>100」を入力すべきところを、数値と記号を逆にして 「100>」と入力してしまうと、エラーになってしまいます。
対策は、比較演算子の使い方を再確認し、正しい形式で入力することです。
特に、比較演算子を挿入することでエラーが出る場合は、比較演算子の記述が間違っていないかチェックしましょう。
原因③オートフィルで参照セルがズレてしまっている
オートフィル機能を使用して設定したSUMIF関数をコピーする際、参照セルがズレてしまいうまく機能しないことがあります。
例えば、範囲や合計範囲のセル参照が相対参照のままだと、オートフィルにより予定していないセルを参照してしまいます。
対策として、SUMIF関数を設定する際には、適切に相対参照と絶対参照を使い分けることが大切です。
特に、範囲や合計範囲においては絶対参照を指定することで、オートフィル後も正確なセルを参照し続けられます。
また、オートフィルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
オートフィルでできることや、オートフィルで同じ数値がコピーされてしまう現象の対処法について解説しています。
オートフィルを使いこなせるようになると、作業効率が向上するので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
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SUMIF関数のように、エクセルでは関数使うことでデータの集計が楽に行えます。
しかし、関数の理解は難しく、独学ではなかなか身につきづらいでしょう。
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エクセルのSUMIF関数についてのまとめ
今回は、エクセルSUMIF関数の使い方について紹介しました。SUMIF関数は、特定の条件に一致するセルの値を合計するための関数です。
特定の商品の売上や、指定した期間内のデータを集計する際に役立ちます。
SUMIF関数を活用することで、大量のデータから必要な情報を迅速に抽出・集計できるため、業務効率が大幅に向上するでしょう。
ぜひ、SUMIF関数をマスターして、作業スピードの改善を目指してみてください。
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