エクセルのファイルを誤って紛失させてしまうことは、誰にでも起こり得ることです。しかし、ファイルを紛失した際に慌てる必要はありません。
エクセルにはさまざまな復元方法が用意されており、状況に応じて適切な対処法を選ぶことで、大切なデータを取り戻せる可能性があります。
本記事では、エクセルのファイルを復元するための方法を状況ごとに解説します。本記事を参考に、万が一の際にも冷静に対処できるようになりましょう。
エクセルで失ったファイルは復元できる?
エクセルには、紛失したファイルを復元させる機能が備わっているため、万が一ファイルを消してしまったり、保存し忘れてしまったりしても焦る必要はありません。
しかし、すべてのファイルを復元できるわけではなく、状況によっては元に戻せないことも十分に考えられます。
そのため、万が一があったとしてもファイルを復元できるようにバックアップを取っておくのが1番安心です。
バックアップはエクセルの機能で、自動的に作成はされていますが、自分でバックアップを取っていることで、復元する際の手間が省けるだけでなく、確実に復元できます。
エクセルのファイルを複製するだけで簡単にバックアップを取れるので、大事なファイルを扱う場合は、必ずバックアップを取ったうえで作業するようにしましょう。
また、エクセルでバックアップを取る方法は以下の表を参考にしてみてください。
種類 | 方法 | 設定 |
ファイルの複製 | ファイルを選択した状態でCtrl+Cキーでコピーして、保存したいフォルダ上でCtrl+Vキーで貼り付ける。 | 手動でファイルを複製できる。 |
バックアップファイルの自動作成 | ファイルを選択した状態で「ツール」から「全般オプション」を選択し、「バックアップファイルを作成する」にチェックを入れる。 | ファイルを保存したら自動的にバックアップファイルが作成される。 |
自動回復用データ | ファイルタブの「その他」から「オプション」をクリックし、「保存」の項目から「次の間隔で自動回復用データを保存する」にチェックを入れる。 | 設定した時間の間隔で自動保存してくれる。 |
エクセルでファイルを復元する方法
実際に、エクセルのファイルを紛失してしまった場合の復元方法についてみていきます。
ファイルの復元方法は、どのような状況で紛失したかによって対応が異なります。
状況ごとの復元方法について確認していきましょう。
保存し忘れたファイルの復元方法
保存せずにファイルを終了してしまった場合の復元方法です。
新規でファイルを立ち上げた場合と、既存のファイルの上書きを忘れた場合で方法は異なります。
新規でファイルを立ち上げた場合は、以下の手順で復元できる可能性があります。
- ファイルタブから「情報」を選択して「ブックの管理」をクリックする
- 「保存されていないブックの回復」をクリックする
- 対象のファイルを選択し、「開く」ボタンをクリックする
- 「名前をつけて保存」からファイルを保存する
既存ファイルの保存を忘れた場合は、以下の手順で復元できる可能性があります。
- 対象となる保存前のファイルを開く
- ファイルタブから「情報」を選択で「ブックの管理」をクリックする
- 「時間(保存しないで終了)」をクリックする
保存忘れによるファイルの紛失は、上記の方法で対処しましょう。
上書き保存してしまったファイルの復元方法
エクセルでは自動でファイルのバックアップを取る機能が備わっているため、そのバックアップデータを抽出することでファイルを復元できる可能性があります。
上書き保存したファイルは、以下の手順で復元を試してみましょう。
- ファイルタブから「バージョン履歴」を選択する
- 「バージョン履歴」から対象のバージョンを選択する
- 「復元」ボタンをクリックする
上記の方法は、エクセルの自動保存機能が有効になっていることが条件です。
また、エクセルにかけていたパスワードを忘れてしまったことによってファイルを開けない場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
ファイルをzip形式に変換してパスワードを解除する方法について解説しています。
削除してしまったファイルの復元方法
エクセルのファイルを誤って削除してしまった場合は、消してしまったデータの一時的な保存領域であるゴミ箱から復元できます。ゴミ箱は、デスクトップにあるゴミ箱のアイコンをクリックすることで利用可能です。
ゴミ箱の中にファイルがあれば、右クリックから「元に戻す」項目をクリックすることで、ゴミ箱から通常のフォルダーに戻せます。
しかし、削除したファイルがゴミ箱を経由せずに消えてしまう設定になっている場合は、復元できません。
また、デスクトップにゴミ箱のアイコンが表示されていない場合は、以下の手順で表示できます。
- タスクバーにあるWindowsアイコンをクリックする
- 検索バーに「設定」と入力する
- 表示された歯車のアイコンをクリックして設定を開く
- 左側のメニューから「個人用設定」をクリックする
- 「テーマ」をクリックする
- 「デスクトップアイコンの設定」をクリックする
- ダイアログボックスが開いたら「デスクトップアイコン」内の「ゴミ箱」にチェックを入れる
- 「適用」ボタンをクリックする
Macの場合は、Command+Shift+Gで開く検索バーから「ゴミ箱」と入力し、表示されたゴミ箱のアイコンをクリックすることでゴミ箱の中身を確認できます。
破損しているファイルの復元方法
OSのトラブルやエクセル起動時のクラッシュなどによって、エクセルファイルが破損してしまう場合もあります。
ファイルが破損してしまうと、エクセルの起動時にエラーメッセージが表示されたり、ファイルサイズが0になったりといった症状が現れます。
そのような場合には、以下の手順でファイルを復元できるか試してみてください。
- ファイルタブの「開く」から「参照」を選択する
- 対象のファイルを選択したら「開く」ボタンの右側にある下向き三角形のアイコンをクリックする
- メニュー内の「開いて修復する」から「修復」をクリックする
また、現在使用しているパソコンとエクセルの互換性がないことが原因でファイルが破損している場合は、拡張子の変更によって症状を直せる可能性があります。
拡張子が「.xlsx」の場合は、名前の変更から「.xls」に拡張子を変更して、開けるか試してみましょう。
エクセルで削除してしまったワークシートの復元方法
エクセルの作業中に誤ってワークシートを削除してしまった場合、既存ファイルの元データが残っていれば比較的簡単に復元ができます。
エクセルで削除してしまったワークシートを復元する手順は以下のとおりです。
- F12キーを押してファイルを別名で保存する
- ワークシートの情報が残っているファイルを開く
- ワークシートの内容をコピーして、別名で保存しているファイルに貼り付ける
ワークシートを削除した状態で上書き保存してしまっている場合は、「上書き保存してしまったファイルの復元方法」で紹介した方法で、ファイルの復元を行いましょう。
エクセルで入力したデータを復元する方法
エクセルで入力したデータを誤って削除してしまうケースも少なくないでしょう。
そのような場合に、再度同じデータを入力し直していたら大きな時間のロスにつながります。
そのような場合は、画面上部にあるクイックアクセスツールバーから、矢印の「元に戻す」アイコンをクリックしましょう。
すると、一つ前の作業に戻れるので、誤って消してしまったデータが元に戻ります。
また、「元に戻す」はエクセルを使用するうえで何度も行う作業になるので、ショートカットキーを覚えておきましょう。
元に戻すのショートカットキーは、Ctrl+Zキーです。
なお、元に戻すで作業を戻しすぎてしまった場合は、元に戻すアイコンの右隣にある「やり直し」アイコンをクリックしましょう。やり直しのショートカットキーは、Ctrl+Yキーです。
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エクセルのファイルが復元できないときの対処法
エクセルのファイルがどうしても復元できない場合は、以下の対処法を試してみるのも有効です。
- 復元ソフトを利用する
- 業者に依頼する
これらの対処法について確認していきましょう。
対処法① 復元ソフトを利用する
自力での復元ができなければ、ファイルの復元ができる専用のソフトを活用する方法もあります。
専用ソフトを使えば、通常の対処法では復元できなかったファイルも復元できる可能性があります。
しかし、ソフトをしっかり使いこなせないと、状況が悪化してしまうリスクがあることは理解しておかなければいけません。
また、十分な機能を備えたソフトを利用するためには、有料のソフトを契約する必要があり、別途予算が発生する可能性がある点も考慮する必要があります。
対処法②業者に依頼する
絶対に紛失できない重要なファイルを消してしまった場合は、業者に復元の依頼をするのも選択肢の一つです。
業者の場合は専用のツールや、知識豊富なスタッフの手によって、ファイルの復元を高い確率で実現できます。
しかし、その分費用も発生するので、複数ある業者の中から予算に合う業者を選択することが大切です。
また、ファイル管理のようにエクセルで基本的な操作の一つとして、作成したシートの印刷があります。
以下の記事では、エクセルの印刷時によくあるトラブルである印刷時に表示が切れてしまう問題の対処法について解説しています。
ぜひこちらもあわせてご覧ください。
エクセルの復元方法についてのまとめ
今回は、エクセルで紛失したファイの復元方法について紹介しました。
操作ミスで大切なファイルがなくなってしまったとしても、適切な対処法を取ることで完全に復元できる可能性があります。
そのため、一度冷静になって、今回紹介した方法でファイルが復活できないか試してみてください。
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