エクセルで使えるデータの入力規則は、データの入力を効率化し、正確なデータ管理をサポートする機能です。
この機能を使うことで、セルに入力できる内容を制限したり、リストを作成したりできます。
データの入力規則を活用できるようになると、入力ミスを減らせるため、業務の効率化につながるでしょう。本記事で、データの入力規則の具体的な使い方について確認していきます。
エクセルのデータの入力規則でできること
エクセルの入力規則を活用すれば、セルにさまざまな設定を行えます。エクセルのデータの入力規則でできることは、主に以下の3つです。
- セルに入力できる内容の制限
- 半角・全角の制御
- リストの作成
これらについて詳しく見ていきましょう。
できること①セルに入力できる内容の制限
エクセルのデータの入力規則を使うと、セルに入力できる内容を制限できます。
例えば、文字列のみを入力させる、特定の範囲内の数値のみを許可するなどの設定が可能です。
意図しない数値や文字列が入力された場合は、エラーメッセージを表示して入力を受け付けないようにできます。
これにより、誤ったデータの入力を防ぎ、データの正確性を維持できるでしょう。
特に、複数の人で入力作業を行う場合に効果的であり、業務の効率化につながります。
できること②半角・全角の制御
データの入力規則を活用することで、セルに入力される文字の半角・全角文字の制御ができます。
例えば、全角文字のみを入力させたり、逆に半角文字のみを許可する設定が可能です。
これにより、データのフォーマットを統一できます。
特に、日本語と英数字が混在するデータを扱う場合は、入力ミスを防ぐために非常に役立ちます。
また、日本語入力とローマ字入力が交互に必要な場合に、毎回入力切り替えを行わなくてすむのもメリットです。
できること③リストの作成
入力規則を使えば、セルに入力する内容をリストから選択するように設定できます。
リスト形式の入力規則を設定することで、ユーザーがあらかじめ用意された選択肢からデータを選ぶだけで済むため、入力ミスを防止可能です。
特に、決まったカテゴリーがある場合に便利で、データの一貫性を保ちながら、入力作業を簡単かつ迅速に行えるというメリットがあります。
エクセルのデータの入力規則で入力内容を制限する手順
エクセルのデータの入力規則を使って、セルに入力できる内容を制限してみましょう。
今回は、テストの点数結果を入力すると仮定して、0〜100までの整数のみをセルに入力できるようにします。
さらに、範囲外の値が入力された場合にエラーメッセージを出す方法についても見ていきます。
1.データの入力規則を設定する
まずは、入力内容に制限をかけたい、テストの点数結果が出力されているセルをドラッグですべて選択しましょう。
続いて、データタブの「データツール」グループから、「データの入力規則」をクリックし、専用のダイアログボックスを開きます。
設定タブを開き、「入力値の種類」を「整数」に変更します。
入力値の種類は選ぶ項目によって、入力できる内容にかけられる制限を変えられます。
以下の表は、入力値の種類とその説明です。
種類 | 説明 |
すべての値 | 縛りなくすべての値を入力できる。 |
整数 | 自然数、ゼロ、負数のみ入力できる。 |
少数点数 | 整数と少数のみ入力できる。 |
リスト | 設定した値をプルダウンで選択できるようにする。 |
日付 | 日付のみ入力できる。 |
時刻 | 時刻のみ入力できる。 |
文字列(長さ指定) | 入力する文字数を制限できる。 |
ユーザー指定 | ユーザーが設定した数式に基づいて、判定がTrueの場合のみ入力できる。 |
今回はテストの点数が0〜100点までなので、0〜100までの整数のみを入力できるように制御します。
データの項目を「次の値の間」に変更して、最小値を「0」、最大値を「100」で設定しましょう。
OKボタンでダイアログボックスを閉じて、テストの点数結果の欄に0〜100以外の数値しか入力できないのを確認してください。
2.自作のエラーメッセージを設定する
続いて、0〜100を外れた数値を入力した際に、エラーメッセージを表示する設定を行います。
エラーメッセージ自体は、デフォルトで表示されますが、自分で設定することで任意のテキストを表示させられます。
再びデータの入力規則のダイアログボックスを開き、設定タブからエラーメッセージタブに切り替えましょう。
まず、「無効なデータが入力されたら エラーメッセージを表示する」の項目にチェックを入れます。
続いて、「タイトル」と「エラーメッセージ」の項目から、表示したいメッセージを任意で設定しましょう。
今回は、タイトルに「この数値は無効です」エラーメッセージに「0〜100で入力してください。」と設定しました。
OKボタンでダイアログボックスを閉じたら、0〜100以外の数値を入力し、先ほど設定したエラーメッセージが表示されるか確認してみましょう。
エクセルのデータの入力規則で半角・全角を制御する手順
エクセルでデータを入力する際、全角入力と半角入力が交互に必要になると、都度入力ボタンのスイッチを行わなければいけません。
しかし、エクセルのデータの入力規則を活用すれば、セルによって自動で半角と全角の制御ができるようになります。
エクセルのデータの入力規則で半角・全角を制御する手順について見ていきましょう。
1.氏名の欄を全角入力に限定する
氏名の欄は全角文字で入力してもらう必要があるため、全角入力に限定します。まず、全角の制御をかけたい氏名の列をすべて選択しましょう。
続いて、データタブの「データツール」グループから、「データの入力規則」をクリックします。
日本語入力のタブに切り替えたら、「日本語入力」のドロップダウンメニューから「オン」を選択し、OKボタンでダイアログボックスを閉じましょう。
これで氏名の列は全角でしか入力ができなくなりました。
2.電話番号を半角入力に限定する
続いては、電話番号の列を半角入力に限定します。手順1と同じように、データタブの「データツール」グループから、「データの入力規則」をクリックします。
日本語入力のタブに切り替えたら、「日本語入力」のドロップダウンメニューから「半角英数字」を選択し、OKボタンでダイアログボックスを閉じましょう。
これで電話番号の欄が半角英数字でしか入力ができないようになりました。
実際に指名と電話番号のセルを交互に選択してみて、自動で入力文字が変わることを確認しましょう。
また、入力規則を応用すれば、エクセルで自動カレンダーの作成も可能です。自動カレンダーは日付が自動で更新されるカレンダーのことで、入力規則と関数の組み合わせによって初心者でもクオリティーの高いカレンダーを作れます。
以下の記事で自動カレンダーを作る手順について解説しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
エクセルのデータの入力規則でリストを作成する手順
エクセルのデータの入力規則では、プルダウンメニューの作成も可能です。
あらかじめ選択肢が決まっている項目については、プルダウンメニューを設定しておくことで、毎回手動で入力する手間が省けます。
エクセルのデータの入力規則でリストを作成する手順について見ていきましょう。
1.データの入力規則を開く
今回は、プロフィール表に設けた性別の欄をプルダウンメニューにします。プルダウンメニューを反映させたいセルすべてをドラッグで選択します。
続いて、データタブの「データツール」グループから、「データの入力規則」をクリックして、ダイアログボックスを開きましょう。
2.リストを作成する
設定タブを選択し、「入力値の種類」を「リスト」に変更しましょう。
すると、「元の値」という項目が追加されるので、その中にリストの選択肢にしたい項目をカンマ区切りで入力していきます。
今回は性別をプルダウンメニューから選べるようにしたいので「男,女」と入力しました。
もしくは、設定項目をセルにあらかじめ入力している場合は、そのセルをドラッグすることでもメニューを登録できます。
OKボタンでダイアログボックスを閉じ、対象のセルにプルダウンメニューが付与されているか確認しましょう。
また、年齢や性別などのプロフィールを表で作成する際に便利な関数がDATEDIF関数です。DATEDIF関数は、期間内の満年数と満月数、日数を指定することで生年月日から現在の年齢を出力できます。
特に、事務作業で従業員の生年月日から年齢を計算しなければいけない場面で役立ちます。以下の記事でDATEDIF関数のより詳しい使い方について解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
エクセルのデータの入力規則を解除する手順
セルに設定をした入力規則が不要になった場合は、簡単に解除ができます。
データの入力規則を解除する手順は以下のとおりです。
- 入力規則を解除したいセルをドラッグで選択する
- データタブ内の「データツールグループ」から「データの入力規則」をクリックする
- ダイアログボックスが開いたら、画面左下にある「すべてクリア」ボタンをクリックする
- OKボタンをクリックしてダイアログボックスを閉じる
また、異なる入力規則を同時に選択して「データの入力規則」をクリックした場合は、現在の設定を消去するかを問うダイアログボックスが開くので、OKボタンを押すことで複数の入力規則も一括で解除が可能です。
エクセルのスキルを実務で使えるレベルにするには
データの入力規則は、実務でも頻出する必須機能です。そんな、実務で使える機能を幅広く学びたい方は、Excel基礎セミナー講習がおすすめです。
Excel基礎セミナー講習では、以下のカリキュラムを通じて、エクセルの基礎を1から学べます。
- 画面構成と初期設定
- データの入力
- アンケート結果のグラフ化
- 売上のグラフ化
- 覚えておくと便利なエクセル関数
- 見積書の作成
- 顧客情報の管理
- 売上と利益率の複合グラフの作成
- ビッグデータのエクセル処理
- レポート用のダッシュボード画面の作成
さらに、本セミナー受講後は、オリジナル教材「マイクロソフトExcel完全攻略セミナーガイド」が配布されるので、参考書としていつでも復習に活用できます。
また、マクロを組んで複雑な処理を自動で行えるプログラムをしたい方は、Excelマクロ・VBAセミナーがおすすめです。
当セミナーでは、プログラミングの基本構造や記述の仕方を学びながら、集計や転記の自動化スキルを身につけられます。
セミナーは団体でも受講できるので、個人だけでなく、社内研修を検討している企業の担当者もぜひチェックしてみてください。
エクセルのデータの入力規則についてのまとめ
データの入力規則は、エクセルの利便性を高めるために押さえておきたい機能の一つです。
特に、複数人で打ち込みを行う際に、入力のフォーマットが統一されない場合や、打ち込みミスが多発する場合は、積極的に活用して無駄な修正作業が出ないようにすることで、作業効率が高まるでしょう。
- エクセルを使って転職したい・基本操作を知りたい→Excel基礎セミナー
- エクセルでマクロやVBAを組み業務の負担軽減や効率化を図りたい→Excelマクロ・VBAセミナー
- エクセルの資格が欲しい→MOS対策短期集中講座
こちらから自分に合うエクセルの講座をお選びください。