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【2025】エクセルのIF関数で業務を効率化!ネスト・AND/OR関数などとの組み合わせ活用術

エクセルのIF関数は、条件に応じて異なる値を表示させる便利な関数です。売上目標の達成判定や試験の合否判定など、業務のあらゆる場面で活用できます。

本記事では、IF関数の基本構文から、ネストやAND・OR関数との組み合わせ、実務で役立つ活用例、エラー対処法を見ていきましょう。

IF関数とは?基本の仕組みと使い方

IF関数とは?基本の仕組みと使い方

エクセルのIF関数は、指定した条件に応じて異なる値を表示させる便利な関数です。

ここでは、IF関数の基本構文や比較演算子の使い方について解説します。

IF関数の基本構文とルール

IF関数の基本構文は、条件を指定し、条件が「真(TRUE)」の場合と「偽(FALSE)」の場合に表示する値を設定する形になっています。

  • =IF(論理式, 真の場合の値, 偽の場合の値)
  • 「論理式」は、比較演算子を使って条件を指定
  • 「真の場合の値」は、条件が満たされたときに表示される値
  • 「偽の場合の値」は、条件が満たされなかったときに表示される値

たとえば、テストの点数が80点以上なら「合格」、それ未満なら「不合格」と表示させる場合、次のように入力します。

=IF(A1>=80, “合格”, “不合格”)

=IF(A1>=80, "合格", "不合格")

下記の場合は、100点のため「合格」です。

下記の場合は、100点のため「合格」です。

関数を活用すれば、大量のデータを一括で処理し、手作業のミスを減らすことができます。

比較演算子の使い方

IF関数では、条件を指定する際に比較演算子を使用します。比較演算子により、セルの値が基準を満たしているかどうかを判定できます。

以下の表に、比較演算子をまとめました。

比較演算子 意味 使用例 説明
= 等しい A1=100 A1が100と等しい場合に真
<> 等しくない A1<>100 A1が100ではない場合に真
> より大きい A1>50 A1が50より大きい場合に真
< より小さい A1<50 A1が50より小さい場合に真
>= 以上 A1>=80 A1が80以上の場合に真
<= 以下 A1<=80 A1が80以下の場合に真

たとえば、IF関数と比較演算子を組み合わせて、「売上が100万円以上なら達成、それ未満なら未達成」などができるでしょう。

IF関数の基本について知りたい方は、下記をご覧ください。

【2025】エクセルのIF(イフ)関数とは?使い方やそのほか条件分岐が使える関数について解説

IF関数の応用テクニック

IF関数の応用テクニック

IF関数は基本的に「ある条件が真か偽か」を判定するシンプルな関数ですが、実務では「3つ以上の条件を判定したい」「複数の条件を満たした場合のみ処理を実行したい」といったケースが多くあります。こうした高度な条件分岐を実現するには、IF関数の入れ子(ネスト)やIFS関数、AND・OR関数との組み合わせを活用することが有効です。

ここでは、それぞれの方法について見ていきましょう。

入れ子(ネスト)構造で3つ以上の条件を設定する

IF関数は通常、条件が「真(TRUE)」か「偽(FALSE)」かの2つに分岐しますが、IF関数の中にさらにIF関数を組み込むことで、3つ以上の条件を判定できます

  • IF関数の「偽の場合」の部分に、もう一つIF関数を入れる
  • 条件を増やしたい分だけ、IF関数を入れ子にする
  • 3つ以上の条件を判定する際に使われる

たとえば、テストの点数に応じて「優」「良」「可」「不可」と4段階に評価する場合、次のようにIF関数を入れ子にして記述できます。

=IF(B2>=90, “優”, IF(B2>=75, “良”, IF(B2>=60, “可”, “不可”)))
=IF(B2>=90, "優", IF(B2>=75, "良", IF(B2>=60, "可", "不可")))

下記の場合は、65点のため「可」です。

下記の場合は、65点のため「可」です。

このように入れ子を使えば、細かい条件分岐を設定できます。

IFS関数で複雑な条件分岐をシンプルに書く

IFS関数は、複数の条件を簡潔に書くための関数で、エクセル 2016以降で使用できます。従来のIF関数の入れ子構造を使わずに、スッキリとした記述が可能です。

  • 1つの数式内に複数の条件を指定できる
  • IFS(条件1, 結果1, 条件2, 結果2, …) の形式で記述
  • TRUE を最後に指定すると、すべての条件に当てはまらない場合の値を設定できる

たとえば、IF関数の入れ子を使った評価判定をIFS関数で書き換えると、次のようになります。

=IFS(B2>=90, “優”, B2>=75, “良”, B2>=60, “可”, TRUE, “不可”)

=IFS(B2>=90, "優", B2>=75, "良", B2>=60, "可", TRUE, "不可")

IFS関数を使うことで、入れ子のIF関数よりも読みやすくなります。ただし、エクセル2016より前のバージョンでは使用できない点に注意が必要です。

AND関数・OR関数と組み合わせる方法

IF関数では、一つの条件だけでなく「複数の条件をすべて満たす場合」や「どちらかの条件を満たせばよい場合」を設定することも可能です。その際に役立つのが、AND関数とOR関数です。

  • AND関数は「すべての条件を満たす場合」に真を返す
  • OR関数は「いずれかの条件を満たせば真を返す」
  • IF関数と組み合わせることで、より柔軟な条件分岐が可能

たとえば、試験の成績で「筆記試験が80点以上」かつ「面接が合格」なら「最終合格」とする場合、AND関数を使って次のように記述します。

=IF(AND(B2>=80, C2=”合格”), “最終合格”, “不合格”)
=IF(AND(B2>=80, C2="合格"), "最終合格", "不合格")

下記の場合、筆記試験が80点以上かつ面接が合格なので「最終合格」です。

下記の場合、筆記試験が80点以上かつ面接が合格なので「最終合格」です。

また、「筆記試験が80点以上」または「面接が合格」のどちらかを満たせば「仮合格」とする場合、OR関数を使います。

=IF(OR(B2>=80, C2=”合格”), “仮合格”, “不合格”)
=IF(OR(B2>=80, C2="合格"), "仮合格", "不合格")

下記の場合、筆記試験が80点以上ですが、面接が不合格なので「仮合格」です。

下記の場合、筆記試験が80点以上ですが、面接が不合格なので「仮合格」です。

このようにAND関数・OR関数を組み合わせることで、複数の条件を簡潔に判定できます。業務では、売上データの分析や勤怠管理など、さまざまなシーンで活用できます。

実務で役立つIF関数の活用例

実務で役立つIF関数の活用例

IF関数は、データを自動で分類したり、条件に応じた処理を行ったりするのに便利な関数です。実務では、売上管理、勤怠管理、経費精算など、さまざまな場面で活用できます。

以下の表に、具体的な業務シーンごとにIF関数の活用例をまとめました。

活用シーン 条件の例 IF関数の記述例 結果の表示
営業データの分類 売上が100万円以上なら「達成」、未満なら「未達成」 =IF(B2>=1000000, “達成”, “未達成”) 達成 / 未達成
勤怠管理 遅刻(出社時刻が9:00を超えた場合「遅刻」、それ以外は「定時」) =IF(A2>”09:00″, “遅刻”, “定時”) 遅刻 / 定時
経費精算 申請額が上限(5000円)を超えたら「承認不可」、以下なら「承認」 =IF(B2>5000, “承認不可”, “承認”) 承認 / 承認不可
顧客ランクの判定 購入額が10万円以上なら「VIP」、5万円以上なら「ゴールド」、それ未満は「レギュラー」 =IF(A2>=100000, “VIP”, IF(A2>=50000, “ゴールド”, “レギュラー”)) VIP / ゴールド / レギュラー
成績評価 80点以上なら「合格」、それ未満なら「不合格」 =IF(A2>=80, “合格”, “不合格”) 合格 / 不合格

このようにIF関数を活用することで、データを自動的に分類し、業務の効率化を図ることができます。

IF関数と他の関数を組み合わせる方法

IF関数と他の関数を組み合わせる方法

IF関数は単独でも便利ですが、他の関数と組み合わせることで、より高度なデータ処理や分析が可能になります。

ここでは、実務で役立つ方法について解説します。

COUNTIF・SUMIFと併用して条件に合うデータを集計する

COUNTIF関数やSUMIF関数は、特定の条件に合うデータの個数や合計を求めるのに便利です。IF関数と組み合わせることで、条件に応じた集計結果を表示できます。

  • COUNTIF関数は、指定した条件に一致するセルの個数をカウントする
  • SUMIF関数は、条件に一致するセルの数値を合計する
  • IF関数と組み合わせることで、集計結果に応じた判定が可能になる

たとえば、「売上が100万円以上の件数をカウントし、3件以上なら『好調』、それ未満なら『改善が必要』と表示する」場合、以下のように記述します。

=IF(COUNTIF(A2:A10, “>=1000000”)>=3, “好調”, “改善が必要”)
=IF(COUNTIF(A2:A10, ">=1000000")>=3, "好調", "改善が必要")
下記の場合、売上が100万円以上が2件しかないので「改善が必要」です。
下記の場合、売上が100万円以上が2件しかないので「改善が必要」です。

また、「特定の部署の経費合計が50万円以上なら『予算超過』、それ未満なら『問題なし』と判定する」場合は、SUMIF関数を活用して以下のように書きます。

=IF(SUMIF(A2:A10, “営業部”, B2:B10)>=500000, “予算超過”, “問題なし”)
=IF(SUMIF(A2:A10, "営業部", B2:B10)>=500000, "予算超過", "問題なし")
下記の場合、合計が48万円なので「問題なし」です。
下記の場合、合計が48万円なので「問題なし」です。

このように、COUNTIF・SUMIFを使うと、大量のデータから条件に合うものだけを抽出し、集計結果に基づいた判定が可能になります。

IFERROR関数でエラー処理を行う

エクセルで計算を行う際、参照セルに誤った値が入っていたり、数式に問題があったりすると、#DIV/0! や #VALUE! などのエラーが表示されることがあります。IFERROR関数を使うと、エラーを別の値に置き換えて表示できます

  • #DIV/0!(ゼロで割り算したとき)などのエラーを回避できる
  • エラーが出た場合に、指定したメッセージや値を表示できる
  • IF関数と組み合わせることで、より柔軟なエラー処理が可能になる

たとえば、「売上を件数で割った平均単価を計算するが、件数がゼロの場合は『計算不可』と表示する」場合、以下のように記述します。

=IFERROR(A2/B2, “計算不可”)

=IFERROR(A2/B2, "計算不可")

下記の場合、件数が0なので「計算不可」です。

下記の場合、件数が0なので「計算不可」です。

その他のIF関数に役立つ関数を知りたい方は、下記をご覧ください。

エクセルのIF関数の使い方!エラー時の対処法も解説

IF関数・VLOOKUP関数・COUNTIF関数の違い

IF関数・VLOOKUP関数・COUNTIF関数の違い

Excelには、データを処理・分析するためのさまざまな関数があります。その中でも、IF関数・VLOOKUP関数・COUNTIF関数 は、条件に応じたデータの抽出や分類、集計を行うのに便利な関数です。

以下の表に違いをまとめました。

関数名 主な用途 基本構文 具体的な使用例
IF関数 条件に応じて異なる値を表示する =IF(条件, 真の場合, 偽の場合) 80点以上なら「合格」、未満なら「不合格」 → =IF(A1>=80, “合格”, “不合格”)
VLOOKUP関数 指定した範囲から条件に合うデータを検索する =VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法]) 商品コードを入力すると、対応する商品名を表示 → =VLOOKUP(A1, B2:D10, 2, FALSE)
COUNTIF関数 条件に合うセルの個数をカウントする =COUNTIF(範囲, 条件) 100点以上の点数がいくつあるかをカウント → =COUNTIF(A2:A100, “>=100”)

IF関数は「条件に応じた判定」、VLOOKUP関数は「表から値を検索」、COUNTIF関数は「特定の条件を満たすデータの個数をカウント」する役割を持っています。どの関数も業務でよく使用されるため、それぞれの特徴を理解し、適切に活用することが重要です。

IF関数でよくあるエラーとその対処法

#VALUE! が出る原因と解決策

#VALUE! エラーは、数式内でデータ型が適切でない場合に発生します。たとえば、数値を扱うべきIF関数で文字列を参照している場合や、比較演算子の左右で異なるデータ型が使用されている場合に起こります。
解決策として、参照するセルのデータ型を確認し、必要に応じて数値に変換します。また、IFERROR関数を活用して、エラー時の代替表示を設定することも有効です。

#NAME? や #REF! エラーの原因と対処法

#NAME? エラーは、関数名のスペルミスや、エクセルが認識できない変数を使用している場合に発生します。例えば、=IF(A1>50, “OK”, “NG”)と書くべきところを、=IFX(A1>50, “OK”, “NG”)と入力すると、このエラーが発生します。
一方、#REF! エラーは、参照しているセルが削除された場合に起こります。例えば、=IF(A1>50, “OK”, “NG”)を使用している状態でA1セルを削除すると、#REF! が表示されます。
対処法として、関数名のスペルを正しく入力すること、削除したセルを復元することが重要です。エラーを避けるために、可能であれば参照セルの範囲を固定することも有効です。

0が表示されてしまう場合の対処法

IF関数で条件に合わない場合、意図せず0が表示されることがあります。これは、IF関数の「偽の場合」の引数を省略したときに発生することが多いです。例えば、=IF(A1>=80, “合格”) のように記述すると、A1が80未満の場合は0が表示されます。
問題を防ぐには、「偽の場合」の引数を明示的に指定します。例えば、=IF(A1>=80, “合格”, “”)とすれば、条件を満たさない場合は空白が表示されます。

IF関数を使いこなして作業効率をアップしよう!

IF関数は、エクセルの中でも特に利用頻度が高く、条件に応じた処理を自動化できる便利な関数です。基本の使い方を理解すれば、売上や成績の判定、勤怠管理、経費精算など、さまざまな業務に活用できます。

さらに、IF関数を COUNTIF・SUMIF・IFERROR・AND・OR などの関数と組み合わせることで、より高度なデータ分析やエラー処理が可能になります。特に IFS関数 を使えば、複雑な条件分岐もスッキリと記述できます。

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エクセルのIF関数で業務を効率化!ネスト・AND/OR関数などとの組み合わせ活用術
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