エクセルのVLOOKUP関数は、ほかの関数と組み合わせることでより高度な処理ができるようになります。本記事では、VLOOKUP関数の基本的な使い方から応用的な使い方まで解説します。
また、VLOOKUPと類似する関数の使い方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
VLOOKUP関数とは
VLOOKUP関数とは、指定した値を列方向にサーチし、該当する行の中から別の列の値を取得する関数です。
基本構文は以下のとおりです。
それぞれの引数の意味は以下のとおりです。
引数 | 説明 |
検索値 | 検索したい値を指定する。 |
範囲 | 検索対象となるデータの範囲を指定する。 |
列番号 | 検索範囲内で、取得する列番号を指定する。 |
検索方法(省略可) | TRUE(近似一致)またはFALSE(完全一致)を指定する。省略時はTRUEが適用される。 |
大量のデータから特定の情報を抽出したい際に便利で、業務における顧客管理や在庫一覧、売上表などさまざまな場面で活用されています。
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VLOOKUP関数の基本的な使い方
まずは、VLOOKUP関数の基本的な使い方について見ていきましょう。今回は、社員IDに対応する氏名を取得していきます。
手順①検索対象の表を作成する
まずは、VLOOKUP関数でサーチできるように、必要なデータを一覧表として整える必要があります。
ここでは、「社員ID」「氏名」の2つの項目で表を作成します。
このとき、検索対象の値は必ず検索範囲の一番左の列に配置しましょう。
手順②結果用の表を作成する
次に、結果を出力する用の表を作成します。社員IDを入力すると、その社員の評価スコアや評価結果を表示したいため、手順①と同じ見出しの表を用意します。
手順③VLOOKUP関数を使う
VLOOKUP関数を使って、社員IDに対応する氏名を取得します。C3セルに以下の数式を入力しましょう。
上記のように指定すると、F3:G7の範囲からB3セルに対応する氏名を完全一致で取得できるため、例えばB3セルに「5」と入力すれば、C3セルには社員ID5に紐づく山本さんが表示されます。
このとき、範囲の引数は絶対参照にしておきましょう。相対参照の場合、ほかのセルに関数を適用させた際に、参照するセルが一つずつズレて正しい結果が得られません。
絶対参照は「$F$3:$G$7」のように、行と列番号の前に「$」をつけることで指定できます。
手順④オートフィルで関数をコピーする
マウスをC3セルの右下にマウスを合わせると、フィルハンドルと呼ばれる小さな四角形のアイコンが表示されるので、その状態でC7までドラッグしましょう。
すると、オートフィルが適用されてすべてのセルに作成した関数が反映されます。
適宜社員IDも入力しましょう。
VLOOKUP関数の応用的な使い方
続いて、VLOOKUP関数の応用的な使い方として、条件分岐ができるIF文を組み合わせる方法について見ていきましょう。
今回は、社員IDを入力すると、評価スコアを取得し、IF関数でその点数に応じて「優」または「可」と表示するプログラムを作成します。
手順①検索対象の表と結果用の表を作成する
「VLOOKUP関数の基本的な使い方」の見出しで作成した検索対象の表に、新たに「評価スコア」の見出しを追加します。
続いて、結果を出力する用の表も別に用意します。
今回は、上記のような見出しで表を作成しました。
手順②関数を使う
VLOOKUP関数とIF関数を使って、「評価結果」の列に評価スコアに対応した結果を出力しましょう。D3セルに以下のように記述すると、評価結果を出力できます。
VLOOKUP関数では、社員IDに対応する評価スコアを取得しており、IF文では取得したスコアが80以上なら「優」それ以下なら「可」と表示する指定をしています。
今回のケースでは、評価スコアが85なので「優」と表示されます。
最後に、作成した関数をオートフィルですべてのセルに評価結果を反映させたら完成です。
また、エクセルのIF関数の使い方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。IF関数の具体的な使い方や、よく生じるエラーとその対処法などについて解説しています。
VLOOKUP関数と似た関数の使い方
VLOOKUP関数と似た関数に以下のようなものがあります。
- HLOOKUP関数
- XLOOKUP関数
それぞれの関数の使い方について詳しく見ていきましょう。
関数①HLOOKUP関数
HLOOKUP関数は、VLOOKUP関数の「横方向」バージョンです。
VLOOKUPが縦に検索するのに対し、HLOOKUPは横に検索し、該当する列の中から指定した行の値を取得します。
HLOOKUP関数の基本構文は以下のとおりです。
VLOOKUP関数の引数と違うのは「行番号」の部分のみで、この引数では検索範囲内で、結果として取得したい行の番号を指定します。
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関数②XLOOKUP関数
XLOOKUP関数は、VLOOKUP関数やHLOOKUP関数の機能を統合・拡張した新しい関数で、縦方向・横方向の両方のサーチに対応しています。
Excel 365やExcel 2021以降のバージョンで使用可能です。XLOOKUP関数の基本構文は以下のとおりです。
それぞれの引数の意味は以下のとおりです。
引数 | 説明 |
検索値 | 検索したい値を指定する。 |
検索範囲 | 検索対象となるデータの範囲を指定する。 |
戻り範囲 | 検索値に対応する結果を返すセル範囲を指定する。 |
見つからない場合の値(省略可能) | 該当する値がなかったときに返す値を指定する。 |
一致モード(省略可能) | 一致の種類を指定する。 |
検索モード(省略可能) | 検索モードを指定する。 |
XLOOKUP関数は、列の並びに依存しない点が大きなメリットです。
VLOOKUP関数では検索列より左に戻り値がある場合には対応できませんが、XLOOKUPでは任意の範囲を指定できるため、左右どちらでも値を取得できます。
VLOOKUP関数以外におすすめの関数の使い方
VLOOKUP関数以外におすすめの関数として、INDEX関数とMATCH関数があります。
これらの関数の使い方について見ていきましょう。
関数①INDEX関数
INDEX関数は、指定された範囲から「行番号」と「列番号」をもとに、特定のセルの値を取得する関数です。複数の値がある表の中から、位置を指定して値を取り出す際に使われます。
INDEX関数の基本構文は以下のとおりです。
それぞれの引数の意味は以下のとおりです。
引数 | 説明 |
配列 | 値を取得したいセル範囲を指定する。 |
行番号 | 範囲内で取得したい行の番号を指定する。 |
列番号(省略可能) | 範囲内で取得したい列の番号を指定する。 |
例えば、「=INDEX(C2:F3, 2, 3)」とすると、E列の2行目の値を取得できます。
また、INDEX関数に限らず、さまざま関数を扱えるようになれば、MOSの合格も現実的になります。MOSはMicrosoft社が提供している資格試験で、取得すればOffice製品の操作スキルを証明できます。
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関数②MATCH関数
MATCH関数は、指定した値が範囲内の何番目に位置しているかを返す関数です。検索対象のセル範囲から、特定の値の位置を取得したい場合に使用します。
MATCH関数の基本構文は以下のとおりです。
それぞれの引数の意味は以下のとおりです。
引数 | 説明 |
検査値 | 検査範囲内で照合する値を指定する。 |
検査範囲 | 検索対象となるセル範囲を指定する。 |
照合の型(省略可能) | 0、1、-1から選択する。 |
例えば、「=MATCH(“バナナ”, B3:B6, 0)」とすると、B3:B6の中で「バナナ」が何番目にあるかを検索できます。
このようにエクセルにはさまざまな関数があるため、習得には効率的な学習が不可欠です。以下の記事では、エクセルを学ぶコツや学習におすすめの教材、おすすめの講習などについて紹介しています。エクセルのスキルを向上させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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VLOOKUP関数の使い方についてのまとめ
今回は、VLOOKUP関数の使い方について紹介しました。VLOOKUP関数は、エクセルで使用される関数であり、特定の条件に一致するデータを素早く抽出する際に便利です。
基本的な使い方に加え、IF関数と組み合わせることで、より柔軟な検索処理が可能になります。
また、HLOOKUP関数やXLOOKUP関数といった類似関数を使いこなすことで、サーチの方向や構造に応じた対応ができるため、業務の効率化にもつながります。
データを扱う機会の多い方は、今回紹介した各関数をぜひ実践で活用してみてください。
