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エクセルのパスワード解除方法とは?パスワードを忘れてしまったときの対処も解説

企業内では機密保護や情報漏洩を防ぐため、エクセルにパスワードを設定して扱うことが多くあります。しかし、パスワードを設定することによりファイルの取り扱いは効率を欠き、煩わしさを感じることもあるかもしれません。

この記事では、エクセルで使う4種類のパスワードの解除方法について解説します。パスワードはむやみに解除すべきものではありませんが、万が一のため、操作方法は知っておくようにしましょう。

エクセルで設定できるパスワード4種類の解除方法

エクセルでパスワードが設定できるのは以下の4つです。

  • 読み取りパスワード
  • 書き込みパスワード
  • シートの保護
  • ブックの保護

上記4種類のパスワードについて、解除方法をそれぞれ解説します。

読み取りパスワードの解除方法

読み取りのパスワードを設定することにより、ユーザーが可能なことはエクセルの「閲覧のみ」となり、ファイルの内容を変更することはできません。読み取りパスワードを何らかの理由で解除する方法は、次の通りです。

  1. 読み取りパスワードが設定されたエクセルを開く。
  2. パスワードダイアログが出てきたら、画面左上の「ファイル」をクリック。
  3. 「名前をつけて保存」をクリックし、右ペインから保存する場所を選択。
  4. 表示された「名前をつけて保存」から「ツール」を選択、その後「全般オプション」を選択。
  5. 伏字になった「読み取りパスワード」を削除して、OKをクリック。
  6. 「名前をつけて保存」のダイアログへ戻るので「OK」をクリックして上書き保存。

この方法は設定パスワードを知っているときのみ有効です。パスワードを忘れてしまった場合の対処は後述します。

書き込みパスワードの解除方法

書き込みパスワードは、書き込みする人を限定するために設定します。たとえばアンケートを多数の人に取りたい場合などに、社内の人間は書き込み可能にするなどで使います。

ただし、パスワードのセキュリティは弱く、第三者によるパスワードの変更や削除が可能です。読み取り専用としてファイルを開けば、自由に閲覧できます。しかし、この場合は書き換えをしての上書き保存はできないため、書き込みパスワードを解除しなくてはなりません。

解除方法は、読み取りパスワードと同じ流れです。

  1. 対象のエクセルを開き、パスワードダイアログで書き込みパスワードを入力してOKをクリック。
  2. 画面左上の「ファイル」をクリック。
  3. 左ペインから「名前をつけて保存」をクリックし、右ペインから保存する場所を選択。
  4. 表示された「名前をつけて保存」から「ツール」を選択、その後「全般オプション」を選択。
  5. 全般オプションダイアログから「書き込みパスワード」を削除してOKをクリック。
  6. 「名前をつけて保存」のダイアログへ戻るので「OK」をクリックして上書き保存。

なお、この方法も読み取りパスワード解除と同じく、書き込みパスワード解除も現在のパスワードを知っている場合のみ有効な方法です

シートの保護パスワードの解除方法

シートの保護パスワードは、行の挿入やオートフィルターの使用など、細かい機能の制限をシート単位でかける際に設定します。なお、パスワードをかけるかどうかは任意ですので、設定しない場合でも機能利用は可能です。解除方法は簡単ですが、そもそも内容の改ざんを意図して設定しているはずなので、必ずファイル製作者や関連部門に確認してから解除するようにしましょう。

保護を外す方法は以下の通りです。

  1. 校閲タブをクリック。
  2. ツールバーにある「シート保護の解除」をクリック。
  3. 「シート保護の解除」のダイアログが出たら、パスワードを入力してOKをクリック。

一時的に解除した場合は、再設定を忘れないようにしましょう。

ブックの保護パスワードの解除方法

シートの追加や削除などを制限するためにかけるのが、ブックの保護でのパスワードです。解除方法はシートの保護解除と同じく簡単ですが、同様に安易に解除しない方がよいものです。担当者や関連部門に確認してから解除してください。

ブックの保護パスワード解除方法は以下の通りです。

  1. 校閲タブをクリック。
  2. ツールバーにある「ブック保護の解除」をクリック。
  3. 「ブック保護の解除」のダイアログが出たら、パスワードを入力してOKをクリック。

一時的に解除した場合は、再設定を忘れないようにしましょう。

エクセルのパスワードを忘れてしまったときの対処法

エクセルでパスワード設定をすると、万が一パスワードを忘れてしまったときや、パスワード管理ファイルを削除してしまった場合には、基本的にそのファイルは二度と開けなくなります。

とはいえ、うっかりミスすることは誰にでもあることでしょう。そこで「パスワードを忘れてしまった」もしくは「パスワードがわからない」ときの対処法としては、次の2つの方法が紹介されています。

  • 無料の専用ソフトを使う
  • エクセルの拡張子を変更する

専用ソフトを使う

外部の専用ソフトを使えば、エクセルのパスワードを無理やり解除できます。

しかし、これは元々エクセルファイルのパスワードを盗み取る目的で使用されていた手段を逆手に取ったソフトであるため、特に無料のソフトを使った場合はデータの流出につながらないとは言い切れません。そこを理解・納得したうえで、使用するようにしましょう。なお、パスワードの解析に成功したら、パスワードはすぐに変更してしっかり管理することがおすすめです。

無料ソフトには、例えば「エクセルパスワード瞬時解除」や「エクセルパスワード解除for2016」、「エクセルパスワード解除for2019」などがあります。

やり方は簡単で誰でもスムーズに解除できますが、複雑に数字や記号を組み合わせたパスワードの解析は、フリーソフトでは少々難しいかもしれません。また、場合によってはエクセル自体のセキュリティ段階を下げる必要があるため、安易に行わないようにしましょう。

複雑なパスワードの解析が必要、なおかつ、セキュリティ面で安全性を優先したいという場合は、有料の専用ソフト「PassFab for Excel」などを使うという方法もあるでしょう。

エクセルの拡張子を変更する

専用のソフトなどは使わず、エクセルの拡張子を変更することによってパスワードを解除する方法です。ただし、この方法で解除できるのは「書き込みパスワード」のみで、読み取りパスワードは解除できません。

エクセルの拡張子を変更して書き込みパスワードを解除する方法は以下の通りです。

  1. Windowsのエクスプローラーを開き、「表示タブ」をクリックして「ファイル名拡張子」をチェック。
  2. パスワードを解除したいエクセルファイルを右クリックし、「名前の変更」をクリック。
  3. 名前を変更できる状態に変わるため、拡張子を「xlsx」から「zip」に変更。
  4. 「ファイルが使えなくなる可能性があります」との警告は、無視して「はい」をクリック。
  5. 続いて変換したZIPファイルを開き、「xl」というフォルダを開く。
  6. xlのフォルダにある「workbook.xml」ファイルを右クリックし、メニューから「開く」をクリック。
  7. ファイルを開くためのソフト選択画面が出るため、「メモ帳」を選んでOKをクリック。
  8. メモ帳アプリが起動し、たくさんのコードが書かれたファイルが開いたら、コードの中に「fileSharing」から始まる1行のコード「<fileSharing userName=”〇〇〇” algorithmName=”SHA-512″ hashValue=”〇〇〇” saltValue=”〇〇〇” spinCount=”100000″/>」を見つけ、コードを削除。
  9. コード削除後、メモ帳のファイルタブから上書き保存をクリック。
  10. 先ほど.zipに変換したファイルの拡張子を元の「.xlsx」に戻す。
  11. ファイル名を右クリックして名前の変更を選択、zipからxlsxに名前を変更。
  12. 「ファイルが使えなくなる可能性があります」との警告は、無視して「はい」をクリック。

これらの方法で、解除完了できるでしょう。

エクセルのパスワードを解除する方法まとめ

エクセルで設定したパスワードは、覚えていれば解除は簡単です。ただし、パスワードを設定した理由があるはずなので、安易に解除するのではなく、担当部門などに相談してから解除を行いましょう。

また、奥の手でソフトを使ったパスワードの解除方法もありますが、セキュリティの面で不安があるうえに、ファイル自体が破損するおそれもあります。実行する際にはその点を考慮し、十分に検討したうえで行ってください。

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