エクセルのセルに「斜線」が引かれているのを見たことはありませんか。この斜線、どのようにして引くのかご存じでしょうか。今回はセルに斜線を引く方法を紹介します。斜線を引く方法の応用や、知っていると便利なコツも紹介しているので、ぜひ普段のエクセル作業に役立ててください。
エクセルの斜線とは?
エクセルの斜線とは、1つのセルの中に引かれた斜めの線のことを指します。エクセルの斜線は、特定のセルを目立たせたり、複数使うことで模様のように見せたりと、使い方はさまざまです。ですが、通常は次の4つの目的で使用されています。
入力できないセルを一目でわかるようにする
一般的にエクセル画面における斜線が描かれたセルは、文字が入力できなかったり、空白とするべきセルを示します。必ずしもセルに斜線を入れなければならないわけではありません。ですが、斜線を入れることによって空白感を強調できます。また、間違ったセルに情報を入力するというミスを避けられるようになります。
文字の意味を打ち消す
文字列の上に斜線を引くことで、入力された文字の意味を打ち消せます。例えば、情報の連続性を保つために、入力された情報を消去することなく訂正しなればならないケースです。この場合、文字列が残されたままの状態でセルに斜線を引くとよいでしょう。斜線があることで下に残された情報が否定すべきものであることが伝わります。
セルの区切りや見栄えをよくする
エクセルはうまくデザインしなければ、セル同士の区切りが見づらく、誤入力を招くことがあります。斜線でセルの区切りを明確にすれば、そのようなミスが避けられるでしょう。また、斜線を適宜挿入することで、シートの見栄えをよくすることもできます。
1つのセルを分割する
1つのセルを斜線で区切ることによって、セルを分割できます。例えば表の左上の隅にあるセルを斜線で分割すれば、列と行の表題を1つのセルに書き入れることが可能です。また、セルを斜線で分割すれば、記載できる情報量が増えるため、シートをよりコンパクトにまとめることが可能になります。
簡単にできるエクセルで斜線を引く方法
エクセルで斜線を引く方法は主に2つです。それぞれの方法の手順を以下で紹介します。
罫線機能を使う
エクセルにはセルの境界線などを変更できる「罫線機能」が搭載されています。これを使えば簡単に斜線を引くことが可能です。
斜線を入れたいセルを選択し、画面上部にあるタブから「ホーム」を選択。次にリボン内にあるフォントのグループに並んでいるアイコンの中から、下向きの三角形(矢印)をともなった「田の字状のアイコン」をクリックします。罫線メニューが表示されるので、一番下にある「その他の罫線」を選択。「セルの書式設定」と書かれたダイアログボックスが表示されます。
ダイアログボックスの上部タブから「罫線」を選びます。次に、メイン画面の右下側の「罫線」とかかれたエリアの中から「左上から右下に引かれた斜線のアイコン」を選択状態にしてください。その後、画面下の「OK」をクリック。これで選択したセルに斜線が描かれます。
図形機能を使う
エクセルに搭載されている図形機能を使うことでも斜線を簡単に引けます。
画面上部のタブから「挿入」を選択。リボン中央部に現れる画像関係のアイコン類の中から「図形」と書かれたものをクリックしてください。さまざまな図形パターンがプルダウン形式で表示されます。その中にある「線」の項目から「斜線状のアイコン」を選びます。これでエクセルシートに「線」が描けるようになりました。十字状になったカーソルを、斜線を引き始めたいポイントに移動させ、左クリックをしながらドラッグして斜線を引いてください。
エクセルで斜線を引く方法「応用編」
斜線の引き方には、次のような応用方法があるので紹介します。
反対向きの斜線にする(×字状の斜線を入れる)
上述の斜線を入れる要領で「セルの書式設定ダイアログボックス」を開き「罫線」タブをクリックしてください。画面右下の「罫線」とかかれたエリアの中の左下に「右上から左下に引かれた斜線のアイコン」が存在しています。これを選択すれば、上述と逆方向からの斜線を入れることが可能です。また、このアイコンと「左上から右下に引かれた斜線のアイコン」の両方を選択状態にすれば、セルに書かれる斜線を「×字状」にすることもできますよ。
斜線の消し方
罫線機能を用いた斜線は「セルの書式設定」のダイアログボックスから削除可能です。「罫線」タブを選択し、「左上から右下に引かれた斜線のアイコン」の選択を解除。その後、画面下の「OK」をクリックしてください。これで斜線が削除されます。図形機能を用いて斜線を描いた場合は、斜線を左クリックして選択状態(斜線の両端に「〇」が付いた状態)にして「Deleteキー」を押してください。
カラーを変更する
斜線のカラーは変更できます。変更することによってシートをより見やすくできるようになります。
罫線機能を用いた場合は、「セルの書式設定」のダイアログボックスを開き「罫線」タブを選択。画面左側にある「線」の項目から色を選んでください。選択した斜線のカラーを変更できます。図形機能を用いて斜線を引いた場合は、引いた斜線を左クリックして選択状態にします。「図形の書式」をタブから選択し、図形のスタイルグループがリボンに表示されるので、好きなカラーのスタイルを選択してください。
斜線の向きを変える
図形機能で引いた斜線は、図形の書式から向きを変えられます。まずタブから「図形の書式」を選択。次に、リボンに表示された配置に関するアイコンのグループの中から「回転」をクリックします。回転に関わるメニューがプルダウン形式で表示されるので、好きなものを選択してください。上下反転や左右反転を選ぶと、既に引かれた斜線を線対称に反転させられますよ。
便利な方法がある?エクセルで斜線を引く時のコツ
次のようなコツを知っておくと、より便利に斜線を使いこなせます。
角度が違う斜線が混在すると表が見づらくなる
斜線には表を見やすくする効果がありますが、1つのシート上で複数の大きさが違うセルに
斜線を引く場合は、斜線の角度に注意してください。向きが異なる斜線が混在すると、表の見栄えが悪くなり、表が見づらくなってしまうからです。行や列を挿入してセルのサイズのバランスを取るなどして、なるべく斜線の角度は一致させるようにしましょう。場合によってはセルにカラーを入れて斜線の代わりにするといったアイデアも必要です。
ショートカットキーの活用
罫線機能を使うためにクリックを繰り返すのは面倒くさいと感じませんか。実は「セルの書式設定」のダイアログボックスの表示にはショートカットキーが割り当てられています。ショートカットキーは「Ctrlキー」と「1キー」です。同時に押せば、「セルの書式設定」のダイアログボックスがすぐに表示できますよ。
Altキーを押すときれいに斜線が引ける
図形機能で斜線を引く際には、クリック位置に気を付ける必要があります。しかし、ぴったりセルの隅にポインターを合わせるのは意外に難しいものです。そんな場合には「Altキー」を使うとよいでしょう。Altキーを押しながらマウスをドラッグすると、セルの隅にぴったりとポインターが合います。また、セルに合わせて斜線のサイズが自動調整されます。この手法はほかの図形でも用いれる手法です。覚えておくとエクセルが使いやすくなります。
斜線を引く方法は2種類!適切な方法を選ぼう
エクセルを使って斜線を引く方法には、罫線機能を用いる方法と、図形機能を用いる方法の2通りがあります。斜線の目的に合わせて、使いやすい方法で斜線を引くとよいでしょう。また、斜線のデザインや太さなどは「セルの書式設定」や「図形の書式」から変更可能です。ぜひ活用してください。
