エクセルでは、セルに文字を入力するのが基本ですが、それとは別に「コメント」のメモを追加するようなことも可能です。ただし、コメントはあくまでも注釈扱いなので、通常は印刷されません。しかし、コメントも一緒に印刷したい場合もあるでしょう。では、どうすればコメントを印刷できるのか、コメントの作成方法などと一緒に解説していきます。
エクセルのコメントとは？
エクセルの「コメント」とは、セルとは違うボックスを作成して、文章を入力できる機能のことです。ひとつのセルにひとつのコメントを紐付けするのが基本で、ある程度長い文章を付け加えることができます。エクセルのセルに長文を入力するのは、文章の一部が隠れて確認がしにくい、文章に合わせて全体のレイアウトが崩れてしまうなどの問題があるので、あまり現実的ではありません。
しかし、コメントを使用すれば、そのような問題はなくなります。そして、コメントが役立つ場面は、他の人とデータを共有する場合や、自分用の備忘録として使用する場合など、非常に多いでしょう。
テキストボックスとは特徴が異なる
エクセルのコメントに似たものとして、テキストボックスというものがあります。同じように枠内に文章を入力できる機能ですが、コメントと違ってセルに紐付けされることはありません。あくまでも独立した図形として扱います。
そのため、セルの注釈としてテキストボックスを使用すると、対応しているセルがわからなくなってしまう可能性が高いです。したがって、特に大量の注釈を設けるのであれば、テキストボックスではなくコメントを使用すると分かりやすいでしょう。
エクセルでコメントを付ける方法
エクセルでコメントを付けるためには、まず紐付けしたいセルを選択しておきます。そして、「校閲」タブから「コメントの挿入」を選んでください。そうすれば、コメントボックスが出てくるはずです。そのコメントボックスをクリックすれば、キーボードを使って文章の入力ができます。
コメントを常時表示する方法
作成したコメントは、隠れた状態になるのが基本です。そして、紐付けされたセルにマウスカーソルが合っているときのみに表示されます。もし、コメントを常時表示させたいのであれば、任意のセルを選択した状態で「校閲」タブにある「コメントの表示/非表示」を選びましょう。「すべてのコメントを表示」でも、同様に表示させられます。
ドラッグで位置やサイズを調整
コメントボックスは、紐付けされたセルの横に作成されます。ただ、近くにある複数のセルにコメントを付けた場合、常時表示にするとボックスが重なってしまうでしょう。そのような時は、コメントをドラッグして移動させてください。また、コメントを選択した状態で端に表れる四角をドラッグすれば、コメントボックスのサイズを変えられます。文章やレイアウトに合わせて、最適な形にすると良いでしょう。
エクセルでコメントも一緒に印刷する方法
それでは、エクセルでコメントを一緒に印刷する方法を、手順を追って解説していきます。
印刷するコメントを常時表示に
まずは、印刷したいコメントを常時表示状態にしておく必要があります。コメントに紐付けされているセルを選択して、「校閲」から「コメントの表示/非表示」を選んでください。そうすれば、表示されて印刷できるようになります。
なお、表示されないコメントは印刷の対象外なので、複数ある場合は取捨選択できます。もし、全てのコメントを印刷したいのであれば、「すべてのコメントの表示」を選んでも問題ありません。全てのコメントを表示した後で不要なコメントのセルを選び、「コメントの表示/非表示」で非表示にして、印刷から除外するという選択肢もあるでしょう。
ページ設定で印刷可能にする
コメントを印刷するには、設定を変更しておく必要もあります。「ページレイアウト」タブを選び、「ページ設定」グループの右下にあるアイコンを選択してください。そうすれば、ページ設定のダイアログボックスが開きます。
そして、「シート」タブの「コメント」を確認してください。プルダウンメニューで、「(なし)」と表示されているはずです。そのメニューを変更することで、印刷できるようになります。印刷できるメニューには、「画面表示イメージ」と「シートの末尾」の2通りがあります。
レイアウトを維持する場合は「画面表示イメージ」
「画面表示イメージ」を選択すれば、エクセルにコメントが表示されているレイアウトで印刷されるようになります。最前面にあるコメントボックスに隠されている部分は、当然見えません。そのため、表の大事な部分や、コメントボックス同士が重ならないよう、移動させたり形を変えたりするのを忘れないようにしましょう。
表と別に印刷したい場合は「シートの末尾」
「シートの末尾」を選んだ場合、コメントはシートの下に印刷されます。表は表のレイアウトのままで維持したい、コメントが多すぎて「画面表示イメージ」ではどうしても重なってしまう、といった場合に使用すると良いでしょう。
また、コメントが複数ある場合は、シート下にまとめて印刷されますが、それぞれ対応しているセルの番号も付属します。そのため、どのコメントがどのセルに紐付けされているのか、わからなくなることはないでしょう。
コメントが上手く印刷できない場合の対処法
エクセルでは、コメントを印刷する設定をしたはずなのに印刷されない、エクセルのレイアウトとはずれて印刷されてしまうといった問題が起こることがあります。その問題を解決するにはどうすれば良いのか、解説していきましょう。
コメントが印刷されないとき
コメントが印刷されない場合、きちんと設定できていないことがよくある原因です。エクセルのコメントを印刷するには、ページ設定を変更した上で、なおかつコメントが「表示状態」になっていることが条件となります。ページ設定を「画面表示イメージ」あるいは「シートの末尾」にしただけで終わらせてしまうミスは、珍しくありません。それだけでは印刷されないので、「校閲」タブからコメントを表示させるようにしましょう。
また、コメントを表示させただけで終わらせて、ページ設定を忘れてしまうというミスもよくあります。コメントが画面に常時表示された段階で、印刷できると勘違いしてしまうユーザーは多いです。しかし、実際にはページ設定の変更をしないと印刷はできません。したがって、印刷されない問題を起こさないよう、コメントの表示とページ設定の変更はセットで覚えておきましょう。
コメントの印刷がずれるとき
エクセルで印刷する際に、ページ設定で「画面表示イメージ」を選択した場合、印刷の仕上がりがエクセル上のレイアウトとは違い、ずれてしまうことがあります。コメントボックス内の文字の位置が違う、調整したにもかかわらず、重要な部分が隠れてしまうなど、ずれのパターンは多種多様です。
大抵の場合は、セルの書式が原因となっています。また、印刷に使用するプリンターに対応していないフォントを使用すると、文字のサイズや文字同士の距離が変わってしまいます。そうするとずれが発生するので、フォントを変更してみましょう。他にも、プリンターのドライバーが古く、新しいエクセルに対応できない場合も、ずれが発生しやすくなります。そのため、ドライバーの更新も試してみましょう。プリンター自体が古い場合は、新調するという対策もあるでしょう。
重要な情報が書かれたエクセルのコメントは一緒に印刷しよう
エクセルをパソコンで使用するだけであれば、コメントはいつでも問題なく見ることが可能です。しかし、重要なコメントが書かれたデータを紙に印刷して他の人に渡したり、書類としてまとめたりすることがあるかもしれません。そのようなときに、コメントを一緒に印刷すれば、印刷後に情報を書き足す手間を省けます。
いざエクセルのデータを印刷するタイミングになって困らないよう、コメントを印刷する方法は頭に入れておきましょう。
