Photoshopで作成したデータをPDFに変換することで、パソコン以外のデバイスでも閲覧ができたり、ファイルサイズの軽量化を実現できたりします。
しかし、普段PDFへの変換を行っていなければ、どのような手順で保存をしたらよいのかわからないでしょう。
本記事で、PhotoshopのデータをPDFで保存する一般的な方法や、複数のファイルを一括で変換する方法について見ていきましょう。
PhotoshopのデータをPDFに変換するメリット
なぜ、わざわざPhotoshopのデータをPDFにする必要があるのでしょうか。
PhotoshopのデータをPDFに変換することには、以下のようなメリットがあります。
- 環境にとらわれず閲覧できる
- ファイルサイズを軽量化できる
- データを書き換えられる心配がない
これらのメリットについて確認していきましょう。
メリット①環境にとらわれず閲覧できる
PhotoshopのデータをPDFに変換することで、環境にとらわれずに中身を閲覧できるメリットがあります。
Photoshopの.PSDデータは、Photoshopがパソコンにインストールされていないと開けません。
しかし、PDF形式に変換すると、さまざまなソフトやブラウザで中身を表示できます。
これにより、クライアントやチームのメンバーがPhotoshopを持っていなくても、デザインやレイアウトの確認ができるようになります。
また、PDFはプラットフォームに依存しないため、Windows、macOS、Android、iOSなど、どのOSでも一貫した表示が保証される点もメリットの一つです。
メリット②ファイルサイズを軽量化できる
PhotoshopのデータをPDFに変換することで、ファイルサイズを軽量化できるメリットがあります。Photoshopファイルは複数のレイヤーや高解像度の画像データを含んでいるため、ファイルサイズが大きくなりがちです。
一方、PDFに変換することで、品質を保ったままサイズの圧縮ができます。
特に、メールでクライアントにデータを添付する際は、サイズの大きなPhotoshopファイルよりも、軽量化されたPDFファイルの方が扱いやすいでしょう。
また、軽量化を施すことによってストレージの節約にもつながるため、データを管理する場合にも有効です。
メリット③データを書き換えられる心配がない
データをPDF化することでファイルの改ざんを防止できるため、元のデータが予期せぬ事故によって壊れてしまう心配がありません。
これにより、誤ってレイアウトやデザインを崩してしまうリスクをなくせます。
そのため、デザインデータを複数人で共有する際に、保持性の高いPDFを活用するとよいでしょう。
PhotoshopでPDFで保存する方法
PhotoshopのデータをPDFに書き出す際の一般的な方法は、「別名で保存」機能を使うことです。「別名で保存」でPDFに書き出す手順は以下のとおりです。
- メニューバーの「ファイル」から「別名で保存」を選択する
- 保存画面に移行したら、ファイル形式を「Photoshop PDF」に変更して「保存」ボタンを選択する
「別名で保存」をすることで、編集中のファイルがPDFに変更されます。
そのため、PDFに変換後は編集データを上書き保存することで、保存されているPDFのデータも上書きされるようになります。
また、PDFの保存のようにPhotoshopの基本的な機能についての理解がまだ深くない方には、以下の記事がおすすめです。
こちらの記事では、Photoshop初心者が押さえておきたい基本的なツールや概念、ワーク画面の名称などについて詳しく解説しています。
ぜひこちらもあわせてご覧ください。
ファイルをコピーしてPhotoshopでPDFで保存する方法
編集元のPSDデータを残したうえで、PDFで保存したい場合は「コピーを保存」から行いましょう。「コピーを保存」でPDFに書き出す手順は以下のとおりです。
- メニューバーの「ファイル」から「コピーを保存」を選択する
- 保存画面に移行したら、ファイル形式を「Photoshop PDF」に変更して「保存」ボタンを選択する
「コピーを保存」をすることで、編集中のPSDファイルとは別に、新しくPDFファイルが保存されます。
元のデータを上書きしないことで、ファイルを分けて管理できるため、PDFの元データを残しておきたい場合におすすめです。
複数のファイルをPDFで保存する方法
複数のファイルをまとめてPDFにして保存したいケースもあるでしょう。形式を一枚一枚手作業で変換するのは効率的ではありません。複数のファイルをまとめてPDFとして書き出す手順は以下のとおりです。
- ファイルメニュー内の「自動処理」から「PDFスライドショー」を選択する
- ソースファイルの項目にある参照ボタンをクリックしてPDFにしたいファイルを選択する
- ダイアログボックス右側にある出力オプション内の「保存形式」から「複数ページドキュメント」のラジオボタンをアクティブにする
- 保存ボタンをクリックする
また、現在開いているファイルをすべてPDFとして保存したい場合は、ソースファイルの「開いているファイルを追加」のボックスにチェックを入れると、一括で保存ができます。
PDFをPhotoshopで開く方法
Photoshopでは既存のPDFファイルを開いて編集をすることも可能です。PDFをPhotoshopで開く手順は以下のとおりです。
- メニューバーの「開く」から開きたいPDFファイルを選択する
- 「PDFの読み込み」ダイアログボックスが開くので設定を確認してOKボタンで確定する
上記の手順のように、ソフト内からではなくフォルダーから直接ドキュメントに PDFをドラッグ&ドロップすることでも同様の操作が可能です。
また、複数ページあるPDFファイルの場合は、PDFの読み込みダイアログボックスの左下にあるプルダウンメニューから開きたいページを選択しましょう。
なお、Photoshopで画像を開く作業は基礎的な操作の一つです。以下の記事では、カンバス上で画像を開く方法や、開いた画像選択範囲内に貼り付ける方法などについて解説しています。
ほかにも、実務で使うケースの多いモックアップの作成方法についても解説しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
PDF内の画像を抽出する方法
Photoshopでは、PDFに埋め込まれている画像を抽出し、その部分のみを開くことができます。
PDFの読み込みダイアログボックス内の左上にある「ページ」「画像」「3D」のラジオボタンから、画像を選択しましょう。
するとPDF内の画像が表示されるので、開きたい画像をクリックしてOKボタンを押すことで、PDF内の画像を抽出できます。
また、ファイルサイズの項目では画像の幅や高さ、解像度を自由に指定できるので、用途に合わせて調整をかけてみてください。
PhotoshopでPDFを軽量化して保存する方法
Photoshopで保存したPDFのデータ量が想定よりも多くなってしまうケースがあります。
そのようなケースでは、保存前の設定を見直してみてください。
「別名で保存」から保存のダイアログボックスが開いたら、「保存」と「カラー」の項目から不要なオプションについているチェックマークを外しましょう。
この方法では、画質などの劣化を起こさずに容量を軽くできます。
また、モノクロ印刷などで品質が多少下がっても問題ないケースでは、Adobe PDFを保存のダイアログボックス内にある「Adobe PDFプリセット」を「最小ファイルサイズ」に変更し、その下にあるオプションも不要な項目はチェックを外しておきましょう。
PDFをメールに添付する際や、起動の初動が気になる場合は、ぜひこれらの方法を試してみてください。
PDFの規格はどれを選べばいい?
PDFの規格にはPDF/XとPDF/Aなど、さまざまな種類がありますが、それぞれの違いについて把握できていますか?
これらの規格の違いは以下の表のとおりです。
規格 | 内容 |
PDF/X | 印刷用途に最適化された形式。印刷上問題となる要素が削除されている。 |
PDF/A | 電子文書の長期保存に最適化された形式。長期的に文書の外観を保てる。 |
PDF/VT | 可変印刷用に最適化された形式。受け取る相手に合わせて内容を変更できる。 |
PDF/E | 技術文書の交換に最適化された形式。技術的なワークフローによるドキュメントの作成や交換などのために使用される。 |
PDF/UA | ユニバーサルアクセスに対応された形式。障がいのある方や高齢者にも優しい構造となっている。 |
それぞれの規格の違いを知っておくことで、Photoshopで 保存する際にどの規格を選択すればよいのか迷うことがなくなります。
使い道が少ないように感じる規格でも知識として知っておくことで、いざというときに役立つため、ぜひ押さえておきましょう。
Photoshopの書き出しなどの基礎知識を身につけるなら
Photoshopで作成したデータは、PDFだけでなくJPGやPNG、GIFなどさまざまなデータで書き出しができます。
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- モックアップの作成
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実際の現場で使えるスキルも多く学べるので、受講後はすぐに実務で活用できるでしょう。
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PhotoshopとPDFについてのまとめ
今回は、PhotoshopのデータをPDFに変換する方法について紹介しました。Photoshopでは、「別名で保存」や「コピーで保存」を活用することでPSDデータをPDFに変換できます。
PDFに変換すると、Photoshopがインストールされていないパソコンや、ソフトの利用ができないスマートフォンなどの環境でも中身の閲覧ができるため、データの共有時に役立ちます。
実際の業務でもデータの変換作業はよくあるので、ぜひ手順は押さえておきましょう。
