Photoshopを使いこなすうえで必須のスキルとなるのが、画像の切り抜きです。切り抜きをマスターすると画像同士の合成ができるようになるため、デザインの幅が大きく広がるでしょう。
本記事では、Photoshopで画像の切り抜きをする際におすすめの方法を4つ紹介します。状況別で最適なやり方を解説しているため、ぜひすべての方法を使えるように練習してみてください。
Photoshopの画像切り抜き①色の対比が強い場合
まずは、切り抜きたい対象となるオブジェクトと背景色の色の対比が強い場合の切り抜き方法です。オブジェクトと背景色が似た色の場合は、境界線があやふやになるため、切り抜きの難易度が上がります。
一方で、色の対比が強いと選択範囲の境界線がわかりやすいため、切り抜きはしやすくなります。そのため、練習の際はオブジェクトと背景色の対比が強い画像を選ぶとやりやすいでしょう。
①画像を開く
切り抜きたい画像をPhotoshopで開きます。メニューバーの「ファイル」の中にある「開く」から対象の画像を選択してください。
②選択範囲を作成する
ツールバーの「クイック選択ツール」を使用して選択範囲を作成していきます。クイック選択ツールは、色や明るさが似た領域の選択範囲を自動的に拡大するツールです。
切り抜きたいオブジェクトの上でマウスをドラッグして、選択範囲を作成しましょう。また、オブジェクト外に選択範囲が作られてしまった場合は、WindowsならAlt、Macならoptionキーを長押ししながら再度ドラッグすることで、はみ出した箇所の修正が可能です。
また、細かな選択範囲の作成にはブラシサイズを変更して対応しましょう。ブラシサイズは、ブラシツールを選択している際に出てくるオプションバーから変更できます。
ブラシの硬さは数値が小さいほどブラシの輪郭が柔らかくなり、大きいほど硬く描画されます。
なお、選択範囲作成ツールはクイック選択ツール以外にも複数ありますが、切り抜く対象によって最適なツールを選択することが、綺麗な切り抜きには大切です。以下は選択範囲作成ツールごとの特徴を紹介した表です。
ツール名 | 特徴 |
長方形選択ツール | 長方形の選択範囲を作成する |
楕円形選択ツール | 楕円形の選択範囲を作成する |
一行選択ツール | 1px幅の横に細長い選択範囲を作成する |
一列選択ツール | 1px幅の縦に細長い選択範囲を作成する |
なげなわツール | ドラッグで選択範囲を作成する |
多角形選択ツール | 点をつなげて選択範囲を作成する |
マグネット選択ツール | 対象物の輪郭に沿って選択範囲を自動作成する |
オブジェクト選択ツール | 指定した領域内でAIが自動で選択範囲を作成する |
クイック選択ツール | ドラッグで選択範囲を作成する。似た色をAIが自動で判別する |
自動選択ツール | クリックした場所と近い色の部分の選択範囲を自動で作成する |
上記の表を参考に、画像によってどのツールが向いているかを見極めて使用するようにしましょう。
③レイヤーマスクを作成する
選択範囲が作成できたら、レイヤーパネルの下部にある「レイヤーマスクを作成」を選択します。
レイヤーマスクを使えば非破壊的な方法によって、画像に直接編集をかけることなくレイヤーの作成が可能です。画像を部分的に隠せるため、特定部分のみの処理ができます。
レイヤーマスクを作成すると選択範囲外を非表示にできますが、この時点ではまだ綺麗な切り抜きはできていません。境界線を綺麗にするために、オプションバーにある「選択とマスク」を選択します。
開かれたパネルの中にある「グローバル調整」の各種数値を変更することで、より滑らかで綺麗な切り抜きが可能です。
また、Photoshopで重要となる要素である「レイヤーマスク」について理解を深めたい方は、こちらの動画が参考になります。ぜひこちらもあわせてご覧ください。
Photoshopの画像切り抜き②色の対比が弱い場合
続いて紹介するのは、切り抜きたいオブジェクトと背景の色の対比が弱い場合に最適な切り抜き方法です。色の対比が弱いと境界線がぼやけてしまうため、綺麗に切り抜く難易度は上がります。
色の対比が弱い場合の切り抜き方法について詳しく確認していきましょう。
①画像を開く
切り抜きをしたい画像をPhotoshopで開きます。メニューバーの「ファイル」の中にある「開く」から対象の画像を選択してください。
②チャンネルを表示させる
メニューバーの「ウィンドウ」の中にある「チャンネル」を選択してチャンネルパネルを表示させます。「RGB」「レッド」「グリーン」「ブルー」の中から一番コントラストの強い色を選択しましょう。
レイヤー左にある目のアイコンを切り替えることで、表示の確認ができます。
③選択範囲を作成する
画像のコントラストが強くなったら、ツールバーのクイック選択ツールやオブジェクト選択ツールに持ち替えて選択範囲を作成します。ブラシのサイズを変更しながら、細かいところまで丁寧にドラッグしましょう。
④選択とマスクで調節する
選択範囲の作成ができたら、オプションバーにある「選択とマスク」を選びましょう。すると、属性パネルが開いて選択範囲の細かな調整が可能です。
滑らかさやぼかしなどを調節することで、違和感の少ない切り抜きができます。
Photoshopの画像切り抜き③髪の毛や動物の毛の場合
Photoshopで切り抜きをするうえで難易度が高いのが、髪の毛や動物の毛です。これらの毛は選択範囲の境界線があやふやなため、通常の切り抜き方をしていると違和感のある仕上がりになってしまいます。
続いては、髪の毛や動物の毛を綺麗に切り抜く方法について確認していきましょう。
①画像を開く
切り抜きをしたい画像をPhotoshopで開きます。メニューバーの「ファイル」の中にある「開く」から対象の画像を選択してください。
②チャンネルを表示させる
色の対比が弱い場合の作業と同じく、チャンネルからコントラストを強めます。チャンネルパネルは、メニューバーの「ウィンドウ」の中にある「チャンネル」から表示できます。
レイヤー左の目のアイコンを切り替えながら、一番コントラストの強くなる色を選択しましょう。
③選択範囲を作成する
コントラストを強くしたら、クイック選択ツールやオブジェクト選択ツールに持ち替えて選択範囲を作成します。Altやoptionキーを駆使しながらざっくりと切り抜きましょう。
④選択とマスクで調節する
選択範囲ができたら、オプションバーの「選択とマスク」を選択します。このとき、切り抜きをしやすいように、表示モードをオーバーレイに変更しましょう。
グローバル調整から、滑らかさやぼかしの各種設定を行い、選択範囲が自然な仕上がりになるように調節します。
⑤境界線調整ブラシで微調整する
選択とマスクのパネルを開いていると、ツールバーから「境界線調整ブラシ」を選択できるようになります。境界線調整ブラシは、髪の毛と背景の境目をドラッグすることで、選択範囲を綺麗に調整してくれるツールです。
プレビューを見ながら境界線をなぞって、違和感なく切り抜けるように調整しましょう。
Photoshopの画像切り抜き④トリミングの場合
続いては、画像をトリミングして切り抜く方法について紹介します。トリミングは画像の比率を変更したい場合によく使うテクニックです。
最後は、画像をトリミングする方法について確認していきましょう。
①画像を開く
切り抜きをしたい画像をPhotoshopで開きます。メニューバーの「ファイル」の中にある「開く」から対象の画像を選択してください。
②トリミングする
ツールバーの「切り抜きツール」を選択します。画像を囲むように表示された枠をドラッグすることで、任意の大きさに切り抜きが可能です。
また、切り抜きツールのオプションバーに表示されている比率から縦横比を選択すると、自動で選択した縦横比に切り抜かれます。さらに、幅と高さが決まっている場合は、オプションバーの比率から「幅×高さ×解像度」を選択して、手動で数値を入力しましょう。このように「幅×高さ×解像度」を使うことで入力した数値での切り抜きができます。
感覚的にトリミングしたい場合や、トリミングの数値が決まっている場合など、状況に合わせて複数の方法を使い分けてみてください。
また、こちらの記事ではPhotoshopで画像のサイズを変更する方法について紹介しています。サイズを一括で変更する方法についても解説しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
画像切り抜きが学べるおすすめのPhotoshop講座
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Photoshopで画像の切り抜きをする方法まとめ
今回は、Photoshopで画像の切り抜きをする方法について紹介しました。切り抜きをマスターすれば、デザインでは必須のスキルである画像の合成ができるようになります。
画像の合成ができれば、実際の業務でもPhotoshopを扱えるようになるでしょう。しかし、切り抜きは切り抜く画像の特徴によって必要になるテクニックは異なります。
そのため、今回紹介したすべてのテクニックを試してみて、不自由なく切り抜きができるようにチャレンジしてみてください。
また、Photoshopを使いこなすためには、ブラシの使い方についても知っておくことが大切です。
以下の記事では、Photoshopでよく出てくるブラシの使い方や設定方法について紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。