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Ansys(アンシス)の価格や機能

1970年に創業した「Ansys(アンシス)」は、航空・自動車・産業機器・エネルギー・建築・医療などのさまざまな業界でシミュレーションによる製品開発を可能とした「CAE ソフトウェア」の先駆者といえるでしょう。ここでは、「Ansys」のソフトウェアについて、その価格や機能などを紹介します。

Ansys(アンシス)の価格

Ansys(アンシス)の価格についてですが、課題を解決するために必要な解析機能や、希望するライセンス形態、または社内環境などにより、導入にかかる費用はさまざまなようです。そのため、製造業向けのCAEソフトウェアは、販売業者に問い合わせて見積もりを取る必要がありますが、公式サイトなどでは詳しい購入価格については開示されていません。価格の詳細は、Ansysのサイバーネットの担当者に希望や相談をし、購入を考えるソフトの導入プランを提案してもらうことで確認することができるでしょう。

ただ、CADやCAEソフトウェアなども調達している「JAXA」からAnsysのソフトウェアの価格について調べるといった方法もあります。Ansys(アンシス)の価格について、JAXAによると「CEAソフトウェアAnsysMechanical 」の永久ライセンスは約311万円ほどで購入され、「汎用構造解析ソフトAnsysの年間ライセンス」は1250万円で購入されていることがわかります。つまり、ANSYSを使うには1000万円以上の費用が発生する場合もあるとみていいでしょう。

Ansysと他ソフトの価格や機能について

それでは、Ansysと他ソフトの比較をしてみましょう。まず、Ansys製品のなかから、ジオメトリーの準備から後続プロセスへのモデル連携まで、解析の業務に求められる幅広い機能要求をカバーできる「Ansys Mechanical」 について説明します。Ansys Mechanical に備わっているソルバー機能は、陰解法による静的構造解析をもとに、動的構造解析やマルチフィジックスまで豊富な現象の評価を可能にしました。 そして、カスタマイズしやすいインターフェースは、幅広いユーザーが迅速にエンジニアリングの答えを導きだす手伝いをするでしょう。

Ansys Mechanical には、用途に応じて3つのパッケージが使えるようになっています。まず、基本機能に疲労や最適化などへ対応が加わった「Ansys Mechanical Pro」、Proの機能に加えて動解析や機構解析、軸対称ソリッド、ビーム要素などにも対応できる「Ansys Mechanical Premium」、そして、Premiumに機能に加えてマルチフィジクスや陽解法、破壊力学、複合材評価などへの対応も可能になる「Ansys Mechanical Enterprise」です。

Proでも一般的な構造解析機能が網羅されていて、熱伝導解析や固有値機能の他、標準で疲労解析や最適化機能ならびに4コアのHPCライセンスを備わっています。また、Enterprise では幅広い複合物理場解析機能のほかに、陽解法や複合材向けのプリポスト機能、破壊力学とメッシュモーフィングを併用したき裂進展機能や各種非線形材料のモデリングに対応することも可能になっています。

つぎに、Autodesk社が提供するソフト「Fusion360」について説明しましょう。「Fusion360」は、3DCAD機能に加え、豊富なCAE機能が搭載されている高機能3DCAD/CAM/CAEソフトです。従来のCAEソフトの価格は、数百万円ほどかかりましたが、「Fusion 360」は年間約6万(月額約7千円)ほどで購入することができます。主な機能として、5種類の構造解析機能や2種類の熱伝導解析が搭載され、解析結果をモデルに適用することのできる「シェイプ最適化」や、AIに形状提案させる最先端技術「ジェネレーティブデザイン」も使用することが可能です。

また、「Fusion360」は、簡単にデータを共有することができます。そして、計算をすべてクラウドで行う、クラウドベースのソフトであるため、計算をする際そのつどクラウドクレジットを支払うかたちをとりますが、今の時代にあったサービスとして注目されています。以上のように、低価格ながら高機能が搭載されていることもあり、3DCADを活用した設計者解析を推進する為のCAEソフトとして、利用価値が高いでしょう。ただし、世界初のクラウドベースの3ⅮCAD+CAE製品ではありますが、使用するPCに過度な機能を求めない範囲で利用ができる製品であることと、64ビット専用であることには気をつけたいところです。

そして、同じくAutodesk社が提供しているプロ向けのCAEソフト「Inventor Nastran」について説明しましょう。「Inventor Nastran」は、3DCAD機能と図面機能について、プロ向けの3DCAD Inventor をもとに、CAEとしてNastranが搭載されています。また、非線形解析に高度な解析機能を有しているため、疲労解析、非定常熱解析などにも対応しています。たとえば、1回の仮想試験で、金属やゴム、軟部組織などをモデル化できる機能、高度な材料モデル機能や、フレーム ジェネレータによる梁の理想化、スライド、摩擦、溶接などさまざまなパーツの接触を高精度でシミュレートしモデル化する機能を保有しています。価格は年間で43万円(月額5万円)ほどで購入することができるでしょう。

Ansysの利用について

Ansysは、コンピューターを利用した設計や製造に役立つCAE(Computer Aided Engineeringの略称)ソフトウェアとして周知されています。たとえば、自動車業界において、シミュレーションツールとして利用されることが多いでしょう。まずANSYSを利用することによって、ライトから放たれた光がレンズの中でどのように反射するのか、また、自動運転で活用されているカメラに死角ができないようにデータが収集されているかどうかなど、コンピューター上でシミュレーションすることができます。マツダの開発においても、Ansysのソフトウェアが採用されており、システムの安全性を高めたまま製品化までの時間を短縮しつつ、プロトタイプの開発と試験フェーズにかかる時間を大幅に削減することが可能になる、といった評価もされています。

Ansysを取り入れるメリット

最後に、Ansysのソフトを取り入れるメリットについて整理しましょう。まず、コンピュータ上で試験を実施することで「見える化」をはかれる点が挙げられます。「見える化」によって、コンピュータ上でシミュレートされ、可視化できない物理現象を再現することができ、また、予期せぬ故障を想定した対策を行うことができます。そのため、製品品質の向上にもつながるでしょう。

つぎに、製品を設計する段階からシミュレーションを実施することで、繰り返される試験と出戻りの回数が削減されることで開発までのスピードが格段に上がります。そして、製品についての試験や出戻りの回数が抑えられることで、製品開発までのコストを削減することができるでしょう。また、材料の選定の段階でシミュレーションすることができ、同時に製造コストの削減にも大きく貢献します。

Ansysの利用には以上のようなメリットがありますが、最大のメリットとして連成解析が挙げられるでしょう。 連成解析により、さまざまな解析機能を組み合わせて、実際の現象により近い高度な解析をすることが可能になります。さらに、 連成解析専用のソルバーをが搭載されているため、複雑な連成解析を難なくこなしてしまうといったことも強みの一つです。

15日間無料で試用することも可能

この記事では、「Ansys Mechanical」シリーズの機能や価格について紹介しました。Ansysのソフトは、年間契約のサブスクリプション方式で販売されていて、代理店などから購入することができます。また、Webサイトから登録することで、15日間無料で試用することも可能です。価格などの詳しい情報は、Webサイト内のお問合せページから確認するといいでしょう。

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