DIYを趣味にしており、自宅で家具や小物をつくろうとしている方も多いでしょう。
しかし勢いだけでつくってみると、サイズが合わなかったり、組み合わせが悪かったりと、DIYの難しさを肌で感じている方も多いはずです。
そこでこの記事では、DIYを効率よく実施したい人向けに、CADがおすすめな理由や、利用する際の注意点について紹介します。またおすすめの無料ソフトや簡単な使い方も紹介しているので、DIYに役立ててみてください。
CADとは?
CADとは、コンピュータを利用して図面を作成するツールのことです。
パソコンやタブレットを使って図面を作成できるため、DIYの設計図作成に役立ちます。
またCADには、次の2種類があります。
CADの種類 | 目的・特徴 |
2DCAD | 二次元データとして図面を作成するCADソフトのことであり、平面・断面図など、面としてDIY用の設計図を製図します。 |
3DCAD | 三次元データとして図面を作成するCADソフトのことであり、完成品と同じ3Dモデルを製図してDIYの設計図として利用します。 |
2DCADなら材料ごとの形状を簡単に書き起こせるほか、寸法を表示してよく見る「設計図」としてDIYに適用できます。また3DCADは完成した家具などと同じ形状を3Dモデルとして書き起こすため、正しく組み合うのか事前チェックできるのが特徴です。
2DCADがおすすめの人
2DCADをDIYに役立てるべき人は、次の通りです。
- 手早く図面を書き起こしたい人
- 自分で組み立てることに楽しみを感じている人
例えば2DCADは、線を引いて寸法を出すだけで簡単に図面を作成できます。
簡単なDIYなら30分もかからずに設計図を用意できるため、手軽さを求めている人におすすめです。
また、最終的な形を見るのがDIYを終えてからが良いと考えているのなら、2DCADをおすすめします。3DCADだと完成形がわかったうえでDIYを実施するため、完成する楽しみを減らしたくない人こそ2DCADを活用すべきです。
3DCADがおすすめの人
3DCADがおすすめな人を、以下にまとめました。
- 完成形をイメージしたうえでDIYを実施したい人
- 寸法のズレやミスを確実に潰したい人
- 3Dプリンターをお持ちの人
3DCADは3Dデータとして完成モデルを作成するため、事前に完成形をイメージしたうえでDIYにとりかかれます。寸法のズレなどにも気づきやすいため、ミスを減らしたい、スムーズにDIYを進めたいのなら、3DCADが便利です。
また3Dプリンターを所有している人や、今後DIYに3Dプリンターを活用したいと考えている人は、3DCADの導入をおすすめします。作成した3Dデータを3Dプリンターで出力できるため、DIYやその他さまざまな用途に3DCADを活用できるでしょう。
もし3Dプリンターに興味をお持ちなら、以下の記事をチェックしてみてください。
3Dプリンターの概要や仕組みをわかりやすく解説しています。
DIYでCADが役立つ理由
これからDIYを始めるのなら、事前にCADソフトを導入して、設計図を作成するのがおすすめです。なぜDIYでCADを利用すべきなのか、具体的な理由をまとめました。
寸法の間違いやずれを防止できる
DIYをおこなう際によく起こるのが、次のようなミスです。
- 材料の寸法を間違えてしまう
- サイズがズレて組み合わない
直感やセンス任せでDIYをスタートする人もいますが、作り始めた後でミスに気づき、再度つくり直しが必要になる人がいます。サイズが合わないため、使えない材料を処分しなければならないことも含め、二度手間・三度手間が起きるかもしれません。
対してCADを使えば、事前に形状や寸法を確認したうえでDIYをスタートできます。
正しい寸法で作業を始められるため、ミスを防止しやすくなるのが魅力です。
必要な材料を把握したうえでDIYを始められる
必要な材料や量がわからないままDIYをスタートすると、DIYを始めてから「〇〇の材料が足りない」と気づくケースがあります。逆に、無駄に材料を購入しすぎた結果、自宅の物置に入れっぱなしになるのもネックです。
対してCADで設計図を作成しておけば、DIYに必要な材料を把握したうえで作業を開始できます。例えば「木材の寸法は何m²必要なのか」「流用できる木材はあるか」といったことを計画したうえでDIYを始められるイメージです。
材料を無駄にしないことはもちろん、追加購入の手間を減らせるため、DIYの前にCADで図面を作成しておくことをおすすめします。
DIYでCADを利用する注意点
DIY用にCADソフトを使って図面を作成する際には、3つの注意点があると覚えておきましょう。
回避できるポイントばかりですので、詳しく紹介します。
DIYで対応できる設計図にとどめる必要がある
中には、CADを利用して設計する段階で、イメージが膨らんで細かいデザインや複雑な形状の家具等をつくろうとする人もいます。しかし、初心者がDIYを行う際には、複雑な設計図を再現できない恐れがあると覚えておきましょう。
まず家具をつくると言っても、自宅に専用の機材が揃っているとは限りません。
場合によっては素人の手に負えない複雑な設計図を作成してしまい、DIYどころではなくなる恐れもあるので、現実的に作成できる設計図をつくることを心がけましょう。
もしCADソフトで設計図を作成するのなら、今自分が作成できるレベルにとどめることをおすすめします。複雑な家具を作るのはDIYに慣れてきたタイミングや、必要な機材が揃ってからにしましょう。
2DCADでは干渉チェックが必要になる
2DCADを利用すれば簡単にDIY用の設計図を用意できますが、複数の図面に分けて設計図を作成する際には、干渉チェックを忘れないように気をつけてください。
干渉チェックとは、別々に作成した図面同士の寸法や形状が、正しくかみ合うのか確認する作業のことです。平面・側面だけを見るとキレイにできていたとしても、実際に組み合わせてみると、材料がズレてしまう場合があります。
干渉チェックをする際には、表記している寸法を見て、サイズが合うのかチェックするほか、CADデータをコピペして図面同士を重ね合わせてみるのがおすすめです。DIYを成功へ導く大切な作業ですので、図面を作成し終えたら、必ず干渉チェックを実施してください。
CAD操作に難しさを感じやすい
普段からCADに慣れ親しんでいる人なら問題ありませんが、中にはCADに触れたことがなく、うまく操作できないとお悩みの方もいるはずです。
そのためDIYのためにCADを導入しても、設計図を作成できずに結局、図面をつくらずに家具を作り始める人もいます。
もしDIYのためにCADを練習したいのなら、直感的に操作でき3Dプリンター出力にも対応できる3DCADからスタートするのがおすすめです。次のようなセミナーが開催されているため、参加を検討してみてください。
DIYにおすすめの無料CADソフト
DIY用のCADソフトを探しているのなら、まずは無料のCADソフトから導入してみるのがおすすめです。PCやタブレットなど、豊富なデバイスに適用できる無料CADソフトを3つ紹介します。
Jw_cad
Jw_cadは、シンプルな操作画面で図面を作成できるPC用の2DCADソフトです。
無料で導入できることはもちろん、100以上あるすべての機能を無料で使えます。
初心者でも利用しやすいのはもちろん、直感的な操作でDIYの設計図を準備できるのが魅力です。無料でありながら高品質な機能が搭載されているため、2DCADソフトにお悩みならJw_cadを導入してみてください。
またJw_cadの基礎知識を学びたい方は、以下の記事がおすすめです。
基本的な使い方をわかりやすく解説しています。
Fusion 360
Fusion 360は、Autodesk社が提供している無料の3DCADソフトです。
個人利用であればすべての機能を無料で利用できるため、DIYにも利用しやすいCADソフトだと言えます。
またFusion 360は、Autodesk社が提供していることから、かなりハイスペックな3DCADソフトです。便利な機能が豊富に搭載されているため、仕事で使うような詳細なデザインを実施できます。
Onshape
Onshapeは、基本機能を無料利用できるクラウド版の3DCADソフトです。
ソフトウェアをダウンロードする必要がなく、インターネット環境があればすぐに図面を作成できます。
ただし、Onshapeの無料版は、保存したデータが自動で世界中に公開されるのが特徴です。
個人情報などを書き込むとトラブルのもとになるため、簡単なメモを残そうとせず図面作成だけに利用してください。
CADのDIY利用についてよくある質問
DIY用にCADを利用したい方向けに、よくある質問をまとめました。
また材料を組み立て方や、釘を打つ位置などを検討する際に役立つのが特徴です。
複数の目的に図面を活用できるので、DIY用にCADソフトを導入してみてください。
DIYでのCAD活用についてまとめ
日曜大工としてDIYを始めたいのなら、あらかじめCADソフトを使って設計図を用意するのがおすすめです。手軽に図面を作成できるソフトが多いことはもちろん、二次元図面・三次元図面を作成できるツールが揃っています。
完全無料で導入できるソフトウェアも豊富にあるため、この機会にDIY用としてCADソフトを導入してみてください。