エクセルは計算やデータ管理に便利なツールです。一般的な四則演算だけでなく、二乗や平方根を求める際にも活用できます。
本記事では、エクセルで二乗を求める方法やセルに二乗を表記する方法について解説します。また、平方根の求め方やルートの表記方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
エクセルとは
エクセルは、アメリカのMicrosoft社が提供する表計算ソフトで、データの管理や分析に広く活用されています。表形式で数値や文字を整理し、計算やグラフ作成を簡単に行えることが特徴です。
例えば、売上データの集計や請求書の作成、データのグラフ化などに使用されており、業務の効率化ができるとして、多くの企業で取り入れられています。
また、エクセルには数式や関数、マクロなどの機能が備わっており、複雑な計算やデータ処理も自動的に行えるため、手作業によるミスを防止できるのも魅力です。
さらに、視覚的にわかりやすいグラフやピボットテーブルを活用することで、データの傾向やパターンを簡単に分析できます。
これらの特徴から、エクセルは普段使いからビジネスまで幅広く使用されており、現在も多くの職場や教育現場で欠かせないツールとなっています。
そもそも二乗とは
二乗とは、ある数値や式をそれ自身で掛け算する操作のことを指し、統計学など幅広い分野で用いられます。数学的には「x²」と表記され、「x × x」の計算を意味します。
例えば、2の二乗は「2×2=4」、3の二乗は「3×3=9」です。エクセルでは「^」や「POWER関数」を使うことで二乗を計算できます。
二乗は基礎的な数学の概念ですが、計算方法を知っていれば、ビジネスシーンでも役立つ知識です。
エクセルで「^」を使って二乗をする方法
エクセルでは、「^」(キャレット)を使うことで、二乗を計算できます。この方法は数式を直接入力するため、わかりやすく簡潔です。
下記の手順で二乗を求めましょう。
- 二乗の計算結果を出力したいセルを選択してアクティブにする
- 数式バーに「=4^2」と入力する
- Enterキーを押すと、指定したセルの値の二乗が出力される
また、計算は数値を直接入力するだけでなく、セル参照を活用する方法もあります。
例えば、「=A1^2」とすれば、A1セルに入力されている数値に対して二乗の計算が可能です。
A1に「5」が入力されていれば、「5×5」で「25」が結果として出力されます。
このように、ほかのセルとの連携ができるため、効率的に二乗計算を行いたい場合に適しています。
エクセルのPOWER関数を使って二乗をする方法
エクセルでは、POWER関数を使って二乗を計算することもできます。POWER関数は、指定した数値をべき乗できるエクセル関数です。
構文は下記のとおりです。
引数 | 説明 |
数値 | 必ず指定が必要。べき乗の底を指定する。 |
指数 | 必ず指定が必要。数値を底とするべき乗の指数を指定する。 |
下記は、POWER関数を使って二乗を計算する際の具体例です。
- 二乗の計算結果を表示したいセルを選択する
- 数式バーに「=POWER(A1,2)」と入力する
- Enterキーを押して確定すると指定したセルの値の二乗が出力される
今回は、A1セルに「7」が入力されているので、結果として「49」が出力されました。引数の「数値」には、直接数値を入力してもセル番地を入力しても、どちらでも問題ありません。
また、エクセルにはPOWER関数以外にもさまざまな関数が用意されています。下記の記事では、エクセルで定番の関数であるIF関数の使い方について解説しています。
IF関数を使えば、条件によって結果が分岐するプログラムを組めます。エクセルで頻出するIF関数について知りたい方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
エクセルのセルに二乗を表記する方法
エクセルのセルに二乗表記をする場合、計算結果をそのまま表示するだけでなく、見た目を整えることで、わかりやすいデータとなります。
エクセルのセルに二乗表記をする方法は、下記のとおりです。
- セルの書式設定を使う
- 特殊文字を使う
これらの方法を活用すれば、視覚的に整った表現を実現できます。それぞれの方法について見ていきましょう。
方法①セルの書式設定を使う
セルに入力された書式を変更することで、二乗を表現する方法です。まず、「’52」のように、二桁の数字の前にシングルクォーテーションをつけて入力しましょう。
シングルクォーテーションをつけることで、数字が文字列として認識されます。
続いて、末の「2」のみを数式バーからドラッグで選択します。そして、対象のセルを右クリックして「セルの書式設定」を選択しましょう。
フォントタブの「文字飾り」から「上付き」のボックスにチェックを入れてOKボタンで確定してください。
ワークシートに戻ると、「5 ²」と表示されているのが確認できます。
方法②特殊文字を使う
記号と文字が組み合わせた文字である「特殊文字」を使って二乗を表現する方法です。
まず、対象のセルをアクティブにしたら、挿入タブの「数式」のアイコンをクリックしましょう。
続いて、「構造」の「上付き/下付きの文字」のアイコンから「上付き文字」を選択します。
挿入された図形にそれぞれ数値を入力したら、セルに記号として二乗を表記させられます。
エクセルでセルにルートを表記する方法
セルにルート記号を挿入することで、計算結果をわかりやすくできます。エクセルでセルにルートを表記したい場合は、下記の方法で行えます。
- 特殊文字を使う
- 変換機能を使う
これらの方法について見ていきましょう。
方法①特殊文字を使う
ルートは特殊文字を使って表記できます。まず、挿入タブの「記号と特殊文字」から「数式」のアイコンを選択しましょう。
続いて、「べき上根」から「平方根」のアイコンをクリックしてください。すると、ワークシート内に図形が挿入されます。
四角の部分をクリックすると編集モードに移行するので、数値を入力して確定すればセルにルートの表記ができます。
また、記号の大きさは、ホームタブの「フォント」グループにあるフォントサイズから変更可能です。
方法②変換機能を使う
単純に、キーボードの変換機能を使ってルートを表す方法です。まず、対象のセルに「るーと」と入力し、スペースキーもしくは変換キーで予測変換を出しましょう。
「√」が候補に表示されるので、選択して確定します。この方法なら、挿入した√文字の後に値を入力することでルートを表現できます。
そのため、特別な関数や複雑な操作をせず、標準のキーボード操作で簡単にルート表記が可能です。
エクセルで平方根を求める方法
平方根とは、二乗する前の数のことです。エクセルでは、平方根を計算するための便利な関数や演算子が用意されており、下記の方法で平方根を求められます。
- SQRT関数を使う
- POWER関数を使う
- 「^」を使う
これらの方法について見ていきましょう。
方法①SQRT関数を使う
SQRT関数は、エクセルで正の平方根を求める関数です。例えばセルA1に「16」が入力されているケースでは、セルB1に「=SQRT(A1)」と入力すると結果として「4」が出力されます。
SQRT関数は、引数に平方根を求めたい数値やセル番地を指定するだけで使用できます。また、SQRT関数は正の数にしか適用できないため、負の値を引数に指定するとエラーになってしまう点には注意が必要です。
方法②POWER関数を使う
指定した数値を任意のべき乗で計算するPOWER関数で平方根を求めるケースでは、第二引数に「1/2」もしくは、「0.5」を指定します。
例えば、セルA1に「16」が入力されているケースでは、セルB1に「=POWER(A1, 1/2)」もしくは、「=POWER(A1, 0.5)」と入力すれば、結果として「4」が出力されます。
また、「=POWER(A1, 1/3)」とすると、立方根を求めることも可能です。
方法③「^」を使う
「^」を使い、平方根を計算する方法です。例えば、セルA1に「16」が入力されているケースでは、セルB1に「=A1^(1/2)」と入力すれば、結果として「4」が出力されます。
また、「=A1^(1/2)」ではなく、「=A1^0.5」とすることでも平方根を求められます。
平方根を小数点表示にする方法
5の平方根を小数点表示にしたいケースでは、POWER関数なら「=POWER(5, 1/2)」、「^」を使用するなら「=5^(1/2)」を対象のセルに入力しましょう。
すると、ルート表示の平方根を小数点で確認できます。
また、エクセルで求めた小数点を切り上げる方法については、下記の記事を参考にしてください。
切り上げだけでなく切り捨てや、四捨五入などの端数処理の方法についても解説しています。
エクセルを使いこなすのにおすすめのセミナー
エクセルで二乗を求めるなら、特殊な演算子や関数を使用する必要があります。
しかし、エクセルに慣れていないとこれらの使い方を理解するのにも時間がかかるでしょう。
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エクセルで二乗を求める方法のまとめ
今回は、エクセルで二乗を求める方法について紹介しました。エクセルでは、二乗を求める方法として「^」記号を使った計算やPOWER関数を活用できます。
さらに、見た目を整えたい場合には、セルの書式設定や特殊文字を使う方法がおすすめです。これらを組み合わせることで、より見やすい資料を作成できます。
用途に応じて最適な方法を選び、エクセル操作をさらに便利に活用しましょう。
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