Blenderで作成したモデルに輪郭線をつけることで、イラスト調のデザインやアニメ風の表現ができます。
本記事では、Blenderで輪郭線を表示させる方法や、輪郭線をつけるのにおすすめのアドオンなどについて解説します。
輪郭線をつけるための具体的な手順について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
Blenderとは
引用:Blender
Blenderは、1998年にリリースされた無料の3DCGソフトです。3Dモデルの作成からアニメーションの制作まで幅広い用途に対応しています。
映画やゲームの制作現場でも活用されるほど高い性能を持ちながら、誰でも無料で利用できる点が大きな特徴です。
さらに、Blenderは日本語に対応しているため、初心者でも使いやすく、スムーズにスキルの習得ができます。
また、アドオンと呼ばれる追加機能をインストールすることで、専門的なスキルがなくても効率的に開発を進めることが可能です。
モデリングやアニメーション制作に挑戦したい方にとって、Blenderはとても魅力的なツールといえるでしょう。
Blenderの輪郭線とは
Blenderの輪郭線とは、3Dモデルに輪郭をつけるための線を指します。輪郭線つけることで、オブジェクトをより際立たせられるのが特徴です。
また、輪郭線によってキャラクターや背景が立体的になりすぎず、2Dのような雰囲気を出せるため、アニメ風やイラスト調のビジュアルを制作する際によく活用されます。
そのため、普通の3Dの質感とは違ったテイストのデザインを作る際におすすめの手法です。さらに、線の太さや色を変えて個性を出すことで、表現の幅も広げられます。
なお、Blenderの基本的な使い方については以下の記事で解説しています。Blenderを始めたばかりの方は、こちらもあわせてチェックしてみてください。
Blenderで輪郭線を表示できる背面法とは
Blenderで輪郭線を表示させる際によく使われる方法の一つが「背面法」と呼ばれるテクニックです。
背面法では、まず元のモデルの外側に少しだけ大きなコピーを作成します。このコピーは、元のモデルを覆う形で配置されます。
そして、コピーの面を裏返して「裏面を非表示」に設定します。さらに、コピーには黒や白などの好みの色を塗ることで、裏返した面が背景として見えるようになります。
この結果、元のモデルを囲むような輪郭線が表示される仕組みです。
背面法のメリットは、比較的簡単な設定で輪郭線を表現できる点にあります。加えて、Blenderの内蔵機能のみを使って実現できるため、特別なアドオンを導入する必要もありません。
また、線の太さや色を調整することで、自分の求めるデザインに近づけることも可能です。
Blenderで輪郭線を表示させる方法
背面法を使って、Blenderで作成したオブジェクトに輪郭線を表示させる手順は以下のとおりです。
- オブジェクトを追加する
- オブジェクトにマテリアルを追加する
- ソリッド化のモディファイアーを追加する
これらの手順について一つずつ詳しくみていきましょう。
手順①オブジェクトを追加する
まず、Blenderの作業エリアに輪郭線をつけたいオブジェクトを追加します。デフォルトで用意されているオブジェクトはAキーで全選択してから、Deleteキーで削除しておきましょう。
続いて、Shift + Aキーのショートカットキーで追加のメニューを開き、「メッシュ」から「UV球」を選択します。追加されたこのUV球が、輪郭線をつけるモデルになります。
また、Blenderを使って3Dモデルを作成する方法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
Blenderを使ってサッカーボールを作成する方法を、手順ごとに詳しく解説しています。
手順②オブジェクトにマテリアルを追加する
作成したオブジェクトにマテリアルを追加します。右側にある「マテリアルプロパティ」のアイコンをクリックし、「新規」ボタンを押してマテリアルを作成しましょう。
名前は「カラー」とし、「ベースカラー」では好きな色を設定してください。さらに、UV球に輪郭線用の「マテリアル」を追加します。
同じ手順でマテリアルを追加したら、名前はわかりやすいように「輪郭線」としておきましょう。次に、「ベースカラー」を黒に変更します。
続いて、設定内の「裏面を非表示」にチェックを入れてください。この設定により、先ほど設定した黒色を輪郭線として表示できるようになります。
手順③ソリッド化のモディファイアーを追加する
次に、オブジェクトに「ソリッド化」のモディファイアーを適用します。Blenderのソリッド化とは、オブジェクトに厚みを追加する機能です。
まず、右側にあるスパナアイコンの「モディファイアープロパティ」をクリックします。続いて、「モディファイアーを追加」ボタンを押して、「生成」から「ソリッド化」を選択してください。
その後、以下の設定を行いましょう。
設定項目 | 設定値 | 説明 |
幅 | -0.03 | 厚みの変更。値によって輪郭線の太さが変わる。 |
ノーマルの「逆転」 | チェックを入れる | ノーマル方向を反転させる設定。裏面を黒く表示させ、輪郭線として見せる。 |
マテリアルの「マテリアルインデックスオフセット」 | 1 | 「輪郭線」マテリアルを適用する設定。 |
これらの設定を行うと、オブジェクトに黒い輪郭線が表示されます。
また、Blenderにはソリッド化以外にもさまざまなモディファイアーが用意されています。
以下の記事では、海洋モディファイアーを使ってBlenderで海を作る方法について解説しているので、気になる方はぜひこちらもあわせてご覧ください。
Blenderで簡単に輪郭線をつけるならアドオンがおすすめ
Blenderで輪郭線をつける作業を簡略化したいなら、アドオンの使用がおすすめです。
「Outline Helper」は、背面法をワンクリックで行えるアドオンです。
アドオンをダウンロードしたら、プリファレンスからBlenderにインストールすることで使用できます。
輪郭線をつけたいオブジェクトを選択したら、Nキーでサイドバーを開き、「add/set outline」ボタンをクリックしましょう。
すると、簡単にオブジェクトに輪郭線を追加できます。また、太さは左下に表示されるパラメーターから変更でき、線画を消したい場合は「RemoveOutline」から削除可能です。
輪郭線追加の作業を効率化したい方は、ぜひアドオンの使用も検討してみてください。
Blenderでモデリングを学ぶ方法
Blenderを習得するなら、自分に合った方法で学習することが大切です。Blenderでモデリングのスキルを磨くなら、主に以下の方法があります。
- 書籍で学ぶ
- スクールで学ぶ
- セミナーで学ぶ
これらの学習方法の特徴について見ていきましょう。
学習方法①書籍で学ぶ
Blenderの基本操作やモデリング技術を体系的に学びたい場合は、書籍がおすすめです。
書籍は初心者向けから上級者向けまで種類が豊富にあるため、自分のレベルに合わせて柔軟に選択できます。
さらに、イラストや写真付きで丁寧に解説されている書籍を選ぶことで、独学でも理解しやすいでしょう。
また、電子書籍として購入すれば、好きな場所で学習を進められます。
基礎を学びたい方には初心者向けの入門書を選び、応用スキルを身につけたい方は専門的なテーマに特化した書籍を活用するとよいでしょう。
一方で、書籍を学習のメインとする場合、学習のスケジュールを自分で管理しなければいけないのはデメリットです。
自己管理が得意な方は、書籍からBlenderの学習を始めてみましょう。
学習方法②スクールで学ぶ
本格的にBlenderのスキルを習得したいなら、スクールで学ぶのがおすすめです。CG系のスクールなら、授業の一環としてBlenderも学習できます。
特に、スクールは半年や一年など長期的なスパンで学習できるため、実務で役立つスキルが身につきます。
また、就職支援サービスがあるスクールでは、卒業後のキャリアもバックアップがあり安心です。
一方で、高額な費用が必要だったり、仕事をしながら通うのが難しかったりするのがデメリットです。そのため、予算や将来を考えたうえで、通学するかは検討しましょう。
学習方法③セミナーで学ぶ
効率的にBlenderのスキルを身につけたいが、スクールに通うほどの余裕はない方におすすめなのがセミナーの受講です。
セミナーならスクールと比較して短期間のカリキュラムなので、リーズナブルな価格でBlenderの学習ができます。
また、セミナーでは基礎だけでなく応用までを学べるため、終了後は現場で即戦力となる技術を身につけられます。さらに、ほかの参加者との交流を行うことで、学習のモチベーションにつながることもメリットの一つです。
ただし、セミナーの内容が初心者向けか中級者以上向けかを事前に確認する必要があります。コストパフォーマンス良くBlenderのスキルを学びたい方は、ぜひセミナーの活用を検討してみてください。
初心者にはBlender基礎セミナーがおすすめ!
Blenderの学習を始めたばかりの初心者には、Proskilllが運営するBlender基礎セミナーの受講がおすすめです。
Blender基礎セミナーでは、画面の操作方法や基本的なツールの使い方から、モデリングやアニメーションの作成まで幅広く学習できます。
また、セミナーは会場受講だけでなくオンラインコースも用意されているので、地方に住んでいる方でも自宅から気軽に参加できるのも魅力です。
さらに、講座期間は2日間だけなので、仕事や学校などで長期的なスケジュールを確保できない方でも安心です。
Blenderを始めたばかりだが、短期間でスキルを身につけたいという方は、ぜひProskilllのBlender基礎セミナーをチェックしてみてください。
Blenderで輪郭線をつける方法のまとめ
今回は、Blenderで輪郭線をつける方法について紹介しました。Blenderでは、背面法という方法を使うことで簡単に3Dモデルに輪郭線を表示させられます。
輪郭線をつけることで、アニメーション風やイラスト調のデザインの3Dモデルを作成できます。
輪郭線は、マテリアルの設定とモディファイアーの適用するだけで付与できるので、違ったテイストの3Dモデルを作成したい場合は、ぜひ活用してみてください。
