Blenderは初心者でも扱える3DCGソフトですが、初心者のうちはモデリングをするのはハードルが高いと感じるでしょう。
そこでおすすめなのが、写真からモデリングができるツールの使用です。
本記事では、Blenderを使って写真からモデリングする方法を解説します。
ツールを活用した効率的な手法から、一から作成する際のポイントまで解説しているので、3D制作のスキルを身につけたい方はぜひ参考にしてください。
Blenderとは
BlenderはオランダのBlender Foundationが開発した3DCGソフトです。主に、以下のような特徴を備えています。
- 無料で使えて高機能
- 豊富なアドオンやアセットを無料で利用できる
- 学習リソースが豊富にある
これらのBlenderの特徴について確認していきましょう。
特徴①無料で使えて高機能
Blenderはオープンソースの3Dモデリングソフトのため、誰でも無料で利用できるのが特徴です。
有料でもおかしくないほどの機能を備えており、モデリング、レンダリング、アニメーション、シミュレーションなどの作業に対応しています。
映画やゲーム業界で使われるレベルのクオリティも実現可能です。無料ながら機能性に優れるBlenderは、初心者からプロまで幅広い層に支持されています。
特徴②豊富なアドオンやアセットを無料で利用できる
Blenderでは豊富なアドオンやアセットが無料で利用できる点でも魅力です。アドオンはBlenderの機能を拡張するプラグインで、公式のものからユーザーが開発したものまで数多く存在します。
これらは基本的に無料で入手できるものも多く、インストールするだけで簡単に使用可能です。
また、無料でダウンロードできるアセットも数多く存在し、背景モデルやテクスチャ、キャラクターなどを簡単にプロジェクトに取り入れられます。
こうした機能を使うことにより、コストを抑えながらプロ品質の作品を制作できる点がBlenderの大きな特徴です。
特徴③学習リソースが豊富にある
Blenderは無料で使えることから、たくさんのユーザーがいるため、学習のリソースが豊富にあるのが特徴です。
インターネット上には日本語での解説も用意されているので、基本的な操作方法から高度なテクニックまで体系的に学べます。
さらに、書籍も多く販売されており、自身のレベルに合わせて選択が可能です。これらの特徴から、Blenderは初心者でも参入がしやすく、かつ独学でも十分にスキルを磨けるでしょう。
Blenderで写真からモデリングするメリット
Blenderで写真からモデリングすることには、以下のメリットがあります。
- 初心者でも始めやすい
- 作業効率が向上する
これらの写真からモデリングするメリットについて見ていきましょう。
メリット①初心者でも始めやすい
ツールを使って写真からモデリングをすることで、一から形状を作る必要がありません。写真を使うことで、物体の形状やバランスを視覚的に確認できるため、モデリング時のガイドとして非常に有用です。
そのため、複雑なモデリングが難しい初心者でも気軽に3Dモデルの作成ができます。特に、自分のスキルでは再現が難しいような形状をモデリングする際は、写真の活用はおすすめの方法です。
メリット②作業効率が向上する
ツールを使わない場合でも、写真からモデリングを行うことでベースとなる形状を再現しやすいため、形状を作り込む手間を削減できます。
特に、複雑な形のモデル作成においては、写真を基にすることで作業時間を短縮しつつ、高い精度でモデリングできるでしょう。
イラストを描く際に下書きを用意するように、モデリング時にも写真という下書きがあれば効率的に作業を進められます。
Blenderで写真からモデリングをツールを使って行う方法
Monster Mashというツールを使えば、Blenderで写真からモデリングができます。また、Monster Mashはアニメーションもつけられます。
Monster Mashで、写真にアニメーションをつけたモデルをBlenderに取り込む方法について見ていきましょう。
1.Monster Mashを開く
まずは、写真からモデリングができる「Monster Mash」というサイトを開きます。お使いのブラウザから「Monster Mash」と検索しましょう。
2.画像を開く
サイトが開いたら、フォルダーのアイコンから「Import template image」を選択してください。すると、フォルダーが開くので、3D化したい写真を選択します。
3.写真の輪郭をなぞる
写真が読み込めたら、画面上部の「Draw」を選択して、写真の輪郭をなぞっていきます。
このとき、写真の内側をなぞるようにドラッグすることと、一筆書きでなぞらなければいけない点に注意が必要です。
ミスをしてしまった場合は、画面上部のゴミ箱アイコンでやり直しを行えます。
また、左右対称にしたい箇所については、なぞった後にダブルクリックで線を赤くしておきましょう。画面上部の「Inflate」をクリックすると、3Dモデルのプレビューを確認できます。
4.アニメーションをつける
続いて、アニメーションをつけていきます。画面上部の「Animate」をクリックしたら、関節に設定したい部分をクリックで選択しましょう。
関節を設定したら、画面上部のレコードボタンをクリックしてください。すると、アニメーションを録画できるので、モデルをドラッグして動きをつけます。
5.gLTFファイルでエクスポートする
アニメーションを録画したら、画面上部のエクスポートオプションを開いて、「Export animation as gLTF」を選択しましょう。
初期設定のまま「Export」ボタンをクリックすることで、gLTFファイルがエクスポートされます。
6.Blenderでインポートする
Blenderを開き、ファイルの「インポート」から「gLTF 2.0」を選択することで、先ほど作成したgLTFファイルをインポートできます。
マテリアルプレビューに変更して、仕上がりを確認してみましょう。
Blenderで写真からモデリングを一から行う方法
Blenderで写真を参考としてモデリングするには、写真をインポートする必要があります。写真のインポートは、Shift+Aキーの「画像」から「参照」をクリックしましょう。
すると、画像が3Dビューポート上に追加されるので、その画像を参考にモデリングを行うことで、効率的に作業を進められます。
また、データプロパティの「不透明度」にチェックを入れて数値を調整することで、画像の透過もできます。透過を行うことで、オブジェクトと重ねながら作業ができるので、より効率化できるでしょう。
Blenderで写真からモデリングする際に役立つ基本操作
Blenderで写真からモデリングをする際は、以下の操作を押さえておくと作業が捗ります。
- ループカット
- ベベル
- ブーリアン
これらの、写真からモデリングする際に役立つ基本操作について見ていきましょう。
基本操作①ループカット
ループカットは、モデルの形状を細分化し、エッジや面を調整しやすくするための操作です。写真からモデリングする際は、細かいディテールを再現するために使われます。
ループカットの使い方は以下のとおりです。
- 編集モードに切り替える
- Ctrl+Rキーでループカットを表示させる
- マウスをドラッグしてループカットを入れる位置を決める
- 左クリックで位置を確定する
また、ループカットを表示させた際に、マウスホイールを転がすと分割数の設定ができます。
基本操作②ベベル
ベベルは、エッジやコーナーを丸くして滑らかな形状にする操作です。
エッジが鋭すぎると不自然に見えるため、写真からモデリングする際はベベルを使うことで現実的な仕上がりになります。
ベベルの使い方は以下のとおりです。
- 編集モードでベベルをかけたい辺や面を選択する
- Ctrl+Bキーを押し、ドラッグでベベルの強さを調整する
また、ベベルの使い方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。ベベルの使い方から設定方法までを解説しています。
基本操作③ブーリアン
ブーリアンは、別のオブジェクトを使って形状を切り抜いたり、結合したりする操作です。写真からモデリングをする際、複雑な形状や穴を作りたい場合に役立ちます。
ブーリアンの使い方は以下のとおりです。
- メインのオブジェクトと、切り抜きや結合に使用するオブジェクトを用意する
- メインオブジェクトを選択する
- モディファイアープロパティの「モディファイアーを追加」から「生成」の「ブーリアン」を選択する
- 「オブジェクト」の項目に切り抜きに使いたいオブジェクトを選択する
- アウトライナーの目のアイコンをクリックして、切り抜きに使ったオブジェクトを非表示にする
ブーリアンには以下3つの項目があり、用途に合わせて使いわけができます。今回は切り抜きの「交差」を使用しました。
項目 | 説明 |
交差 | オブジェクトが交差したいる領域だけが表示される。 |
合成 | オブジェクトが合成される。 |
差分 | 選択したオブジェクトで切り抜きされる。 |
また、ブーリアンの使い方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。ブーリアンの使い方や、ブーリアンができない原因について解説しています。
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Blenderで写真からモデリングする方法のまとめ
今回は、Blenderで写真からモデリングする方法について紹介しました。専用のツールを使えば、写真を元に効率的に3Dモデルを作成できます。
また、基本操作の「ループカット」や「ブーリアン」などの機能を駆使すれば、写真の特徴を的確に再現可能です。
写真からモデリングは、プロジェクトのクオリティを高めたり、作業時間を短縮したりできるので、ぜひ活用してみてください。
