Blenderのアウトラインを活用すると、3Dモデルが強調され、視覚的な魅力も向上します。
しかし、どのようにアウトラインを引くか、わからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事ではBlenderでアウトラインを引く方法を解説します。
Blenderでアウトラインを使うメリットや注意点なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Blenderのアウトラインとは

Blenderのアウトラインとは、3Dモデルの輪郭や特徴的な部分を強調する線のことです。
このアウトラインによって、モデルの形状がより明確になり、視覚的な魅力が増します。
また、Blenderのアウトラインはアニメ調の作品やメカニカルなデザインの強調に特に効果的であり、モデルに奥行きや立体感を与えられます。
そのため、複雑な形状を持つオブジェクトの構造をわかりやすく表現できるでしょう。
Blenderには、アウトラインを作成するための複数の方法があります。
代表的なものとして、FreeStyleやソリッド化モディファイアを使用する手法が挙げられます。
各方法にはそれぞれ特徴があり、目的や好みに応じて選択が可能です。
さまざまな手法によって、アウトラインの太さや色を調整すると、作品全体の雰囲気を大きく変えられます。
細い線で繊細な印象を与えたり、太い線でポップな印象を出したりと、表現の幅を広げる要素となっています。
Blenderでアウトラインを引く方法!
Blenderでアウトラインを引く際のFreeStyleを使用する方法とソリッド化モディファイアを活用する方法について、詳しく解説します。
FreeStyleを使用したアウトライン作成

FreeStyleは、手描き風の線画やアウトラインを作成するための機能です。
以下の手順で設定します。
- レンダーエンジンをCyclesかEeveeに切り替える
- 「レンダリング」タブ内で「FreeStyle」のチェックボックスをオンにする
- 「ビューレイヤー」タブで「FreeStyle」のチェックボックスをオンにする
- 「FreeStyle ラインセット」パネルで「+」ボタンをクリックし新しいラインセットを追加する
- ラインセットの「エッジタイプ」を「外輪郭」に設定する
- 「FreeStyle ラインスタイル」パネルで線の太さや色を調整する
- F12キーを押してレンダリングを実行する
まずはレンダーエンジンの設定から始めます。
CyclesかEeveeを選択することで、FreeStyleが利用可能になります。
次にFreeStyleを有効にし、ビューレイヤーの設定を行います。

そうすると、特定のレイヤーにのみアウトラインの適用が可能です。
ラインセットの追加と設定は、どの部分にアウトラインを引くかを決める工程です。
ちなみに、「外輪郭」に設定することで、オブジェクトの外側のみが強調されます。
その後のラインスタイルの調整では、線の太さや色を作品の雰囲気に合わせて設定が可能です。
最後にレンダリングを実行すると、設定したアウトラインが反映された画像が生成されます。
この方法は特にアニメや漫画風の表現に適しており、細かな調整が可能です。
ソリッド化モディファイアを使用したアウトライン作成

ソリッド化モディファイアは、オブジェクトの外側に殻を作り、それをアウトラインとして利用する方法です。
以下の手順で設定します。
- アウトラインを追加したいオブジェクトを選択する
- 「プロパティ」パネルの「モディファイア」タブから「ソリッド化」を選択する
- 「厚さ」パラメータでアウトラインの太さを設定し「オフセット」を1に設定する
- 新しいマテリアルを作成し、アウトライン用に色を設定する
- ソリッド化モディファイア内で「マテリアルインデックス」に作成したマテリアル番号を指定する
- 3Dビューポートで結果を確認し必要に応じて微調整する
この方法では、まずアウトラインを付けたいオブジェクトを選びます。
次にソリッド化モディファイアを追加することで、オブジェクトに厚みを持たせます。
その後、「厚さ」パラメータでアウトラインの太さを「オフセット」で外側のみに殻を生成するよう設定してください。
設定後は、アウトライン用の新しいマテリアルを作成し、色を設定します。
このマテリアルをソリッド化モディファイアに適用することで、殻部分に色が付きます。
最後に3Dビューポートで結果を確認し、必要な調整を行いましょう。
この手法は、より立体的な表現が可能となるため、特にメカニカルなデザインや建築モデルに適しています。
仕上げのポイント
アウトラインの太さは作品全体とのバランスがポイントです。
細かく調整して最適な見え方を探すことで、より魅力的な表現が可能になります。
また、複数のオブジェクトにアウトラインを適用する際は、一貫性を保つことが大切です。
ライティングやカメラアングルによってもアウトラインの印象が変わるため、全体的なバランスを考慮しながら調整を重ねましょう。
FreeStyleとソリッド化モディファイアはそれぞれ特性が異なるため、目的や作品スタイルに応じて適切な方法を選択することが重要です。
実際に両方の手法を試してみることで、自分だけの独自の表現方法を見つけることができるでしょう。
Blenderでアウトラインを使うメリット
Blenderでアウトラインを使うメリットは、作品の視覚的魅力を高め、表現の幅を広げることです。
以下に、具体的なメリットを解説します。
視覚的効果を得られる
アウトラインは3Dモデルの立体感を強調し、形状をより明確に示すことが可能です。
特に平面的に見えがちな部分に深みを与え、オブジェクトの構造を直感的に理解しやすくします。
また、複雑な形状や細かい部分を持つモデルでは、アウトラインが重要な役割を果たします。
輪郭を強調することで、オブジェクト同士の境界がはっきりし、個々の要素が識別しやすくなるのもメリットです。
スタイルの多様化を実現できる
アウトラインの使用により、写実的な表現から漫画風まで、幅広いスタイルの表現が可能です。
線の太さや色を変えるだけで作品の印象を大きく変えられるのは、クリエイターにとってさまざまな表現ができる要素といえるでしょう。
特定の部分に視点を誘導できる
戦略的にアウトラインを配置することで、視聴者の視点を特定の部分に誘導できます。
重要な要素に太いアウトラインを、それ以外の部分に細いラインを使用するなど、メリハリをつけることが可能です。
その結果、作品の中で伝えたいメッセージをより効果的に伝達できます。
レンダリング時間を短縮できる
アウトラインを使用することで、細かいテクスチャやマテリアルの詳細を簡略化できる場合があります。
これにより、レンダリング時間を短縮しつつ、魅力的な視覚効果を得ることが可能です。
アニメーション効果を向上できる
動きのあるシーンでは、アウトラインがオブジェクトの動きを強調します。
そのため、アニメーションの流れがよりスムーズに見え、動きの理解が容易になるでしょう。
特にアクションシーンや機械の動作を表現する際にアウトラインは効果的です。
Blenderでアウトラインを引く時の注意点
Blenderでアウトラインを引く際には、いくつかの注意点があります。
これらを意識することで、より効果的で魅力的なアウトラインを作成できます。
以下に主な注意点を解説します。
アウトラインの太さ
アウトラインの太さは、作品全体のバランスに大きく影響します。
太すぎるアウトラインは重々しい印象を与え、細すぎると効果が薄れてしまいます。
そのため、モデルのサイズや画面上での表示サイズに応じて、適切な太さを選びましょう。
また、遠近感を表現するために、手前の物体には太めのライン、奥の物体には細めのラインを使用するテクニックも効果的です。
色の選択
アウトラインの色は、モデルの色や背景との調和がポイントです。
黒一色のアウトラインが常に最適とは限りません。
たとえば、モデルの色に合わせて、暗めの補色を選ぶと自然な印象になります。
ほかにも、明るい色のモデルには暗めのアウトライン、暗い色のモデルには明るめのアウトラインを使用するなど、コントラストを意識しましょう。
オーバーラップ
複数のオブジェクトが重なる場合、アウトラインの処理に気をつけてください。
単純にすべてのオブジェクトにアウトラインを適用すると、重なり部分で不自然な表示になることがあります。
これを避けるために、オブジェクトの深度を考慮したアウトライン処理や重要なオブジェクトのみにアウトラインを適用するなどの工夫が必要です。
パフォーマンスへの影響
アウトラインの追加は、レンダリング時間やリアルタイム表示のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
特に複雑なモデルや大量のオブジェクトがある場合は注意が必要です。
必要最小限のアウトラインにとどめるか、効率的なアウトライン生成手法を選びましょう。
スタイルの一貫性
作品全体を通して、アウトラインのスタイルに一貫性を持たせることが重要です。
太さや色、適用方法が場面によってバラバラだと、視聴者に違和感を与えてしまいます。
ただし、意図的に変化をつける場合は、その理由を明確にしておくとよいでしょう。
アニメーション
アニメーションを行う場合、アウトラインの動きにも注意が必要です。
オブジェクトの変形や移動に合わせて、アウトラインも自然に追従するように設定しましょう。
特に急激な動きや変形がある場合は、アウトラインのちらつきや不自然な動きが生じないか確認が必要です。
レンダリング設定との調和
最終的なレンダリング結果を見据えて、アウトラインの設定を行うことが大切です。
ライティングや材質設定、ポストプロセス効果などとの相性を確認し、必要に応じて調整を加えてください。
ときには、レンダリング後の画像編集ソフトでアウトラインを追加するほうがが効果的な場合もあります。
Blenderでアウトラインを引く方法についてまとめ
Blenderのアウトラインは、作品に新たな魅力を加える方法の1つです。
今回はFreeStyleやソリッド化モディファイアを使った基本的な作成方法から視覚効果の向上、スタイルの多様化といったメリット、そして使用時の注意点まで解説しました。
アウトラインの活用は、技術的なスキルアップだけでなく、クリエイティブな表現の幅を大きく広げてくれます。
ぜひ、これらの知識を活かして個性的な作品作りに挑戦してみてください。