3Dアニメーションって難しそう…そう思っていませんか?でも大丈夫です。Blenderを使えば、意外と簡単にアニメーションが作れます。
この記事では、Blenderでアニメーションを作る基本を、初心者の方にも分かりやすく説明します。読み終わる頃には、Blenderで簡単なアニメーションが作れるようになります!
Blenderアニメーションって何?
Blenderアニメーションの基本は、キーフレームという考え方です。キーフレームは、物の位置や形を記録するポイントのこと。キーフレームとキーフレームの間の動きは、Blenderが自動的に作ってくれます。
例えば、最初と最後の位置を決めるだけで、その間の動きが自動的に作られます。
Blenderでアニメーションを作るのは、パラパラ漫画を作るのに似ています。パラパラ漫画では、少しずつ絵を変えて描いていきます。Blenderでも同じように、少しずつ物の位置や形を変えていくきます。でも、Blenderの場合は、全部を自分で描く必要はありません。キーとなる場面だけを設定すれば、あとはBlenderが自動で中間の動きを作ってくれます。
これがBlenderアニメーションの魅力の一つです。少ない作業で、滑らかな動きを作れます。ですので初心者の方でも、アイデア次第でBlenderで素敵なアニメーションが作れます。手描きアニメのように全てのコマを描く必要がないので、アイデアを形にするのがとても早いのが特徴です。
機能名 | 説明 | 主な用途 |
---|---|---|
キーフレーム | オブジェクトの状態を記録する機能 | 基本的なアニメーション作成 |
グラフエディタ | アニメーションの動きを調整する機能 | 動きの緩急をつける |
カメラアニメーション | カメラの動きを設定する機能 | 視点の変更、ズームイン・アウト |
レンダリング | アニメーションを動画ファイルに出力する機能 | 作品の完成・共有 |
ループアニメーション | 同じ動きを繰り返す機能 | 背景の動き、歩行モーションなど |
リギング | キャラクターに骨組みを設定する機能 | キャラクターアニメーション |
Grease Pencil | 2Dアニメーションを作成する機能 | 手書き風のアニメーション |
アドオン | Blenderの機能を拡張するプラグイン | 作業の効率化、高度な機能の追加 |
Blenderアニメーション①キーフレームで動きを作ろう
では、実際に簡単な動きを作ってみましょう。ここでは、四角い箱が左右に動くアニメーションをBlenderで作ります。
最初の位置を設定する
Blenderを開き、画面中央にある四角い箱を選択します。そして、画面下のタイムラインで、1フレーム目を選びます。
箱を選んだまま「I」キーを押し、表示されるメニューから「位置」を選択します。これで、箱の初期位置が記録されました
最終位置を設定する
タイムラインで50フレーム目を選びます。次に、箱を右に動かします。マウスでドラッグするか、矢印キーを使って移動させてください。
そしたら、新しい位置で、再び「I」キーを押して「位置」を選択します。これで、箱の最終位置が記録されました。
アニメーションを確認する
画面下部にある再生ボタン(三角形のアイコン)を押します。そうすると、箱が左から右へ滑らかに動くのが見られます。
動きを調整したい場合は、グラフエディタを使って速度を変更できます。
注意点:キーフレームを作る時は、必ずタイムラインの数字(フレーム)を確認しましょう。同じフレームで2回キーフレームを作ると、動きが上書きされてしまいます。
この簡単な動きを基本に、もっと複雑なアニメーションもBlenderでは作れます。例えば、箱を上下に動かしたり、回転させたりすることもできます。「I」キーを押した後に「回転」を選べば、物を回転させるアニメーションが作れます。「拡大縮小」を選べば、大きくなったり小さくなったりするアニメーションが作れます。
Blenderアニメーション②動きをなめらかにしよう
動きをもっとなめらかにしたい時は、グラフエディタを使います。グラフエディタは、動きの速さを調整できる便利な道具です。
グラフの線を曲げると、動きの速さが変わります。例えば、S字の形にすると、ゆっくり始まってだんだん速くなり、最後にまたゆっくりになる…という自然な動きになります。
グラフを直線にすると、一定の速さで動きます。曲線にすると、動きに緩急がつきます。上に凸の曲線だと、始めと終わりが遅く、途中が速い動きになります。逆に下に凸だと、始めと終わりが速く、途中が遅い動きになります。
これを使いこなせるようになると、より自然で魅力的なアニメーションが作れるようになります。例えば、ボールが跳ねる動きを作る時、地面に当たる直前は速く、頂点では遅くなるような曲線を作ると、本物のボールのような動きが表現できます。
Blenderアニメーション③カメラを動かしてみよう
物を動かすだけでなく、カメラを動かすとより面白いアニメーションが作れます。カメラの動かし方は、先ほど「Blenderアニメーション①キーフレームで動きを作ろう」でご紹介した四角い箱と同じです
カメラの動きは、見ている人の目線になります。ゆっくり回したり、近づいたり離れたりすると、迫力のある映像が作れますよ。
カメラの動きを工夫すると、同じ場面でも全然違う印象になるので、ぜひ試してみてください。
カメラアニメーションを使うと、静止したシーンでも動きのある面白い映像が作れます。例えば、建物の3Dモデルを作った後、カメラを動かして建物の周りを回るアニメーションを作れば、建物全体を見せる素敵な映像になります。カメラの動きひとつで、映像の雰囲気が大きく変わるので、ぜひ、色々なカメラの動きを試してみてください。
Blenderアニメーション④動画として保存しよう
アニメーションができたら、動画として保存しましょう。この作業をレンダリングといいます。レンダリングには時間がかかります。複雑なシーンや長いアニメーションほど、時間がかかります。
レンダリングが終わったら、指定した場所に動画ファイルが保存されています。これで、自分で作ったアニメーションを他の人に見せることができます。レンダリングの設定には他にも色々なオプションがあります。例えば、解像度を上げてより綺麗な映像にしたり、フレームレートを変えてなめらかさを調整したりできます。慣れてきたら、これらの設定も試してみてください。自分の作品をより良いものにできます。
Blenderアニメーション⑤繰り返し動くアニメーションを作ろう
同じ動きを繰り返すループアニメーションもBlenderで簡単に作れます。例えば、ずっと回り続ける箱を作ってみましょう。
最初と1回転したところにキーフレームを作り、「ループアニメーション」を選ぶだけでOKです。これだけで、永遠に回り続ける箱ができあがります。ループアニメーションは、背景の動きなどに使うと便利です。ぜひ試してみてください。
他にも、ループアニメーションは色々な場面で使えます。例えば以下の使い方があります。
- 風車が回り続ける背景
- 噴水の水が流れ続ける様子
- キャラクターの歩く動作
これらの動きを一度作っておけば、何度でも使い回せます。効率的にアニメーションをBlenderで作れるので、大変便利です。
Blenderアニメーション⑥キャラクターを動かしてみよう
人や動物のキャラクターを動かすには、骨組みを作る必要があります。これは少し難しいですが、慣れれば自由にキャラクターを動かせるようになります。
骨組みを作ることを「リギング」といいます。リギングをすると、人間の関節のように、キャラクターの体の各部分を動かせるようになります。
Blenderのアニメーションでおこなうリギングの基本的な流れは、まずキャラクターの体に沿って骨を配置し、それをキャラクターの体と結びつけるというものです。骨と体が結びついたら、骨を動かすことでキャラクターを動かせます。
リギングが完成したら、ポーズを作ってキーフレームを打っていきます。これは、さっきの箱を動かすのと同じ要領です。ただ、動かす部分が増えるので、少し複雑になります。
Blenderで2Dアニメーションも作れるの?
Blenderでは、手書きのような2Dアニメーションも作れます。Grease Pencilという機能を使います。
Grease Pencilを使えば、3Dの世界に手書きの絵を描けます。3Dと2Dを組み合わせた面白いアニメーションが作れるので、ぜひ試してみてください。
Grease Pencilの基本的な使い方は、まず新しいGrease Pencilオブジェクトを作り、それに直接絵を描いていくというものです。描いた絵は3D空間の中に存在するので、カメラを動かして様々な角度から見ることができます。
2Dアニメーションを作る時は、フレームごとに少しずつ絵を変えていきます。これは、従来の手描きアニメーションと同じ要領です。でも、Blenderならではの便利な機能もたくさんあります。例えば、自動的に中間フレームを作ってくれる「補間」機能などがあります。
Grease Pencilを初めて使うと、3Dモデルと手書きの絵を組み合わせたり、手書きの線を3D空間で動かしたりと、今までにない表現ができます。2Dと3Dの良いところを組み合わせられるのが、Blenderの大きな魅力の一つです。
Blenderのアニメーション作りをもっと楽にする方法
Blenderには、アニメーション作りを手伝ってくれるアドオンというものがあります。アドオンを使うと、難しい作業も簡単にできるようになります。
例えば、複雑な動きを自動で作ってくれたり、キャラクターの骨組みを簡単に作れたりします。慣れてきたら、アドオンも使ってみるのがおすすめです。Blenderはオープンソースですので、アドオンを使った機能拡張が非常に活発に行われている点が特徴です。
人気のあるアドオンには以下のようなものがあります。
アドオン名 | 説明 |
---|---|
Animation Nodes | 複雑なアニメーションを視覚的に作れます。 |
Rigify | 人型キャラクターの骨組みを自動で作ってくれます。 |
Grease Pencil Tools | 2Dアニメーション制作を助けてくれます。 |
これらのアドオンを使いこなせるようになると、アニメーション制作の幅がぐっと広がります。最初は基本機能だけで十分ですが、もっと複雑なアニメーションを作りたくなったら、ぜひアドオンも試してみてください。
私もアドオンを使い始めてから、制作の効率が格段に上がりました。例えば、キャラクターの骨組み作りが苦手な方には、Rigifyは本当に助かる存在です。
でも、アドオンに頼りすぎるのも注意が必要です。基本的な操作方法をしっかり覚えてから、アドオンを使うようにしましょう。
Blenderアニメーションの作り方!まとめ
ここまで、Blenderでのアニメーション作りについて説明してきました。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ試していけば必ずできるようになります。大切なのは、楽しみながら作ることです。
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