Blenderを使ったリアルでダイナミックな「炎」の表現は、映像制作やゲーム開発において欠かせない要素の一つです。しかし、炎を一から作成するには、初心者にとって難しそうなイメージを持たれるかもしれません。
本記事では、Blenderを使った簡単な炎の作成方法を紹介します。
また、より簡単に炎を追加できるおすすめのアドオンも紹介しているので、Blenderを始めたばかりの方は、ぜひ参考にしてみてください。
Blenderとは
Blenderは無料で利用できる3DCGソフトです。Blenderの強みは、その多機能性と柔軟性にあります。
モデリングやアニメーションだけでなく、テクスチャ作成やVFXビジュアルエフェクトの制作もBlenderのみで完結できます。
さらに、物理シミュレーションを使ってリアルな炎や煙、水の動きも再現可能です。
また、豊富なアドオンによって、用途に応じた機能拡張ができる点も魅力です。
ゲーム制作、建築デザイン、映像制作など、多岐にわたる分野で活用されており、プロフェッショナルから初心者まで幅広い層に支持されています。
Blenderで炎を活用するシーンとは?
Blenderで作成した炎は、さまざまなシーンで活用されます。Blenderの炎が活用されるのは、主に以下のシーンです、
- 映像制作
- ゲーム開発
- 広告
これらの活用シーンについて見ていきましょう。
活用シーン①映像制作
Blenderで作成した炎は、映画やアニメなどの映像制作に多く活用されています。
例えば、建物や車の爆発シーン、焚き火、キャンドルの炎など、物語にリアルな臨場感を加えるために炎の活用は欠かせません。
実際の撮影で炎を使うと安全面やコスト面の課題が生じますが、Blenderを使えばこれらの問題を解消できます。
さらに、エフェクトを組み合わせることで、現実では実現できない炎の表現も可能になるため、視覚的なインパクトを求める映像作品で重宝されています。
活用シーン②ゲーム開発
ゲームの世界でもBlenderで作成した炎は重要な要素です。例えば、キャラクターが魔法を使う際のエフェクトや、ステージ中に登場する焚き火、ダンジョンの明かりなどにBlenderの炎は活用されます。
特にアクションゲームやファンタジーRPGでは、炎の表現が世界観を引き立てる鍵となります。ゲームエンジンのUnreal EngineやUnityと連携して、Blenderで作成した炎をそのまま活用できる点も魅力です。
活用シーン③広告
広告の分野では、炎は視覚的なインパクトを与える要素として活用されます。
例えば、製品プロモーション用の動画では、炎を用いることでエネルギー感や力強さを視覚的に訴求し、観る人の注意を引きつける効果があります。
また、飲食店の広告では料理の調理シーンに炎を取り入れることで、食欲をそそる演出が可能です。
Blenderは、短い制作期間や限られた予算内でも高品質なビジュアルを実現できるため、広告制作においても有用なツールといえます。
Blenderで簡単な炎を作る方法
Blenderで炎を作る手順は以下のとおりです。
- オブジェクトを作成する
- クイック煙を適用する
- マテリアルを設定する
クイックエフェクト機能を使って、簡単な炎を作る方法について見ていきましょう。
1.オブジェクトを作成する
Blenderを立ち上げたら、元ある立方体のオブジェクトを選択して、Deleteキーで削除しておきましょう。
続いて、画面上部の「追加」、もしくはShift+Aキーの「メッシュ」から「UV球」を選択します。
これで、UV球が新たに3Dビューポート内に追加されます。追加したUV級は、Sキーを押してから内側にドラッグして少し縮小をかけておきましょう。
また、追加したオブジェクトの移動や回転などの基本的な操作方法については、以下の記事で解説しています。
Blenderの基礎に不安があるという方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
2.クイック煙を適用する
オブジェクトを縮小できたら、3Dビューポート左上にある「オブジェクト」の「クイックエフェクト」から「クイック煙」を選択してください。クイック煙は、煙を発生させるシミュレーションを行える機能です。
クイック煙を適用すると、ドメインと呼ばれる四角の領域が作られます。
続いて、UV球を選択したら、右側のプロパティツールのアイコンから「物理演算プロパティ」を選択し、「フロータイプ」を「火炎+煙」に変更しましょう。
このタイミングでスペースキーを押すとアニメーションが再生され、オブジェクトから炎と煙が出ているのがわかります。
3.マテリアルを設定する
最後に、レンダリング時にも色を出すためにマテリアル設定を行います。
3Dビューポートの画面右上をドラッグして、画面を2分割にしたら、画面左上の「エディタータイプ」から「シェーダーエディター」を選択しましょう。
シェーダーエディターに切り替えたら「プリンシブルボリューム」の「黒体の強度」を「1」に変更してください。
この設定を行うことで、レンダリング時にも炎の色が表示されるようになります。
炎の色に関しては、「黒体のチント」から変更できるので、お好みの色に変更しておきましょう。
また、Blenderでは海洋モディファイアーを使えば、海の作成も簡単に行えます。以下の記事では、Blenderを使った海の作成方法を解説しています。
無料アドオンの使い方についても解説しているので、興味のある方はぜひこちらもあわせてご覧ください。
Blenderで炎を作れるおすすめアドオン
Blenderでは、アドオンを購入することで簡単にリアルな炎を作成できます。Blenderで炎を作れるおすすめのアドオンは、以下のとおりです。
アドオン | 特徴 | 料金※ |
Lazy Vfx |
|
$28 |
Wisp Fire Shader |
|
$10 |
Vdblab |
|
$54 |
Khaos |
|
$35 |
Real Fire 1.0 |
|
$1~14 |
※2025年1月現在の販売価格
アドオンを使えば、手作業では再現に時間のかかる演出も簡単に行えます。気になるアドオンがあれば、ぜひ購入して試してみてください。
Blenderで炎を扱えるようになるための勉強方法とは?
Blenderで炎のようなシミュレーションを作成するには、勉強が不可欠です。Blenderのおすすめ勉強方法としては、以下の3つが挙げられます。
- 書籍で学ぶ
- スクールで学ぶ
- セミナーで学ぶ
これらの勉強方法について見ていきましょう。
勉強方法①書籍で学ぶ
Blenderで炎のシミュレーションを学ぶなら、基礎から学ぶ必要があります。書籍を活用するのは、基礎知識を体系的に学ぶのに適した方法です。
初心者向けの書籍では、Blenderの基本操作から画面構成まで詳しく解説されているため、一冊読み込むことで基礎を固められるでしょう。
また、専門性の高い書籍になると、炎の作成手順だけでなく、物理シミュレーションの仕組みについても解説されているので、機能を一つずつ理解していきながら進められます。
一方、書籍だけでは実践的なスキルが身につきにくかったり、最新の機能については網羅されていなかったりする可能性は考慮しなければいけません。
複数の書籍を比較して、自分に合った書籍を選ぶことが大切です。
勉強方法②スクールで学ぶ
Blenderのスキルを効率的に学ぶなら、スクールがおすすめです。
スクールでは、専門の講師から直接指導を受けられるため、わからない点をその場で解消でき、より実践的なスキルが身につきます。
特に、マンツーマンのスクールでは、個々のレベルに合わせたカリキュラムが組まれるため、初心者でも無理なく学べます。
また、カリキュラムも専門的な内容が多く、炎や水などのシミュレーションスキルを身につけられるスクールも多いでしょう。
一方で、費用がかかることや、時間の拘束があることがデメリットとして挙げられます。そのため、スクールを利用する際は、予算や期間などを考慮して慎重に検討することが大切です。
勉強方法③セミナーで学ぶ
セミナーに参加することは、Blenderの機能を短期間で学ぶのに適した方法です。Blenderの専門セミナーでは、現場のプロからノウハウを直接吸収できます。
また、質疑応答の時間が設けられている場合もあり、疑問点を即座に解消できるのも大きなメリットです。
さらに、オンラインセミナーを利用すれば、自宅にいながらBlenderの勉強ができるのも魅力です。スクールと違ってリーズナブルな価格で利用できるケースも多いので、気軽に参加しやすいでしょう。
Blenderを学べるおすすめのセミナー
Blenderの学習におすすめなのは、ProSkilllが提供するBlender基礎セミナーです。Blender基礎セミナーでは、2日間のカリキュラムでBlenderの基礎から応用までを学べます。
Blender基礎セミナーのカリキュラムは以下のとおりです。
- 画面構成と基本操作
- スタンドライトの作成
- アニメーションの作成
- UV展開を使用したテクスチャの設定
- スカルプトを使ったモデリング
初日は画面構成や基本操作といった基礎の部分から始まりますが、最終的にはカメラワークを駆使した3Dアニメーションの作成まで行います。
また、オンラインのコースも用意されているので、自宅から気軽に参加できるのも魅力です。短期間でBlenderのレベルを高めたい方は、ぜひBlender基礎セミナーをチェックしてみてください。
Blenderで炎を作る方法のまとめ
今回は、Blenderで炎を作る方法について紹介しました。Blenderは、無料ながら高性能なツールであり、物理シミュレーションを利用してリアルな炎を簡単に再現できます。
さらに、作業効率を上げるためのおすすめアドオンも紹介しました。「Lazy VFX」や「Wisp Fire Shader」などを利用することで、よりリアルで印象的な炎を手軽に作成できます。
Blenderを使いこなし、より魅力的なビジュアル表現を目指しましょう。
