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【2024】Blender(ブレンダー)でできること・できないことは?わかりやすく解説

Blender(ブレンダー)はオープンソースの3DCGソフトとして注目されていますが、具体的に何ができるのかご存知でしょうか。Blenderには興味あるけど、実際にできることを知りたい方も多いでしょう。

そこで今回は、Blenderでできること・できないことを詳しく解説します。
本記事を最後まで読んでいただくことで、Blenderを利用するイメージが明確になるでしょう。

Blenderとは

Blender(ブレンダー)は、3DCG制作においてほとんどの機能を無料で使用できることで知られているソフトです。モデリングからアニメーション、静止画の制作もBlenderがあれば可能です。

趣味で始める初心者の人からプロのアニメーターにとっても利用しやすく、スペックに対応したパソコンがあれば始められます。
今もなお、Blenderは改良され続けているため、次の新機能に期待が寄せられています。

Blenderでできること

Blender(ブレンダー)でできることは次のとおりです。それぞれ簡単に解説していきましょう。

  1. モデリングでオブジェクト制作
  2. リギングで骨格の組み入れ
  3. マテリアルで材質の設定
  4. テクスチャで模様を表現
  5. アニメーションで動画制作
  6. ライティングで照明演出
  7. シミュレーションで検証
  8. レンダリングで作品を出力
  9. モーショントラッキングで実写合成
  10. ビデオシーケンスエディタで動画編集

Blenderでできること①モデリングでオブジェクト制作

Blenderのモデリングでは、平面や立体のオブジェクトの制作が可能です。

ソフトを開いたときのデフォルト画面では、オブジェクトと呼ばれるキューブが必ず置かれています。オブジェクトは追加や削除、拡大縮小なども用途に合わせて調整ができます。

最初から複雑なモデリングは難しいため、初心者の方は簡単な模型を組み立てるところから始めて徐々に慣れていきましょう。

Blenderでできること②リギングで骨格の組み入れ

リギングでは、アニメーションを制作するにあたって、人型や動物型などのモデルをリアルな動きにするためにボーンと呼ばれる必要な骨格を組み入れます。

実際にモデリングで制作したオブジェクトの中に組み込む作業が必要になります。
最初のうちは、自分の身体の動きを参考に組み立てると良いでしょう。

Blenderでできること③マテリアルで材質の設定

マテリアルでは、モデリングで制作したオブジェクトの材質を設定できます。
たとえば、プラスチックや金属、ガラス、木材といった材質に変更が可能です。

また、モデルに色をつけたり、透明でレンダリングができたりすることから、質感をリアルに再現したいときに使用します。参考にしたい画像を用意して材質や色合いを調整するのがおすすめです。

Blenderでできること④テクスチャで模様を表現

テクスチャは2次元画像のことで、モデルに模様を表現するときに便利な機能です。
また、マテリアルだけでも材質の再現は可能ですが、凹凸や明るさを調整することでよりリアルなモデルになります。

UVマップと呼ばれるオブジェクトデータを利用して、モデルに貼り付ける模様の位置設定ができます。

Blenderでできること⑤アニメーションで動画制作

Blenderでは、動かしたいモデルがあれば、時間をかけずにアニメーションで動画制作ができます。キーフレームと呼ばれるコマの設定を行うことで、モデルを動かしたい場所に移動させたり、回転やサイズの変更をしたりすることも可能です。

人型や動物型のモデルであれば、歩行やジャンプする動きもリアルに再現ができるため、試しにアニメーションを作ってみたい方にもおすすめです。

Blenderでできること⑥ライティングで照明演出

3Dモデルにライティングによる照明演出を行うことで、材質やテクスチャの質感をより高められます。照明は太陽やスポットなどの種類から選択し、好きなアングルに配置ができます。

また、モデル自体を光らせたり、明るさの調整で影の演出をしたりしたいときに活用します。
ライティングはモデルのリアルさを再現するためには必要不可欠な機能です。

Blenderでできること⑦シミュレーションで検証

Blenderでは、炎や煙、波などの流体シミュレーションが可能で、制作したモデルで検証します。
シミュレーションを行うためのスペースを設定し、液体や気体を発生させるなどの自然現象を再現できます。

また、アニメーションとの組み合わせも可能です。
たとえば、人型のモデルに衣服を付け加えると、歩行したときの揺れ具合も検証できる便利な機能です。

Blenderでできること⑧レンダリングで作品を出力

モデルやアニメーションが完成したら、レンダリングで作品を出力します。
3D空間の中にあるモデルやテクスチャ、ライティングなどの情報の計算が行われ、2次元の静止画として出力できます。

また、アニメーションのレンダリングも可能です。
ファイルの保存先の設定ができていれば、自動的に保存されます。

Blenderでできること⑨モーショントラッキングで実写合成

モーショントラッキングは、撮影した動画とモデルを実写合成ができる機能です。
Blenderに動画ファイルを読み込み、制作したモデルを配置する箇所の設定とカメラを動かすことで実写合成ができます。

現実にはないような風景を作れるため、実写の中に好きなキャラクターを登場させるときにも便利です。

Blenderでできること⑩ビデオシーケンスエディタで動画編集

Blenderでは動画編集機能も備わっており、ビデオシーケンスエディタで制作します。
撮影した動画や画像を読み込み、字幕や音楽まで追加・編集が可能です。

動画編集やBlenderの操作に慣れている方であれば、直感的に編集ができるでしょう。

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Blenderでできないこと

Blender(ブレンダー)でできないことは次の2つです。こちらも確認しておきましょう。

  1. AR・VRコンテンツ制作
  2. サポートによる解決

Blenderでできないこと①AR・VRコンテンツ制作

現実の空間を拡張するARと仮想現実を作るVRのコンテンツ制作は、Blenderの機能だけではできません。Blenderでモデリングしたものは利用可能ですが、ゲームエンジンやプログラミングが必要になります。

Blenderでできないこと②サポートによる解決

Blenderでは、バグ修正やハードウェア更新のサポートは毎年1回受けられます。技術的なサポートは受け付けていませんが、Blenderの公式サイトには、よくある質問に対する解決方法やチュートリアルが掲載されています。

Blenderは日々進化し続けているので、新しいバージョンが登場したらその都度、ダウンロードしましょう。

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Blenderのメリット

Blender(ブレンダー)のメリットには、主に次の4つがあります。それぞれ解説していきます。

  1. 完全無料で使用できる
  2. 日本語版に対応している
  3. 商用利用ができる
  4. すぐに3DCG制作ができる

Blenderのメリット①完全無料で使用できる

Blenderは、完全無料で使用できるソフトです。かつては有料ソフトでしたが、現在は世界中のプログラマーたちがボランティアでBlenderの機能向上に務めています。

完全無料で使用できる3DCGソフトは珍しく、有料ソフト並みの機能が備わっているため、最近では企業でも実用しているようです。

Blenderのメリット②日本語版に対応している

Blenderの最大のメリットは、日本語版に対応していることです。
デフォルト設定では英語ですが、言語設定でUIの日本語化が可能です。
他の国の言語にも変更ができるため、使いやすい言語で使うと良いでしょう。

また、日本語のフォントもWindowsであれば、Cドライブに格納されているフォントの適用ができます。

Blenderのメリット③商用利用ができる

Blenderで制作したモデルやアニメーションの著作権は、作成者本人に帰属するため商用利用ができます。Blenderの公式サイトにも明記されています。

ただし、第三者が制作したモデルやテクスチャなどの素材を利用する場合は、ライセンスの影響を受ける可能性があるため注意が必要です。

Blenderのメリット④すぐに3DCG制作ができる

Blenderの公式サイトでは、無料でいつでもインストールができるファイルが用意されています。
クリックすると自動的にインストールが始まるので、およそ5分でBlenderが使えるようになります。

Blenderのアプリを開くと、最初に言語設定のプロパティが表示されるため、使いやすい言語を選択したら作業が始められます。

Blenderのデメリット

Blender(ブレンダー)にはデメリットもあります。主に次の2つが挙げられます。

  1. 仕事の需要が少ない
  2. PCのスペックに影響されやすい

Blenderのデメリット①仕事の需要が少ない

Blenderは20年以上の歴史を持つソフトですが、実際に仕事で使われることはまだまだ少ないようです。最近ではアニメ業界でも実用化の動きがありますが、多くの制作会社では3DアニメーションソフトのMayaをメインで利用しています。

Blenderは趣味程度で3DCGを作りたい方に向いています。
また、YouTubeでノウハウ動画を公開し、収益化を狙うことも選択肢の一つでしょう。

Blenderのデメリット②PCのスペックに影響されやすい

Blenderは使用するPCのスペックに影響されやすく、メモリが不足していると動作が重くなったり、フリーズしたりします。
少なくとも16GBメモリは必要で、32GB以上が推奨されています。

また、Windows、mac、Linuxなどの機種にも対応していますが、最低でも4コア以上のCPU、64bitのOSの条件をクリアしているか確認してからインストールしてください。

Blenderの活用事例

初心者の方でも気軽に3DCGのアニメーション制作ができるBlender(ブレンダー)ですが、実はすでに実用化している企業があります。
最後に、Blenderの活用事例を紹介しましょう。

NASA:宇宙探査の疑似体験に利用

アメリカの宇宙開発政府機関のNASAは、Blenderを導入したことで話題になりました。
実際に、NASAの公式サイトではBlenderで制作された宇宙探査の疑似体験ができます。

また、月面のテクスチャを無料ダウンロードも実施されており、Blenderのモデルにも貼り付けが可能です。

プロジェクトスタジオQ:アニメ制作で活用

映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」などのタイトルに参加した実績を持つ映像制作会社「プロジェクトスタジオQ」では2021年からBlenderによるアニメ制作に移行しています。

Blenderはライセンス管理の必要がないことから、コスト削減効果があるためです。
アニメ業界でも少しずつBlenderが使われ始めています。

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Blenderできること・できないこと まとめ

Blender(ブレンダー)でできること、できないことを紹介しました。
完全無料で高機能の3DCG制作ができるメリットは非常に大きいでしょう。

また、初心者からプロの方までモデルやアニメーション制作に活用されていることから、将来性のあるソフトです。Blenderを使ってみたい方というは、この機会にインストールしてみてください。

Blender(ブレンダー)でできること
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