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3Dプリンターの作品5選!3Dプリントでどんな作品ができるか調査してみた

3Dプリンターが出てきた当初は、どんな活用方法があるのか未知数でしたが、現在ではさまざまな作品が生み出され、ものすごいと感じさせるアイデアも登場しています。
今回は、3Dプリンターでできることや作品例、制作する際のコツや注意点について取り上げます。

3Dプリンターでできる作品とは

3Dプリンターでできる作品とは

3Dプリンターの作品は、3次元CADで作成された設計図データを元にして、スライスした2次元の層を積み上げるようにして作り出しています
従来のプリンターと違い、立体的な作品を生み出せる画期的なツールとして、年間流行語大賞にノミネートされたこともあります。
3Dプリンターでできる作品の幅は広がりを見せています。
そして、3Dプリンターの可能性や方向性も見えてきました。

3Dプリンターで実現可能な作品で、実用化されているものの一つが、製造業で使われている治具や工具です。
製造工程の加工や組み立ての際に、部品や工具の作業位置を指示したり誘導するための器具である治具や工具を、金属のパーツから3Dプリンターで作るプラスチック製のものに切り替えることで、生産効率が向上したり、コスト削減に役立っています。

製造分野で3Dプリンターが使われているケースとして、試作品が挙げられます。
試作品は、作っては改良点を見出して作り直すことを繰り返し、高品質な製品作りへとつながりますが、時間的・人的コストが高い点がネックでした。
3Dプリンターで試作品づくりをすることで、問題点が解消され、スピーディーかつコストを抑えた製品作りができます。
また、ABSなどの樹脂素材やカーボンファイバーを材料とする高強度のプラスチックが使われるケースでは、3Dプリンターで最終製品がつくられるようになっています。

3Dプリンターは、医療業界にも影響を与えています
歯科矯正器具やマウスピースを作るための歯列モデルや、手術のシミュレーション、研修に用いる臓器モデルを3Dプリンターで作るケースが増えました。
近年では、感染症予防に効果があるフェイスシールドや人工呼吸器のパーツ制作でも、3Dプリンターが脚光を浴びているようです。

3Dプリンターの作品例5選!

3Dプリンターで作られた作品は、ネット上に多く掲載されています。
中には無料で設計図がダウンロードできるものもあるため、3Dプリンターの仕組みを詳しく知らない方でも取り組みやすくなりました。

こちらでは、3Dプリンターの作品の中から秀逸な例を5つピックアップして取り上げます。
3Dプリンターの奥深さを知ると、オリジナルの画期的なアイデアが生まれるかもしれません。

①フィギュア作品

3Dプリンターでのフィギュア作品は、数多く見ることができます。
ロボットなど、細部にこだわりつつ、人の背丈の倍以上ある作品も3Dプリンターで作られています。
小さいものでは、釣りに使用するルアーの制作にも3Dプリンターが使われることがあります。
近年では、専用のインキを使い、フルカラーの作品作りが可能な3Dプリンターも登場しているので、後で色を塗る必要がないのもすごいことです。
フルカラー対応の3Dプリンターを使えば、複雑な形やさまざまな色合いの作品が作れるのが魅力です。
リアルな表情が人気のヒーローものや精巧な作りの恐竜シリーズは、細部の作り込みが可能な3Dプリンターだからこそなせる業といえるでしょう。
3Dプリンターとデータがあると、比較的単純なつくりのものであれば素人でも作れると人気です。

3Dプリンターで作成されたフィギュアまとめ

②靴のヒール

一般的な靴のヒールは、単にかかと部分に高さを加え、歩を安定させるものですが、3Dプリンターを使うと、ヒールにかかる力の向きや重さを計算したうえで、耐久力を持ちながらデザイン性があるものを作ることが可能になりました。
こちらの靴のヒールは、ダイビング用のウェットスーツに使われるクッション性の高い素材を使用しています。
軽いながらも耐熱性や耐寒性も持ち合わせていて、着脱を繰り返しても簡単には壊れないヒールを実現できました。

最先端の3Dプリント技術と日本の鋳造技術から生まれたヒール「FORMLESS」登場!

③民芸品

3Dプリンターは、高い技術を必要とする民芸品づくりにも生かされるかもしれません。
その一例となるのが、赤べこです。
朴訥としたつくりに見える赤べこですが、ゆらゆらと優雅に首を振る姿はいつまでも見飽きない方が多く、お土産品としても有名です。
実は、赤べこ職人は、この首の動きに最も力を入れているとされ、できるだけ長く揺れるものを作るよう精進しているようです。
赤べこを含む伝統工芸品を作る職人は、10年ないしそれ以上の修業が必要とされることが多く、その技法が失われてしまうと、作品作り自体ができなくなる場合があります。
その点、3Dプリンターでは、データを使って同じ作品を作り続けられるのが利点です。

このご時世だからこそ!3Dプリンターで赤べこ作ってみた【Fusion360】

④家(建築)

2022年3月、3Dプリンターで作られた家が愛知県小牧市に誕生しました。
広さは10平方メートルと小ぶりですが、完成までの時間は1日以内で、300万円と低価格がウリです。
まずはグランピングで活用し、将来的には100平方メートルの家を300万円で販売する展望を持っているようです。
資材コストや人件費を大幅に抑えられるとして、3Dプリンターで作られた家が住宅問題解決の切り札になるかもしれません。

参考:https://suumo.jp/journal/2022/05/13/186925/

⑤アクセサリーやグッズ

⑤アクセサリーやグッズ

アクセサリーやグッズも3DCADで作成し、3Dプリンターで印刷することが可能です。
現在では3Dプリンターを利用してグッズを作り、フリマアプリやハンドメイドとして販売している方もたくさんいます。
下記ではビニール傘に使えるアクセサリーを3DCADで作り、3Dプリンターで印刷するまでを解説しているので気になる方は参考にしてください。

3DCADと3Dプリンターでビニール傘用オリジナルモチーフを作ってみた!

3Dプリンターで作品を作る手順

それでは実際に3Dプリンターで作品を作るにはどうしたら良いのでしょうか。
3Dプリンターで作品を作る手順は下記になります。

  1. 3DCADで作りたいものを設計する
  2. STLデータで保存する
  3. 3DプリンターでSTLデータを取り込む
  4. 3Dプリントを実行
  5. 作品に問題があった場合、設計図を修正
  6. 再度3Dプリントを実行
  7. 納得がいくものができれば完成

という流れになります。
3Dプリンターで作品を作るには、まず3DCADで設計図を書く必要があります。
3DCADについて詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください。

【誰でも分かる】3DCADとは?モデリングの仕方からおすすめ3DCADソフトまで徹底解説!

作品を作る際のおすすめ3Dプリンター

気軽に作品を作りたいなら、下記3Dプリンターがおすすめです。

Adventurer3(アドベンチャー3)

Adventurer3

Adventurer(アドベンチャー3)は価格が49,500円(税込)と、とてもお求めやすい価格の3Dプリンターとなっています。
5万円以下で購入できる価格帯でありながら、遠隔カメラやフィラメント検知機能を備えるなど、優れた機能を持つ3Dプリンターでもあります。
家庭で気軽に3Dプリントしたい!と思っている方や、初めて3Dプリンターを使ってみたいという方におすすめの3Dプリンターです。

Raise3D E2

Raise3D E2

企業で3Dプリントをするなら圧倒的にRaiseシリーズがおすすめです。
このRaise3D E2はRaiseシリーズの中でも比較的安価で使いやすい3Dプリンターとなっています。
価格は547,800円(税込)で、本格的な3Dプリントをしたい人にはとても良いでしょう。

3Dプリンターで作品を作るときのコツ

3Dプリンターで作品を作るときのコツ

いくらすごいアイデアがあって、きちんと設計図を用意していても、実際に作品を作ってみると思うようにできないことは多々あるものです。
こちらでは、3Dプリンターで作品作りをする際のトラブルの事例を取り上げ、コツや対処方法をご紹介します。

剥がれや浮き・反りに注意

3Dプリンターの作品作りで失敗する例として多いのが、樹脂が剥がれたり浮いたり、反りが発生してしまうことです。
これは、素材である熱可塑性樹脂フィラメントがノズルから出た後、一気に冷えて樹脂が収縮し、作品が置かれているプラットフォームテーブルから剝がれたり浮いたりすると考えられますが、収縮以外に設定が問題の場合もあります。
ノズルとテーブルの間隔値である「ギャップ値」が正しいかどうか確認したり、テーブルが平面になっているかのチェックも大事になります。
また、3Dプリンターのパーツそれぞれに不良が発生していないかも見極めます。

それらがすべてクリアされているのであれば、樹脂の収縮が強いという結論になり、剥がれないための工夫に着手するとよいでしょう。
冷却ファンを停止させたり、テーブルに置かれる一層目を中心に接着面積を広げたり、流量を増やすことで解決できる場合があります。

割れたりヒビや亀裂が入る対処方法

前述と同様、3Dプリンターのパーツの状態や設定をチェックし、それでも割れやヒビ・亀裂が入る場合は、ノズルの温度を手始めに10度ほど上げ、高い温度で樹脂同士が接着するようにしてみます。
また、庫内の温度を保てるようにし、熱を逃げにくくします。
冷却ファンを一時的に止めるのも効果的かもしれません。
ゆっくり印刷することでトラブルを避けられるケースもあるので、印刷速度を落とすのもよい方法です。
フィラメントが古く、湿気を帯びていると、仕上がった作品が割れやすくなります。
新しいフィラメントを使用するか、古いフィラメントに除湿対策を施すこともできるでしょう。

バリが発生した場合

バリとは、プリントした際に発生した出っ張りや突起物、ささくれのようなものを指します。
バリ発生の主な原因は、ノズルから垂れた樹脂です。
3Dプリンターの書き出し位置を変える、書き出しのタイミングを変更する、リトラクト設定を見直して引き戻しの距離の値を増やすなどの方策を講じると改善する場合があります。
どうしてもバリが発生してしまう時は、工具を使ってバリを除去しましょう。
ペンカッターやエッジニッパー、ダイヤモンドヤスリやバリ取りカッターなどを使えますが、研磨するところが多い場合はリューターを使うのも手です。

3Dプリンターのすごいアイデアや作品例は将来につながる

3Dプリンターは、製造現場に加え、医療の分野などでも使われ始めています。
利用できる分野が広がるにつれ、あっと言わせるすごいアイデアや目を見張る作品例も登場しています。
機器自体の価格も下がっており、より身近な存在となった3Dプリンターで解決できることは今後も増えるに違いありません。

3Dプリンターの作品5選!3Dプリントでどんな作品ができるか調査してみた
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