E資格の受講を検討している方には、「JDLA認定プログラム」というものも受講しなければいけないと漠然と理解している人は多いことでしょう。
今回は、E資格の受験資格としてJDLA認定プログラムが設けられている理由やおすすめのJDLA認定プログラムについて紹介します。
E資格とは
E資格とは、JDLA(一般財団法人ディープラーニング協会)が主催するディープラーニングのエンジニアスキルを証明するための資格です。
近年話題で技術進歩が著しく、これからますます私たちの生活を豊かにしてくれる技術だということで、近年人気が急上昇しています。
ディープラーニングを認定する資格はそれほど多くないため、転職活動などでは他の人との差別化として活用しやすい資格なので、自己PRをする目的で取得を目指す人もいます。
G検定とは?
また、ディープラーニングの資格としては他にも「G検定」があります。
E資格がプログラムの実装などエンジニア向けのスキルであるのに対して、G検定はAIの活用などビジネス向けの資格です。
どちらも同じJDLAが主催する資格ではありますが、G検定はE資格に比べて難易度が低く、受験資格も不要なので、ステップアップとして先にG検定を受ける人もいます。
ちなみに、E資格の「E」は「Engineer」の略で、「G」は「Generalist」の略です。
E資格の受験資格『JDLA認定プログラム』とは
E資格を受験するためには、「JDLA認定プログラミング」を受講する必要があります。
JDLA認定プログラムは、2024年現在では20社程度の企業が開催しているセミナーで、シラバスや内容の充実度などをJDLAが審査し、認められた事業者だけが開催できます。
ここからは、JDLA認定プログラムの趣旨や内容について解説します。
E資格が受験資格を設けている理由
E資格の受験のために「JDLA認定プログラム」が必須となっているのは、プログラミングの実技スキルを身につけてもらいたいからです。
E資格はディープラーニングのスキルを証明するための資格ですが、エンジニアとしてディープラーニングを取り扱うためには、PCに向き合ってコーディングしたり、システムを構築したりするなどの実務作業が発生します。
一方、E資格本番では4択問題で出題されるCBT試験で、プログラムの一部が空欄になっており、その空欄に当てはまるプログラムを選択肢から選びます。
そのため直接プログラムを書くことはありません。
ただし、実務でプログラミングができるようになることを目指した試験なので、JDLAとしてはしっかりとした実装能力を受験生に身に付けて欲しい意図があります。
そこで登場するのが、JDLA認定プログラムです。
JDLA認定プログラムでは、面直やオンラインなど形式はさまざまですが、いずれにせよプログラミングの実技を取り入れた講習が組み込まれています。
E資格の受験のためにこのプログラムの受講を必須とすることで、E資格合格者は必ず実技演習をクリアした人のみとすることができます。
したがって、E資格合格を証明するために必要な実技スキルを身につけてもらうために、JDLA認定プログラムは存在します。
『JDLA認定プログラム』の内容
JDLA認定プログラムは、ディープラーニングの高度なスキルを身につけるための講習なので、ディープラーニングに関係するあらゆる分野の知識を身につける必要があります。
ただし、ディープラーニングの技術は年々進化し続けているので、ディープラーニングを取り扱うエンジニアに求められるスキルも年々変化します。
それに合わせてE資格のシラバス(試験範囲)もこれまで2年に1回程度改定がされてきました。
基本的には、どの事業者のJDLA認定プログラムも最新のシラバスに対応していると考えて問題ありません。
では、具体的に出題内容を見てみましょう。
数学的基礎
数学的基礎においては、主に下記の分野が出題範囲となります。
- 確率・統計
- 情報理論
確率・統計は、機械学習全般を理解する上で重要となるベイズ側に関する出題、情報理論は、情報量やエントロピーなどが出題されます。
機械学習
機械学習においては、基礎知識や方法論を中心とし、下記の分野が出題範囲となります。
- パターン認識
- 機械学習の分類(教師あり学習、教師なし学習)
- 機械学習の課題(過剰適合・過少適合)
- 検証集合(ホールドアウト法、k-分割交差検証法)
- 性能指標
機械学習は、教師あり学習や教師なし学習の考え方や過剰適合などの機械学習における課題と性能指標に関する出題です。
深層学習の基礎
深層学習においては、基礎と応用に分かれており、基礎は下記の分野が出題範囲となります。
- 順伝播型ネットワーク
- 深層モデルのための最適化・正則化
- 畳み込みニューラルネットワーク
- リカレントニューラルネットワーク
- Transformer
- 汎化性能向上のためのテクニック
深層学習の基礎は、順伝播、逆伝播などのニューラルネットワークの学習に関する出題と、学習を効率的に進める方法、また画像を扱う畳み込みや時系列を扱うニューラルネットワークに関して出題されます。
深層学習の応用
深層学習の応用は、下記の分野が出題範囲となります。
- 画像認識
- 物体検出
- セマンティックセグメンテーション
- 自然言語処理
- 生成モデル
- 深層強化学習
- 転移学習
- 深層学習の説明性
深層学習の応用は、物体検出の様々な手法から、自然言語処理のニューラルネットワークを応用した技術と、深層学習と強化学習を組み合わせた深層強化学習に関する出題、また転移学習などが出題されます。
開発・運用環境
開発・運用環境は、下記の分野が出題範囲となります。
- エッジコンピューティング
- アクセラレータ
- 分散処理
- 環境構築
開発・運用環境は、GPUやTPUなどのアクセラレータとDockerなどの環境構築に関して出題されます。
プログラム実装に関する出題
E資格では、知識問題だけでなく、Pythonを用いた実装問題が出題されます。
出題は、numpyを用いたスクラッチによる実装とフレームワーク選択問題です。
フレームワーク選択は、TensorFlowかPyTorchのどちらかを試験開始時に選択する必要があります。
提供しているフレームワークは、JDLA認定プログラムによって異なるため、受講する前に必ず確認しましょう。
『JDLA認定プログラム』の費用相場
JDLA認定プログラムの受講料は5〜40万円くらいが相場です。
幅は大きいですが、費用が高いからといって内容が充実しているとは限らず、また安すぎるからといってダメということもありません。
ただし、リーズナブルな講座は初心者では受講できないものも多いです。
あくまで、自分に合ったものを受講することがポイントです。
費用が高いので、受講料が無駄にならないようにしっかりと内容を吟味して選ぶ必要があります。
『JDLA認定プログラム』を選ぶ際の注意点
JDLA認定プログラムは受講料や内容、期間などさまざまな違いがあってなかなか選びにくいというのが正直なところです。選ぶときには、自分に合ったものを選ぶことが一番のポイントです。
例えば、前提知識としてプログラミングの基礎知識や実装知識が必要だったり、別の推奨講座を受講しなければならなかったり、教材がないところなどもあります。
また、数日で終えられるものもあれば数ヶ月必要なセミナーもあります。
したがって、それぞれのセミナーの内容を理解し、レベルや計画に合ったものを選ぶように注意しましょう。
E資格の受験資格『JDLA認定プログラム』おすすめ5選
AI研究所『E資格対策ディープラーニング短期集中講座』
AI研究所の『E資格対策ディープラーニング短期集中講座』は、価格・設定期間・充実度全てが高水準の、E資格向けセミナーです。
前提知識のない初学者でも受講できるように、大まかな内容が包括された事前学習もオプション設定されているため、あらゆるレベルのかたのニーズに合わせられていることも特徴的です。
そして、何より4日間という短期間であること、また受講方法も多様であり、講師に直接教えてもらいたい方は会場で現役のコンサルタントから学べることも特徴です。
詳しくは、次の章で解説します。
AVILEN『全人類がわかるE資格コース』
AVILENの『E資格コース』は、数あるJDLA認定プログラムの中でもかなり人気のセミナーです。主な特徴としては、オンラインでもすぐに相談できるような充実したサポート体制や、レベルに合わせて内容を自由に組み換えられるオーダーメイド方式となっていることです。
課題の難易度が高く、ハードルはやや高そうですが、努力次第でかなり実力を伸ばせます。
そのため、元々の知識やスキルに自信がある人にはおすすめだといえるでしょう。
zero to one『E資格向け認定プログラム』
zero to oneの『E資格むけ認定プログラム』は、機械学習やディープラーニングの専門分野において著名な方が監修していることでも有名です。
また、ディープラーニングにおけるトップランナーであるアメリカからインスパイアされた最先端の手法「インストラクショナルデザイン」を取り入れた学習方法を取り入れており、理解度を最適化できることが期待できます。
Present Square『AIエンジニア育成講座』
Present Squareでは、『AIエンジニア育成講座』として、エンジニア出身者以外も対象としたE資格向けセミナーを実施しています。
主に未経験者の文系に向けた対策講座のため、特に初学者にはおすすめのセミナーです。
Study-AI『ドローン自動制御×音声認識コース』
Study-AIの「ドローン自動制御×音声認識コース」は、E資格の対策講座としては珍しく、「画像認識」と「音声認証」を同時に学べるセミナーとして特徴的です。
E資格合格者の中でも人気のセミナーということで、噂が噂を読んでかなり人気のセミナーとなっています。
ただし、受講料が35万円と高額に設定されているため、予算との相談となります。
その他のJDLA認定のおすすめプログラムはこちらで紹介しています。
1番おすすめのE資格『JDLA認定プログラム』は?
JDLA認定プログラムのセミナーは各社開講していますが、1番お勧めなのはAI研究所の「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」です。
ここからは、E資格対策ディープラーニング短期集中講座の特徴について解説します。
短期間
E資格対策ディープラーニング短期集中講座の特徴は、その名のとおり「短期間で受講できること」です。
他のセミナーは数ヶ月かかるものが大半ですが、こちらは会場受講やライブウェビナーなら最短4日間で、eラーニングならさらに好きな時間に受講することができ、場合によっては4日間より短い期間で修了できます。
前提知識がいらない
E資格はディープラーニングのエンジニアとしての知識を証明する資格なので、ハードルが高いように感じるかもしれません。
しかし、E資格対策ディープラーニング短期集中講座では、全ての受講方法で事前講座を受けることができ、数学やプログラミングの基礎知識を習得できるため、はじめて学ぶ方にとっては、前提知識が不要という特徴があります。
低価格
E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、他社に比べてリーズナブルな価格設定となっています。
特にeラーニングでの受講の場合、キャンペーン期間であれば「76,780円」で受講でき、事前講習(52,800円)が無料で受講できます。
他の会社のセミナーであれば10万円〜45万円ほど必要なので、これはかなりお得な価格設定です。
返金保証制度がある
E資格対策ディープラーニング短期集中講座には「返金保証制度」があります。
まったく新しいジャンルに挑戦するため、万が一ついていけなかったり、内容に納得できなかったりした場合は返金を求めることができます。
初学者で、「こんなはずではなかった」と思うこともあるので、安心できる制度といえます。
オンラインでも会場でも受講可能
E資格対策ディープラーニング短期集中講座には、以下の3種類の受講方法があります。
- eラーニング
- 会場受講
- オンライン受講
時間や場所を選ばずに受講できるeラーニング、対面で綿密に学習できる会場受講、自宅からでも講師に相談できるオンライン受講など、ライフスタイルや予算に合わせて受講方法を選べるため、あらゆる人におすすめです。
全572ページの充実したテキストあり
E資格対策ディープラーニング短期集中講座には、全572ページにおよぶ充実したテキストが含まれています。テキストがあるE資格向けセミナーは稀です。
テキストがあることで、予習・復習ができるため、知識の定着にも役立ちます。
また、教材の中には試験直前まで使える暗記用の用語集や例題集なども付いてきますので、試験に向けた十分な演習が行えることも特徴です。
プログラム実装の対策としては、TensorFlowとPytorchに対応しており、学習時には両方のフレームワークを学習することができます。そのため、受験時にどちらのフレームワークを選択するか迷っている方は、一度学習してみてから決めても良いでしょう。
※実際の試験ではどちらか一方のフレームワークを選択する必要があります。試験開始直前にTensorFlowかPytorchのどちらかを選択しますが、開始後は変更ができないため注意してください。
E資格のJDLA認定プログラムとは?まとめ
JDLA認定プログラムは、プログラミングなどの実技スキルを身につけてもらうために受験生に課している課題です。また、さまざまなセミナーが受講可能ですが、自分のレベルや予算・計画に合わせたものを選ぶと良いでしょう。
AI研究所の「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は特におすすめで、キャンペーンでお得な今のうちに申し込むと良いでしょう。
いずれにせよ、合格に向けて早め早めに計画を立てて学習を進めていってください。