E資格などディープラーニングに関する資格は、文系の方にとっては難しいと思われている方も少なくないでしょう。特に、E資格の中で出題範囲となっている「数学」の部分においては、学校の数学の授業が苦手だった方にとっては、できれば避けたい分野のはずです。
しかし、E資格は、数学の問題を含め学習方法を正しく行えば、合格が遠い試験ではありません。今回は、E資格で出題される数学の範囲と対策法について解説します。
E資格は数学が得意でないと合格できない?
E資格はディープラーニングやAIに関する資格であるため、分野としてはいわゆる「理系」の資格といえるでしょう。そのため、数学が苦手な方にとっては、難しい試験という印象があるかもしれません。
それでは、E資格は数学が得意ではないと合格できないのでしょうか?
結論をお伝えすると、数学が得意でなくても合格することは可能です。
E資格の出題範囲の中には「数学的基礎」という分野があり、確率や統計、情報理論について出題されます。それらの問題については、事前に学習することができ、出題範囲も「ベイズ則」や「情報量」などシラバスで定められているため、正しく学習を行えば準備をすることができます。
つまり、数学が得意ではないからといってE資格に合格できないということはなく、きちんと事前に数学的基礎の出題範囲について勉強をすれば合格できる試験だといえます。
E資格の特徴
続いては、E資格の特徴について解説していきましょう。
E資格は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が運営しているディープラーニングに関する資格で、120分で100問程度の知識問題を多岐選択式で回答する試験です。
ただ試験を受験するだけではなく、「JDLA認定プログラム」という講座を受講することが前提であり、JDLA認定プログラムを受講しないと受験資格がなく、受験することができないことが特徴です。つまり、必ず認定プログラムを受講することが必要となるため、E資格に関する講座を受けてから受験することになるため、合格しやすい試験ともいえます。
実際、ここ最近の合格率は70%を超えており、半数以上が合格している状況です。
JDLA認定プログラムは、JDLAより認定を受けたさまざまな企業が提供している講座であり、企業ごとに特色や受講形態などが異なります。
そのため、E資格に合格するには、自分が苦手な分野を強化できる講座を選択したり、自分の受講しやすい受講形態の講座を選択したりする必要があります。
数学の部分が苦手という場合は、数学についてしっかり教えてくれるJDLA認定プログラムを受講した方が良いでしょう。
E資格の数学の出題範囲
続いては、シラバスをもとにE資格の数学の部分における出題範囲を確認していきましょう。
確率・統計
E資格の数学的基礎の分野においては、確率・統計と情報理論に関する内容が出題範囲となっています。
確率・統計の部分においては、シラバスによると
- ベイズ則
- 平均二乗誤差
- 対数尤度
- 最尤推定
などが出題範囲となっています。
ベイズ則は「ベイズの定理」とも呼ばれており、元々あった考え方が、新しい経験などをもとにどのように変化するのか、事後の確率を求めるというもので、統計学の主流となっています。
人工知能やディープラーニングにとっても、ベイズ則は中核となっている考え方・概念となっており、数学的基礎の中でもしっかりと理解しておきたい項目だといえます。
情報理論
情報理論の内容としては、情報量やエントロピー、ダイバージェンスに関する内容が出題範囲となっています。情報量を学ぶ上では、
- 自己情報量
- 相互情報量
- エントロピー
- KLダイバージェンス
- JSダイバージェンス
を理解することが必要です。
自己情報量
自己情報量とは、珍しい事象に対しての情報の価値という考えがわかりやすいかもしれません。
「あまり珍しくない事象」と「珍しい事象」を比較した際に、あまり珍しくない事象よりも、珍しい事象の方がこの値は大きくなります。
たとえば、ゴミ箱に向けてゴミを投げたら入ったという事象よりも、100階から目薬を差して目に入るという事象の方が自己情報量の値は大きいということになります。
エントロピー
一方、エントロピーとは、この情報量が得られる大きさを図るもので、エントロピーが大きいと大きく情報量を得られそうだというものです。
エントロピーが大きければ大きいほど「大きな情報量を得られる可能性がある」ということになります。
自己情報量の観点では、自己情報量が多いということは、それだけ珍しい事象ということになります。そのため、エントロピーが大きいということはそれだけ不確実な事象になるということになります。
このような内容が情報理論となるため、決して数式だけを理解すれば良いというものではなく、正しく理解していくことが必要です。
また、線形代数については2023年以降直接試験には出題されなくなりました。
しかし、機械学習を理解する上では重要な内容であるため、一度学習しておくと良いでしょう。
E資格の数学対策法
次に、E資格の数学対策法について解説していきましょう。
JDLA認定プログラム
E資格の数学対策には、JDLA認定プログラムを受講しましょう。
E資格の受験には、そもそもJDLA認定のプログラムを受講し、修了することが必須条件となるため、E資格を受験する時点でJDLA認定プログラムは受講しなければなりません。
つまり、数学が苦手な方でもJDLA認定プログラムを受講する必要があるため、嫌でも勉強することができるということです。
JDLA認定プログラムはさまざまな企業が実施しており、その企業ごとに受講形態も内容も異なります。どのようなプログラムでもとりあえず受講すれば良いというものではなく、自分の学習プランや受講形態、期間などをしっかり確認した上で、必要なJDLA認定プログラムを受講するべきです。
数学が苦手という方は、数学の分野をしっかり教えてくれるようなJDLA認定プログラムに受講することがおすすめです。
書籍
JDLA認定プログラムの受講はE資格を受験するにあたって前提ですが、それ以外にも書籍による対策ができます。JDLA認定プログラムの他に、自分で学習するために市販のテキストや問題集、参考書などを購入して勉強すると良いでしょう。
E資格は合格率が決して低い試験ではないため、JDLA認定プログラムの受講だけで合格する人も少なくありません。しかし、元々理系科目が苦手な方や、文系の学校に通っていたという方にとっては、JDLA認定プログラムに加え、自己学習も必要になることもあるでしょう。
おすすめの書籍は後で解説します。自分に合った書籍を購入し、数学分野において自己学習することも一つの手でしょう。
E資格の数学分野におけるおすすめの参考書・書籍
ここからは、E資格の書籍の中でも、数学分野におけるおすすめの書籍を紹介していきましょう。
最短コースでわかる ディープラーニングの数学
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この書籍は、ディープラーニングを理解するのに欠かせない数学分野において、高校1年生のレベルまで引き下げてやさしく教えてくれています。
数学の分野が苦手な方でもわかりやすく解説しているため、最短で入門レベルから覚えたい方にはおすすめの書籍です。
著者 | 赤石 雅典 |
出版社 | 日経BP |
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版
画像引用元:Amazon
この書籍は、JDLA認定プログラムの第1号事業者のスキルアップAI社の講師陣が執筆しており、わかりやすく解説されています。模擬問題などもあり、数学分野においてははじめの方に記載があります。
著者 | 小縣 信也 斉藤 翔汰 溝口 聡 若杉 一幸 杉山 将(監修) |
出版社 | インプレス |
人工知能プログラミングのための数学がわかる本
画像引用元:Amazon
こちらは基本の基本から教えてくれる書籍となっており、人工知能関連で出てくる数式において、抵抗をなくせるように意識して執筆されています。
数学の基礎力を身につけることができる内容となっています。
演習問題や例題などもついているため、理解を深めることができます。
著者 | 石川 聡彦 |
出版社 | KADOKAWA |
ディープラーニングがわかる数学入門
画像引用元:Amazon
こちらは、ディープラーニングやAIにおいて必要となる数学の知識を基本からしっかり学べる書籍です。Excelのサンプルデータサービスや、図解と具体例が豊富なため、実践的にニュートラルネットワークの考え方や、数学の基本を学ぶことができます。
著者 | 涌井 良幸 涌井 貞美 |
出版社 | 技術評論社 |
やさしく学ぶ ディープラーニングがわかる数学のきほん
画像引用元:Amazon
こちらは、ディープラーニングの背景にある数式を理解し、何が行われているかを知ることができる書籍となっています。
ニューラルネットワークでは何ができるのかといった基本的なことから進めていく中で、ニュートラルネットワークにおいて、問題を正しく解くためのパラメーターの学習方法や、画像の分類に向いている畳み込みニュートラルネットワークをPythonで実装していく方法などについて理解していくことができます。
著者 | 立石 賢吾 |
出版社 | マイナビ出版 |
線形代数キャンパスゼミ
画像引用元:Amazon
こちらは、ディープラーニングやAIに限らず、大学数学の基礎となる線形代数に特化した書籍です。基本的な高校生レベルの知識を持っている方であれば、この書籍だけで数か月でマスターできるという内容です。
著者 | 馬場敬之 |
出版社 | マセマ出版 |
E資格の合格に必要な勉強時間
E資格の合格に必要となる勉強時間の目安は、100時間~300時間ほどのようです。
学習時間に大幅なひらきがあるのは、これまでの経験値や保有知識によって必要となる勉強時間は大きく異なるためです。
数学が苦手という方にとっては、多めの勉強時間を確保しておくことがおすすめです。
E資格に合格するための秘訣
続いては、E資格に合格するための秘訣について解説していきます。
自分に合ったJDLA認定プログラムを選択すること
E資格合格への秘訣は、何といってもJDLA認定プログラムの選択にあります。
その理由は、一人一人受験者によって苦手分野や学習機関などの環境が異なるため、「自分に合った学習内容」のJDLA認定プログラムを選択することが必要だからです。
必ず受講することが必要なJDLA認定プログラムを利用して、自分のスキルや勉強時間、学習形態に合わせたJDLA認定プログラムを選択することが、合格につながる第一歩となるでしょう。
暗記と数学、プログラミングに分けて勉強する
E資格は、さまざまな分野で出題されます。
暗記して試験に備える分野や、数学的基礎のように数式を理解する分野、プログラミング技術についての分野に分かれます。
その中で、暗記する分野と数学、プログラミングの勉強を分けて勉強するというのも一つの方法です。暗記の部分は移動時間などを利用することで、机やパソコンに向かって集中できる時間と、隙間時間を分けて勉強するのも良いでしょう。
それぞれの分野に集中して勉強するというのもテクニックの一つです。
模擬問題を解いてみること
JDLA認定プログラムの中には、模擬問題を用意しているプログラムもあります。
試験に慣れていない方は特に、模擬問題があるJDLA認定プログラムがおすすめです。
本番前に模擬問題を解いておくことで、どのような問題が出題されるのか、問題を解くことでイメージができるようになるでしょう。
JDLA認定プログラムの選び方のポイント
最後に、JDLA認定プログラムの選び方のポイントについて解説しましょう。
自分に合った学習期間を確認する
JDLA認定プログラムを選択する際には、学習期間を確認しましょう。
短期間で受講できるものや数か月と長い期間受講できるものがあります。
ご自身が受験するタイミングに応じて、JDLA認定プログラムの受講期間を確認して受講するようにしましょう。
短い期間で集中したい場合など、3か月コースや6か月コースなど選択しないようにしましょう。
特に、数学が苦手で習得に時間がかかりそうな方は、受験までの勉強期間を長めに設け、それに合わせて受講できる長期間のJDLA認定プログラムを選択すると良いでしょう。
自分に合った学習形態を確認する
JDLA認定プログラムはさまざまな企業により実施されており、その実施企業によって受講形態や学習形態が異なります。
教室に通うタイプの「通学タイプ」やオンラインによるリアルタイムの講義を受講する「オンライン授業タイプ」、録画された講義をいつでも自分のタイミングで受講できる「オンデマンド授業タイプ」など、さまざまな受講形態や学習形態があります。
どのような受講形式になるのか確認した上で、JDLA認定プログラムを選択しましょう。
金額だけで選ばない
金額だけでJDLA認定プログラムを選択しないということもポイントの一つです。
特に数学が苦手という方は、苦手分野を克服するための学習となるため、サポート体制が充実しているようなプログラムへの参加が望ましいでしょう。
決して金額だけで決めずに、E資格合格に向けて、どのようなプログラムを受けるべきかしっかりと検討してください。
E資格の数学の勉強法 まとめ
E資格における数学分野の勉強方法等について解説しました。
E資格はディープラーニングに関する資格であり、理系分野の資格となるため、文系出身の方にはハードルが高いイメージがあるかもしれません。
しかし、E資格を受験するために必要なJDLA認定プログラムの受講に加え、書籍などで勉強することで、数学分野においてもしっかり理解し、試験に臨むことができるでしょう。
一番は、JDLA認定プログラムを受講する際に、しっかりと数学分野においても説明をしてくれるJDLA認定プログラムを選択することがおすすめです。
AI研究所が提供するJDLA認定プログラム「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、受講方法は「対面」「オンライン」「eラーニング」の3種類から選択可能です。
eラーニングであれば最短4日間、対面・オンラインの場合は1か月間の受講でE資格の受験資格が取得可能です。
他の講座と比較して受講料が割安であり、「対面」「オンライン」「eラーニング」のいずれの受講方法でも、約20万円以内で受講可能です。
さらに、現在割引キャンペーンを行っており、対面・オンラインは138,600円、eラーニングは76,780円で受講できます。
形式 | 対面 / ライブ配信 / オンライン |
費用(税込) |
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受講期間 | 対面・ライブ配信:1ヶ月 オンライン:1年間 |
JDLA認定プログラムの選択にお悩みの方は、E資格対策ディープラーニング短期集中講座を検討してみてください。
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