「AIを導入するとどのようなメリットを得られるのか」「メリット以外にデメリットはないのか」と、疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、AIを導入するメリット7選をご紹介します。デメリットやメリットを最大化するポイントなども解説しているので、ぜひご一読ください。
AIとは
AI(人工知能)とは、人間の知的な活動をコンピューターで再現する技術の総称です。近年では、製造業や建設業をはじめとするさまざまな分野でAIの導入が進んでおり、業務効率化やコスト削減などのメリットをもたらしています。
そんなAIについて、メリットを見る前に基礎を解説します。
- AIと従来のプログラムの違い
- AIの主な種類
- AIが得意なこと・苦手なこと
メリットの前に基礎を把握したい方は、参考にしてください。
AIと従来のプログラムの違い
AIと従来のプログラムの違いは、以下のとおりです。
| 項目 | AI | 従来のプログラム |
|---|---|---|
| 動作の仕組み | データから自ら学習する | 人間が定めたルールに従う |
| 対応力 | 未知のデータにも柔軟に対応できる | 想定外の入力に対応しにくい |
| 改善方法 | 追加データで精度が向上する | 人間がコードを修正する |
例えば、CAD業務でよく使われるマクロは、決まった手順を自動化する従来のプログラムです。対してAIは、過去の膨大な設計データから最適な形状を自動提案するといった、より高度で柔軟な支援が可能です。
AIの主な種類
AIの主な種類は以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 | 具体例 |
|---|---|---|
| 特化型AI | 特定のタスクに特化して高い性能を発揮する | 画像認識・音声認識・異常検知 |
| 汎用型AI | 人間のように幅広い知的作業をこなす(研究段階) | 現時点では実用化されていない |
なお、近年注目されている生成AIは特化型AIの一種で、文章・画像・コードなどを自動で生成します。例えば、ChatGPTやGemini、Microsoft 365 Copilotなどが代表的なサービスです。
AIの種類やツールの選び方については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
AIが得意なこと・苦手なこと
AIが得意なことと苦手なことを、以下の表にまとめました。
| 観点 | 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|---|
| データ処理 | 大量データの高速分析・パターン認識 | データが少ない領域での判断 |
| 作業の継続性 | 24時間365日の安定稼働 | 状況に応じた臨機応変な対応 |
| 精度 | 繰り返し作業における一貫した品質 | 倫理的・感情的な判断 |
| 創造性 | 既存データをもとにした最適解の提示 | ゼロからの独創的なアイデア創出 |
例えば、製造ラインの外観検査ではAIが人間以上の精度を発揮する一方で、顧客との交渉や設計コンセプトの立案といった業務は人間の判断が欠かせません。AIからメリットを得るには、AIと人間の役割分担が重要です。
AIを導入するメリット7選

AIを導入することで、主に以下の7つのメリットが得られます。
- 業務効率化による生産性の向上
- 人件費・運用コストの削減
- 人的ミスや事故の減少
- 顧客満足度の向上
- コア業務への注力
- 高精度なデータ分析・予測
- 情報収集・スキル習得の効率化
それぞれのメリットを見ていきます。
①業務効率化による生産性の向上
AI導入による最大のメリットは、単純作業の自動化による大幅な生産性向上です。図面のチェックやデータ入力などの定型業務をAIに任せることで、作業時間を大幅に短縮できます。
結果として、少ない人数でも業務を回せる体制づくりにつながるのもAI導入のメリットです。
②人件費・運用コストの削減
人件費や運用コストを削減できるのも、AI導入のメリットです。これまで人手をかけていた検査作業や事務処理をAIで代替することで、残業代や新たな採用コストを抑えられます。
初期費用はかかるものの、運用が軌道に乗れば高い投資対効果(ROI)が期待できるのもAI導入のメリットです。
③人的ミスや事故の減少
AIは感情を持たないため、人間特有の疲労や不注意によるミスを犯さずに一定の品質を保てるのもメリットの一つです。例えば、CADの干渉チェックや製造ラインの外観検査において、AIは24時間、一定精度での異常検知が可能です。
AIの活用により、手戻りや不良品の発生率が低下し、安全性と信頼性の向上につながるメリットもあります。
④顧客満足度の向上
AIの導入は、顧客満足度の向上にもつながるメリットがあります。なぜなら、高精度な需要予測による納期の短縮や、設計変更に対するスピーディーな見積もり算出が可能になるためです。
AIの活用により顧客の要望へ柔軟に応える体制が整うことで、競合他社との差別化にもつながるメリットもあります。
⑤コア業務への注力
設計や事務の現場では、図面修正やデータ整理といった定型業務に多くの時間を取られがちです。AIにこうした作業を任せれば、設計のコンセプト立案やクライアントとの折衝など、人間にしかできない創造的な業務に集中できるメリットがあります。
結果として、製品の品質向上や新しいビジネスモデルの創出にもつながるメリットも得られます。
⑥高精度なデータ分析・予測
高精度なデータ分析・予測ができるのも、AIを導入するメリットです。膨大なデータから隠れた規則性を見つけ出し、精度の高い予測を行えるのはAIならではの強みといえます。過去の設計データや市場トレンドをAIに分析させることで、材料の需要予測や設計パラメータの算出を瞬時に行えます。
これにより、勘や経験だけに頼らない、データドリブンな意思決定が可能になるのもAI導入のメリットです。
⑦情報収集・スキル習得の効率化
AI導入のメリットとして、情報収集やスキル習得の効率化もあげられます。生成AIを活用すれば、新しいツールの使い方やエラー解決方法を質問するだけで、必要な情報を即座に引き出せます。
技術の変化が激しい製造・建設業界において、学習時間の短縮は大きなメリットです。
これらのメリットを得るには、自社の課題や業務に合ったAIを導入し、使いこなすスキルが必要です。しかし、近年はさまざまなAIが普及しているため、「そもそもどのAIを選べばよいのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような方には、主要AIを網羅的に学べるセミナーの活用がおすすめです。
GETT Proskillの生成AIセミナーでは、ChatGPTやGemini、Copilotを実際に操作しながら学べるため、自社の業務に合ったツールを比較検討できます。AIのメリットを得たい方は、詳細を確認してみてはいかがでしょうか。
AIのメリットがわかる活用事例
本章では、AIのメリットをイメージできる活用事例をご紹介します。
- CAD設計における自動化・最適化
- 製造ラインの予知保全と外観検査
それぞれ見ていきます。
CAD設計における自動化・最適化
Autodesk Fusionのジェネレーティブデザインは、CAD設計におけるAI活用のメリットがわかる代表的な事例です。ジェネレーティブデザインとは、設計条件をもとにAIが最適な形状を自動で生成する機能のことです。
NASCARチームのスチュワート・ハース・レーシングは、レーシングカーのブレーキペダルの設計にこの機能を活用。従来の方法では限界だった軽量化に対し、ジェネレーティブデザインで複数の設計案を検討した結果、重量を32%削減しながら剛性を50%向上させることに成功しています。
※出典:Autodesk|スチュワート・ハース・レーシングがFusion 360とジェネレーティブデザインで加速
なお、Autodesk Fusionのジェネレーティブデザインの使い方や活用事例については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
製造ラインの予知保全と外観検査
製造ラインのAI活用メリットがわかる事例として、アウディ(Audi)のスポット溶接における品質管理があげられます。同社は、車体製造時のスポット溶接の検査工程にAIを導入。
従来はスタッフが超音波を用いてランダムに手動検査を行っていましたが、AIを活用した結果、1シフトあたり300台の車両、約150万か所にもおよぶ溶接状態の自動分析が可能になりました。検査の精度と効率が向上しただけでなく、蓄積データを設備の予知保全に活用する取り組みも進んでいます。
※出典:フォルクスワーゲングループジャパン株式会社|アウディ、スポット溶接の品質管理にAIを導入
AIを導入するデメリット
AIの導入にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 情報漏洩・セキュリティリスク | AIに入力したデータが外部に流出するリスクがある |
| 責任の所在の不透明さ | AIの判断に誤りがあった場合、責任の所在が曖昧になりやすい |
| 判断根拠のブラックボックス化 | AIがその結論に至った理由が見えにくく、妥当性の検証が難しい |
| 導入・運用コストの負担 | ライセンス費用や環境構築、人材育成に一定のコストがかかる |
| 一部雇用への影響 | 定型業務の自動化により、一部の業務が不要になる可能性がある |
これらのデメリットを把握したうえで適切に対策を講じれば、AIのメリットを最大限に活かせます。
AIのメリットを最大化するためのポイント

AIのメリットを活かしデメリットを防ぐには、導入前の準備が重要です。本章では、AIのメリットを最大化するためのポイントをご紹介します。
- 導入目的と業務範囲の明確化
- セキュリティ対策と運用ルールの策定
- 社内AIリテラシーの向上
AI活用のメリットを得たい方は、参考にしてください。
①導入目的と業務範囲の明確化
AIのメリットを得るには、導入目的と対象となる業務範囲を明確にすることが重要です。目的が曖昧なまま導入を進めたり、対象業務を絞らずに全社展開しようとしたりすると、ツール選定や効果測定の基準が定まらず、メリットを得られにくくなります。
例えばまずは図面チェックの工程に絞り、工数を30%削減するといったように、対象業務と目標を設定しておくと、導入後の効果を検証しやすくなります。
②セキュリティ対策と運用ルールの策定
AI活用のメリットを安全に享受するには、セキュリティ対策と社内ルールの整備が欠かせません。特に、設計データや顧客情報など機密性の高い情報をAIに入力する場合は、利用ツールのデータ取扱いポリシーを事前に確認する必要があります。
「どの情報をAIに入力してよいか」「出力結果の確認は誰が行うか」といったルールを明文化しておくことで、情報漏洩や判断ミスのリスクを軽減でき、AI導入のメリットを得られます。
③社内AIリテラシーの向上
AIを導入しても、現場のスタッフが使いこなせなければメリットは得られません。AIの使い方から仕組み、実務での活用方法などを理解する社内リテラシーの底上げが求められます。
まずは、AIに関心のあるスタッフを中心に小規模な勉強会や研修からはじめ、業務で試しながら成功体験を社内に広げ、AIのメリットを組織全体で実感できる体制を整えるのが有効です。
AIのスキルを身につけてメリットを得るなら
AIのメリットを得るには、業務に合ったツールを選び、実際に使ってみることが大切です。
現在、業務で最も多く活用されている生成AIはChatGPTで、Gemini、Microsoft 365 Copilotと合わせた3つが主要ツールとなっています。(※出典:ラーゲイト株式会社|【2025年調査】ChatGPT vs Gemini vs Copilot|企業が選ぶ生成AIツールの決め手とは)
「どのAIを選べばメリットを得られるのかわからない」「メリットを得る前に基本から学びたい」という方には、主要AIを網羅的に学べる生成AIセミナーの受講もおすすめです。GETT Proskillの生成AIセミナーは、初心者でも短期間でChatGPT・Gemini・Copilotなど生成AIの基礎から業務効率化のスキルまで習得できると人気です。
| セミナー名 | 生成AIセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
AIのメリットについてまとめ
AIを導入すれば、業務効率化やコスト削減、品質向上などさまざまなメリットを得られます。メリットを得るには導入目的を明確にしたうえで、自社に合ったツールを選定し、使いこなすスキルが必要です。
多種多様なAIが普及しているなかで、自社に合うAIの選定からスキルの習得まで実現したい方は、ぜひ本記事でご紹介したセミナーもチェックしてみてください。