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【2025】退職代行の利用が多い職種とは?使う人の特徴やサービスの流れも解説

社会人デビューからわずか数カ月、「こんなはずじゃなかった」と感じて退職を選ぶ新卒が増えています。2024年度の新卒のうち、退職代行サービス「モームリ」を利用した人数が最も多かったのは5月。

ゴールデンウィークを挟んだ5月だけで、298人が退職を申し出ました。4月や6月も含め、入社からわずか4カ月で職場を離れる選択をする若者が急増しているのです。

今回は、退職代行を利用する傾向の多い職種や使う人の特徴をご紹介します。

退職代行サービスとは

退職代行サービスは、退職したいけど自分の口で言えない、という声に応える形で誕生した代行サービスです。退職代行サービスの利用者は20代の若手層を中心に増えており、特に「会社に辞めたいと言えない」「無理に引き止められそう」などの不安を抱えている人が多いようです。

中には、働き始めて数週間で限界を感じ、すぐに依頼するケースも。精神的な負担を最小限に抑え、スムーズな離職を後押しする手段として広がりを見せています。

実際に退職代行サービスを使っているのは、特別な状況にいる人だけではありません。ごく普通の人たちが、普通に選んでいるのです。

退職代行サービスを使う人の特徴

退職代行サービスを使う人の特徴

退職代行を使う人は、決して甘えているわけではありません。むしろ、誰にも相談できず、直前まで我慢してきた人が多い印象です。

以下で、実際にサービスを利用する人たちの主な特徴を紹介します。

今すぐ辞めたい人

退職代行は、限界まで追い詰められて、明日からもう出社したくないと切羽詰まった人の最後の手段になることがあります。眠れなかった夜や胃が痛くなる朝から抜け出すために、彼らは決断するのです。

人間関係に悩んでいる人

仕事が出来る同僚と比べられるなど、職場での孤立や劣等感で辛い環境では、自分で「辞めます」と伝えるのは想像以上に大変です。代行という盾が必要になるのも無理はありません。

責任感が強く真面目な人

退職代行を利用するのは、意外にも、頑張り屋で真面目な人が多いです。辞めたいのに周囲に迷惑をかけたくない、自分だけ逃げるなんて、と自責の念に苦しむ中で、自分を守る選択として退職代行を選ぶ人もいます。

退職を言い出しにくい環境にいる人

上司が怖い、人手不足で業務が忙しい、というのはもちろん、逆に職場の人間関係が良好すぎるとそもそも辞める雰囲気を出せないこともあります。そんな言い出せない職場は意外と多く存在します。

仕事を辞めたい、という気持ちを封じ込め続けてきた人ほど、退職代行という選択肢に助けられています。

ハラスメントを受けている人

セクハラやパワハラ、モラハラなど言葉では言い表せないような苦しみを抱えている人も少なくありません。自分だけではどうにもならない状況の中で、第三者に助けを求めた時の手段の一つが退職代行なのです。

ブラック企業に勤めている人

終電帰りが当たり前、有休はおろか残業代も出ない、達成不可能なノルマを課せられるなど働くほど消耗していく職場では、退職の意志すらまともに聞いてもらえないことも。

自力での脱出が難しくなったとき、退職代行は非常口のような存在になります。

入社して間もない人

「やってみたけど、無理だった」。数週間、あるいは数日で職場に違和感を覚え、これ以上続けるのが怖くなった新卒や若手社員も多く利用しています。自分で退職を切り出す勇気が出ないとき、背中を押してくれる手段として選ばれています。

引き止められている人

辞めたいと言っても「もう少し頑張ろう」「あと半年だけ」などと引き止められ、なかなか辞められないケースも。そのような強引な引き止めに疲れてしまった人にとって、退職代行は確実に辞められる方法として役割を果たします。

退職代行が特に多い傾向にある職種

退職代行を利用する理由は人それぞれです。でも、職種ごとに見えてくる傾向も確かに存在します。働く環境や求められるスキル、社内文化などの背景から、仕事を辞めたいけど言えない事情が生まれるのです。

以下で、退職代行が特に多い傾向にある職種を見てみましょう。

医療・介護職

医療や介護の現場では、常に誰かの命や生活を背負って働いています。そのため、患者さんや利用者の命を預かる責任はもちろん、慢性的な人手不足、昼夜問わない勤務体制が多く、精神的にも肉体的にも削られやすい傾向にあります。

優しさゆえに自分さえ我慢すればと無理を続け、ある日ふっと限界が来てしまうことも。そんなとき、退職代行を使い、そっと職場を離れる人が少なくありません。

事務・管理職

事務や管理系の仕事では、周囲との距離が近く、チーム内での雰囲気が仕事に大きく影響します。時には上司との相性や派閥、無言の圧力などもあるでしょう。

特に、真面目な人ほど環境に適応しようと無理を重ねがちで、逃げ道が見つからないまま心をすり減らしていきがちです。そんなとき、もう直接話すのは無理と退職代行を頼る選択肢が現実的になるのです。

営業職

保険業界や不動産業界など、常に数字を追いかける営業職などの業種では、貴重な戦力を手放したくない企業側の引き止めが強くなる傾向があります。「あなたがいなきゃ困る」「次の人が決まるまで待って」と言われ続け、退職の話がうやむやにされてしまうことも。

そんな圧力に疲れ果てて、代行に助けを求める人は少なくないのです。行動力のある人ほど見切りをつけて次へ進む力を持っています。

営業を辞めたいと思う理由については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

営業を辞めたいと思う理由4選と解決方法!辞めた人は幸せ?

販売職

人手不足や客対応のストレス、コンビニなどの24時間営業では、1人当たりの業務負担が重くなりがちです。深夜シフトや急な欠勤対応も日常茶飯事です。店舗オーナーとの距離が近すぎる職場もあり、「辞めたい」と言い出しにくい雰囲気が生まれやすい環境です。

静かに確実に職場を離れる手段として、退職代行を選ぶ人が少なくありません。

情報サービス業

IT・Web業界に多い情報サービス業は、フラットな職場に見えますが、その内側では厳しい納期やクライアントからのプレッシャーも渦巻いています。残業はもちろん、言われたことを黙ってやる文化が当然とされている企業もあり、メンタルを削られることも。

上司との距離感が遠く、自分の言葉で退職を伝えるのが難しいと感じたとき、気づいたら心も体も疲れ果てていて、退職手続きをする力すら残っていないと感じるとき、退職代行は効率的かつ確実に脱出できるのです。

食品製造業

工場や厨房、店舗など現場が多い食品業界では、繁忙期は終わりが見えず、立ち仕事で体力も限界になり、ミスへのプレッシャーから職場の空気もピリピリしがちです。

また、ベテランが多い職場では新人が意見を言いづらく、退職の意思も伝えられないまま我慢してしまうことも。そのため、第三者に退職することを伝えてもらうという形を選ぶ人が増えています。

その他の職種

クリエイティブ職や新卒入社直後の社員など、「職場に馴染めない」「辞めると言ったら怒られそう」また、仕事の進め方や自分への評価に悩む人も多く見られます。

やりがいがないわけじゃないけどこのままでいいのか、という迷いが不安に変わっていくとき、退職代行は気持ちを整理するきっかけにもなります。我慢強く、自分を責めやすい人ほど、ギリギリまで耐えた末に行き着く選択肢なのかもしれません。

退職代行サービスの選び方

退職代行サービスの選び方

退職代行を使うか迷っているとき、もっとも不安なのがどこに頼めばいいのか、という点です。どんなサービスを選ぶかによって、仕事の辞め方は大きく変わるでしょう。

職種や抱えている悩みに応じて、見るべきポイントも変わってくるのです。以下で、退職代行サービスの選び方をご紹介します。

業界や職種に理解があるかどうか

自分の働いている業界や職種への理解がある業者だと、スムーズなやりとりができるでしょう。特に、医療系やIT業界などの特殊な勤務形態がある場合は重要です。

過去の対応事例を掲載していたり、自分と同じような立場の人の声が紹介されていたりしているか、公式サイトなどで確認してみましょう。これはわかってくれてるな、と思える対応は安心感に繋がります。

料金体系とサービスは納得がいく内容か

安ければいいわけでもなく、高ければ安心というわけでもありません。例えば、追加料金なしと記載されていても、有給交渉や退職届の郵送代行は別料金というケースも存在します。

基本料金には何が含まれているのか、オプション内容は何かなど、サービス内容をしっかり見比べることが納得できる依頼に繋がります。

実績や評判は良いか

今までの実績件数や依頼した人の口コミは、退職代行サービスの信頼性を見極める上で欠かせないポイントになります。公式サイトの実績はもちろんですが、X(旧Twitter)や口コミサイトでのリアルな体験談も参考になるでしょう。

退職代行を依頼してよかった、という声が自然に集まっている業者は信頼できます。

サポート体制が充実しているか

退職しようと心が揺れているときだからこそ、いざという時にすぐ連絡が取れるか、土日や深夜にも相談に応じてくれるかというポイントは重要視したいものです。すぐに話を聞いてもらえたり、親身になってくれたりする体制があるかどうかは、とても大切です。

サポート内容は以下のようにさまざまあり、サービスによっても違うので、自分が求めるサポート内容をよく確認しておきましょう。

サポート例 内容
有給取得交渉 未消化の有給休暇の取得交渉を代行(※労働組合や弁護士のみ可能)
後払い制度 退職後の支払い可能(金銭的な余裕がなくても依頼しやすい)
転職支援 求人紹介や履歴書アドバイスなど退職後の転職活動をサポート
弁護士相談 弁護士監修のサービスやオプションで弁護士に相談可能
法的サポート 損害賠償・退職金・パワハラ対応などの法的交渉を弁護士が対応

また、LINEやチャットでの対応、相談だけの利用も可能かなど、退職代行サービスの寄り添い方にも注目してみてください。

秘密保持やアフターフォローがあるか

退職する際に、会社にバレたくない、家族にも知られたくないなど、プライバシーへの配慮を求める声は多いです。退職後の書類のやりとりや、社会保険の手続きなどが不安な人は、アフターフォローまで対応してくれる業者かどうかも確認しましょう。

退職して終わりではなく、その後の道まで考えてくれる業者が真に信頼できると言えます。

退職代行サービス利用の流れ

ここでは、退職代行を利用する際の基本的な流れを紹介します。難しそうに感じるかもしれませんが、ほとんどの場合はLINEや電話で気軽にやりとりできるので、思っているよりずっとシンプルです。

①相談する

こんなこと頼めるのかな、と思わずに、とりあえず聞いてみるところから始めます。ほとんどの退職代行サービスは無料相談を受け付けており、LINEやチャットでのやりとりが可能です。

すぐに申し込みではなく、まずは話を聞いてもらえる安心感が大丈夫かもしれないと思わせてくれる第一歩になるはずです。

②依頼して契約を結ぶ

サービス内容や料金体系を確認し、サービスに納得したら支払いに進みます。支払い方法は銀行振込やクレジットカードのほか、PayPayなどのキャッシュレス決済に対応しているところも増えています。

また、事前に追加料金がかかる可能性があるかも確認しておくと、後で慌てずに済むでしょう。不安な場合は、見積もりをスクショしておくのもお勧めです。

③会社へ退職意思が伝わる

いよいよ退職代行業者があなたの代わりに、会社に「辞めます」と連絡を入れます。基本的に、依頼者本人が会社と直接やり取りする必要はありません。

電話や書面・メールなどで退職代行業者が伝達してくれます。明日からもう出勤しなくていい、と言われるケースも多く、心身の負担は一気に軽くなり、緊張の糸がふっと緩む人も少なくありません。

④会社との交渉や手続きを行う

退職代行が成功したら、有給の消化や備品の返却、退職届の提出など、必要に応じて手続きが進められます。退職代行業者によっては、退職日の調整や離職票の郵送依頼まで代行してくれる場合もあります。

基本的には、会社からの連絡が来た場合も業者が対応してくれるので、会社からの連絡が怖い、と感じている人には特に心強いでしょう。

⑤退職完了(アフターフォローのある業者も)

退職が無事に完了しても、書類の整理や転職先への提出など、やることはまだあります。退職代行業者によっては、退職後のフォローやキャリア相談まで対応してくれるところも。

これまで自分のことを後回しにしてきたあなたが、ようやく自分のために動き出せる第一歩を踏み出せるでしょう。

転職活動の進め方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

【2025】転職活動は何から始めた方が良い?転職の進め方や注意すべきポイントを解説

退職代行を利用する際の注意点

退職代行は心強いサービスである一方で、使う前に知っておくべき以下のような注意点もあります。

  • 業者により法的トラブルへの対応が違う
  • 料金が追加されるケースもある
  • 書類の受け取りや備品の返却は自分で行う場合がある
  • 家族や周囲にバレるリスクはゼロではない
  • 退職代行に依存しすぎない

利用して後悔しないように、それぞれのポイントを詳しくご紹介します。

業者により法的トラブルへの対応が違う

民間の退職代行業者は、法律的な交渉ができません。例えば、有給消化で会社と揉めている、損害賠償を請求されそう、などの場面では、弁護士や労働組合が関与している業者を選ぶ必要があります。

料金だけでなく、対応範囲もきちんと確認しましょう。

料金が追加されるケースもある

一見安く見える料金でも、「郵送代行は別料金」「会社とやりとりが複数回に及ぶと追加料金」など、あとから費用が発生するケースがあります。

見積もりは事前に出してもらい、何が含まれていて、何がオプションなのかを明確にしておきましょう。

書類の受け取りや備品の返却は自分で行う場合がある

退職代行サービスに全てを丸投げできると思っていたら、思わぬところで自分で必要のある作業が発生することもあるので、どこまで代行してもらえるか事前確認がマストです。

例えば、離職票や健康保険証の返送、制服や社員証の返却などの手続きは自分で対応する必要があることもあります。

家族や周囲にバレるリスクはゼロではない

退職代行サービスは、秘密保持に配慮してくれますが、会社から自宅に郵送物が届いたり、連絡が入ったりする可能性はゼロではありません。特に実家暮らしの人や同居している家族がいる場合は、事前に想定しておくと安心でしょう。

退職代行に依存しすぎない

退職代行は、あくまで応急的なサポートのため、問題の本質をすべて解決してくれるわけではありません。退職したらすべてが変わるという期待を持ちすぎると、現実とのギャップで落ち込むことも。

退職代行はあくまで前へ進むための手段と捉えると、自分を責めずに、次の一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

30代からの転職については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

【2025】30代からの転職は難しい?ポイントを押さえて成功させよう

40代からの転職については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

【2025】40代からの転職は難しい?転職のポイントや活かせる資格を紹介!

退職代行サービスに関するよくある質問

退職代行サービスが気になるものの勇気が出ない、もし退職できなかったらどうしよう、などの不安を抱えたままでは、一歩を踏み出すのも難しいものです。

最後に、退職代行サービスに関するよくある質問とその回答をご紹介します。

どんな職種の人でも利用できますか?

退職代行サービスは、基本的にどんな職種でも利用可能です。医療やIT、販売、飲食、派遣社員、契約社員、アルバイトなど、働く形態を問わず対応している業者がほとんどです。

ただし、その業界によってルールや事情があるため、経験豊富な業者や業界特化型のサービスを選ぶとよりスムーズです。

退職代行料金の相場はどのくらいですか?

一般的な料金は2万〜5万円程度が相場ですが、退職代行サービスの範囲やサポート体制によって差があります。また、LINE相談が可能か、有給交渉は含まれるか、アフターフォローがあるかなども比較するポイントです。

高いから安心とは限らないため、料金だけでなく内容も必ず確認しましょう。

退職理由をうまく伝えられるか不安です

多くの退職代行業者は退職理由を「一身上の都合」で一律対応するため、退職理由については、特に無理に深く説明する必要はありません。そのため、会社との余計なやりとりを避けることができます。

どうしても会社に伝えたいことがある場合は、業者が代筆や文面のアドバイスをしてくれることもあります。

退職代行を使えば即日退職できますか?

もう明日から仕事に行きたくないという切羽詰まった気持ちのとき、即日退職できるかは重要です。多くの業者は即日対応を謳っていますが、法律上の即日退職には条件があるため、実際には出社不要な状態を作るという意味合いが強いです。事前に説明してくれる業者を選ぶと安心です。

会社にバレずに退職できますか?

先述したように、完全にバレないというのは難しいですが、できる限り会社や同僚との直接的なやり取りを避けたい場合、退職代行が有効です。

書面や電話で代行業者が対応するため、自分から連絡する必要はほぼありません。自宅への郵送物などが気になる場合は、事前に業者へ相談しておくと対応してもらえる場合もあります。

有給消化や退職金の交渉もできますか?

代行サービスによりますが、有給の取得や退職金の請求などを代わりに伝えてくれる場合もあります。ただし、民間の業者は法律上、交渉ができないため、会社とのトラブルが予想される場合は、弁護士や労働組合が運営する退職代行サービスを利用するのが安心です。

退職代行を使う理由は職種によって違う

今回は、退職代行を利用する傾向の多い職種や使う人の特徴をご紹介しました。「辞めたいのに辞められない」「誰かに背中を押してほしい」という思いから、退職代行サービスという選択肢にたどり着く人は、決して少なくありません。

しかし、退職代行は、ただ会社を辞めるためではなく、自分を守るための手段です。職種や状況によって悩みは違いますが、退職代行サービスの力を借りるのは弱さではなく行動力でしょう。

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退職代行の利用が多い職種とは?使う人の特徴やサービスの流れも解説
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