今の職場に納得がいかない場合、転職も視野に入れる必要があります。職種によっては売り手市場となっているので、転職希望者からすれば転職が叶いやすい環境となっています。
ただし、戦略性をもって対応しない限り効率よく希望する企業と巡り合うのは難しいものです。では、転職活動をおこなう際には何から始めれば良いのでしょうか。
本記事では、転職の進め方や注意すべきポイントなどについて解説します。
転職活動とは?
転職とは、職業を変更すること、または職場を変えることを指します。日本においては、正規雇用された方が雇用契約を解消して、別の雇用主との間で新たな雇用契約を結んで雇用されることを指す場合が多いです。
以上から、転職とは必ずしも職種を変更することを指すわけではなく、職種を変更しないで雇用主だけを変更するケースを指す場合が多いのです。転職活動とは、実際に転職をおこなう上での活動全般を指す言葉となります。
就職活動との違い
転職活動と似た言葉として、就職活動があります。就職活動とは、主に新卒の学生が就職するためにおこなう活動を指します。
よって、大学生であれば3年生の夏頃から活動を開始し、約1年程度かけて早ければ4年生の夏に終了するのが一般的です。一方で、転職活動は転職したいと考えたタイミングから活動をスタートさせ、入社が決定次第終了します。
企業側としても、就職活動と転職活動で求めるターゲットは異なります。就職活動は新卒者を対象としており、ポテンシャル採用が主流となるのです。
人間性や入社に対する熱意だけでなく、将来性も重視する傾向があります。一方で、転職活動は社会人として経験を積んだ人材がターゲットとなるので、即戦力が求められる傾向があります。
よって、実務経験や既に習得しているスキルなどが求められるのです。以上のように、就職活動と転職活動には違いがあり、それぞれに最適な立ち振る舞いが必要となります。
転職活動期間の目安
転職活動は、転職したいと思った時点がスタートとなります。そして、一般的には3カ月程度の活動を経て転職先が決まるケースが多いです。
実際に、回答者の4割程度が3カ月未満で転職先が見つかり、半年未満まで拡大すると7割程度となります。なお、年代によって転職期間に違う傾向があり、若年層になればなるほど早期に転職先が決定する傾向があるのです。
転職の場合、ポテンシャルよりも経験やスキルを重視する傾向があり、年齢が高いと経験豊富であることから転職に有利に感じるものです。ただし、企業側としては採用要件にマッチしたスキルや経験の有無を見極める必要があり、慎重な判断が問われ時間がかかる場合があります。
転職活動における主な流れ
転職活動における主な流れとして、以下のステップで進行します。
- 自己分析の実施
- キャリアの棚卸
- 情報の収集
- 履歴書と職務経歴書の作成
- 面接対応
- 退職と入社の準備
各流れの詳細は、以下のとおりです。
自己分析の実施
転職活動において、自分がどのような人間であるのかを客観的に分析することからスタートしてください。これは、どのような転職を望んでいるのか、企業に対してどのような点が優れているのかをアピールするために必要となるためです。
自己分析と同時に、転職の目的を明確にしてください。転職の目的が明確になれば、どのような志望動機で転職したいのかを問われた際に、スムーズに回答できます。
キャリアの棚卸
転職時に企業に対して自分の経歴などを紹介するために、キャリアの棚卸が必要です。今まで雇用されてきた企業の中で、自分がどのような成果を上げてきたのか、どのようなスキルを身に付けてきたのかなどを明確にしてください。
その上で、自分が得意とするポイントが明らかになれば、自己PRしやすくなるメリットがあります。
情報の収集
転職する目的や自分のキャリアの棚卸まで完了したら、実際にどのような求人があるのかについて情報収集をおこなってください。情報収集は、転職サイトや求人誌などで情報を手軽に入手できます。
また、転職エージェントと契約すれば個別に様々な対応を図ってくれるので便利です。転職情報に触れることで、自分が市場でどのような価値があるのかを図ることもできます。
情報収集では、どのような形で転職できるのかもよく確認してください。一般的な方法としてハローワークなどの機関を利用する方法がありますが、転職サイトの利用や知人や友人から紹介を受けて採用されるケースもあります。
採用方法が理解できれば、より自分に合った方法で効率よく転職できる可能性が高まります。他にも、市場動向や転職に関する情報を入手するために、業界団体や転職支援企業が定期的に開催している転職イベントに監査する方法もおすすめです。
履歴書と職務経歴書の作成
転職活動においても、履歴書と職務経歴書を準備するのが一般的です。履歴書には、主に学歴や職歴欄を記入していきます。
履歴書を記載する場合、表記を西暦に統一したり正しい名称で記載したりする対応が必要です。また、誤字脱字がなく正しい情報を記載してください。
職務経歴書とは、業務経験とスキルを確認するために作成する書類のことであり、履歴書よりもアピールポイントが多いのが特徴です。実績はしっかりとアピールして、採用担当者に伝わるような内容としてください。
面接対応
希望する転職先を見つけてエントリーして、履歴書と職務経歴書を送付すると企業側での書類選考に入ります。書類選考の上で、見事通過すると面接を受けて最終的に転職が決定する形です。
面接を受ける際には、徹底した事前準備が必須です。面接においては、主に以下5つの項目を質問されます。
- 自己紹介や自己PR
- 転職理由
- 志望動機
- 自身が活かせる経験・実績・スキル
- 面接官への質問
各項目に対する回答を念入りに準備しておくと同時に、緊張せず質問された内容に回答できるかも重要です。よって、面接のシミュレーションと練習は徹底しておくことをおすすめします。
1人で対応するのではなく、家族などの協力を得ながら対面で練習すると、本番に近いシチュエーションで練習できるのでおすすめです。
退職と入社の準備
面接の結果、内定を受けたら実際に転職するかどうかの最終決定が必要です。内定を受けたとしても、必ず労働条件などを確認して本当に転職して良いかを判断してください。
その上で、転職することを決めたら現在雇用されている企業で退職手続きを取ります。なるべく円満に退社することが望ましく、引き継ぎや関係各位への挨拶は欠かさず実施してください。
特に、引き継ぎについては後任のことを考えつつ確実な対応が必要です。また、会社から支給された健康保健所や名刺、身分証明書などは確実に返却しなければなりません。
そして、転職先の企業で源泉徴収票や雇用保険被保険者証を用意した上で、マイナンバーや基礎年金番号などを伝えて入社手続きをおこないます。
転職活動で失敗しないための3つのポイント
転職活動において、失敗しないためには主に以下3つのポイントを意識してください。
- 条件にこだわりすぎない
- 可能な限り在職中に転職活動をおこなう
- 転職活動していることは周囲になるべく伏せる
各ポイントについて、詳しく解説します。
条件にこだわりすぎない
転職するということは、社会人として一定の経験がある状態で新たな職探しをする形となります。よって、理想を追い求める傾向にあり、どうしても条件を厳しく設定しがちです。
それに似合う転職先を探すと、結果として競争率が高くなかなか希望が叶わないケースが多いです。そこで、転職先を探す場合はある程度条件を広めに設定しておき、実際に企業側との間で話し合いながら転職可否を判断すると、機会損失を防ぐことができます。
可能な限り在職中に転職活動をおこなう
転職活動をする際には、ある程度の収入を確保しておくことが重要です。例えば、退職して無職の状態で転職活動していると、最初のうちは失業給付金により一定の生活費は確保できますが、いつまでも継続されるものではありません。
よって、在職中に転職活動すれば収入を確保した上で転職活動をおこなえます。また、離職期間が長い状態で転職活動していると、働く意欲がないと判断されてマイナスとなるケースもあるので注意してください。
転職活動していることは周囲になるべく伏せる
在籍中に転職活動する場合、特に同僚などには転職活動していることを伏せてください。これは、転職活動していることを知られてしまうと、人間関係が悪化する可能性があるためです。
もし、転職活動に失敗して現在の会社に残ることになった場合、居場所がなくなり結果として退職を余儀なくなるケースもあります。以上より、転職活動していることはなるべく伏せて対応することが望まれます。
転職活動についてまとめ
転職活動は、新しい雇用先を探すための重要な活動です。自身のキャリアアップに繋がるきっかけともなるので、機会があれば是非とも転職も検討したいものです。
ただし、必ず誰もが転職を成功できるわけではありません。今回紹介した内容を参考に、転職活動を効率よくおこなうことをおすすめします。
