Rhinocerosで作成した3Dモデルをレンダリングするとき、出力できるクオリティに不満を感じている人も多いでしょう。また、もっとハイクオリティなレンダリングができる方法を探している人もいるはずです。
そこでこの記事では、Rhinocerosと連携して利用できるLumionについてわかりやすくまとめました。使い方はもちろん連携の方法、レンダリングの変化を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Rhinocerosと連携できるLumionとは
Rhinocerosのレンダリング機能をよりハイクオリティなものにしたいなら、3Dレンダリングソフトである「Lumion」の活用をおすすめします。
Lumionとは、シンプルなワークフローでフォトリアルなレンダリングを実施できるソフトウェアです。Rhinocerosで作成したシンプルな3Dモデルに材質やオブジェクト、人物などを手軽に配置できるのはもちろん、周辺の雰囲気などを細かく調整できます。
またレンダリングするときには、膨大な処理時間が必要ですが、Lumionはハイスピードでレンダリングを完了できます。容量の問題を気にすることなく思い描くデザインを反映しやすいことから、竹中工務店やNIKKENなど、多くの建設企業がソフトウェアを導入しています。
Rhinocerosという3Dモデリングソフトの概要から知りたいという方は、以下の記事をチェックしてみてください。最新のRhinoceros8の機能や価格情報を解説しています。
Lumionの価格情報
Lumionは有料のレンダリングソフトです。
参考として以下に通常価格の情報を整理しました。
1年(税込) | 3年(税込) | |
Lumion Standard | 137,500円 | 363,000円 |
Lumion Pro | 275,000円 | 726,000円 |
また、公式サイトでは定期的な割引キャンペーンを実施しています。
タイミングによっては10%OFFといった価格で製品を購入できる場合もあるので、ぜひチェックしてみてください。
またRhinocerosの価格情報を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
他社製品との価格の違いも解説しています。
RhinocerosとLumionのレンダリングの違い
RhinocerosとLumionのレンダリング機能には、複数の点に違いがあります。
参考として、2製品のレンダリング機能や表現の違いを整理しました。
Rhinocerosのレンダリング機能
まず、Rhinocerosのレンダリング機能は非常にシンプルです。
参考として以下に利用できる機能をまとめました。
- 光源の設置
- 影の表現
- マテリアルの表現
つまり、オブジェクトに色や質感をもたせつつ、陰影を表現できるのがRhinocerosのレンダリング機能です。ただし、レンダリングしたモデルには3Dらしさが残ってしまい、コンセプトアートなどには向きません。
レンダリングに限界があるため、別途プラグインの導入が必要になると覚えておきましょう。
Lumionのレンダリング機能
Lumionのレンダリング機能は、前述したRhinocerosの項目に合わせて次のような機能が備わっています。
- 植物や水面のリアリスティックな表現
- 自然に近い日光の表現
- マテリアルの質感のクオリティアップ
よりリアルな表現ができることはもちろん、レンダリングした状態で画面を動かしたり、アニメーションを撮影したりすることも可能です。
表現豊かなレンダリングを実施したいのなら、Lumionが欠かせないと覚えておきましょう。
RhinocerosとLumionを連携する方法
RhinocerosとLumionは2つの方法で連携できます。
自身のパソコンのスペックや容量、使いやすさを比較しながら、好みの方法で連携してみてください。
Lumionを単体で契約する
まずシンプルな使い方として、Lumionを単体で契約して、Rhinocerosと使い分ける方法があります。個別でデータを取り扱うため、エクスポート・インポートの手間はかかりますが、細かな設定は不要です。
参考として以下に、Lumion単体でソフトを導入する場合の動作環境を整理しました。
OS | Windows10以降 |
CPU | 2,200以上のシングルスレッドCPUMarkを記録するIntel/AMDプロセッサ |
システムメモリ | 16GB以上 |
ディスク容量 | 75GB以上 |
グラフィック | Nvidia GeForce RTX 3060、Quadro RTX 4000、AMD Radeon RX 5700以上など |
画面の解像度 | 1,920×1,080 |
なるべくハイスペックなパソコンを用意しておくことをおすすめします。
Lumion LiveSync for Rhinoを連携する
RhinocerosとLumionを効率よく連携したい人におすすめなのが、Lumion LiveSync for RhinoというWindows限定のプラグインを導入するの方法です。参考として以下に、プラグインの導入手順を整理しました。
まずはLumionのアカウントを用意しなければなりません。
参考として、無料体験版の申し込み手順を整理しました。
- Lumionの公式サイトにアクセスする
- 無料体験申込みボタンをクリックする
- トライアルの申込みで組織名や氏名を入力する
- 2営業日でライセンスが発行される
- Lumionのアカウントを作成してマイページ上にライセンスキーを登録する
続いて、ソフトをRhinocerosに連携する手順を整理しました。
- food4RhinoからLumion LiveSync for Rhinoをダウンロードする
- ダウンロードした圧縮データを開く
- Rhinocerosを起動してファイルをドラッグアンドドロップする
- Lumionのタブが表示される
以上でRhinocerosとLumionが連携されました。
無料体験版の申込みには長い時間を要するため、早めにアカウント作成と体験版の申込みを完了させておきましょう。
Rhinocerosと連携したLumionの使い方
RhinocerosとLumionを連携した後、どのような作業を実施すべきかイメージできないとお悩みの人もいるでしょう。そこでここでは、具体的な連携の使い方や用途について紹介します。
自身の目的に合う機能が使えるのか、詳しくチェックしてみてください。
マテリアルのテクスチャを変更する
Lumionでは、Rhinocerosで作成した3Dモデルのマテリアルを個別に変更できます。
例えば、建物の外観はもちろん、地形や天候といった表現を自由に調整できるのが魅力です。
上画像のように豊富なマテリアルが用意されており、ワンクリックで簡単に質感を変更できます。視覚的な違いをスピーディーにチェックできるので、景観検討の効率化に役立つでしょう。
天候を変更する
Lumionでは、Rhinocerosのモデルの表現を次のような天候に分けて表現できます。
- 朝
- 昼
- 夕方
- 夜
時間に合わせて照明を点灯させるなど、時間帯ごとの外観をチェックできるのが魅力です。
例えば、照明設計にこだわりたい場合には夜の表現を取り入れる、日当たりの様子を確認したい場合には朝・夕方の様子をチェックするなど、複数の目的で調整できます。
人物や物を配置する
Lumionでは、Rhinocerosで作成した3Dモデルに追加として、次のようなオブジェクトを配置できます。
- 人・動物
- 家具
- 植物
また、柵や小物など、豊富なオブジェクトが用意されており、自由に配置できるのが魅力です。
「広場に机やいすを並べてリアリティを増したい」「大きさのイメージがわかりやすいように人物を起きたい」「現地に近い状況をつくるために植物や石などを配置したい」という場合などにオブジェクトの挿入機能が役立ちます。
トレーシングビデオの撮影
Lumionでは、Rhinocerosで作成した3Dモデルをベースとして、レンダリングした状態の表現のままアニメーションを撮影できます。
例えば、画面をスライドさせながら立体感をもたせた映像を撮って発注者に共有することはもちろん、イメージビデオの撮影など、成果品の作成にもLumionが役立ちます。高速処理のレンダリングができるソフトウェアですので、映像制作の際に役立ててみてください。
Rhinocerosの基本機能や連携をセミナー講習で学ぼう
Lumionを利用してレンダリングの品質を高める前に、Rhinocerosの使い方がよくわかっていないとお悩みの人も多いでしょう。それならまずはRhinocerosの基本機能を学ぶために、セミナー講習に参加してみてはいかがでしょうか。以下にセミナー講習の魅力を整理しました。
- プロの講師から使い方を学べる
- 基礎~応用までを実践的に学べる
- わからないポイントを質問できる
- 会場講習・ライブウェビナー・eラーニングなど複数の方法で学べる
特に独学が苦手な方や、短期間で使い方をマスターしなければならない方におすすめです。
Lumionを使う際もRhinocerosの知識が必要ですので、気になるセミナー講習を探してみてください。
RhinocerosとLumionについてまとめ
Rhinoceros単体でレンダリングを実施した場合、シンプルな表現しかできません。
対して、Lumionという3Dレンダリングソフトと連携すれば、フォトリアルで高品質なレンダリングが可能となります。
有料のソフトではありますが、魅力的な表現ができるほか、レンダリングした風景をアニメーションとして適用できるので、より好印象な成果品やプレゼン資料を用意したいという方はRhinocerosとLumionを組み合わせてみてはいかがでしょうか。