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【2025】RhinocerosのLoftとは?使い方やコマンド操作ができない悩みを解決

Rhinocerosに搭載されている作図機能「Loft」というコマンドが何なのかわからないとお悩みの方も多いでしょう。また、どのような使い方ができるのか、具体的なコマンド操作の手順を知りたい方もいるはずです。

そこでこの記事では、Rhinocerosに搭載されたLoftコマンドの使い方をわかりやすくまとめました。使う手順やコマンド起動時の設定についても詳しく解説しているので、Loftコマンドをマスターしたい人はぜひ参考にしてみてください。

RhinocerosのLoftコマンドとは

RhinocerosのLoftコマンドとは

Rhinocerosに搭載されているLoftコマンドとは、一連に並ぶ「閉じた曲線」同士をつなぎ、3Dソリッドや3Dサーフェスを作成する機能のことです。上画像のように、並んでいる2つの面を合体し、ひとつの3Dデータとして作成できます。

例えば「2D図面で作成した面を、Z軸の特定の高さまで伸ばした3Dモデルに変換したい」「2つの面同士を接合したい」という場合などにRhinocerosのLoftコマンドを使用します。

また、直線状につなぐ方法だけではなく、ねじれを設けたり、カーブをつけたりと、さまざまな形状に設定できるのがLoftコマンドの特徴です。Rhinocerosで3Dモデリングをする際に頻出する機能ですので、ぜひこの機会に使い方をマスターしてください。

あわせて、Rhinocerosがどのようなソフトなのか詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。最新のRhinoceros8について解説しています。

【2025】Rhinoceros8とは?7との違いや価格情報・使い方を解説

RhinocerosのLoftコマンドの位置

Loftコマンドの位置(サーフェスツール)

RhinocerosのLoftコマンドは「サーフェスツール>左側にあるツールウィンドウ>ロフト」にコマンドが用意されています。また、「標準>サーフェス(右クリック)>ロフト」からも起動が可能です。

Loftコマンドの位置(標準ツール)

何度もクリックして画面を切り替えるのが面倒な場合もあるため、Loftのほかにサーフェス関連の機能を複数使いたい場合は「サーフェスツール」から、Rhinocerosの機能を網羅的に使いたい場合は「標準」から起動するとよいでしょう。

また、Rhinocerosには特定の文字列を入力することでコマンドを起動できるコマンドラインという機能が備わっています。

コマンドでLoftを起動

上画像のように、コマンドラインにLoftと入力するだけでも起動できるので、自分の好きな方法でLoftを起動してみてください。

RhinocerosのLoftコマンドの基本的な使い方

まずRhinocerosのLoftコマンドは、以下の手順で操作をします。

  1. RhinocerosでLoftコマンドを起動する
  2. 2つの閉じた曲線を選択してクリックを押す
  3. シーム点(閉じた曲線同士をつなぐ点)の位置を選択する
  4. RhinocerosのLoftオプションウィンドウを設定してOKを選ぶ

比較的簡単な操作でサーフェスを3Dモデルに変換できます。
以下より、詳しい使い方の手順を解説します。

閉じた曲線を用意する

2つの閉じた曲線

まずはRhinocerosの作図コマンドを利用して、閉じた曲線を2つ用意しましょう。
今回は参考として、X軸と面が直角になるように、円コマンドを使って2つの円を並べました。

なお閉じた曲線を用意するのは円以外にも、矩形や三角形など、自由な形で構いません。
線画閉じていれば、スケッチで描いたようないびつな形状でもLoftコマンドを利用できます。

Loftコマンドを起動する

2つの曲線を選択

RhinocerosのLoftコマンドを起動したら、まずはワークスペースに挿入している2つの円を選択してください。オブジェクトを選択すると、色が黒から黄色に変化するので、選択を終えたらEnterキーを押しましょう。

すると、2つの円をつなぐように黒い線が1本表示されました。

シーム点の調整

これはシーム点と言い、格子状に表示される3Dモデルの格子の引き方を設定できます。
直線方向であればきれいな直線状の3Dモデルへと変換できますが、シーム点の位置をずらすことで、ねじれたような形状の3Dモデルに変換することも可能です。

今回は特にシーム点の位置には触れず、そのままEnterキーを押します。

Loftオプションを設定する

Loftオプション画面

シーム点まで設定を終えたら、Rhinocerosの画面上にLoftオプションというウィンドウが表示されます。ここでは、Loftコマンドを使ってつなぐ3Dモデルの細かい形状設定が可能です。参考として以下に、調整できる項目を整理しました。

Loftオプションの項目 選択機能 特徴・用途
スタイル ノーマル 曲線が直線方向に伸びている場合や、曲線間の空間が広い場合などに選択する
ルーズ サーフェスの制御点が、元の曲線の制御点と同じ位置に作成されるため、制御点を後ほど変更したい場合に選択する
タイト サーフェスのもとの曲線と密着した状態で3Dモデルを生成でき、コーナーをつけたい場合に選択する
直線セクション 直線状の3Dモデルを生成したい場合に選択する
ユニフォーム NURBS曲線を均一に表示させたい場合に選択する
断面曲線オプション 単純化しない シンプルな格子の3Dモデルを生成する際に選択する
リビルド 複雑な格子の3Dモデルを生成する際に選択する
再フィット許容差 指定された許容差値に合わせて再フィットしたい場合に利用する

今回は、シンプルな3Dモデルを生成するため、特に変更はせずそのままOKを選択しました。
すると、下画像と同じ3Dモデルが自動で生成されます。

生成された3Dモデル

実際にレンダリングの画面で見てみると、きれいな円柱状の3Dモデルが完成していることがわかります。

レンダリングした画面

RhinocerosのLoftコマンドはシンプルな機能であるほか、設定変更に合わせて形状のプレビューをチェックしながら作業が可能です。複数の閉じた面を並べてつなげることもできるので、ぜひRhinocerosのLoftコマンドに触れてみてください。

RhinocerosのLoftコマンドの実践的な使い方

Rhinocerosで3Dモデリングをする際には、複雑な形状を作図するケースがほとんどです。
そこで、RhinocerosのLoftコマンドを使った実践的な操作方法を紹介します。

複数の閉じた面をつなげる

複数の多角形モデル

Rhinocerosで3Dモデリングを実施する際には、複数の閉じた曲線をまとめてLoftで3Dモデル化することがあります。参考としてここでは、上画像のようにZ軸に向かって徐々に形状が小さくなる多角形を準備しました。

やり方は前述したLoftコマンドと同じで、Loftを起動したら、各オブジェクトを選択したのちにシーム点の設定、Loftオプションを設定してOKをクリックしましょう。

多角形のシーム点

すると、多角形の端点に合わせて次のような3Dモデルが完成しました。

多角形の3Dモデル

複数の閉じた曲線をつなげて3Dモデルを作成できることから「部分的に形状を変えたい」「場所によって大きさを調整したい」という場合には複数をまとめてLoftするのがおすすめです。

曲線状にLoftする

円を曲線状に配置

RhinocerosのLoftコマンドは、直線方向だけではなく、曲線状の3Dモデルを生成する際にも利用できます。ここでは、上画像と同じように確度の異なる3つの円を用意してみました。

Loftの機能を使って、3Dモデル化してみると、次のように曲線状のモデルが完成します。

完成した曲線3Dモデル

「ほかのオブジェクトと干渉しないように3Dモデルを生成したい」「曲線の曲がり具合が異なる3Dモデルをつくりたい」という場合などにも、RhinocerosのLoftコマンドが役立つと覚えておきましょう。

シーム点を変更して複雑な形状の3Dモデルを生成する

シーム点位置の変更

RhinocerosのLoftコマンドで設定できるシーム点の位置を変更すれば、幾何学的な形状のモデル生成が可能です。例えば、前述した円を曲線状に配置したものと同じ要素を使い、シーム点の位置だけを上画像のように変更してみます。

すると以下のように、複雑な形状の3Dモデルが生成されました。
格子状のラインを見てもわかるように、シーム点に合わせて形状が決まっています。

幾何学的な3Dモデルの生成

3Dモデリングのデザインをする際には、シーム点の位置調整などが効果を発揮する場面が多々あるため、ぜひ必要に応じてシーム点の位置を変更してみてください。

また、Rhinocerosのほかのコマンドも含めて独学を始めたいという方は、以下の記事がおすすめです。効率的な独学の方法を解説しています。

【2025】ライノセラスを独学しよう!建築初心者が覚えるべき機能や知識を解説

RhinocerosのLoftコマンドをセミナー講習で学ぼう

本記事で紹介したRhinocerosのLoftコマンドの使い方は、まだほんの一部にすぎません。
ほかにも役立つ機能や設定が複数あるため、さらに詳しくLoftコマンドを学びたいのなら、セミナー講習に参加してみましょう。以下のように、数日で基礎から、高度で実務に必要なモデリングスキルを習得できるセミナーは特におすすめです。

セミナー名Rhinoceros基礎セミナー講習
運営元GETT Proskill(ゲット プロスキル)
価格(税込)38,500円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京)

上記のようなセミナーではソフトウェア操作の基礎はもちろん、実践的な機能の使い方まで詳しく学べます。Loftコマンドだけではなく、Rhinocerosに搭載されたさまざまなコマンドの知識が身につくので、操作方法を学びたい初心者におすすめです。

プロの講師から使い方を学べるほか、気軽に相談できるのがセミナー講習の魅力ですので、この機会に自分のレベルに合うセミナー講習を探してみてはいかがでしょうか。

RhinocerosのLoftコマンドについてまとめ

閉じた曲線同士をつなぐ際に利用できるRhinocerosのLoftコマンドは、3Dモデリングで頻繁に利用する機能のひとつです。シンプルで使いやすいことはもちろん、細かな設定を加えることで形状に変化をもたせられるなど、自由自在にモデル形状を変更したい場合に役立ちます。

ただ、Rhinoceros初心者にとっては、なかなか操作を覚えられないと悩む人もいるはずです。
豊富なセミナー講習も開催されているため、ぜひこの機会にRhinocerosの学習をスタートしてみてください。

Rhinoceros Loftのアイキャッチ
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