Rhinocerosは自動車製造や建築など、さまざまな業種で活用されている高機能な3Dモデリングソフトです。
設計や製図などの学習をしている学生の中には、コストを抑えて高精度なソフトであるRhinocerosのノウハウやスキルを身に着けたい方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、商用版よりもコスパ良く利用できるRhinocerosの学生版を紹介し、種類や価格、商用版との違いや購入方法、注意点も紹介します。
Rhinocerosの学生版とは
Rhinocerosの学生版は、高度な3DモデリングソフトであるRhinocerosを学生や教職者向けに提供しているバージョンのことです。
このソフトは基本的に学生の教育用として開発されているため、実際の現場で利用されているRhinocerosよりも比較的低価格で利用できます。
また低価格で購入できるにも関わらず、業務用である商用版に負けずとも劣らない高い機能を有しているのもメリットの1つです。
このような観点からも、Rhinocerosを低価格で購入し、課題作成や卒業設計などに利用する学生も多く見受けられます。
Rhinocerosの学生版の種類と価格
Rhinocerosの学生版には、以下の4つバージョンが挙げられます。
- 教育版
- アップグレード教育版
- ラボラトリーライセンス
- アップグレードラボラトリーライセンス
ここからはそれぞれの特徴と価格を詳しく紹介します。
教育版
Rhinocerosの教育版は、主に学生や教職員の学習時の利用を対象とした3Dモデリングソフトです。
WindowsとMacの両方に対応可能で、商用版としての利用はできないものの同レベルの機能を有しています。
商用版に比べて低価格で導入できるのも強みで、学習課題作成や卒業設計など多目的な利用が可能です。
また機能性の高さから、学生でも簡単に高精度な3Dモデリングが可能なため、就職活動に有効なポートフォリオ作成にも利用できます。
Rhinoceros教育版の購入価格:39,600円(税込)
アップグレード教育版
Rhinocerosの旧バージョンを既に導入しているユーザーを対象に、最新バージョンへの移行を可能にするためのライセンスをアップグレード教育版といいます。
既に旧バージョンを導入しているユーザーは、このライセンスを活用することにより通常購入よりも低価格で最新バージョンを利用できます。
また最新バージョンであるアップグレード教育版は、最新のプラグインの導入や追加機能なども豊富で、従来バージョンよりも高精度で効率的な3Dモデリングが可能です。
Rhinocerosアップグレード教育版の購入価格:19,800円(税込)
ラボラトリーライセンス
Rhinocerosラボラトリーライセンスは、1つのライセンスで最大30人のユーザーが同時利用できる便利なライセンスです。
一般的には大学での講義や研修など、同時に複数人での利用が必要なケースに導入、利用されます。
基本的にこのライセンスは職業能力促進法で認定された教育機関や、学校教育法で定められた学校施設などを利用対象としています。
またRhinocerosラボラトリーライセンスを利用する際には、同時に複数人での管理を実現しているツールである、ZooやCloud Zooチームのどちらかへの登録が必要です。
Rhinocerosラボラトリーライセンスの購入価格:19,800円(税込)
アップグレードラボラトリーライセンス
Rhinocerosアップグレードラボラトリーライセンスとは、前述のRhinocerosラボラトリーライセンスがアップグレードするためのライセンスです。
新規購入に比べてコストを抑えてより高機能、高いデザイン性のRhinocerosの導入を実現できます。
またアップグレード前のRhinocerosラボラトリーライセンスと比較して、システムの安定性やレンダリング速度が向上しており、導入による作業効率化も見込まれます。
基本的にRhinocerosアップグレードラボラトリーライセンスは、Rhinocerosラボラトリーライセンスからのアップグレードのみ可能で、ほかのソフトからのアップグレードはできないので注意しましょう。
Rhinocerosアップグレードラボラトリーライセンスの購入価格:11,000円(税込)
Rhinocerosの学生版と商用版の違い
Rhinocerosは学校の教材として利用される学生版と、ビジネスや実際の作業現場で利用される商用版とに分類されます。
学生版と商用版の違いとして挙げられるのは以下の3点です。
- 利用目的
- ライセンスの条件
- 価格
ではそれぞれの違いを詳しく解説します。
利用目的
Rhinocerosの学生版は大学や専門教育機関などに勤務する教職員や、そこで学ぶ学生が3Dモデリングの学習教材としての利用を目的としています。
Rhinocerosを利用した講義では、3Dモデリングのほかにもプロトタイピングや製品設計など、多様な講義が行われているのが現状です。
一方の商用版は第一線で働くエンジニアやデザイナーの利用を目的としており、学生版よりも高度なモデリング作業を可能にしています。
ライセンスの条件
Rhinoceros学生版は特定の教育機関での講義を行う講師や学生に対し、利用権限をライセンスとして付与しますが、基本的に商的な利用やライセンスの譲渡などが禁止されています。
ライセンスの利用期間に関しても、学生は在学期間、講師は教職員である期間のみの利用が可能です。
一方の商用版はビジネスや現場での利用を想定したライセンスなので、学生版のような制限は設けられていません。
価格
Rhinoceros学生版と商用版では価格も異なります。
学生版は基本的に学習教材としての利用を目的としているため、比較的低価格での導入、利用が可能です。
一方の商用版は学生版よりもコストがかかりますが、実際の現場で活躍するプロの利用を想定しているため、学生版よりも多くの機能を備えているうえにサポートも充実しています。
具体的な価格例を紹介すると、Rhinocerosの学生版のアップグレードラボラトリーライセンスの購入は11,000円(税込)であるのに対し、商用版のアップグレード版は73,700円(税込・キャンペーン価格)と、機能性やライセンス条件的な観点から学生版よりも高めに推移しているのが現状です。
Rhinocerosの学生版の購入方法
Rhinocerosの学生版を利用すれば、コストを抑えた3Dモデリングの学習が可能です。
Rhinoceros学習版の購入方法には以下の点が挙げられます。
- 販売代理店経由で購入する
- 学校経由で購入する
ではそれぞれの購入方法を詳しく解説します。
販売代理店経由で購入する
Rhinocerosの学生版はCADソフトウェアを取り扱う代理店でも購入できます。
販売代理店の利用では最初にRhinocerosの学生版の購入希望を伝え、学生は学生証、講師は学校などが提示している身分証などのコピーを準備、提出しなければいけません。
次に販売代理店の指示に従い、ライセンス発行などの具体的な支払方法を選択します。
支払い方法やライセンス発行方法は代理店により異なるので、確認しながら手続きミスがないよう注意しましょう。
学校経由で購入する
学校経由で購入するのも、Rhinocerosの学生版の有効な購入方法の1つです。
学校経由では基本的に学校が一括してRhinocerosの学生版のライセンスを購入し、学生や講師に配布するので自分で手続きする手間を省けます。
学校がまとめて購入することにより、割引特典が付与されてコスパ良くRhinocerosの学生版を利用できるケースも多いです。
また学校経由で購入すれば、ライセンスの管理に関しても学校側が全て行うので、ライセンスの管理に関する心配もありません。
一方で学校経由での購入には、ある程度の時間がかかる点も認識しましょう。
Rhinocerosの学生版の注意点
Rhinocerosの学生版の注意点として、以下の4点が挙げられます。
- 利用制限
- ライセンス期限
- 機能制限
- サポート体制
ではそれぞれの注意点を詳しく解説します。
利用制限
Rhinocerosの学生版は基本的に学習用教材として開発、提供されているため、商用版と比べていくつかの利用制限が設けられています。
具体例として商的な利用やライセンスの譲渡禁止、商用版と比較しての細かな機能制限なども設けられているのが現状です。
Rhinocerosの学生版が3Dモデリングなどの学習を目的としたソフトであるため、基本的には上記のような利用制限を設けています。
ライセンス期間
ライセンス期間に関する事項も、Rhinocerosの学生版を利用する際の注意点の1つです。
Rhinocerosの学生版は、学生は在学期間中、講師は教職員である期間中でなければ利用できません。
したがって仮に卒業後や退職後にRhinocerosの継続利用を希望する場合には、販売代理店に問い合わせて継続利用の申し込みが必要になります。
またRhinocerosの学生版は、一定期間ごとにライセンスの更新が必要になる場合もあるので事前に確認しましょう。
機能制限
Rhinocerosの学生版は基本的に教育的な教材としての利用を目的としているため、商用版と比較していくつかの利用制限が設けられています。
具体的には一部の商用プラグインが導入できない場合や、レンダリング機能制限、サポート可能なファイル形式の限定や、同時利用台数を限定しているケースも多いです。
したがって導入前には自身の利用目的を確認しながら商用版との比較を行い、ニーズを満たせるソフトを導入しましょう。
サポート体制
サポート体制に関する事項も、Rhinocerosの学生版を利用する際に事前に確認しましょう。
Rhinocerosの学生版にはソフトの操作方法を解説してくれるオンラインマニュアルや、ほかのユーザーとの情報交換を可能にしたオンラインコミュニティなどのサポートがあります。
一方の商用版はそれらのサポートに加え、電話を介してソフトの利用に関するアドバイスなどを受けられる電話サポートや、繁忙時でも優先的にサポートを受けられる優先サポートなどが付与されるケースが多いです。
このような観点からも自身のニーズをしっかりと把握し、学生版と商用版の選択をしっかり検討しましょう。
上記のようなサポートだけでなく、実践的なスキルを早く習得してRhinocerosを使いこなしたい!という方には、以下のように短期集中型で、充実したカリキュラムに定評のあるセミナーの受講もおすすめです。
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Rhinocerosの学生版まとめ
Rhinocerosの学生版を有効活用すれば、コストを抑えた効率的な3Dモデリングの学習やスキル取得が可能になります。
一方で自身のニーズを把握せずに導入すれば効率的な学習ができないので、本記事を参考にして商用版との比較も徹底し、最適な導入、有効活用を可能にしてください。
