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【2025】RhinocerosとArchicadとの違いとは?価格・機能の違いやインポートの方法を解説

3Dモデリングができるソフトウェアを探しており、そのなかでもRhinocerosとArchicadの2つの製品に興味をお持ちの方もいるでしょう。しかし、具体的な違いがわからずにどちらを導入すべきかお悩みの人もいるはずです。

そこでこの記事では、RhinocerosとArchicadの違いについてわかりやすくまとめました。
また、2つの製品を連携できるポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

Rhinocerosとは

Rhinocerosの概要

Rhinocerosは、次のようにさまざまな業種で利用されている3Dモデリングソフトウェアです。

  • 工業設計
  • 機械設計
  • 金型設計
  • 製造設計
  • 建築設計
  • 宝飾デザイン

多種多様なツールが搭載された汎用性の高いソフトウェアであることはもちろん、基本機能をグレードアップする追加プラグインが豊富に提供されています。プラグインは無料・有料のものがあり、カスタマイズ次第で非常に利便性に優れるツールを構築できるのが魅力です。

また、Grasshopperというビジュアルプログラミングを利用して、複数のシミュレーション機能を生み出せます。設計業務効率化にも役立つツールであり、業種を問わず利用しやすいのがRhinocerosの魅力です。

Rhinocerosの概要や機能について詳しくチェックしたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。最新のRhinoceros8の機能や魅力について解説しています。

【2025】Rhinoceros8とは?7との違いや価格情報・使い方を解説

Archicadとは

Archicad(アーキキャド)は、主に建設業界(建築・土木)業界向けに開発されたBIMソフトです。2DCAD・3DCADや属性情報の付与といった機能を利用して、建築物や構造物の設計を実施します。

なかでも便利なのが、図面の自動作成機能です。
3Dモデルを準備するだけで、平面図・側面図・断面図といった図面の自動生成ができ、時間のかかる2D図面作成の効率化を目指せます。

また作図のみならず、ドキュメンテーション機能など、事務処理の効率化に役立つツールも提供されています。クラウドを通じてほかのメンバーとデータを共有できるなど、チーム利用にも強いため、Archicadは建設業従事者におすすめのソフトウェアです。

あわせてArchicadの概要を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

ARCHICAD(アーキキャド)とは?建築に特化したCADソフトを徹底解説

RhinocerosとArchicadとの違い

RhinocerosとArhicadの違い

RhinocerosとArchicadのどちらを導入すべきかお悩みの人向けに、機能や価格、互換性、スペックといった違いを整理しました。

RhinocerosとArchicadはどちらも3Dモデルを利用するという点は同じですが、異なるポイントも複数見つかるため、ぜひソフトウェア選びの参考にしてみてください。

目的や機能の違い

以下に、RhinocerosとArchicadの機能や目的の違いを整理しました。

Rhinoceros Archicad
ソフトの用途 3Dモデリング
3DCAD
BIM(3DCAD・2DCAD)
利用する業界 多業界 主に建設業界
デザイン機能 属性情報をもたない3Dモデルの作図が可能(プラグインを活用することでBIMに対応可能) 属性情報をもたせた3Dモデルの作図が可能
ビジュアライゼーション機能 同左 高精度のレンダリングが可能
コラボレーション機能 あり あり
拡張プラグイン 豊富 少ない

まず、初期導入時に利用できる用途が、3Dモデリングなのか、BIMなのかという違いがあります。Rhinocerosは多業種で利用できるソフトウェアであることから、基本機能にBIMの機能がありません。(プラグインとして追加が可能)

一方でArchicadは、BIMソフトとして利用できるのが特徴です。
ただし、Rhinocerosのような3Dモデリングの柔軟さはなく、特定の設計ツールを利用しながら作図しなければなりません。

また、拡張性にも大きな違いがあります。
Archicadと比べて、Rhinocerosは非常に豊富なプラグインが用意されているため、自分好みの機能をカスタマイズしたい人は、Rhinocerosの導入がおすすめです。

価格の違い

RhinocerosとArchicadは、それぞれの提供プランや価格にも違いがあります。

まずRhinocerosとArchicadは、どちらも永久ライセンスとしての購入が可能です。
また、Archicadについてはサブスクリプション形式の契約にも対応し、Rhinocerosはバージョンアップの際に追加料金がかかります。

参考として以下に、商用版の製品価格の例を掲載しました。

製品 プラン情報 価格(税込)
Rhinoceros フルパック
(永久ライセンス)
187,000円
(バージョンアップは+110,000円)
アニメーション作成パック
(永久ライセンス)
83,600円
Archicad Archicad 27 Solo
(永久ライセンス)
779,900円
Archicad Solo 1ヶ月
(サブスクリプション)
44,220円/月

全体価格を比較すると、Rhinocerosのほうが安価で導入できます。

ただし価格だけではなく、前述した目的や機能も含め総合的に判断することが重要です。
RhinocerosとArchicadにはそれぞれ、できること・できないことがあるため、価格は比較する際のひとつの目安として捉えてください。

推奨スペックの違い

以下に、RhinocerosとArchicadに求められる推奨スペックの違いを整理しました。

推奨スペック Rhinoceros Archicad
OS Windows10、11
(macOSも対応)
Windows10、11
(macOSも対応)
CPU 64bitのIntelまたはAMDプロセッサ Intel Core i5
RAM 8GB 16GB~
GPU 4GB VRAM
OpenGL 4.1対応
4GB VRAM DirectX 11
OpenGL対応グラフィックスカード

一見すると、RhinocerosとArchicadには大きなスペックの違いはないように見えます。

ただし、Rhinocerosはほとんどの機能を上記のスペックで利用できる一方で、Archicadではさらにハイスペックなパソコンを用意しなければ次のような機能を利用しづらいことに注意が必要です。

  • 16GB(居住空間規模のプロジェクト)
  • 32GB(アパートやオフィスの建築)
  • 64GB以上(高層ビルや病院など大規模な建築)

特にArchicadは、設計で用いる目的や規模感によって、求められるスペックが変化します。
8GBから導入できるRhinocerosと比べて、Archicadは、ハイスペックパソコンを用意したうえで導入する必要があると覚えておきましょう。

RhinocerosのデータをArchicadにインポートする方法

Rhinocerosのインポート画面

同じ業務に携わる協力会社や発注者がRhinocerosを導入しているため、自身も同じようにRhinocerosを導入すべきかお悩みなら、RhinocerosとArchicadはそれぞれファイル形式に互換性があると覚えておきましょう。

例えば、Rhinocerosから出力した3dmという専用データは、Archicadの「ファイル>開く」「ファイル>相互運用性>結合」という2つの方法で開けます。Rhinocerosのレイヤー構造や設定をそのまま保持できることはもちろん、色などの情報も引き継ぎできるのが魅力です。

一方で、RhinocerosはArchicadの専用拡張子plnをそのまま読み込めません。
対応策として、Archicad上でRhinocerosの専用拡張子3dmを選択して出力する必要があると覚えておきましょう。

インポートできない人がいる理由

ごくまれに、Rhinocerosの3dmデータをArchicadで読み込もうとしたときに、3dmの拡張子項目が表示されずにインポートができないというトラブルが起こることがあります。その理由として次のような原因が考えられます。

  • RhinocerosとArchicadのバージョンの違い
  • 保存形式の間違い

なかでも古いバージョンのRhinocerosとArchicadを利用している会社の場合には、Mac版のArchicad22とRhinoceros6の形式が非対応になっている影響で読み込みの不具合が起きます。

インポートがうまくいかないなら、ひとつバージョンを下げた3dmを保存するといった対策が効果的です。

Rhinocerosを導入したらセミナー講習を受講しよう

RhinocerosとArchicadを比較したのちにRhinocerosの導入を決めたという方は、効率よく操作方法をマスターするために、セミナー講習を受講するのがおすすめです。

例えば初心者向けのセミナー講習を受講すれば、操作の基礎はもちろん作図の流れなどを学べます。また、中級者向け・上級者向けのセミナー講習であれば、Grasshopperといった便利な機能にも触れることができます。

以下は初心者から、応用スキルまで習得したい上級者に向けたモデリングスキルまで、網羅的に短期間で効率的に習得できるカリキュラムが組まれたセミナーです。

セミナー名Rhinoceros基礎セミナー講習
運営元GETT Proskill(ゲット プロスキル)
価格(税込)38,500円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京)・ライブウェビナー

受講形式も希望に合わせて選べ、さまざまな方法でRhinocerosを学べるので、自分に合うセミナー講習がないか探してみてはいかがでしょうか。

RhinocerosとArchicadについてまとめ

多業種で利用される3Dモデリングソフトの「Rhinoceros」、主に建設業界で利用されているBIMソフトの「Archicad」はそれぞれ搭載されている機能や価格情報、さらには求められるパソコンスペックなどが異なります。

ただし、2つの製品にはそれぞれ高い互換性があり、ソフト間でデータを連携できるのがメリットです。これから導入するソフトを選ぶ必要がある方は、ぜひ本記事で紹介したRhinocerosとArchicadの違いを参考にしてみてください。

RhinocerosとArhicadの違いアイキャッチ
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