facebook

PLMとERPの違いとは?共通点と違いを理解して適切な方を選ぼう

PLMやERPの活用は、製造業において大きな注目を集めています。これらのシステムが持つ可能性を最大限引き出すためには、まず理解を深めておくことが重要です。ここでは、両者の違いや共通点などについても説明していきます。

PLMとは何か

PLMとは、Product Lifecycle Managementの略称で、製品ライフサイクル管理の事を指しています。製品の企画や設計段階から、生産、販売、そして廃棄に至るまで一連の工程における情報を管理し、利益の最大化を図ることを目的としています。製造業では、品質、コスト、納期という三つのポイントが重要視されます。いわゆる、QCD(Quality・Cost・Delivery)です。激しい競争を勝ち抜き、様々な環境の変化にも柔軟に対応しながら、スピード感を持って市場に製品やサービスを提供し続けるためには、この製品ライフサイクルをトータル的に管理していかなければなりません。そのためには、あらゆる部署がうまく連携しておく必要もあるでしょう。

PLMは、製品ライフサイクルの中で様々な項目を管理していきます。ポートフォリオ管理やCADデータ管理、取引先管理、そしてサービス部品管理など、その種類は多岐にわたります。PLMを導入すれば、このような膨大な情報を相互に関連させながら管理し、共有できるようになります。顧客のニーズに応え、高品質なものをつくろうとすると、どうしても製造工数は増えてしまいがちです。工数が増えると、その分負担も増えてしまう結果に。PLMがあれば、ライフサイクル全体で情報を一元管理できるため、不具合の発見やフォードバックも容易になります。業務負担を抑えたまま、品質向上が狙えるでしょう。また、人件費や原価情報などについても、まとめて管理できるため、コスト管理がしやすくなります。コスト削減はもちろん、販売、撤退などのタイミングも適切に予測できるでしょう。さらに、進捗管理や調達先への先行発注が徹底すできるため、業務にかかる時間を削減し、効率アップが図れるようになります。製品を市場へ送り出すまでの時間を、さらに短縮していけるでしょう。PLMの上手な活用は、モノづくりの体制強化につながります。

PLMの種類は、大きく分けて三種類あります。まずは、3次元CADデータの管理をメインとしたPLMシステムです。二つ目は、PDMと呼ばれる、製品データ管理ツールから発展したPLMシステムです。この場合は、3次元CADデータだけでなく、部品や部品の属性データも活用できるという特徴があります。三つ目は、基幹系のITシステムと連携したPLMシステムです。基幹系のITとしては、ERPやSCMなどが挙げられるでしょう。情報の全体的な管理が可能になった、総合的なシステムです。

ERPとは何か

ERPの正式名称は、Enterprise Resources Planningです。日本語に直訳すると、「企業資源計画」となります。ERPとは、企業経営の基幹となっている、ヒト、モノ、カネ、情報を適切に分配し、有効活用する計画や考え方のことです。効率の良い経営を目指すためには、これらの経営資源を最大限に活用し、利益を生み出すことが求められるでしょう。ERPは、それを実行するために役立つシステムと言えます。これによって社内の効率の最大化を図れるようになります。

ERPでは、様々な情報を一元管理することができます。代表的な機能としては、人事・給与管理、生産管理、会計管理、販売管理、購買管理、営業管理などが挙げられるでしょう。これらの業務は、一見バラバラに見えるかもしれませんが、すべてどこかでつながっています。ひとつひとつ異なるシステムで管理していると、どうしてもデータが分散されてしまいます。うまく連携が取れず、正確性に欠けてしまう場合もあるでしょう。一方、ERPでは、情報を一括管理しているため、どこかでひとつ動きがあると、それに関連するデータも更新されていきます。システム間、部門間の連携がスムーズになり、全体的な効率化が図れるでしょう。また、常に最新の情報が共有されるというメリットもあります。

なお、ERPシステムの種類や価格は様々で、機能性や対応範囲、導入形態には違いがあります。自社にマッチしたERPを選択するためにも、よく比較検討した上で選ぶことが大切です。ハイスペックなものを選べば、必ずしもマッチするというわけではありません。自社が検討しているERPシステムのターゲットになっているか、必要な機能が搭載されているか、費用対効果が優れているかなど、複数の観点から検討するようにしましょう。

PLMとERPの違い

PLMとERPの最も大きな違いは、それぞれ異なるビジネスニーズに対応しているということです。PLMは製品の企画や設計から製造へという流れの中で使います。メインとなるのは、製品ライフサイクル全体に関わる情報で、開発・設計段階のCADデータなどが対象となります。一方、ERPは、製造資源計画や財務など、その後の活動に対して使っていきます。この場合は、会計情報がメインとなるでしょう。

そのため、この二つのシステムを連動させている企業も少なくありません。つながりをつくることで、あらゆる部門でデータの確認ができるようになります。もちろん、目的の異なる二つのシステムを連携させるためには、属性情報や構成情報、品目コードなど、様々な違いを乗り越えるための変換作業が必要になってきます。しかし、それらの連携が可能になれば、管理の最適化、そして経営活動自体の最適化がさらに図れるようになるでしょう。

PLMとERPの共通点

PLMとERPは、目的や設計思想も異なるシステムですが、共通点もあります。最も大きなポイントは、膨大な情報を一元管理できるという点です。そのため、情報の共有不足によって起こるリスクが低減できるでしょう。データを再入力するような、非効率的な作業を省くことも可能です。再入力する際に起こりやすい、人為的なミスも防げるようになります。全体的な透明性がアップするため、経営の意思決定のスピードも上がり、開発力や競争力が強化されるでしょう。

導入や保守費用が高価であるケースが多いことも、共通点のひとつです。もちろん、数多くの企業でシステムが開発されており、大きなものから小さななものまで、その規模は様々です。しかし、どちらも広範囲の業務を管理する、規模が大きなシステムであることに変わりはありません。当然、導入する際の費用だけでなく、保守費用も高額になりやすい傾向があります。導入する目的や効果などをしっかり吟味し、慎重に検討する必要があるでしょう。

そして、PLMやERPを導入する際は、その後にうまく運用できるよう、社内の教育体制を整える必要もあります。ERPを導入するメリットや目的などを徹底的に周知させることも欠かせないでしょう。これらは、あらゆる専門部署で使うシステムです。その部署ならではの問題点が生じることもあるでしょう。導入する際は、各部署ごとに担当者を決め、会社全体で取り組んでいくことも大切です。

PLMやERPを上手に活用して利益の最大化を

PLMやERPをはじめ、IoT時代の到来によって様々なマネジメント手法が注目されています。これらのシステムは、導入しただけで終わりというものではありません。目的を明確にし、自社にとって最適なものを選択するようにしましょう。

おすすめの高品質PLMソフトウェア

最後に、PLMにおすすめのソフトウェアを紹介します。

PTC:Windchill(ウィンチル)

Windchill(ウィンチル)とは、PTC(パラメトリック・テクノロジー・コーポレーション)社が提供する製造業の製品開発において必要な情報管理を行うシステムです。正式には「PTC Windchill」とも呼ばれています。
製品の企画から生産までのワークフローや部品表、コスト管理、品質管理ができる機能が備えられています。Windchillの導入によって、後戻りのない設計や開発が可能になるため、生産性の向上を期待できます。

Windchillには次のような機能があります。

  • 製品データの一元管理機能
  • CADとBOMの連携機能
  • キーワード検索機能
  • 文書管理機能
  • 閲覧機能
  • CADデータ集約機能
  • 変更管理機能
  • 工程管理機能

Windchillでは、製品開発に関するデータの一元管理や文書の電子化の実現による業務改善が期待できます。さらに、コストの最適化による無駄な経費の発見と削減に役立ちます。

これからPLMシステムの導入を検討されている方は、この機会にWindchillの導入を考えてみてください。

Windchillの製品ページはこちら

最新情報をチェックしよう!