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【3分で分かる】板金とは?役割と板金加工の種類、価格相場をわかりやすく解説

板金といえば、車のボディを修繕する板金や家の建築で使う板金などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
しかし、「実は板金について詳しくは知らない」という人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、板金について、役割や板金加工の種類、板金塗装の価格相場について解説していきます。

板金とは

板金とは

板金とは、板状の金属を加工・塗装することです。
板金は家の屋根や雨どい、車はもちろん、家電製品や家具、パソコン、キッチン用品など、私たちの日常生活で幅広く使用されています。

板金の製造工程

板金を製造するときは、まずプログラミングによる図面を作成します。
金属加工では、図面作成の際にCADCAMなどのソフトを利用することが一般的です。

図面を作成したら、図面のデータをもとにして板金を切り出し、パンチプレスやレーザーを使って切断していきます。
次に、加工した端の部分を綺麗に削り取る「バリ取り」を行います。
ちなみに、バリ取りをする際には、サンダーやエンドレス、バリ取り機などの専用道具を使うのが一般的です。

続いて、切断した板金を曲げて、立体的な形状に加工する「曲げ加工」を行います。
曲げ加工の種類は100以上あり、ベンダー機やブレーキプレスと呼ばれる加工機を使い立体化していきます。

その後、立体化した部品を溶接加工し、ケーブルやねじを通すために穴加工・ネジ山加工を施します。
穴加工は、ケーブルを通す、あるいはスイッチなどを埋め込むための穴を開ける作業や、ネジを固定するためのネジ山加工が行われます。
曲げ加工の際には、「スプリングバック」と呼ばれる反り返りを防止するために、コーナーを抑え込んだり2段曲げを行ったりするのが一般的です。

最終仕上げとして、板金の表面を研磨・洗浄し、金属粉やバリを綺麗に取り除いていきます。
続いてメッキ塗装や鏡面仕上げなどを行うケースもありますが、このような特殊塗装は他社に委託するケースが多いです。
全体的な最終確認が終了したら出荷・納品へと進みます。

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板金の役割・板金加工のジャンル

板金の役割は、自動車板金、建築板金、家電・家具板金など、板金加工のジャンルによって異なります。

自動車板金

自動車板金とは、自動車のボディや部品で使われている金属を加工することです。
新車を製造する際の自動車板金では、切断、絞り、溶接、塗装実施します。
事故車のボディを修理する際には、まず衝撃で変形した金属を打ち延ばし元の状態に復元し、その後塗装などの表面加工を施します。
事故車における自動車板金の目的は、主にボディの腐食を防ぐ、見た目を美しくする、風雨などの外的要因から車を守ることです。

ちなみに、車の板金はへこみやくぼみなどの変形だけではなく、サビや小さな傷にも対応しています。
一般的な自動車整備工場に依頼した場合、板金専用の店舗に外注するケースがほとんどです。

建築板金

建築板金とは、主に建築物の雨どいや屋根、外壁などで使われる金属を加工することです。
建築板金はそれぞれの住宅の形状やデザインを考慮しなければいけないので、高度な技術力とセンスが要求されます。
建築板金の主な役割としては、外観を美しく装飾する、屋根材を固定する、雨風の侵入を防ぐ、下地や隙間をカバーするなどが挙げられます。

家電・家具板金

家電・家具板金とは、その名の通り家電製品や家具で使用される金属を板金することをいいます。
具体的にな使用例としては、洗濯機、冷蔵庫、ステンレス製キャビネット、テーブルや椅子に付いている金属パーツです。
家電・家具板金の主な役割には、水や外気温から内部を遮断する、構造物を強化する、クールで都会的なイメージに仕上げるなどが挙げられます。

板金加工の種類

板金加工の種類

板金加工の種類には、主に切断、曲げ、絞り、溶接があります。

切断

板金加工の種類には、切断加工があります。
切断加工とは、シャーリングマシーンやレーザーを使って金属を切断することが一般的です。
ちなみに、レーザーを使う場合は、切断面を溶かしながら切断していきます。

曲げ

板金加工の種類には、曲げ加工も挙げられます。
主な曲げ加工は、

  • V字に曲げる「突き曲げ」
  • L字に曲げる「押さえ曲げ」
  • U字に曲げる「逆押さえ曲げ」

です。曲げ加工専用の金型は100種類以上あるので、V字、L字、U字だけではなく、様々な形状に加工することができます。

絞り

板金加工には、絞りという種類の加工方法もあります。
絞り加工とは、板金に圧力を加えてくぼみや曲面などの形状に成形する加工方法です。
具体的には、金槌と当て金で板金を叩いて凹状に絞り込みます。
絞り加工で作られるのは、主にドアフレームや窓枠、円筒や角筒、円錐のような底付け容器です。

溶接

板金加工の種類には、溶接があります。
溶接とは、接合したい部分に熱や圧力を加えて金属同士を接合する加工方法です。
溶接加工の種類には、

  • 電流が出す光と熱を使った「アーク溶接」
  • 点状で部分的に溶接を行う「スポット溶接」
  • 職人の技を再現できる半自動溶接機を使った「半自動溶接」
  • アルゴンガスの熱を使った「アルゴン溶接」

があります。ちなみに、スポット溶接は簡単な板金加工、アルゴン溶接は薄い板金加工に適しています。

板金加工に使う材料

板金加工に使う材料には、鉄鋼、非鉄鋼があります。

鉄鋼

板金加工で使う鉄鋼には、ステンレス鋼板、軟鉄鋼、表面処理鋼板があります。

ステンレス鋼板とは、低炭素の鉄鋼にクロムやニッケルを12%以上添加した鋼板で、一般的には「Steel(鉄鋼)」、「Special Use(特別用途)」、「Stainless(サビない)」の頭文字を取って「SUS(サス)」と呼ばれています。

軟鋼板とは、その名の通り比較的柔らかい鉄鋼のことです。
鉄鋼に炭素が0.08%~0.25%程度含んだ金属のことを軟鋼板といい、主な種類としては「SPCC」や「SPHC」と呼ばれる冷間圧延鋼板があります。

表面処理鋼板とは、軟鋼材にメッキ等を塗装した鉄鋼のことです。
主に、装飾性の向上、耐久性能アップを目的として行われます。

非鉄鋼

板金加工に使う材料には非鉄鋼があります。
主な非鉄材料は、アルミ板、ステンレス板、銅合金板などです。
アルミ板やステンレス板は柔らかく加工しやすい、熱伝導性が高い、鉄鋼よりも軽量であるという特徴があります。
銅合金板は熱伝導性が高く頑丈ですが、比較的価格が高いので余り一般的には使用されていません。

板金塗装の価格相場

板金塗装の価格相場は、自動車板金、建築板金によって異なります。

自動車板金の場合は、約20cmの車傷で12,000円です。
パーツごとの相場は、フロントバンパーが16,50040,500円、フロントドアが39,50064,900円、リアドアが40,00061,500円、フロントフェンダーが38,50060,000となっています。
ただし、メーカーや車種によって相場は異なります。

建築板金の相場は、1平方メートルで6,000円~12,000円です。
パーツごとの相場は、スレートカバールーフが5,000円、外壁 竪ハゼ葺きが6,000円、外壁 嵌合竪平葺きが5,000となっています。

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金属板金加工は身近なアイテムで活用されている

板金加工は、自動車のボディや住宅建材としてだけではなく、日常生活では欠かせない生活家電やパソコン、家具の部品などでも使われています。
板金加工に使われる素材は金属や非金属があるので、それぞれの素材に合わせた板金加工を行いましょう。

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