エクセルを使っていると、同じような内容のデータを大量に入力しなければならないケースに遭遇することもあるかと思います。そのようなときに便利なのがプルダウン機能です。この機能を使うと、今まで時間をかけていた面倒な入力作業が楽に、短時間でできるようになります。また、入力ミスや誤変換のリスクもなくなります。
今回の記事では
- エクセルのプルダウンの使い方
- リストの変更の方法
- 解除や一部解除
- 複数の一挙解除
などをあますことなく解説いたしますので、業務の参考にして下さい。
エクセルのプルダウン機能ってどんな機能?
エクセルのプルダウン機能とは、この機能を設定したセルに、あらかじめ定義しておいた選択項目(リスト)の中にある任意のデータを入力する機能です。言葉で書くと難しそうに感じられるかもしれませんが、実際にエクセルを触ってみればすぐに分かります。
例えば、上の表の「選挙結果」の列に「落選」もしくは「当選」の文字をいれるケースについて考えてみたいと思います。もちろん、実際にキーボードで1列ずつ「落選」もしくは「当選」の文字を打ってもいいのですが、少し面倒ですし、誤入力してしまう可能性もありますよね。このようなときに便利なのがエクセルのプルダウン機能なのです。
エクセルのプルダウンを設定すると、上記のように「選挙結果」の列にリスト(逆三角形の表示)が現れます。この部分をクリックすると、「当選」「落選」の文字が現れ、それを選択するとセルにその文字が入力されるのです。
こんなときに使おう
エクセルのプルダウン機能は、入力するデータが数種類に限定されているセルに設定しておくと便利です。今回の場合で言えば選挙結果の列には「当選」「落選」の2種類しかデータを入れないことが確定していますので、この列にはプルダウンを設定すると良いでしょう。
逆に「候補者」の列は何十、何百種類ものデータを入れることになるでしょうから、この列には設定しないほうがいいでしょう。
エクセルの機能についてさらに知りたいという方は、こちらの記事も参考にして下さい。
プルダウンを設定してみよう
では、ここからは具体的なプルダウンの設定方法を解説していきます。まず、エクセルのシート上にデータが並んだ「リスト」を作成します。今回の例で言えばE3:E4にリストを作成していますが、もっと離れたところに作成してもOKです。
リストができたら、プルダウンを設定したいセル範囲(今回はC3:C15)を選択した状態で、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックし、設定タブの入力値の種類から「リスト」を選択します。また、「セル内のドロップダウン」にチェックを入れます。
そして、「ソース」の欄に、リストのセル範囲(E3:E4)を入力して、最後に「OK」をクリックすれば完了です。
あとはリストの中から、入力したいデータを選んで入力していくだけで、作業が完了します。この機能はエクセルの中でも基本的なものなので、しっかりと覚えておいて下さい。
リストを変更してみよう
エクセルでの作業中に、リストの選択肢を増やしたいこともあるかと思います。例えば、今回の選挙結果リストは「当選」「落選」の2種類しかデータがありませんが、ここに「開票中」というデータをくわえたい場合はどうすればいいのでしょうか。
この場合、まずはE5に「開票中」というデータをくわえて、リストを拡張します。あとは先ほどと同じ流れで入力規則を作成し、ソースの欄を「E3:E5」に変更するだけです。
リストに名前をつけて、名前でソースを指定してみよう
エクセルには、特定のセル範囲に名前を付ける機能があります。この機能とプルダウンを組み合わせると、さらに作業が効率的になります。特定のセル範囲に名前を付ける方法はとても簡単です。
まずはリストの範囲を指定しましょう。今回は、E3:E5にリストがあるので、ここを選択し、次にシートの左上にある名前を入力します。今回は「当落結果」と入力します。
次に先ほどと同じようにデータの入力規則を開いて、「リスト」を選択してください。ここのソースに「=当落結果」と入力します。この状態でOKを押すと、先ほどと同じようにプルダウンが設定されます。
どこにプルダウンを設定したかわからなくなってしまったら
長時間エクセルで作業をしていて、どのセルにプルダウンを設定したかわからなくなってしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
この場合、まずはシートを開いて、キーボードの「Ctrl」と「G」を同時にクリックします。次に「セル選択」から「データの入力規則→すべて」を選択して、OKボタンをクリックします。すると、プルダウンが設定されているセルがグレーで表示されるるので、一目でわかるでしょう。
プルダウンリストのもっと高度な使い方について知りたい方は、こちらの記事を参考にして下さい。
プルダウン機能のメリットとデメリット
プルダウン機能の最大のメリットは、手入力が減るので作業が効率化することです。プルダウンを使わない場合、いちいち「あれ、次に何を入力すればよかったんだっけ……」と思い出す作業に時間が取られることがありますが、この機能を使えばそんな手間とはさようならできます。
また、入力ミスや表記のゆらぎを防げるという面もあります。数種類のデータの中から適切なものを選んで入力する、という作業を大量に行う時は、積極的に使っていきましょう。
一方、プルダウン機能のデメリットとして、プルダウンを設定したセルにはリスト内のデータしか入力できなくなることが挙げられます。リストにないデータを入れる場合は先ほど解説したようにリストに新しくデータを加えるか、もしくは解除しなければなりません。
また、リストのデータがあまりにも多くなりすぎると、かえって入力に手間がかかるのもデメリットと言えます。リストのデータが膨大になりそうな場合は、解除したほうがいいかもしれません。
プルダウンが役立つ時 | 数個のデータのリストから1つを選んで入力したい時
表記揺れなどをなくしたい時 |
プルダウンを使わないほうがいい時 | データのリストが膨大になる時
入旅行するデータの数が少ない時 |
プルダウン機能の解除方法
エクセルのプルダウンを解除する方法はとても簡単です。まず、プルダウンが設定されたセル(今回はC3:C15)を選択して、データの入力規則をクリックします。
データの入力規則ダイアログが表示されたら、左下にある「すべてクリア」をクリックしてから、OKボタンを押します。これでプルダウンは解除され、C3:C15には手入力ができるようになりました。
ただし、プルダウンを解除した場合でも、解除する前に選択されたデータはそのまま残ります。不必要なデータが残ってしまっている場合は、解除後に別途消す作業をしましょう。
プルダウンを一部のみ解除したい場合はどうすればいい?
エクセルでプルダウンを設定したセル範囲のうち、一部の範囲だけプルダウンを解除したいという場合もあるでしょう。その場合は、プルダウンが設定されたセルの中から、解除したい部分だけを選択して、データの入力規則をクリックします。あとは先ほどと同じように「全てクリア」をクリックすれば解除できます。
エクセルに設定した複数のプルダウンを一挙に解除する場合
今度は、複数のプルダウンを一気に解除する方法を解説します。下のエクセルの表では、C列に「選挙結果」、D列に「性別」のプルダウンが設定されています。この2つのプルダウンを解除したい場合、どうすればいいでしょうか。
もちろん、まずC列を上記の方法で解除して、次にD列を同じ方法で……としてもいいのですが、2回作業が発生するので少し面倒です。
この場合、プルダウンを解除したいすべての範囲(この場合C3:D15)を選択して、「データの入力規則」をクリックします。すると「選択範囲には複数の入力規則が設定されています。現在の設定を消去して続けますか?」というダイアログが表示されるので、「OK」ボタンをクリックします。
すると先ほどと同じように「データの入力規則」ダイアログが表示されるので、条件の設定を「すべての値」に変更して下さい。あとはOKボタンを押せば、2つのプルダウンが一気に解除されます。
この方法ならば、2つだけでなくさらに多くのプルダウンを一気に解除できます。大量のプルダウンを一気に解除したいという場合は、この方法をお試し下さい。
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エクセルのプルダウンメニューの作成と解除まとめ
エクセルのプルダウン機能は、面倒なデータ入力を効率化できる便利な機能です。設定の方法だけでなく解除、一部解除、さらには複数の一挙解除の方法もしっかりと見につけて、快適なエクセルライフを送りましょう。
