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【2024】CAD最新ニュースを紹介!製図技術の今がわかる重要ポイント

CADの動向を追うために最新ニュースをチェックしたい方も多いでしょう。
しかし、最新ニュースの種類が多すぎて、何をチェックして良いのかわからないと悩む人も多いはずです。

この記事では、CAD最新ニュースの重要ポイントだけをわかりやすくまとめました。
国・企業・メーカーに分けて最新ニュースを紹介しているので、CADの今を知る参考にしてみてください。

CAD最新ニュースの読み解き方

これからCADの最新ニュースを探ろうという方は、まずニュースの読み解き方を理解することが重要です。基本的にCADのニュースは次の3つのカテゴリに分類されると覚えておきましょう。

  • 基準やルールに関する最新ニュース
  • 企業の取り組みに関する最新ニュース
  • CADソフトの機能に関する最新ニュース

例えば、CADオペレーターとして働いている方なら、企業の動きやCADソフトのニュースをチェックすることで知見を広げられます。また設計技術者の方は、基準やルールを読み解いていくことが欠かせません。

確かに、CAD最新ニュースを手当たり次第にチェックするのも知識を深めるひとつの方法だと言えます。ですが、忙殺される時間の中ですべてを読むのは簡単ではありません。

よって重要な最新ニュースだけを厳選してチェックしたいのなら「自分にとって何が重要なのかを」を考えましょう。

国土交通省から読み取るCAD最新ニュース

国の最新ニュース

国が推進する最新動向を追いたい方向けに、CAD関連のニュースをまとめました。

BIM・CIM原則適用によりCAD関連業務が変化

原則BIM・CIM化

国土交通省は建設現場の生産性向上のために、BIM・CIMといった3次元モデルを用いた設計手法の原則適用化を推進しています。

義務項目は、「視覚化による効果」を中心に未経験者も取組可能な内容とした活用目的であり、原則すべての詳細設計・工事において、発注者が明確にした活用目的に基づき、受注者が3次元モデルを作成・活用する

引用:国土交通省「BIM/CIMの進め方について」

徐々にBIM・CIMを導入する企業が増えてきたことも含め、近年ではBIM・CIM関連業務の発注もスタートしている状況です。

さらにはBIM・CIM関連の情報を更新する国土交通省のポータルサイトでは「発注者におけるBIM・CIM実施要領(案)」が継続的に更新されています。BIM・CIM原則適用の波が大きくなることに伴い、CAD、BIM・CIMとの使い分けが求められだしているのが特徴です。

参考:国土交通省「BIM/CIMの進め方について」

国土交通省が建築BIM加速化事業の募集をスタート

加速化事業
出典:建築BIM加速化事業実施支援室公式サイト

国土交通省では、建築関連企業のBIM導入を加速させるために、補助事業である「建築BIM加速化事業」の募集をスタートしました。

現在設けられている予算として60億円分の補助額があてられており、募集期間内に申請すれば以下の金額まで補助してもらえるのが特徴です。

延べ面積 設計費 建設工事費
10,000m²未満 25,000千円 40,000千円
10,000m²~30,000m²未満 30,000千円 50,000千円
30,000m²以上 35,000千円 55,000千円

対象経費としては、BIM講習費用、BIMソフトの導入・運用費用、CDE環境の整備など、CADはもちろん、BIM・CIMの導入に影響する経費が挙げられています。補助事業は隔年で実施されていることから、最新ニュースのチェックが重要になるでしょう。

参考:建築BIM加速化事業実施支援室「補助事業」

企業から読み取るCAD最新ニュース

企業の最新ニュース

CADを利用する企業の最新ニュースを読み解けば、自社で必要な取り組みや参考となる対策がわかります。主に大手ゼネコンで実施されている取り組みについて、CADの最新ニュースをまとめました。

清水建設がデジタル現場監督を育成

少子高齢化や人手不足といった課題を抱えている建設現場の効率化を図るため、ゼネコン大手の清水建設が、現場監督のデジタル対応化へと業務の切り替えを急いでいます。

現場監督と言えば、1日中現場で作業状況の管理等を実施しなければならず、CAD作業といった内業を実施しづらい状況が続いていました。対して、デジタル対応化が実現すれば、現場監督は現場に向かわずに管理と自身の作業を同時並行で進められます。そして今回清水建設は次のような施工管理を実現しました。

カメラ画像や計測データを基に施工状況を見える化する大成の施工管理システム「T-iDigital Field」で実現した。従来手作業で進めていた情報管理を丸ごとIT化し、社員が個々のスマートフォンやタブレットで常時確認できる。

引用:日本経済新聞「大成建設、デジタル現場監督育む ゼネコン迫る24年問題」

2024年問題など団塊の世代の従業員の離職が続く中、従業員にのしかかる負担を減らすためにはデジタル化が欠かせません。またどこでもCADデータを閲覧できるように、タブレットの導入が推進されるなど、清水建設を問わず各企業でデジタル化が進んでいます。

参考:日本経済新聞「大成建設、デジタル現場監督育む ゼネコン迫る24年問題」

繊維専門商社が3DCADを用いた研究チームを発足

モリリン株式会社の事例
出典:PR TIMES「M3 LABO®(エムスリー・ラボ)」を発足、3Dデジタル技術活用で商品開発の効率化、適正化を目指す」

近年多業種を含めて注目を集めているのが、3DCADのデータを活用したビジネスの効率化に関する最新ニュースです。

繊維専門の商社を展開しているモリリン株式会社は、衣類を3DCADで設計し、動作検証やサンプル生産のロス削減に取り組んでいます。動作検証の中では、人間工学に基づいた分析等が実施され、着心地や摩擦の度合いなどがチェックされています。

従来必要だったサンプル衣類の準備が必要なくなるほか、着用する人物の準備が不要になり、効率よく製品を準備できるようになりました。この取り組みは衣類分野だけでなく、多業種に適用できる要素です。

データでの確認・検証を実施できることから、他の業界でも同様に3DCADを活用した取り組みがスタートしつつあります。

参考:PR TIMES「M3 LABO®(エムスリー・ラボ)」を発足、3Dデジタル技術活用で商品開発の効率化、適正化を目指す」

また企業の最新ニュースに興味がある人は次のような記事もおすすめです。
CAD関連の情報を説明しています。

3D CADがアパレル業界をもっと豊かに楽しくする!3D着装シミュレーションとは?

メーカーから読み取るCAD最新ニュース

メーカーの最新ニュース

CADの最新ニュースをチェックする際に重要なのが、今導入しているCADソフトのメーカー情報をチェックすることです。また、導入しているパソコンといったデバイスに関する情報収集も欠かせません。

参考として、注目を集めているCAD最新ニュースをまとめました。

福井コンピュータが3DCADシステムをアップデート

福井コンピュータ「ROAD」
出典:福井コンピュータ公式サイト

土木・建築向けの設計ソフトウェアを提供している福井コンピュータが、道路設計に用いる「TREND ROAD Designer」のアップデート版をリリースしました。今回のアップデートでは、次のような追加・変更が加えられています。

  • 設計パーツの追加
  • 既存機能の改善

CADの手入力を不要とする設計パーツが増えたことはもちろん、今まで以上に既存機能が使いやすくなりました。さらには今後、道路設計と同時発注されやすい排水計画や排水構造物の設計機能も搭載される予定です。

3Dの現況地形や計画モデルから流域/流向を分析して排水計画を行う他、集水桝や側溝、暗渠などの排水系統計画や、付随する構造物を3Dモデル空間で作成する。降雨データによるネットワーク解析により、流量や流速、水位なども分析する。さらに、水理縦断から図面作成も可能だ。

引用:BUILT×IT「福井コンピュータ、BIM/CIM道路設計3DCADシステムをアップデート 土木設計を効率化」

3DCADソフトを提供する他メーカーも同じように、設計作業を効率化できる機能を毎年のように更新しています。自身の導入しているソフトウェアの最新ニュースをチェックし、追加された新機能を活用してみてはいかがでしょうか。

参考:BUILT×IT「福井コンピュータ、BIM/CIM道路設計3DCADシステムをアップデート 土木設計を効率化」

日本HPが設計技術者向けのパソコンを発表

日本HPのニュース
出典:MONOist「日本HP、プロクリエイター向けモバイルワークステーション新製品5機種を発表」

パソコン機器の開発・販売を行う日本HPは、設計技術者を含むクリエイター向けのハイスペックパソコンの販売を新たに発表しました。

  • HP ZBook Fury 16 inch G9
  • HP ZBook Studio 16 inch G9
  • HP ZBook Power 15.6 inch G9
  • HP ZBook Firefly 14 inch G9
  • HP ZBook Firefly 16 inch G9

各製品は大規模設計に欠かせない高速処理に対応しているほか、BIM・CIMといったグラフィック処理が必要なソフトウェアにも対応しているのが特徴です。ノートパソコンタイプのデバイスであることから持ち運びやすく、現場での利用にも対応しています。

すでに最新製品は販売されており、建設企業や建築会社等で購入されています。

参考:MONOist「日本HP、プロクリエイター向けモバイルワークステーション新製品5機種を発表」

CAD最新ニュースをチェックするポイント

「CAD最新ニュースの追い方がわからない」と悩む人向けに、最新ニュースのチェックポイントをまとめました。

国の情報を継続的にチェックする

もし国が推進している取り組みやCAD最新ルールの情報をチェックしたいなら、次のような情報源にアクセスするのがおすすめです。

  • 国土交通省
  • 国土地理院
  • BIM・CIMポータルサイト

各公式サイトでは、最新のニュースが掲載されているほか、事業の取り決めやマニュアルなどが公開されています。また、CADデータの納品ルールや業務受発注のルールが変更される場合もあるため、定期的に確認してみてはいかがでしょうか。

自身の所有するソフトウェアを中心に調べる

自社で導入しているCADソフトウェアの最新ニュースをチェックしたいなら、メーカーの公式サイトから情報を探るのがおすすめです。

例えば、AutoCADを利用しているのなら提供元であるAutodeskをチェックするというように、最新ニュースのページをブックマークしておくと便利です。自動で行われるアップデート内容も公式サイトからチェックできるため、関連するサイトを保存してみてはいかがでしょうか。

またソフトウェアのニュースや知識・技術を学びたいのならオンラインセミナーに参加するのもおすすめです。もしAutoCADに興味がある人は、次のようなセミナーに参加してみてください。

ニュースサイトからCAD最新情報をリサーチする

CAD関連のあらゆる情報を収集したいのなら、CAD最新ニュースが掲載してあるニュースサイトをチェックするのも有効です。国の動向、企業の取り組み、メーカー情報が網羅的に説明されています。

またキャド研でもCAD関連のニュースを定期的に発信しています。
キャド研の最新ニュースをチェックしたい方は以下のページをご参照ください。

CAD最新ニュースについてまとめ

CAD最新ニュースは国・企業・メーカーの情報を追うことによって、最新動向を理解できるようになります。特にメーカーが発信している最新ニュースは、現在利用しているCADソフトウェアとのかかわりのある情報が掲載されていることも多いです。

本記事で紹介した最新ニュースはほんの一例ですので、この機会に自分の興味のあるCAD最新ニュースを探ってみてはいかがでしょうか。

CAD最新ニュースのアイキャッチ
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