CADについて興味があり、最新情報をリサーチしている人も多いでしょう。
しかし、新しい情報を探す方法がわからないとお困りの方もいるはずです。
この記事では、CADの最新情報やおすすめのリサーチ方法についてわかりやすくまとめました。
新たに登場したCADの便利機能も含めて紹介しているので、作図ツールの動向を探ってみてください。
CADの最新情報3選
まずはCAD関連の最新チェック情報を3つ紹介します。
CADの仕事をするために欠かせないポイントですので、気になる項目をチェックしてみてください。
CADオペレーターの全国平均年収が450万円を超える
作図作業を担当するCADオペレーターの仕事は、低賃金・低収入だと言われ続けてきましたが、近年では業務単価が向上し、CADオペレーターの年収も上がり出しています。
最新の全国平均年収を確認すると、全国平均で450万円、最大で570万円以上の収入を得ている人が増えていると厚生労働省から発表されました。
また、求人賃金は月額25万円程度、有効求人倍率も1.1倍と、不人気だったCADオペレーターに興味を持つ人が増えだしています。BIM業務が推進されだしていることも含め、CADオペレーターの需要が今後も高まり続けていくと予想されます。
中小企業向けのBIM導入推進が加速する
3DCADと関係性の強いBIMについて、中小企業の導入が半数程度しか終えていないことから、国土交通省よりBIMの導入・活用のガイド冊子が公開されました。ガイド冊子の中では次のような情報がまとめられています。
掲載内容 | 概要 |
企業導入事例 | 導入時期や導入フェーズ、BIMソフトの種類を紹介 |
企業活用事例 | BIM業務の対応実績数や活用業務の種類を掲載 |
サポートの活用 | テンプレート作成やライブラリ作成などを社内対応しているか、外注しているかについて掲載 |
本冊子には、導入後の活用がイメージできずに悩んでいる企業向けに、導入後の運用方法について詳しい説明が掲載されています。先人のアドバイスや導入の流れ、サービス利用方法もまとめられているため、今後のBIM導入を加速するために、情報提供がスタートしています。
参考:国土交通省「【参考資料】先進的なBIM活用を進める中小事業者の取組み 」
2DCADから3DCADに需要が変化
従来、CADと言えば二次元図面に作図する2DCADが一般的でした。
しかし、3DCADの技術が登場し、データや数値の取得ができるようになったことから、年々3DCADの需要が強まってきています。
土木・建築業界では、まだまだ2DCAD・3DCADの両方に需要がありますが、製造業等では製造スピード効率化のために3DCADを積極的に採用しています。
今後2DCADよりも3DCADの需要に集中していくと予想されるため、CADオペレーターや設計者も2DCADの技術から3DCADの技術へと転換が求められている状況です。
また、CADの最新ニュースをチェックしたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。国・企業・メーカーごとの最新ニュース情報をまとめています。
CAD業務が今後もなくならない理由
最新の情報を見ると、目まぐるしく進化しつづけるCAD技術の中で、徐々に2DCADから3DCADに移行していくと予想されています。しかし、2DCADの需要がなくなるわけではありません。2DCADが今後もなくならない理由を以下にまとめました。
- 無料ソフトが豊富に提供されている
- デザイン・アイデアの下書きツールとして重宝する
作図といった設計業務を実施する際には、まず下書きやデザイン案の検討が必要になります。
パターンを作成しなければならない下書きの段階で3DCADを活用するのは非常に手間がかかるため、基本的に2DCADでイメージをまとめていく人が大勢いるはずです。
また提供されている2DCADの中には、無料で提供されている製品も少なくありません。
よって、2DCADをメインとした業務は減るものの、各担当者ごとに2DCAD・3DCADを使い分けつつ利用されるため、今後も生き残り続けていくと予想されます。
CADの最新情報をリサーチする方法
本記事の情報はもちろん、最新のCAD情報は時間の経過とともに変化していきます。
参考として、最新CAD情報のリサーチ方法やコツをまとめました。
CADの最新情報の調べ方がわからないという方は、紹介するポイントを押さえつつ、必要な情報を探してみてください。
ガイドライン・納品ルールは国の情報を参考にする
CADを導入するうえで欠かせない「データの納品ルール」「操作ガイドライン」は、以下に示す国の最新情報をチェックするのがおすすめです。参考として、有益な情報を公開している機関をまとめました。
機関名称 | 調べられる情報 |
国土交通省 | CADの基準やルール、各種委員会の技術会議の情報を収集できる |
国土地理院 | 地形データや航空写真、GISなど地理的な情報収集に役立つ |
建設省 | 建築関連の最新動向やCADガイドラインを確認できる |
日本自動車工業会 | 自動車メーカー向けの設計情報を提供している |
日本電機工業会 | 電気設備関連のCAD情報を収集できる |
上記で紹介する機関はほんの一例です。
他にも複数の期間がCAD関連の情報を提供しているため、業界ごとの団体情報をチェックし、CADの最新動向を追っていきましょう。
CADソフトの最新機能はソフトメーカーを参考にする
CADソフトの導入を検討しているのなら、CADソフトを提供している次のような各種メーカーから情報収集するのがおすすめです。
- Autodesk
- OnShape
- Creo
- CATIA
- NX
毎年更新されるCADの新機能をチェックできるほか、公式サイトから気になるソフトの無料お試し利用が可能です。CADソフトごとに機能や使いやすさ、活用できる業種などが異なるため、自身が属する業界のCADメーカーが提供する最新情報をチェックしてみてください。
CADを活用した新たな取り組みは大手企業を参考にする
CADを活用した最新のビジネス動向を知りたいのなら、各業界の大手企業情報をチェックするのがおすすめです。大手企業の情報はよくニュースに取り上げられており、新たなビジネス展開の情報や技術活用の情報がすぐに見つかります。
中にはCADを活用したビジネスのヒントが含まれている場合もあるため、ニュース記事などを参考にしつつ最新の取り組みをチェックするのがおすすめです。
また、大手企業の公式サイトには、今後の活動や目標に関する情報のほか、業務事例なども掲載されています。CAD関連の最新情報もヒットするため、気になる業界の企業情報をチェックし、CADの話を集めてみてください。
CADソフトに搭載された最新機能とは?
CADソフトは毎年のようにバージョンアップが実施されており、画期的な機能が搭載されていきます。最新の動向をチェックする参考として、2種類のCADソフトに搭載された最新機能の例をまとめました。
AutoCADにスマートブロック機能が搭載
Autodesk社が提供するCADソフト「AutoCAD」に、図面作成を効率化するスマートブロック機能が追加されました。
スマートブロック機能とは、図面の線や色といった情報のまとまりをブロック化できる機能です。AutoCADのブロック機能の画面の中に「最近使用したブロック」が表示されるほか、自動で最適な配置サイズ・尺度を調整してくれます。
これまでひとつずつ検索・配置設定が必要だったAutoCADのブロック機能をより便利に使えることから、設計業務の効率化や作業時間の短縮を実現しやすくなりました。
参考:Autodesk「オートデスクが『AutoCAD 2024』を発売」
またAutoCADの学習に興味があるのなら、オンラインセミナーで技術・操作方法を学ぶのがおすすめです。興味がある方は、以下のセミナーに参加してみてください。
IJCADの提供プランが分散化
システムメトリックス株式会社が提供している「IJCAD」の提供プランが分散化し、よりニーズに合うプランを選びやすくなりました。
以前までは単体プランしか提供されていなかったIJCADですが、最新版では「LT」「STD」「PRO」の3種類が提供されています。参考として、機能数少・価格情報が次のように変化します。
IJCAD LT | IJCAD STD | IJCAD PRO | |
1年契約 (シングルプランの場合) |
29,700円 | 39,600円 | 49,500円 |
機能数 | 少 | 中 | 多 |
使わない機能に費用をかけることなくIJCADを活用できるため、よりユーザーが利用しやすいCADソフトとして提供が再スタートしています。
参考:システムメトリックス株式会社「IJCAD 2024 汎用CAD」
CADの最新情報チェックで業務効率を向上しよう
CAD業務を効率化したいのなら、本記事のような最新情報を定期的にチェックするのがおすすめです。最新情報をチェックし続けると、次のようなメリットがあります。
- 最新機能を見つけて業務を効率化できる
- 価格変動をチェックすることでより安いCADソフトを探し出せる
- 企業動向から新たなビジネスのヒントを得られる
最新情報を「こういった情報もあるのか」と参考程度にチェックする方もいますが、業務にうまく組み込めば、CAD作業の効率化や新たなビジネスチャンスを生み出せるかもしれません。
もしCADの最新トレンドをチェックしたいのなら、以下の記事をチェックしてみてください。
企業に求められる技術や人気CADソフトを紹介しています。
CADの最新情報についてまとめ
CADの業務活用を効率化したい、新たな機能を知りたいと考えているのなら、最新情報をチェックし続けることが重要です。ニュース情報や国が公開する情報をチェックすることにより、業務活用のヒントが見つかります。
本記事で紹介したCADの最新情報やチェックすべき媒体情報を参考に、最新情報のチェックをスタートしてみてはいかがでしょうか。