「CADの勉強方法がわからない」「CADの勉強方法を調べたけれど、参考書と動画とスクールのどれから手を付ければいい?」と悩む方も多いでしょう。CADの勉強は、何を身につけるのかを先に決めないと、操作は覚えたのに図面が描けないという状態になります。
そこで本記事では、CAD勉強方法についておすすめの勉強手法10選をはじめ、勉強を始める前に決めておくべきこと、ロードマップも紹介します。本記事を見ながら、CADの勉強計画を立てられるので、ぜひ最後までご覧ください。
CADの勉強を始める前に決めておく3つのこと
CADの勉強方法を紹介する記事では「目的に合わせて選びましょう」と書かれることが多いのですが、未経験者にとっては目的そのものが曖昧です。ここでは、勉強方法を選ぶ前に決めておくべき3点を解説します。
- 勉強するCADソフトを1本に絞ること
- 到達レベルを求人票の言葉で定義すること
- 1日の勉強時間と期限を先に決めること
①勉強するCADソフトを1本に絞ること
CADの勉強を始めるときは、最初に勉強するCADソフトを1つに絞りましょう。
「無料のCADで基本操作を覚えてから、就職先で使うCADへ乗り換えればよい」と考える方もいますが、CADソフトが変わると、コマンドやショートカット、画面構成なども変わります。
例えば、同じ2次元CADでもAutoCADとJw_cadでは操作方法が異なります。作図や製図の基本的な方法は共通していても、それまで覚えたショートカットやコマンドの操作方法をそのまま使えるとは限りません。
②到達レベルを求人票の言葉で定義すること
CADの勉強では、「実務で使えるレベルを目指す」といった曖昧な目標を立てないことも重要です。
「実務レベル」の意味は職種や企業によって異なるため、応募したい求人票に記載されている業務内容や応募条件を、そのまま勉強目標に置き換えると分かりやすくなります。例えば、CAD関連の求人では次のような条件が設定されています。
- AutoCADを使った2次元図面のトレース・修正
- Jw_cadを使った住宅の平面図・立面図の作成
- SOLIDWORKSやAutodesk Fusionを使った部品モデリング・2次元図面化
このように確認すると、就職するために必要なのは「CADのすべての機能を使えること」ではなく、応募する仕事で必要な作業を一人で行えることだと分かります。
③1日の勉強時間と期限を先に決めること
CADを独学するときは、勉強方法だけでなく「いつまでに、どこまでできるようになるのか」も決めておきましょう。無料の動画や教材は好きなタイミングで勉強できる反面、期限を決めていないと勉強が長期化しやすくなります。以下は勉強計画の例です。
| 到達期間 | 到達レベル | できるようになること | 勉強時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 基本操作 | 線・円の作図、複写、寸法記入、画層の切り替えなどができる | 20〜30時間 |
| 2ヶ月目 | 図面のトレース | 完成図を見ながら、同じ図面を一人で描き切れる | 60〜80時間 |
| 3ヶ月目 | 実務レベルの応用操作 | 指示をもとに既存図面を修正し、指定形式で出力できる | 120時間前後 |
CADの勉強方法を決めるときは、「1日何時間勉強するか」ではなく、「その時間を使って、いつまでに何ができるようになるか」まで設定することがポイントです。勉強期間を考える際は、CADスクールや職業訓練で設定されている勉強時間も参考になります。
以下の記事では、CADの概要について解説していますので、あわせてご覧ください。
CADの勉強方法は3段階に分けて考える

CADの勉強方法を検索すると、「参考書を読む」「動画を見る」などが多くの記事で書かれています。ただ、これはすべて「勉強方法」の話であって、「何を身につけるか」の話ではありません。CADの勉強で身につけるスキルは、大きく以下の3段階に分けられます。
- 操作スキル
- 製図スキル
- 実務スキル
①操作スキル
操作スキルとは、CADソフトを使って図面やモデルを作成するための基本的な操作方法です。CADを初めて勉強する場合は、まずこの操作スキルから身につけていきます。2次元CADと3次元CADでは、最初に覚える操作方法が異なります。
| CADの種類 | 主に身につける操作方法 |
|---|---|
| 2次元CAD | 線・円の作図、移動、複写、削除、寸法記入 |
| 3次元CAD | スケッチ、拘束、押し出し、回転、フィレット |
なお、操作スキルはCADの勉強における土台ですが、ソフトを操作できるだけで実務に対応できるわけではありません。基本操作を一通り覚えたら、操作の勉強だけを繰り返すのではなく、次の製図スキルも並行して勉強することが重要です。
②製図スキル
製図スキルとは、設計者の意図を第三者へ正確に伝えられる図面を作成するための知識と技術です。CADソフトで線を引いたり寸法を入力したりできても、製図のルールを理解していなければ、実務で使用できる図面にはなりません。
例えば、2次元CADでは次のような知識が求められます。
- 実線・破線・一点鎖線などの線種の使い分け方法
- 外形線や寸法線などに応じた線の太さの設定方法
- 寸法の記入方法や配置
- 尺度の考え方
製図ルールは、機械・建築・土木などの分野によって求められる内容が異なります。そのため、自分が目指す業界に合わせて、必要な製図知識と製図方法を勉強することが重要です。
製図スキルを身につけるには、製図の参考書を読むだけでなく、完成した図面を読み解きながらトレースする勉強方法が効果的です。
③実務スキル
実務スキルとは、CADを操作して図面を作るだけでなく、職場のルールや業務フローに沿って仕事を完了させる能力です。実際のCAD業務では、図面そのものを作成する能力に加えて、次のような対応が求められます。
- 指定された画層名・ファイル名を使用する
- 決められた保存形式でデータの受け渡し方法を守る
- 設計者や上司からの修正指示を正確に反映する
実務スキルは、操作スキルや製図スキルと比べて独学だけでは身につけにくい部分です。画層名やファイル名、データの保存場所、図面の修正方法などは企業ごとにルールが異なるため、参考書や動画だけですべてを覚えることはできません。
CADの勉強方法10選

CADの勉強方法には、無料で始められる方法から、講師から直接指導を受ける方法までさまざまあります。費用だけでなく、現在のスキルや目標、勉強期間に合わせて選ぶことが重要です。
| CADの勉強方法 | 費用の目安 | メリット |
|---|---|---|
| 無料CADソフトを入れて毎日触る | 無料 | 費用をかけず、操作に慣れられる |
| 公式チュートリアルとヘルプで基本コマンドを覚える | 正確な操作方法を公式情報から学べる | |
| YouTube動画で止めながら真似る | 実際の画面を見ながら操作できる | |
| 既存図面のトレースを繰り返す | 実際の図面を使って作図練習ができる | |
| 職業訓練でCADを学習する | 数か月かけて体系的に勉強できる | |
| 実務を想定した課題・ポートフォリオを作る | 教材を見ずに自力で完成させる力を確認できる | |
| 市販の参考書を1冊やり切る | 1,000円〜3,000円 | 基礎から順番に学びやすい |
| eラーニングを通しで学ぶ | 10,000円〜30,000円 | 勉強する順番が決まっており、迷いにくい |
| セミナーで短期間で学習する | 30,000円〜100,000円 | 講師に質問しながら集中して勉強できる |
| 資格試験の課題を教材にする | 5,000円〜50,000円 | 合格という明確なゴールを設定できる |
CAD初心者の場合は、1つの勉強方法だけに絞る必要はありません。特に就職や転職を目的としてCADを勉強する場合は、動画や参考書を最後まで見ることをゴールにするのではなく、教材を見なくても図面やモデルを完成させられる状態を目指すことが重要です。
独学でCADを身につける勉強方法とロードマップ

ここでは、1日1〜2時間程度の勉強時間を確保できる人を想定し、具体的なCADの勉強方法を段階別に紹介します。
- 1〜2週目|基本操作と編集コマンドを身につける
- 3〜4週目|製図ルールを学びながら図面を1枚完成させる
- 5〜8週目|既存図面のトレースで自力で描く力を身につける
- 9〜12週目|修正・出力・データ受け渡しまで練習する
①1〜2週目|基本操作と編集コマンドを身につける
最初のCADの勉強方法は、参考書を読み込むことではなく、実際にCADソフトを操作しながら基本的なコマンドを覚えることです。
まず使用するCADをインストールし、次のような基本操作から始めます。
- 新規図面の作成方法と保存
- 線分・円・長方形などの作図
- オブジェクトの選択・削除
- 拡大・縮小
- 元に戻す・やり直す
CADの勉強方法としては、公式チュートリアルや初心者向け動画を見ながら、説明された操作を自分のCADでも再現する方法がおすすめです。ただし、動画を最後まで見てからまとめて操作するのではなく、「1つの操作を見る→動画を止める→自分で操作する」という流れで進めてください。
CADの使い方や基本操作は以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
②3〜4週目|製図ルールを学びながら図面を1枚完成させる
基本操作ができるようになったら、CADの勉強方法を単純なコマンド練習から、図面を完成させる勉強方法へ切り替えます。この段階では、画層や寸法などのCAD操作と、製図ルールを並行して学びます。主に取り組む内容は次のとおりです。
| 学ぶ内容 | CADの勉強方法 |
|---|---|
| 画層 | 外形線・寸法線・中心線などを分けて作成する |
| 線種・線の太さ | 実線・破線・一点鎖線などを使い分ける |
| 寸法 | 長さ・径・角度などを図面へ記入する |
| 尺度 | 用紙サイズと図面サイズの関係を確認する |
| レイアウト | A3やA4など指定の用紙に配置方法を覚える |
製図の参考書や資格試験の教材も併用し、「なぜこの部分は破線なのか」「なぜこの位置に寸法を記入するのか」といった理由まで確認してください。
③5〜8週目|既存図面のトレースで自力で描く力を身につける
基本的な図面を完成できるようになったら、次のCADの勉強方法として既存図面のトレースを本格的に始めます。最初は、同じ図面を3回程度繰り返して描く方法がおすすめです。
| 回数 | CADの勉強方法 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1回目 | 操作方法を確認しながら描く | 最後まで完成できるか |
| 2回目 | 分からない部分だけ教材を見る | 作図手順を自分で考えられるか |
| 3回目 | 教材を見ずに描く | 自力で考えられるか |
トレースするときは、作業時間も記録しておきましょう。1回目に4時間かかった図面が2回目、3回目と短くなっていれば、操作や作図手順が定着していることを確認できます。
④9〜12週目|修正・出力・データ受け渡しまで練習する
最後は、CADの勉強方法を「図面を描くこと」から、実務を想定して図面やデータを扱うことへ広げます。まず、自分が作成した図面に修正指示を書き込み、その指示をCADデータへ反映する練習を行います。
実務では、新規図面を一から描くだけでなく、既存図面の修正を任されるケースもあります。そのため、既存データを壊さずに変更する勉強方法も取り入れておくことが重要です。さらに、図面が完成したらデータの受け渡し方法まで勉強します。
CADの勉強方法は、同じ方法を何か月も続けるのではなく、「基本操作を覚える→図面を完成させる→自力で描く→実務形式で扱う」と習熟度に応じて変えていくことが重要です。
CADの勉強方法がわからない場合のおすすめセミナー
ここまでCADの勉強方法を紹介してきましたが、「自分に必要な勉強方法を選べない」「独学だと正しい操作ができているのか判断できない」という方もいるでしょう。その場合は、CADセミナーを活用して、基礎から実務で使う操作まで決められた順番で学ぶ方法も選択肢の1つです。
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CADの勉強方法についてまとめ
CADの勉強で重要なのは、参考書や動画、セミナーのうち「どれが一番よいか」を決めることではなく、自分が目指す仕事に必要なスキルから逆算して、適切な勉強方法を組み合わせることです。CADは操作方法を覚えるだけでは、仕事で使える状態にはなりません。
「教材を見なくても図面を完成できるか」「第三者が受け取って編集できるデータになっているか」を基準に習熟度を確認することが大切です。独学で不足する部分が見えてきたら、資格試験やセミナー、職業訓練も活用しながら補いましょう。