昨今、3D CADはハイエンドからローエンドまで様々な種類が登場しており、3D CADを選定することは容易ではなくなってきました。
そこで、おすすめの3D CADと主な3D CADを価格帯別に比較してみましたので、3D CAD導入の際の検討材料として是非ご参照ください。
※ 価格に関しては、最近の傾向として永年ライセンス方式と年払い(月払い)の複数形態を持っている場合が多く、年払いのみのライセンス形態に移行するCADも増えつつありますが、特に表記しない場合永年ライセンス価格で表示しております。
3CADソフトの価格表
3DCADの価格を価格帯ごとに表にまとめてみました。
3DCADソフト別の詳細は表の後に記載していますので、価格の比較と合わせてご活用ください。
おすすめの3DCAD
年間(月間)ライセンス | 永年ライセンス | 備考 | |
---|---|---|---|
Fusion360 | 年額:60,480円(税込) 月額:7,560円(税込) 3年間:163,080円(税込) |
– | 学生や教育機関、非営利団体の方であれば無料で利用可能 |
Inventor | 年額:327,240円(税込) 月額:41,040円(税込) 3年間:883,440円(税込) |
– | PDMコレクションを利用すれば年間386,000円(税別)で他15ソフトとセットで利用可能。 |
ハイエンド3D CAD
年間(月間)ライセンス | 永年ライセンス | 備考 | |
---|---|---|---|
CATIA V5 | – | 160万円~540万円 | – |
Creo Parametric(旧Pro/ENGINEER) | – | 114万円~120万円 | – |
NX | – | – | 情報取得不可 |
Unigraphics | – | – | 情報取得不可 |
I-Deas | – | – | 情報取得不可 |
ミドルレンジ3D CAD
年間(月間)ライセンス | 永年ライセンス | 備考 | |
---|---|---|---|
SolidWorks | – | 98.5万円~158万円 | – |
Inventor | 年額:327,240円(税込) 月額:41,040円(税込) 3年間:883,440円(税込) |
– | PDMコレクションを利用すれば年間386,000円(税別)で他15ソフトとセットで利用可能。詳しくはこちら。 |
TOPsolid | – | 98万円~ | – |
Solid Edge | 年額:約180,000円 | – | – |
iCAD | – | iCAD-SX:約140万円 iCAD-MX約120万円 |
– |
おすすめの3D CAD
初めて3DCADを使われる方や、初めて3DCADソフトを導入したいと言う方におすすめの3DCADソフトをご紹介します!
Fusion 360:オートデスク社
まず一番最初におすすめしたいのが、Autodesk社が提供しているFusion 360です。
Fusion 360は、3DCADのモデリング機能に加えて、3DCAMやレンダリング、解析、アセンブリ、2次元図面などの機能が搭載されています。
機械部品設計に強い「パラメトリックモデリング」と自由曲面に強い「スカルプトモデリング」に対応しているのでこのソフト一つでデザインから設計までができます!
Fusion 360の製品ページはこちら
データはクラウド上で管理されているため、チーム内でのデータ共有がしやすく、複数人での同時作業がしやすくなっています。
また、上書き保存した際に、古いバージョンが自動でバックアップされたり、作業履歴がデータ保存されるのも嬉しい機能ですね!
Fusion 360は、商用利用の場合は有料ですが、非商用使用であれば企業でも無料で使用できます。
さらに、有料ではありますが価格自体はかなりお手頃です。
従来は数百万円した3DCADですが、Fusion 360は年間56,000円(税別)、月額7,000円(税別)ですべての機能を利用することができます。
また、学生や教育機関、非営利団体、スタートアップ企業であれば無料で使うことができます。
Fusion 360はCADソフトとしてもかなり優秀で、導入している企業も多数ありますので、求人を探したい時にも無料でCADスキルをつけるならもってこいのCADソフトウェアです。
無料で練習ができ、仕事でも利用できる一番おすすめのCADソフトになります!
概要
Fusion360は、Autodesk社が提供している高機能3DCADソフトです。
3DCAD機能に加え、3DCAM、レンダリング、解析、アセンブリ、2次元図面などの機能が搭載されています。
従来、数百万円していた3DCADですが、Fusion 360は年間約6万円と安価で使用できさらに高機能であるため、CAD業界の常識を変えるツールとして注目を浴びています。
世界初のクラウドベースの3D CAD製品で、使用するPCに過度なスペックを求めないで利用可能な製品です。ただし64ビット専用です。
主な機能
ソリッドモデラーなので、一般的な押し出し、回転などの形状作成機能はもとより、スカルプモードと呼ばれる粘土細工をイメージしたような機能を持っており、直感的なモデル作成が可能です。
また、2Dの機能や、レンダリング、アセンブリなどのCAD機能の他に、CAMやCAEの機能も豊富に用意してあります。
クラウドベースということもあり、簡単にデータ共有ができます。
さらに、AIに形状提案させる最先端技術の「ジェネレーティブデザイン」も使用できます。
価格
年額56,000円(税別)、月額7,000円(税別)、3年間151,200円(税別)(非商用利用なら無料でも利用可)
高機能3DCAD Fusion 360を安く購入する方法
今なら、期間限定キャンペーンでFusion 360を定価よりも安く購入することができます。
さらに、学習用のテキスト教材と学習用データもセットで付いているので、Fusion 360をすぐに使えるようになります。
Fusion 360購入ページはこちら
この機会をお見逃しなく!
Inventor:オートデスク社
概要
Fusion 360と同じAutodesk社が提供しているプロフェッショナル向けの3DCADソフトです。
3DCAD機能と図面機能はFusion 360の上位機能を備え、CAD機能以外にもレンダリング、解析、ダイナミックシミュレーション、アセンブリなどの機能が搭載されています。
AutoCADデータや他社の3DCADデータを参照利用する事ができるため、他のソフトと連動させながらの設計や過去資産がそのまま使用可能です。
主な機能
フィーチャーベースの3DCADで、BIMへの対応や、アセンブリからのBOMの自動生成、標準で100万点以上の部品ライブラリを持っています。
また、モデリング機能では板金設計機能、フレーム設計機能、プラスチック部品設計なども標準で持っています。
モデリング機能に加えて、応力解析やシェイプ最適化機能、レンダリングやアニメーション機能など、データ作成後の活用する機能もついています。
DWGファイルや別の3DCADデータと連動したモデリングも可能です。
価格
296,000円/年間
ハイエンド3D CAD
次にハイエンドの3DCADと呼ばれる部類のソフトウェアをご紹介します。
CATIA V5:ダッソー・システムズ社
概要
ハイエンドCADに分類され、パーツ/アセンブリモデリングから、デザイン向け、樹脂金型向け、解析設計向けなどの様々なパッケージ形態があります。
CATIA V4までとは別のソフトウェアとして位置づけられている。
主な機能
通常の3Dモデリング機能に加え、NC加工のシミュレーションや、パイピング、チュービングなどに特化したオプションも豊富。
価格
160万円~540万円
Creo Parametric(旧Pro/ENGINEER):PTC社
概要
ハイエンドCADに分類されます。社名の由来であるパラメトリック系の3DCADですが、最近のバージョンではダイナミックモデリングの手法も取り入れ、より直感的な操作でのモデリングが可能になっています。
また、Creo Directや Creo Elements/Direct というダイレクトモデリングの製品もCreo製品群としてそろっています。
主な機能
パッケージ群全体をCreoという名称でまとめられてあり、3Dモデリングから、解析などのモジュールも豊富に揃えてあります。
3D-2Dの連携機能も強力で、3D情報とともに図面情報も保持できる為、2D図面上の寸法テーブルを変更すると3Dモデルも自動更新されます。
また、Unite Technorogyと呼ばれる異種CAD間のデータ互換にも力を入れており、様々な3DCADのデータを直接読み込み、変更することも可能となっています。
価格
114万円~120万円
NX:シーメンスPLMソフトウェア社
概要
PLM(製品ライフサイクル管理)ソフトウェアの一部として紹介されており、CADといった枠組みを超えた製品群の一部といった位置づけとなっています。
主な機能
シンクロナスモデリングとパラメトリックモデリングの両方で作業が可能となっており、ユーザー独自のルールで自動チェックや、大規模アセンブリにも対応しています。
また、2D機能の充実、3Dプリンタへの連携、レンダリングの強化など様々な用途への利用が期待されます。
価格
情報取得不可
Unigraphics:UGS社→シーメンスPLMソフトウェア社
概要
Parasolidをカーネルとしていますが、もともとUGS社が開発したもので、世に出ている多くの3DCADでこのParasolidカーネルが利用されています。
4大ハイエンド3DCADと呼ばれた時期もありますが、現在はI-Deasと統合され、NXとなっています。
主な機能
自由フィーチャーという機能でどんな形状もサーフェースにでき、それを押し出しなどでソリッド化ができます。
ただし、2D機能に関しては弱いという点もありました。
価格
情報取得不可
I-Deas:SDRC社→UGS社→シーメンスPLMソフトウェア社
概要
Unigraphicsと同じく4大ハイエンド3DCADと呼ばれていましたが、買収によりUnigraphicsと統合し、現在はNXとなっています。
主な機能
オプションで様々な用途に拡張でき、幅広い業種に対応可能となっています。
また、パラメトリック機能の操作性が良く柔軟に変更を得意としていました。
価格
情報取得不可
ミドルレンジ3D CAD
次はミドルレンジ3DCADと呼ばれる部類のソフトウェアをご紹介します。
SolidWorks:SolidWorks社(ダッソーシステムズ社の子会社)
概要
ミッドレンジ3DCADとしての先駆け的存在ですが、長年の蓄積がある訳ですが、最新版でもおよそ240項目に及ぶ機能強化がなされたりと意欲的な開発継続が行われています。
デザイン性の高い製品にも対応できますが、その本質は機械系のモデラーなので複雑なサーフェースを持つ製品より、少量多品種のバリエーション展開するような製品に向いています。
主な機能
板金、溶接、モールド、データ変換やアニメーションなど幅広く機能を充実させていたり、他のベンダーが開発したオプションも豊富に存在する為、さまざまな業界や用途に対応できます。
また、2.5DまでのCAM機能も搭載されています。
価格
98.5万円~158万円
Inventor:オートデスク社
概要
Fusion 360と同じAutodesk社が提供しているプロフェッショナル向けの3DCADソフトです。
3DCAD機能と図面機能はFusion 360の上位機能を備え、CAD機能以外にもレンダリング、解析、ダイナミックシミュレーション、アセンブリなどの機能が搭載されています。
AutoCADデータや他社の3DCADデータを参照利用する事ができるため、他のソフトと連動させながらの設計や過去資産がそのまま使用可能です。
主な機能
フィーチャーベースの3DCADで、BIMへの対応や、アセンブリからのBOMの自動生成、標準で100万点以上の部品ライブラリを持っています。
また、モデリング機能では板金設計機能、フレーム設計機能、プラスチック部品設計なども標準で持っています。
モデリング機能に加えて、応力解析やシェイプ最適化機能、レンダリングやアニメーション機能など、データ作成後の活用する機能もついています。
DWGファイルや別の3DCADデータと連動したモデリングも可能です。
価格
296,000円/年間
Inventorを導入検討されている方はAutodesk社の16のソフトウェアがセットになったPDMコレクションがおすすめです。「3D設計」「AutoCAD」「リバースエンジニアリング」「ビジュアライゼーション」「シュミレーション」「CAM」「Factory Design」など幅広いニーズに対応しています。
TOPsolid:Missler Software 社
概要
カーネルにParasolidを採用したパラメトリック・フィーチャ・ベースの3次元 ソリッドモデラです。ハイエンド機能をミッドレンジ価格でというのが売りです。
主な機能
ソリッド、サーフェス、シートメタル、ワイヤーを組み合わせたモデリング、内蔵PDM、解析などに加え、大規模アセンブリに対応した高速読み込みが可能。
価格
98万円~
Solid Edge:シーメンスPLMソフトウェア社
概要
世界で初めてマイクロソフト社のOffice Compatibleを取得したWindows完全準拠のCADです。
初期のバージョンはACISベースでしたが、途中Unigraphics Solutions社に買収されてからParasolidベースに変更になるという経緯があります。
現在はシーメンスPLMソフトウェア社となり、同社のハイエンドCADのNXに次ぐミッドレンジのCADとして存在しています。
主な機能
NXと同様に、シンクロナステクノロジによるパラメトリックモデリングとダイレクトモデリングの良いとこ取りをしたような機能が売りのひとつで、クラウドベースのライセンスや、ユーザー設定、データ保管をクラウド化するなどのクラウドを売りにしている製品です。
価格
18万円/年額
iCAD:富士通株式会社
概要
iCADと同じ名前ではありますが、大きく分けるとiCAD-SX と iCAD-MXに分かれており、それぞれに違った特徴を持っている3DCADです。
iCAD-SXは主に機械設備などの大規模アセンブリに特化した高速エンジン(100万部品を0.2秒で処理する3次元CADエンジン)を持ちiCAD-MXは2D/3Dの中間的なCAD(Hybrid設計CAD)となっています。
主な機能
iCAD-SX:アイコンとメジャーによる直感的な操作を実現。
構想設計に向いた履歴を持たない設計が可能。(後付けパラメトリックも可)
iCAD-MX:2D図面と3Dモデルを同時表示、編集が可能。
部分的に3Dモデルを作成したり、2Dの利点も活かしつつ設計が可能。
価格
iCAD-SX:約140万円、iCAD-MX約120万円
ローエンド3D CAD
次はローエンド3DCADと呼ばれるソフトウェアのご紹介です。
Rhinoceros:Robert McNeel & Associates社
概要
もともとは船舶関係のデザイン向けにAutoCADプラグインとして開発されていましたが、その後スタンドアロンの製品としてリリースされました。
プラグインを追加することでレンダリング機能の強化や、アニメーションへの利用も可能となっています。
主な機能
NURBS曲線で表現されるサーフェースを用いたモデリング機能をベースに3D-CADの分野だけでなく、CGの分野でも使用可能な汎用性を持っています。
多彩な入出力フォーマットも特徴の一つです。
価格
約14万~
Inventor LT:オートデスク社
概要
Inventorの軽量版として機能を絞って提供されています。(AutoCADとAutoCADLTの関係と同じ感じです)
2D設計から3D化への流れを導入したい場合には有効です。
主な機能
Inventorの基本的な機能は同じですが、アセンブリ設計や、シートメタル設計などの機能や、部品ライブラリの有無が違いです。
価格
7,560円/月額
業務におすすめの3DCADソフトまとめ
いかがだったでしょうか?
業務で高機能な3DCADを利用しようとするとやはり数百万円かかってしまいますが、Fusion 360を利用することでそのコストを抑えることができます。
またFusion360の使い方に不安な方は法人向けの業務用3DCADセミナーがあるので、こちらに数日参加するだけですぐに業務で3DCADを使用することが可能です。
また、Fusion 360より上位の機能やより幅広い業務への活用をご検討される方は、Inventor、AutoCAD、Fusion 360を含む16のソフトウェアがセットになったPDMコレクションがおすすめです。「3D設計」「AutoCAD」「リバースエンジニアリング」「ビジュアライゼーション」「シュミレーション」「CAM」「Factory Design」など幅広いニーズに対応しています。
実際に機能を使ってみてから導入したいという方でも、Fusion 360やInventorは30日間の無料体験版で全機能使うことができるのでオススメです。
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