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【2024】ドローンをCADに活用する方法とは?メリットや注意点も

ドローンを活用すると、CADのデータを効率よく収集できることをご存知ですか。地上測量の場合は人手が必要で、データ分析にも日数がかかってしまいます。

本記事では、ドローンとCADとの関連性や活用方法をわかりやすく解説します。メリットや注意点も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

ドローンとCADの関連性とは?

ドローンとCADの関連性とは?

ドローンとCADの関連性について、わからない人もいるのではないでしょうか。そもそもCADとは何か、CADとの活用が注目されている理由などを解説します。

そもそもCADとは

CAD(キャド)とは「Computer-Aided Design」の頭文字をとった言葉で、コンピューター上で図面を作成できるツールです。

従来は作図をする際は手書きでの作業が一般的でしたが、時間がかかるだけでなく、データを共有するのにも時間がかかっていました。

しかし、CADが導入されたことで図面の修正や変更が容易になり、作業効率が向上しました。また、作成した図面はデータ上で管理されるため、共有や保管にかかる手間やコストも削減されました。

CADは建築や土木以外に、アパレルや福祉業界でも活用されており、需要は高まっています。ソフト扱うために特別な資格は必要なく、使い方さえ覚えれば誰でも利用が可能です。

なお、CADには平面で表現する2DCADと、仮想空間で立体的なデータを作成する3DCADがあります。無料で使える3DCADソフトは下記の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

【2024】無料で使える3DCADのフリーソフトまとめ 8選

ドローンとCADの関連性

CADとの関連性を説明する前に、先にドローンについて簡単に解説します。ドローンとは無人航空機のことで、一般的な知名度も高いでしょう。遠隔操作や自動操縦で飛行させることが可能で、空撮や測量、農薬の散布など幅広いシーンで活用されています。

ドローンとCADの活用が注目されている理由の一つが、点群データの活用です。点群データとは、位置情報・色情報を持った無数のデータの集合体です。

ドローンにレーザースキャナーを載せると、空中から地形や建物などの撮影や点群データの収集ができます。集めたデータは3Dモデルに活用でき、手順を踏めばCADの画面上にも図面を起こせるため、注目されています。

なお、建築DXについてはこちらの記事で解説しています。導入手順や建築DXで解決できる課題なども紹介しているため、あわせてご覧ください。

建設DXとは?具体的な導入手順や技術内容をわかりやすく解説

ドローン測量で3DCAD図面を作成する方法とは?

ドローン測量で集めた点群データは、そのままでは3DCADに反映されません。なぜなら、点群データはあくまでも、点の集合体だからです。

そのため、専用のソフトなどを使用して、CADデータに変換する必要があります。一般的に、点群データからCADデータに転換するためには、大まかに以下の手順で行います。

  • ノイズの除去
  • 取得データの合成
  • メッシュデータを作成
  • サーフェスデータに変換

ドローンで集めたデータには、障害物や草などのノイズが含まれているため、CADデータに反映する際に除去する必要があります。続いて、さまざまな箇所から撮影されて、バラバラになっているデータを集めて合成します。

ノイズの除去やデータ合成を終えたら、次にメッシュデータを作成します。メッシュデータとは三角形が連なったデータで、ポリゴンデータとも呼ばれます。

メッシュデータの状態では滑らかさがなく、カクカクとしているため、その次にサーフェスデータに変換します。サーフェスデータに処理することで、3DCADへ取り込んだり編集したりすることが可能となります。

上記の動画では、点群処理ソフトの操作方法が紹介されています。イメージを膨らませたい方は、ぜひご覧ください。

3DCADのデータ作成にドローンを活用するメリット

3DCADのデータ作成にドローンを活用するメリット

3DCADのデータ作成にドローンを活用するメリットは、大きく分けて以下の3つです。

  • 作業にかかる時間を削減できる
  • コストを抑えられる
  • 幅広い範囲の測量ができる

使用するメリットがイマイチわからないと思う方向けに、わかりやすく解説します。

作業にかかる時間を削減できる

3DCADのデータ作成にドローンを活用するメリット1つ目は、作業にかかる時間を削減できることです。従来の測量方法では数日かかるケースがほとんどで、人手が必要となる分、人件費もかかってしまいます。

しかし、ドローン測量ではわずか半日で測量が終わる場合もあり、その分の人件費も抑えられます。また、3DCADソフトを活用すればデータ解析も容易にできるため、さらに作業時間を削減できます。

このように、ドローンを活用すれば測量だけでなく、データ分析にかかる時間や人件費も削減できるため、人手不足に悩む企業にも効果的な方法です。

コストを抑えられる

3DCADのデータ作成にドローンを活用するメリット2つ目は、コストを抑えられることです。機器本体の導入費用はかかりますが、上述のとおり人件費などを考慮すると、コストの削減につながります。

また、航空機を使った測量の場合は、パイロットの人件費などを考慮すると、100万円以上かかることもあります。そのため、ドローン測量のほうが予算を抑えられます。

幅広い範囲の測量ができる

3DCADのデータ作成にドローンを活用するメリット3つ目は、幅広い範囲の測量ができることです。地上測量では、人が立ち入れないエリアはデータを集められません。

しかし、ドローンを活用すれば、幅広い範囲を測量できる点がメリットです。また、人が立ち入るのに危険な場所も、ドローンを利用することでリスクを回避できます。効率よく作業できるだけでなく、安全性向上にもつながるのが魅力です。

3DCADのデータ作成にドローンを活用するデメリット

3DCADのデータ作成にドローンを活用するメリットを3つ紹介しましたが、デメリットも2つあります。

  • バッテリー切れを考慮しなければいけない
  • 測量に向いていない場所もある

せっかく導入したのにうまく活用できないとならないよう、確認しておきましょう。

バッテリー切れを考慮しなければいけない

3DCADのデータ作成にドローンを活用するデメリット1つ目は、バッテリー切れを考慮しなければいけないことです。もし、広い範囲を測量したいと思っても、途中でバッテリーが切れてしまう可能性があります。

飛行途中でバッテリーがなくなってしまうと、墜落による破損や紛失の恐れがあるため、避けなければいけません。そのため、広範囲を測量する際は、バッテリー交換の時間や手間も想定しておきましょう。

ドローンの飛行時間は20~60分程度など、製品によってさまざまです。帰還する時間を踏まえると、測量に費やせる時間はもう少し短くなるため、余裕を持った計画を立てると安心です。

測量に向いていない場所もある

3DCADのデータ作成にドローンを活用するデメリット2つ目は、測量に向いていない場所もあることです。例えば、木などが多い場所は、地表を撮影できないため写真測量はできません。

正確なデータが導き出せない可能性があるため、レーザー測量で行う必要があります。ただし、レーザー測量は写真測量と比べて、費用が高額になる点に注意が必要です。事前に調査しておき、どちらのドローン測量が向いているか確かめておきましょう。

3DCADのデータ作成時にドローンを活用する際の注意点

3DCADのデータ作成にドローンを活用する際の注意点

3DCADのデータ作成でドローンを活用する際は、以下の2つに注意しましょう。

  • 飛行できないエリアもある
  • 天候を考慮する

それぞれ、わかりやすく解説します。

飛行できないエリアもある

3DCADのデータ作成時にドローンを活用する際の注意点1つ目は、飛行できないエリアもあることです。ドローンは幅広いエリアを撮影できますが、飛行禁止に設定されているエリアもあり、その一部を表にまとめました。

禁止エリア 理由
空港等の周辺の空域
150m以上の上空
航空機の安全な飛行に影響を及ぼす恐れがあるため
人口集中地区の上空 人または家屋が密集している地域で、落下事故を防止するため

なお、上記以外にも「国の重要施設とその近辺約300メートル」「国の重要文化財周辺」など、飛行禁止区域は多岐にわたります。禁止エリアはアプリなどでも確認できるので、ご確認ください。

また、ドローンを飛ばすためには、事前に許可をとらなければいけない区域も存在します。申請しないまま飛行してしまうと、罰せられる可能性もあります。使用する前に、ドローンに関する法律や知識は習得しておきましょう。

天候を考慮する

3DCADのデータ作成時にドローンを活用する際の注意点2つ目は、天候を考慮する必要があることです。ドローンは雨や風の影響を受けやすいため、天候によっては測量日を変更したほうがよいケースもあります。

なお、国土交通省が定めているマニュアルによると、DID(人口集中地区)では風速5m/s以上は飛行禁止とされています。

DID以外の場所で操縦する場合であっても、強風の状態では操縦が難しくなり、墜落や紛失の危険性もあります。よって、風速5m/s以上のときに測量するのは、避けておくべきでしょう。

ドローンとCADのまとめ

本記事では、ドローンとCADの関連性や、ドローン測量のメリット・デメリットなどを解説しました。従来の測量方法では、データにするまでに人手や日数がかかります。

一方で、ドローンを利用すれば、効率よくデータを集められるほか、3DCADへの反映もスムーズにできます。日数を短縮できる分、人件費を抑えられるためコスト削減につながります。

一方で、バッテリー切れのリスクや、天候などの影響を受けやすい点に注意しなければいけません。また、飛行禁止区域で飛ばしてしまうことのないよう、事前に確認が必要です。

しかし、ドローンを活用することでコスト削減だけでなく、従業員の負担軽減や、人手不足の悩み解消も期待できます。ドローンとCADをうまく活用して、さまざまな問題を解決しましょう。

ドローンをCADに活用する方法とは?
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