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建設DXとは?具体的な導入手順や技術内容をわかりやすく解説

近年、建設業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)、つまり「建設DX」の推進が注目されています。建設DXとはどのようなもので、導入することによりどのような利点があるのでしょうか。

今回は、建設DXとは何か、建設DX導入により解決できる課題や、具体的な導入手順などを解説していきます。この記事を参考に、建設DXについての理解を深めていきましょう。

建設DXとはなにか?

建設DXとは、AIやICTなどのデジタル技術を用いて、建設業界の業務プロセスや組織を変革することです。建設業界は、人材不足や長時間労働、生産性の低さなどの恒常的な課題を抱えています。これらの課題を解決する手段として、建設DXが注目されています。

そもそもDXとは、顧客や社会のニーズをもとに、デジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革することをいいます。
2018年12月に、経済産業省が「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」という施策を発表したことから、日本でDXが注目を浴びるようになりました。
建設業界では、大企業を中心となりつつ、中小企業でもDXが推進されています。

建設DXが注目を浴びている理由には、国からの後押しが関係しています。
例えば国土交通省は、建設DXを加速させるための取組をいくつか推進しています。具体例でいうと、

  • 建設現場のプロセスにICTを活用して生産性の向上を図る「i-Construction」
  • 公共工事の計画や設計に3次元モデルを導入して全体の効率化を図る「BIM/CIM」

などが挙げられます。

国からの助成金や補助金も受けられるため、今後も建設DXはますます加速していくでしょう。

建設DXが解決できる課題

建設DXが解決できる課題

建設DXによって解決できる課題について解説していきます。

建設DXが解決できる課題1.働き方の課題

建設業界は、深刻な人材不足や長時間労働の問題を抱えています。
また、対面主義などの古い体質が残っていることも問題視されています。

建設DXを推進することは、建設業界の働き方改革に繋がります
代表的なものに以下の3点を挙げます。

  1. ICT建機などを用いて重機を遠隔操作できれば、現場に行かなくても作業を進められる。
  2. リモートで操作できれば、現場作業による作業員の危険リスクを避けることも可能となる。
  3. AIを活用して事務作業を効率化すると、人手不足にも対応できる。

このように、建設DXを促進すると、リモートワークの推進、残業時間の削減、従業員のストレスの軽減など、働き方改革の推進に繋がります。

建設DXが解決できる課題2.技術継承の課題

建設業界は、技術継承の問題を抱えています。
原因は、高い技術を持った技能者が高齢化していることや、若者の入職者を確保できないことが挙げられます。

建設DXを進めることは、技術継承の課題を克服する手段のひとつになります。
例えば、熟練の技術者のノウハウをデジタル化することにより、若者が直接指導を受けなくても学べる環境を作れます。また、現場作業員がカメラを装着し、遠隔地から監督者が立会する「遠隔臨場」を導入すると、対面しなくてもリアルタイムでの技術指導も可能です。

建設DXによって技術者の知識やノウハウを見える化することは、建設業界の人材育成のあり方を大きく変えるかもしれません。

建設DXが解決できる課題3.生産性の課題

建設業界は、生産性の低さが課題と言われています。
日本建設業連合会が発表する「建設業デジタルハンドブック」によると、全産業の2021年の付加価値労働生産性は4,522円/人・時でした。
それに対し建設業は2,944円/人・時間と、全体と比べてかなり生産性が低い水準です。

建設DXを活用すれば、生産性を向上させることに繋がります。
例えば、3Dモデルを活用した3D設計を導入すると、2次元の図面を作成する工程を無くし、業務量を減らせます。また、クラウド上で情報共有ができるため、複数人で同時作業ができて、生産性も向上します。

建設DXによって、これまで慣習となっていた業務システムを一新することで、労働生産性の向上に繋がるでしょう。

建設DXを導入する手順

建設DXを導入する手順

建設DXを進めるには、ツールの導入だけを重視するのではなく、どのような課題を解決したいかという目的を明らかにするのが重要です。

建設DXを導入する5つの流れを、順番に解説していきます。

①現状の課題を把握する

DXツールを導入する前に、現場でどのような課題があるか現状を把握しましょう。
例えば、現場作業員への聞き取りやアンケートで、現場作業を進める上で負担になっていることや、コミュニケーションのなかでボトルネックになっていることを洗い出します。
現場の声を集めると、解決すべき課題の優先順位を付けることができます。

②目的や戦略を設定する

現状の課題を把握したら、建設DX推進の目的や具体的な戦略を定めます。
例えば、施工プロセスの自動化、リアルタイムな情報共有、コミュニケーションの改善など、解決すべき課題に対する戦略を検討します。

DX導入までのロードマップを明確にすることで、具体的なタスクが見えてきます。

③DX導入の環境整備を行う

DX導入の目的や戦略が決まったら、環境整備を行いましょう。
DXを推進するには、デジタル技術の知識やスキルを持った、デジタル人材を確保する必要があります。

さらに、DXツールを導入するには、従業員への説明や研修も必要です。
DX推進には多大な労力がかかるため、チームを発足してDX推進に重点的に取り組める体制を整えるとよいでしょう。

④段階的にDXを実行する

DX導入の準備が整ったら、小さい範囲から少しずつ実行していきます。
例えば、社内情報のデジタル化から始め、次に施工管理の一部デジタル化、その次に施工全体のデジタル化というように、段階的にDXを推進していきましょう。

またDXツールを導入する際は、最初から会社全体で始めるのではなく、1つの事業所から導入するのもよいでしょう。
少しずつ検証を行うことで、万が一トラブルがあったときのリスクを最小限に抑えられます。

⑤効果の検証と改善を行う

DX実行後は、導入による効果の検証と改善を行いましょう。
検証には、KPI(重要業績評価指標)を設定することを推奨します。
定量的に効果を検証することで評価指標が明確になり、従業員のモチベーションアップが期待できます。

DXツールを導入しても、従業員によってはツールを使いこなせなかったり、ツールの使い勝手が十分でない場合もあるでしょう。社員の声に寄り添いながら、問題があれば改善しながら、少しずつDXの成功事例を増やしていきましょう。

建設DXの技術と注意点

建設DXの技術と注意点

建設DXで用いられる技術について解説していきます。
建設DX導入時の注意点も紹介するので、参考にしてみてください。

建設DXで用いられる技術

建設DXでは、次のようなデジタル技術が活用されています。

  • AI(人工知能)
  • SaaS(クラウドサービス)
  • ICT(情報通信技術)
  • ディープラーニング(機械学習)
  • ドローン
  • BIM/CIM

建設DXで用いられるデジタル技術は、施工管理の効率化や、高度なデータ解析などを実現します。

例えば、スタートアップ企業のDeepXでは、AIとディープラーニングを組み合わせて、油圧ショベルによる掘削作業のような複雑な動きを自動化するための技術を開発しています。
また、住友建機が提供するICT建機を導入した企業では、入社1年目の社員が重機を取り扱っているという事例もあります。

ほかにも、鹿島建設株式会社が開発した3Dレーザスキャナを搭載したドローンは、高低差のある複雑な地形にも高精度なデータを取得できます。
そのため、ドローンによる測量時間の大幅な短縮に繋げています。

このように、さまざまなデジタル技術を組み合わせることで、建設DXがもたらされています。

建設DXの注意点

建設DXを導入する上で、次のような点に注意しましょう。

  • 現状の課題を正確に把握すること
  • 現場の意見を聞き反映すること
  • 自社に適したDXツールを選ぶこと

建設DXを導入する際には、現場の意見に耳を傾けましょう。
現場からの声を取り入れることで、自社の課題を把握することができます。

また、高性能なDXツールがあったとしても、現場の作業員や監督が使いこなせないと意味がありません。建設DXを導入する前には、しっかりと従業員のトレーニングを行いましょう。

同時に、建設DXを導入する意義やメリットを従業員へ伝えておくことも重要です。
また建設DXは、高性能なツールであれば良いという訳ではありません。
自社の課題を解決するために必要十分なツールを選びましょう

建設DXについてまとめ

建設業界は、深刻な人材不足や高齢化、それに伴う生産性の低下や技術継承の問題といった、さまざまな課題に直面しています。建設業界の課題を解決するためには、積極的に建設DXを活用するのが重要です。

まずは小さい範囲からデジタル化に着手し、少しずつ建設DXの成功体験を積み上げていきましょう。


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