こんにちは。
3Dプリントを行うためには、3Dプリンターの機械と、造形したいものの3Dデータが必要になります。
3Dデータを作成するには「3DCADを利用する、3DCGツールを利用する、実物をスキャンする」と大きく3つの方法があります。
詳しくは以前に書いた「3Dプリンター用のデータを作成する方法」を読んでみてください。
今回はこの中で、「実物をスキャンする」ために必要な3Dスキャナーを紹介します!
数ある3Dスキャナーの中でも低価格で購入できるものをまとめたので、手軽な導入を考えている方や、予算を抑えたい方、ご家庭での使用を考えている方におすすめです。
3Dスキャナーとは
そもそも3Dスキャナーとは一体何でしょう。
3Dデータを作成するためには、前述の3DCADや3DCGを利用することが一般的といえます。
しかし3Dデータ化したいモデル本体があるときは、最初からモデリングするより3Dスキャンすることによってデータを取得するほうが効率的な場合があります。
そこで活躍するのが、3Dスキャナーです!
3Dスキャナーの仕組み
3Dスキャナーでレーザーを照射したり、センサーを対象物に当てたりして、3次元の座標データを複数取得します。
そして取得した座標データをパソコンに取り込み、付属のソフトウェアを使用して「3Dデータ」に変換します。
出来上がった3Dデータにはデータの抜けやノイズがあるため、付属または市販のソフトウェアで修正しましょう。
複雑なモデリングが必要ないので、3DCADや3DCGの技術に不安がある方も利用しやすいです。
しかし3Dデータの精度は、3Dスキャナーのスペックによって変わってくるため注意が必要です。
3Dスキャナーを使った事例
実際に精度の良い3Dスキャナーを使って、重要文化財を後世に残すためにデータ化したり、3Dスキャンした人間をそのままフィギュア化するというサービスが話題になったこともあります。
3Dスキャナーの概要がばっちり理解できたところで、低価格3Dスキャナーの紹介です!
低価格で購入できる3Dスキャナー1:ハンドヘルド 3Dスキャナー 2.0
価格(税別) | ¥49,800 |
スキャンサイズ(幅×奥行×高さ) | 5×5×5 〜 100×100×200 cm |
スキャン精度 | 0.2 ~ 1.5 mm |
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 41 × 157 × 61 mm |
3Dスキャナー2.0は、3Dプリンター「ダヴィンチ」シリーズで有名な、XYZプリンティングから出ている3Dスキャナーです。
Intel® RealSense™モジュールを搭載し、より早いスキャン速度と処理速度を実現しています。
コンパクトながら25〜60cmの操作エリアと20〜120 cmという広いスキャンエリアにより、物体のサイズを問わず自由にスキャンできます。
この価格でカラースキャンにも対応しています。
3Dプリンターを持ってないという方は、同社製品のダヴィンチ3Dプリンターと一緒に購入してみるのも良いと思います。
例えば、学校や企業にもおすすめしている「ダヴィンチJr. WiFi Pro」と組み合わせても、15万円以下で揃えることができます!
■参考動画
低価格で購入できる3Dスキャナー2:Sense 2
価格(税別) | ¥75,000(※メーカー希望小売価格を参考) |
スキャンサイズ(幅×奥行×高さ) | 0.2×0.2×0.2 〜 2×2×2m |
スキャン精度 | X/Y分解能@0.5m:0.9mm 深度(Z)分解能@0.5m:1mm |
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 178mm×33mm×129 mm |
Sense 2(Sense 2nd Generation)は、3D Systems社が家庭向けに発表した3Dスキャナー「Sense」のリニューアルモデルです。
簡単な操作と電源を必要としないデザインで、場所を選ばずスキャン出来ます。
自動フォーカス機能がついているので、背景にどれだけ物が置いてあっても、スキャンしたいものを機械が自動で判断してくれます。
コンパクトで丈夫な作りのため専用バッグも必要ありません。
低価格で購入できる3Dスキャナー3:EinScan-SE
価格(税別) | ¥198,000 |
スキャンサイズ(幅×奥行×高さ) | 30×30×30〜700×700×700mm(フリースキャン) |
スキャン精度 | 0.1 mm |
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 570 × 210 × 210 mm |
SHINING 3D社のEinScan-SEは、世界初の白色光LEDを光源としているデスクトップ3Dスキャナーです。
ターンテーブルを使用したオートマティックスキャン、フリースキャンの2種類のモードを切り替えることができます。
また、フルカラーテクスチャに対応しており、STLやOBJ形式でファイル出力が可能です。
ターンテーブルが付属されているので、安定した3Dスキャンができます。
操作も簡単で、データ取得後の修正作業も付属のソフトウェアで手軽に行うことができます。
屋外で使用できないところが残念ですが、先に紹介した2機種よりも高い性能を求めるなら、こちらの商品がおすすめです!
さらに高いスキャン精度0.03mmを実現し、マーカースキャンにも対応する上位機種「EinScan-SP」もあります。
EinScan-SPの価格は498,000円(税別)で、SEより30万円ほど高くなります。
個人で購入を考えた場合は悩ましいですが、3Dスキャナーの中では低価格に違いないので、より高精度の3Dスキャンを考えられている方はEinScan-SPも候補に入れてみてください。
■参考動画
さらに高いクオリティを求めたいなら:EinScan Pro 2X
価格(税別) | ¥889,000 |
スキャンサイズ(幅×奥行×高さ) | 50〜4000mm(フリースキャン) |
スキャン精度 | 0.04 mm |
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 235×38×150 mm |
業務や研究などでの利用を考えた場合におすすめしたいのが、「EinScan Pro 2X」シリーズです。
プロ仕様の機能を備えながら100万円前後で購入することができるため、業務での利用を考えると低価格になるのではないかと思います。
EinScan Pro 2Xの特徴は、最大0.04mmのスキャン精度とCADデータに変換するソフトを標準装備することで、 低価格帯の3Dスキャナーとしては、初めてリバースエンジニアリングを可能にしている点です。
また従来品の3倍のスキャンスピードを実現しています。
オプションのカラーモジュールをセットすれば、カラースキャンも可能です。
上位機種の「EinScan Pro 2X Plus」なら、さらに高いスキャン精度を得ることができます。
■参考動画
まとめ
今回は、低価格で購入できる3Dスキャナーをまとめてみました。
ハンディタイプだと持ち運びやすいところが便利ですね。
機種によっては屋外で使用できるものもあるので、写真を撮るような感覚でちょっとした思い出づくりに利用してみるのも良さそうです。
ぜひ3Dプリンターと組み合わせて、3Dプリントを楽しんでみてください!