最近はさまざま業界で3Dプリンターが導入され、その動向に伴って3Dスキャナーの知名度も広がりつつあります。そこで実際に3Dスキャナーを使ってみたいと思っても、どのような機種を購入して始めればいいか分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、おすすめ3Dスキャナー14選を徹底比較し、選び方も紹介します。
3Dスキャナーとは?
実在する物体をデジタル化し、データ化して保存する高精度な技術を搭載した機械が3Dスキャナーです。3Dスキャナーを使用すれば、物体の形状や大きさ、状態などを的確にデジタル化して3Dモデルに再現できます。
このような3Dスキャナーの技術は製造や設計をはじめとした幅広い分野に導入され、IoTやAI、VRなどの先進技術との連携により多方面で活躍しているのが現状です。下記に3Dスキャナー同様リアルな質感を再現できる技術である、レンダリングに関する記事を掲載するので参考にしてください。
おすすめ3Dスキャナー14選を比較
今後さまざまな業界での導入・活躍が期待される3Dスキャナーですが、実際にどのような機種が開発・販売されているのでしょうか。ではおすすめの3Dスキャナー14選を下記に表記しそれぞれを比較・紹介します。
機種 | 特徴 |
RANGE(RANGE-Standard) | フルカラーのスキャンを可能にしたRGBカメラの搭載も特徴
|
CrealityCR-SCANLizard | 対象物に直接的に接触しなくてもスキャン可能なモデル
|
Lynx | ホワイトライトと呼ばれる人体に無害なレーザーを対象物に照射するので、皮膚に触れても安心
|
Creality CR-Scan Ferret pro | 独自の技術により高精度なスキャン技術を誇り、深度が異なる2種類のレンズで幅広いスキャンを実現
|
XYZprintingハンドヘルドフルカラー3Dスキャナー | 複数台のカメラによる高精度なスキャンを可能にした、Intel RealSense 3Dカメラテクノロジーが搭載
|
MINI | コンパクトな設計であるにも関わらず高精度
|
Mole(LYNX-P) | 持ち運びしながらでも安定したスキャニングを可能にした、手振れ補正機能も搭載
|
Magic Swift Plus(magic-1) | 市販のモバイルバッテリーによる充電も可能なので持ち運んでの撮影にもおすすめ
|
WLYJSKJ 3Dスキャナー | ターンテーブルにスキャン対象を固定し、安定したスキャニングが可能
|
EINSTAR | スキャンデータが十分かどうかを色で知らせる機能を搭載
|
Revopoint POP 3 | 重量も190グラムと軽量なので、持ち運びしやすい
|
EinScan-SE | 縦・横・高さが30㎜~70㎜の範囲内のスキャンが可能で、機種と一体型のターンテーブルにより自動スキャニングが可能
|
Bevel 3Dスキャナー | スマートフォンのカメラの情報とレーザーからの情報を連動させてデータを作成
|
SOL 3Dスキャナー | 近距離・遠距離のモード選択が可能で、0.1㎜までの高いスキャン精度も特徴
|
RANGE(RANGE-Standard)
RANGE(RANGE-Standard)は多様な物体のスキャンを可能にした3Dスキャナーです。広範囲なスキャン能力と最大0.1㎜のフレーム制度により、幅広いジャンルのスキャンを可能にしています。
フルカラーのスキャンを可能にしたRGBカメラの搭載も特徴で、スキャンにより形だけでなく色まで再現できるのもメリットです。スキャンスピードは約1分間で人の全身をスキャンできるレベルの12~18fpsに推移しています。
- 価格:100,000~120,000円程度(参考価格・税込)
CrealityCR-SCANLizard
投影対象を自動追跡する機能を搭載し、撮影間隔でのスキャンを可能にした3DスキャナーがCrealityCR-SCANLizardです。対象物に直接的に接触しなくてもスキャン可能なモデルなので、マーカーを貼り付ける手間をかけずにスムーズにスキャンできるのもメリットといえます。
3つのスキャンモードを搭載し、状況に合わせて使用できるのも便利です。
- 価格:100,000~120,000円程度(参考価格・税込)
Lynx
Lynxは一般的な3Dスキャナーや業務用に比べて比較的安く、それでいて十分な機能を併せ持つ3Dスキャナーです。ホワイトライトと呼ばれる人体に無害なレーザーを対象物に照射するので、皮膚に触れても安心な点もメリットといえます。
フォーマット対応型のファイル出力が可能なので、3Dプリンターに直接的にデータ入力できるので便利です。下記に3Dスキャナーとの連動で有効活用できる、3Dプリンターに関する記事を記載するので参考にしてください。
- 価格:55,000~70,000円程度(参考価格・税込)
Creality CR-Scan Ferret pro
低価格なうえに扱いやすく、多くのユーザーから愛用されている3DスキャナーがCreality CR-Scan Ferret proです。独自の技術により高精度なスキャン技術を誇り、深度が異なる2種類のレンズで幅広いスキャンを可能にしています。
一定の場所に据え置いて使用したり手持ち型としても使用可能で、手持ち撮影の際にはスマホとの連動によるスキャンが可能です。また本体を固定しての回転が可能なターンテーブルもセットなので、効率的な測定解析もできます。
- 価格:50,000~70,000円程度(参考価格・税込)
XYZprintingハンドヘルドフルカラー3Dスキャナー
XYZprintingハンドヘルドフルカラー3Dスキャナーは、使いやすさを重視して片手で握れるよう設計されているうえに、低価格で販売されている初心者向けの3Dスキャナーです。複数台のカメラによる高精度なスキャンを可能にした、Intel RealSense 3Dカメラテクノロジーが搭載されているのもメリットといえます。
USB接続が可能なので、PC内に対応アプリがあればインストール可能です。
- 価格:35,000~50,000円程度(参考価格・税込)
MINI
プロ・アマ問わず、そのコスパの良さから多くのユーザーに愛用されている3DスキャナーがMINIです。コンパクトな設計であるにも関わらず高精度なのが特徴で、フレームレートが10fpsと高いのでスピーディーなスキャンを可能にしています。
またスキャニング精度を高めるために光源をブルーライトにセットし、この機能によりスキャン精度や解像度をアップしているのも特徴です。
- 価格:80,000~105,000円程度(参考価格・税込)
Mole(LYNX-P)
Mole(LYNX-P)は軽くて持ち運びやすいうえに、スマホとの連携でどこでもスキャニングできる便利な3Dスキャナーです。持ち運びしながらでも安定したスキャニングを可能にした、手振れ補正機能も搭載されているのもメリットといえます。
可視光よりも高精度なスキャンを可能にしたNIRを光源に搭載し、スキャンデータの高品質化を可能にしました。
- 価格:75,000円~105,000円程度(参考価格・税込)
Magic Swift Plus(magic-1)
スキャニング対象の細かな部分までの撮影が可能な、高精度3DスキャナーがMagic Swift Plus(magic-1)です。3D解像度を従来製品の2倍に設定することにより、高精度なスキャニングを可能にしています。
屋外でも使用可能な機種で、市販のモバイルバッテリーによる充電も可能なので持ち運んでの撮影にもおすすめです。ノイズ除去や各部修正も専用アプリを使用すれば簡単にできるので、細かな色付けや修正がしやすい点もメリットといえます。
- 価格:110,000~135,000円程度(参考価格・税込)
WLYJSKJ 3Dスキャナー
引用:Amazon
WLYJSKJ 3Dスキャナーはターンテーブルにスキャン対象を固定し、安定したスキャニングを可能にした3Dスキャナーです。3Dスキャナーの基本的な機能を備え、平均的な機能を有した機種として多くのユーザーに愛用されています。
撮影用のターンテーブルは最大3㎏までの荷重に耐えられるので、幅広いスキャニングが可能です。一方で光を発する物体やガラスなどはスキャンしにくく、撮影時には専用スプレーなどを使用して加工しなければいけません。
- 価格:14,000~20,000円程度(参考価格・税込)
EINSTAR
片手での簡単な操作が可能で、シャープで使いやすいモデルが高い評価を得ている3DスキャナーがEINSTARです。この機種はスキャンデータが十分かどうかを色で知らせる機能が搭載され、データ不足であればソフトから補充できます。
一方で高いスペックを有したPCでなければ対応できないため、事前にPCの確認をしなければいけません。
- 価格:120,000~170,000円程度(参考価格・税込)
Revopoint POP 3
Revopoint POP 3は多彩なカラーテクスチャ機能を搭載し、18fpsという高速スキャンを可能にした3Dスキャナーです。機種の後ろ側にはスキャン開始や停止、露出調整などを行うためのタッチパネルが付いて操作しやすい点も特徴といえます。
重量も190グラムと軽量なので、持ち運びしやすい設計も魅力の1つです。
- 価格:90,000~110,000円程度(参考価格・税込)
EinScan-SE
白光色LEDを光源にし、0.1㎜という高精度なスキャンを可能にした3DスキャナーがEinScan-SEです。縦・横・高さが30㎜~70㎜の範囲内のスキャンが可能で、機種と一体型のターンテーブルにより自動スキャニングできます。
- 価格:190,000~210,000円程度(参考価格・税込)
Bevel 3Dスキャナー
Bevel 3Dスキャナーはコンパクトな設計が特徴の、スマートフォンアクセサリ型の3Dスキャナーです。タブレットやスマートフォンに取り付けた状態でスキャニングが可能で、スマートフォンのカメラの情報とレーザーからの情報を連動させてデータを作成します。
手軽でどこにでも持ち運びできる、コスパに優れた機種です。
- 価格18,000~21,000円程度(参考価格・税込)
SOL 3Dスキャナー
2020年のベストスキャナーにも選ばれるなど、高精度と高い操作性が特徴の3DスキャナーがSOL 3Dスキャナーです。近距離・遠距離のモード選択が可能で、0.1㎜までの高いスキャン精度も特徴といえます。
機器に搭載されているターンテーブルを使用すれば、最大2㎏までの対象をスキャニング可能です。
- 価格90,000~110,000円程度(参考価格・税込)
3Dスキャナーの選び方
3Dスキャナーの機能を発揮するためにも、自分に最適な3Dスキャナーを選択しななければいけません。自分に合った3Dスキャナーを購入するためには、
- 機能
- コスト面
- 使いやすさ
- 使用目的
ソフトとの互換性
などの点に注意が必要です。ではそれぞれ詳しく解説するので3Dスキャナー選びの参考にしてください。
機能
3Dスキャナーを選ぶ際には、機能面も注意して選びましょう。特に機種ごとのスキャン可能な範囲やサイズを確認しなければ、購入してもスキャニング対象に使えない場合もあるので注意が必要です。
一般的にはサイズの大きな物体のスキャンでは広範囲用、物体の細かな点まで投影したい場合には小型など、用途に応じて機能も異なる点を事前に確認しましょう。
使いやすさ
3Dスキャナーを選ぶ際には、使いやすさも重視して選択しましょう。例えば屋外でサイズの大きなものをスキャンしようと考えているなら、携帯性に優れたハンディタイプがおすすめです。
また3Dスキャナー初心者であれば直感的な操作性に富んだ機種を選択しましょう。
使用目的
使用目的を考慮するのも、3Dスキャナーを選ぶ際のポイントの1つです。3Dスキャナーは業務用で使用するのか、趣味の工作などで使用するのかで機種や必要な精度、解像度が異なります。
したがって趣味の工作などで使用する場合と、高い精度が要求される工業製品を開発する場合では業務に必要な機種も異なり、選択機種も異なるのが現状です。
ソフトとの互換性
3Dスキャナーを選ぶ際には、ソフトウェアとの互換性も確認しなければいけません。例えばスキャナーが取り込んだデータを、指定のソフトウェア以外に取り込む際に双方に互換性が無ければデータ入力ができません。
したがって指定のソフト以外を使用する際には、事前にデータ形式とソフトに互換性があるかを事前に確認して3Dスキャナーを選びましょう。
機能や価格を比較して最適な3Dスキャナーを選ぼう
本記事ではおすすめ3Dスキャナー14選を徹底比較し、選び方も紹介しました。3Dスキャナーは業務用や趣味と、幅広い目的で使用できる画期的なツールです。
一方で現在はさまざまな機種が開発されているので機種選びも大変ですが、困った際には本記事を参考に機能や価格を比較して最適な3Dスキャナーを選んでください。