EinScan-SEは、コストパフォーマンスの高さで有名な3Dスキャナです。購入が容易であるため、ビジネスから個人使用まで、幅広く活用されています。
では、EinScan-SEには具体的にどのような特徴があるのか、実際に使用した人の口コミなどと一緒に詳しく解説していきます。
EinScan-SEの主な機能の特徴とは?
EinScan-SEは、SHINING 3D社が開発した3Dスキャナです。工業分野を中心とした3Dスキャナを開発していたSHINING 3D社が、一般消費者向けとしてEinScan-SEを作りました。
3Dスキャナの中では低価格でありながら、プロ仕様のクオリティを持っています。そのため、ビジネス用として使用されることも珍しくありません。
比較的小さなモデルが対象となるスキャン範囲
EinScan-SEは、最小30×30×30mmという小さな範囲のスキャンが可能です。そして、ターンテーブルを回転させてスキャンするオートスキャンと、複数のスキャンデータを合成させるフリースキャンから選べます。
オートスキャンの最大サイズは200×200×200mmですが、フリースキャンだと700×700×700mmまで対応可能です。いずれのスキャン方法を選択したとしても、スキャン精度は0.1mmを維持することができます。
世界初の白色LEDを使用した3Dスキャナ
3Dスキャナには、モデルにセンサーなどを触れさせる接触式や、レーザーによる計測を行うものがあります。EinScan-SEはそういった3Dスキャナとは異なり、LEDを使用して計測をするのが特徴です。
そして、世界で初めて、白色LEDを使用して計測する3Dスキャナとして発売されました。
フルカラースキャンに対応
3Dスキャナの中には、モノクロのスキャンにのみ対応しているものも数多くあります。けれど、EinScan-SEは、モノクロの他にフルカラースキャンに対応可能です。
赤と青、緑の色を読み取って、色テクスチャが付いた状態のモデルデータを用意できます。
EinScan-SEと代表的な3Dスキャナを価格面で比較
EinScan-SEの価格は、税込みで196,900円です。価格内に本体やケーブルなどの付属品が全て含まれていて、オプションは特にありません。
そして、EinScan-SEの比較対象となる、代表的な3Dスキャナの価格は以下の通りです。
- SOL PRO:305,800円
- EinScan-SP:547,800円
- IREAL 2E:547,800円
- Artec Leo:約450万円
- KSCAN-MAGIC:100万円~500万円(オープン価格)
それぞれの価格と比較すると、EinScan-SEの安さがよりはっきりとわかるでしょう。
Artec LeoやKSCAN-MAGICは、ビジネスで使用されることが多いです。そのため、EinScan-SEとは価格の桁が違います。
ただ、ハンディタイプでよりサイズの大きなものをスキャンできたり、工業分野に特化していたりするなど、価格に見合うだけの特徴はあります。
EinScan-SPは、EinScan-SEよりもスキャン可能サイズが大きく処理速度も高いため、価格が倍以上です。
IREAL 2EやSOL PROは、EinScan-SEと同様に低価格帯3Dスキャナとして扱われることが多いですが、いずれもEinScan-SEよりは価格が高めに設定されています。
EinScan-SEを使用するメリットとは
引用:3Dプリンター専門ショップ「Fab mart(ファブマート)」
EinScan-SEは、低価格の3Dスキャナでありながら、数えきれないほどのメリットがあります。
具体的にどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。
操作が簡単で使いやすい
EinScan-SEを使用する際には、特に複雑な準備は必要ありません。パソコンと接続した後、簡単な設定を済ませるだけで、すぐに使用することができます。
3Dスキャナでは、使用前にスキャン対象の位置や角度を調整するキャリブレーションが必要ですが、EinScan-SEには自動キャリブレーション機能が備わっています。よって、ユーザーが細かな調整をする必要がありません。
スピーディなモデリングを実現できる
EinScan-SEを使用した、モデル360度スキャンは、ターンテーブルが1回転する2分程度で完了します。スキャンした情報は、EinScan-SEはが自動でひとつの3Dデータにまとめてくれるため、スキャン後の処理は必要ありません。
よって、スムーズに3Dデータを用意できるでしょう。また、大きなモデルをデータ化する際のフリースキャンを選択した場合、1回のショットにかかる時間は約8秒という短さです。
使用する場所を選びにくい
EinScan-SEは卓上サイズの3Dスキャナで、570×210×210mmという小ささが強みです。重量も2.5kgしかないため、持ち運ぶことで色々な場所で使えるでしょう。
また、スキャンのために使用される光は、レーザーなどではなく、ホワイトのLEDです。一般的なプロジェクターなどに使用されるものに近いため、目に悪影響を及ぼしにくいでしょう。したがって、周囲への影響をあまり考えずに、気軽に使用できるはずです。
スキャンデータに手を加える手間を省ける
EinScan-SEには、自動穴埋め機能が搭載されています。もし、スキャンが不正確で、モデルデータの一部が欠けてしまったとしても、軽微な欠落であればカバー可能です。スキャン後に修正する必要がありません。
また、フルカラースキャンの機能も、手間を省略するのに役立ちます。色や模様をまとめてスキャンすれば良いだけなので、後からモデルに手を加えて、色や模様を付ける手間を省けます。
3Dプリンターとの連動が容易
既存の立体物をコピーして、3Dプリンターで量産するために、3Dスキャナを使用することもあります。EinScan-SEでは、3Dプリンターで使用されることが多い、STL形式やOBJ形式でデータを作成可能です。
そのため、問題なくスキャンができれば、特に手を加えずにそのまま3Dプリンターで造形ができるでしょう。また、変換する際に、データが劣化してしまうリスクを避けられます。
実際にEinScan-SEを使用した人の口コミを紹介
3Dスキャナを選ぶ際には、実際に使用した人の口コミを参考にすることも大切です。
では、EinScan-SEを使ったユーザーは、どのような感想を抱いたのかを確認していきましょう。
「低価格帯3Dスキャナである割には精度の高いスキャンができる」
EinScan-SEを使用したユーザーの口コミの中でも多いのは、スキャン精度に対する高い評価です。
3Dスキャナの中では価格が低いため、あまり期待していなかったけれども、十分な精度だと感じたユーザーは大勢います。
「低価格なので趣味のために購入することができた」
EinScan-SEの価格の安さに対して、高い評価を出しているユーザーもいます。
3Dスキャナーは趣味としても活用できる場合が多いですが、高価格帯のものは中々手が出せません。そのようなユーザーにとって、EinScan-SEの安さは魅力的なようです。
「エッジが効かない部分以外は特に問題はなかった」
EinScan-SEの精度の高さには満足しているけれども、スキャンしたモデルの角にエッジが効いていないという点を、残念に思うユーザーもいます。
EinScan-SEは、光でスキャンする性質上、角の部分はどうしても若干丸くなってしまうようです。
「小さいモデルだと、EinScan-SPと大差がなかった」
EinScan-SEの上位モデルであるEinScan-SPは、より細かい精度でスキャンすることが可能です。そして、実際にEinScan-SEとEinScan-SPを使って、比較してみたユーザーもいます。
そのユーザーによると、小さいモデルの造形精度は、あまり大差ないようです。ただ、大きいモデルのスキャンだと、細部の精度に差が出てしまいます。
「後発の3Dスキャナよりも精度が高い」
EinScan-SEが発売されてからも、数多くの3Dスキャナが世に出ました。その後発3Dスキャナを使用したけれども、EinScan-SEの方が精度が高いと感じたユーザーもいます。
特にサイズが小さなものに関しては、EinScan-SEの精度は大きな強みとなるようです。
低価格ながら高性能なEinScan-SE
EinScan-SEは、3Dスキャナの中では非常に価格が安いです。特にビジネスで使用される3Dスキャナと比較すると、価格が桁違いになることもあるというのがわかったでしょう。
けれど、機能面で見た場合、使用する目的や環境次第では、高性能な3Dスキャナにも劣りません。そのため、低コストで3Dスキャナを導入したいのであれば、EinScan-SEを候補に入れると良いでしょう。