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EinScanを使うとなにができる?事例・シリーズ・価格を紹介

EinScan(イン・スキャン)は手ごろな価格で人気を集めている3Dスキャナーです。産業設計・製造・アート・教育・医療などのさまざまな分野で利用されています。
今回はEinScanについて解説します。事例や製品の価格についても紹介しているので、3Dスキャナーに興味がある方は、ぜひ一読ください。

3DスキャナーEinScan!物品や空間をデジタルデータ化

EinScanとは、SHINING 3D社が開発・販売している、多機能3Dスキャンシステムです。
そもそも3Dスキャナーとは、実際に存在している物体をスキャンし、デジタルデータとして取り込む機器のことを意味します。
EinScanを使えば、直感的かつ簡単な操作で物体や空間を3Dデータ化できるでしょう。

EinScanを使って手軽に3Dデータを作成

EinScanは、レーザーを照射によって、物品や空間の高さ・横幅・奥行を正確に測定し、座標データを取得。座標データを元にメッシュデータを作ります。
制作したい物品が既に存在するのであれば、1から3Dデータを作成するよりも、手軽にかつ素早く3Dデータが得られるでしょう。
3Dデータとして物品を読み込めば、ほかの製品と組み合わせたり、改良をしたりといった作業が、簡単にできるようになります。
もちろん、作成した3Dデータは、3Dプリンターによる造形や、リバースエンジニアリング(既存の製品を分解あるいは解析することで構造を明らかにすること)への応用が可能です。

実際にどう使われている?EinScanを使った事例を紹介

EinScanは実際にどのように用いられているのでしょうか。
その事例の一端を以下に紹介します。

配信動画に用いられたミニチュア像の作成

Netflixで配信されている「『Followers』60秒CM#あたらしい女たち篇」において用いられている、登場人物のミニチュア像がEinScanを用いて作られています。
すでに故人である人をミニチュア像として作るため、別のモデルの方から得た3Dデータを、CGデータで加工し、ミニチュア像を作成しております。

彫刻作品の3Dスキャンに利用

ファイル配布プラットフォーム「MyMiniFactory」は3Dデータ形式のアート提供サイト「Scan The World」を運営しています。
これは、ケンブリッジ大学が所蔵している彫刻をEinScanによってスキャンし、採取された3Dデータをアート作品として公開しているサービスです。
貴重な作品や資料を3Dデータとしてプリントできるようにすることで、世界中の人々にアートを身近に感じてもらえるようになりました。

ヒールカップの作成に利用

南京大学医学部では、足底筋膜炎の治療においてEinScanを用いました。
足底筋膜炎とは、足の裏に痛みを発生させる病気です。かかとと足指の付け根をつないでいる足底腱膜に炎症を起こすことで発生します。
治療にあたって、EinScanによって患者の患部を正確に3Dスキャン。その3Dデータを元にして個人の症状に合わせたヒールカップを作成しました。
これにより足への衝撃を緩和し、かかとの安定性を高め、足底筋膜炎を改善させました。

シリーズは4種類!EinScanの価格を紹介

EinScanのシリーズは2023年時点で4種類に分かれます。
以下において、それぞれの内容や価格などを見ていきましょう。なお、価格はあくまでも参考価格です。購入先や購入時期によって変化することがあります。

EinScan HX

引用:3Dプリンター専門ショップ「Fab mart(ファブマート)」

レーザーと青色LEDという異なる光源を使うことによって、環境や物品の質に左右されることなく、高精度なデータ取得が可能になった3Dスキャナーが「EinScan HX」です。
価格は税別1,950,000円です。
本品の特徴は3点!

ラピッドスキャンモードとレーザースキャンモード

1つ目は「2つのスキャンモードの切り替え」ができる点です。
ラピッドスキャンモードは、投射範囲が広角なモード。従来よりも高速なスキャンを実現しました。青色LEDの使用によって、影になる部分や黒い部分でも正確に読み取ります。
レーザースキャンモードは、ブルーラインレーザーを使うことで、メッキ部分や金属製品であっても、反射を気にすることなく正確な読み込みを可能にしました。

重さ710gで持ち運び可能

2つ目は持ち運びしやすい「ポータブル性」。
なにかと大きな製品となりがちな3Dスキャナーですが、本品は非常にコンパクト。本体の重さはわずか710gでしかありません。また、人間工学に基づいて設計されているため、誰であっても操作がしやすいでしょう。

素早く簡単にデータ化することが可能

3つ目は「データ化が簡単」な点です。
スキャンしたデータを実際に設計の現場などで用いるには一度CADデータに修正する必要があり、その際には外部ソフトウエアを利用するのが一般的。
EinScan HXには、信頼がおけるリバースエンジニアリング用ソフトウエアである「GeomagicEssentials」が付属しています。スキャンしたデータを素早く簡単に変換することが可能です。
本品はプロユースといえる製品です。企業や研究機関における現場での利用を検討している方におすすめといえます。業務利用ができる製品であることを考慮すれば、価格は控えめであるといえるでしょう。

EinScan H

引用:3Dプリンター専門ショップ「Fab mart(ファブマート)」

3Dスキャナーの利用場所は、決められた室内だけとは限りません。場合によっては屋外へ持ち出したり、狭いスペースでの利用が求められることがあります。
「EinScan H」は、ハンディタイプの3Dスキャナーです。
価格は税別858,000円。

まぶしくない赤外線センサー搭載

Einscan Hの特徴は、まぶしい光を使いがちな3Dスキャナには珍しく、まぶしくない赤外線センサーを用いていることです。
従来の3Dスキャナではまぶしくて難しかった、人や動物の顔のスキャンが気軽にできます。目を開けたままのスキャンも可能なので、いままでは難しかった顔の造形の3Dデータが取得できるでしょう。

髪の毛のスキャンも可能

また、髪の毛のスキャンにも対応しています。内蔵のカラーカメラを使えば、人体の複雑な採色もリアルに再現可能です。
1度でスキャンできる範囲は最大420mm×440mmと広いので、スキャン速度も申し分ありません。多少大きな構造物であっても、苦労することなく正確にスキャンできます。
スキャナー本体重量は703g。携帯性にも優れています。

EinScan Pro HD

引用:3Dプリンター専門ショップ「Fab mart(ファブマート)」

EinScan Pro HDは、EinScanシリーズの新型機(2023年時点)です。
価格は税抜1,290,000円。

高解像度のハンディスキャン

EinScan Pro HDの特徴はなんといっても、微細な造形をもとらえる高解像度にあります。
ハンディスキャンは解像度が落ちることが難点でした。しかし本品では、アルゴリズムの最適化と解像度の向上(点間わずか0.2mm)により、ハンドヘルドスキャンモードであっても、従来の固定スキャンモードと同等の高解像度を実現しました。
また、アルゴリズムの最適化によって、黒色・金属表面といったスキャンが難しい部位であっても、素早く広範囲に読み取れるようになりました。
なお、データ処理のためのソフトウエアとして、ExScan Proが本品には付いてきます。高品質な3Dモデル製作の一助となるでしょう。

EinScan Sシリーズ

EinScan Sシリーズは、コンシューマー向けのコンパクトな卓上3Dスキャナです。
SEとSPの2機種があり、EinScan-SEの価格は税抜179,000円、EinScan-SPは税抜49,8000円です。

EinScan-SEは世界初の白色光LEDを光源にした卓上スキャナー

EinScan-SEは、世界で初めて白色光LEDを光源にした卓上スキャナーです。高速応答速度が早く反射率も高いため、高速で正確なスキャニングに向いています。
本品にはターンテーブルが付属しているので、安定したスキャンができるでしょう。なお、ターンテーブルを使ったスキャンは、オートマティックスキャンとフリースキャンの2つのモードが切り替え可能。
付属の専用ソフトウエアEXSCAN PROを使えば、スキャン後に解像度の設定をしたり、修正作業も簡単です。3Dプリンターと高い互換性も持っているので、あらゆるメーカーの3Dプリントで作品の製作ができます。

EinScan-SPは非常に高精度の3Dスキャナー

EinScan-SPはEinScan-SEをグレードアップした製品です。
EinScan-SEはスキャン精度が0.1mm、スキャン速度は8秒でしたが、EinScan-SPではそれが大幅にパワーアップ。
スキャン精度は0.05mm、スキャン速度は4秒に短縮されました。その他の基本性能はEinScan-SEと変わりはありません。
手ごろに買えるコンシューマー用製品でありながら、高精度の3Dスキャナーを探している方におすすめです。

性能は申し分なし!手ごろな3DスキャンEinScan

EinScanは、プロユースのものからコンシューマーレベルの製品まで、手ごろな価格のシリーズがそろっています。それぞれの性能レベルも高く機能も優れています。
また、シリーズによって最適な使い方が想像しやすいため、自分に必要な3Dスキャナがどれかで迷うことも少ないでしょう。
初めて3Dスキャナーを購入しようと考えている方に、EinScanはおすすめのブランドです。

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