モノづくりの現場において急速に普及している3Dプリンター。
同時に3Dスキャナーの需要も徐々に高まり始め、製造業を始めとした様々な分野で注目を集めるようになってきました。
そこで今回は注目の3Dスキャナーについて、そのほかにもおすすめの3Dスキャナーを4選ご紹介します。
3Dスキャナーとは
3Dスキャナーとは、3次元の物体にレーザーを当てることによりデータ化する機械のことを言います。
3Dスキャナーは数年前まで手動による3Dデータのリタッチが必要であるなど、取り扱いが難しい機械でもありました。
しかし3Dスキャナーは近年において目覚ましい進化を続け、取り扱い方法も以前に比べて簡易化されています。
現在では、業務用のみならず個人で使える家庭用の3Dスキャナーも多く発売されています。
ちなみに、一般的に3Dプリンターの情報は多く出回っていますが、3Dスキャナーに関してはまだ過渡期の機械でもあるため、書籍やネットなどにもあまり情報が多く上がっていません。
そのため、3Dプリンターと3Dスキャナーは同一の機械、もしくは似通った機械であると認識しているケースも見られます。
3Dプリンターとはデータを元にして3次元の物体へ変換させる機械なので、3Dスキャナーとは全く正反対の変換をします。
つまり「データから物への変換」を行うのが3Dプリンターで、「物からデータへの変換」をするのが3Dスキャナーです。
3Dスキャナーの特徴
3Dスキャナーは大きく分けると2種類あり、
- 直接対象物に接触して3Dスキャンを行う「接触式」
- 対象物には触れずに3Dスキャンをする「非接触型」
に分かれます。
3Dスキャンの計測方法は、3Dスキャナーの種類によって異なるので状況に合わせて使い分けると良いでしょう。
接触式3Dスキャナーとは
対象物に直接3Dスキャナーのセンサーやプローブを接触させながら3点座標データを取得するのが、接触式3Dスキャナーです。
接触型3Dスキャナーは非接触型3Dスキャナーと比較して、より精密なデータを取得できるというメリットがあります。
しかしプローブが入り込むことが不可能な複雑な形状の場合や対象物が大きい場合には、接触式3Dスキャナーではデータを取得することが出来ません。
非接触式3Dスキャナーとは
非接触式3Dスキャナーは、対象物に接触することなくデータを取得できます。
対象物に接触しないために、対象物の位置や形状に関わらず隅々まで使用できる点が大きなメリットです。
モノづくりの現場において多く活用されているのが非接触型3Dスキャナーで、研究や開発も活発に進められています。
そんな非接触式3Dスキャナーの中でも実は2種類に分かれています。
非接触式3Dスキャナーには、ハンディタイプと据え置きタイプがあります。
ハンディタイプの非接触式3Dスキャナー
ハンディタイプのメリットは、持ち運びが簡単で、かつ小回りが利くということです。
特に隅々まで細かく3Dスキャンする場合、非常に使い勝手が良くなっています。
しかし、ハンディタイプは手持ちで操作するために、3Dスキャンする際に手振れが起きてしまう可能性があります。
その為、実際のデータ精度が落ちてしまうということがデメリットです。
据え置きタイプの非接触式3Dスキャナー
据え置きタイプは、ハンディタイプよりデータ精度が高いことがメリットですが、固定して計測しなくてはいけないので、角度を変化させることが不可能であること、または複雑な形状をスキャンすることが困難であるということがデメリットがあります。
3Dスキャナーでできること
3Dスキャナーは、物体から3次元のデータを作成することが出来ます。
具体的には、まず対象物にレーザーを当てる事により、対象物の高さと横幅、奥行きの3点座標データを取得します。
この際には、座標データを数多く取得するためにさまざまな角度からスキャンをしてください。
そして、取得した多くの3点座標データを組み合わせることにより、点群データを作ります。
続いて座標上にある点群データの点を直線でつなぎ、「三角形の面」で覆われたポリゴンデータ(メッシュデータ)に変換してください。
それが3次元データとなります。
3Dスキャナーでスキャンしてデータ化すると、実際にある物体がデジタル内で編集することができます。
例えば、今ある商品と他の商品を組み合わせたり、サイズを大きくして再度3Dプリントすることも可能です。
特に現存商品の改良や、現存商品から新モデルを開発するのに使用されたりします。
また、最近ではSNSが流行っているため現存商品をデータ化することにより写真素材として利用することも可能です。
おすすめ3Dスキャナー4選
3Dスキャナーは色々な種類や形状があり、価格もさまざまです。
今回は3Dスキャナーの中でも人気の高い4点をご紹介します。
①使いやすくより身近に!EinScan-SE
SHINING 3D社のEinScan-SEは、「使いやすく、より3Dスキャナーを身近に」をコンセプトに作られた、精度の高いコンシューマー向けの3Dスキャナーです。
EinScan-SEはデスクトップ型3Dスキャナーで、光源には世界初の白色光LEDを使用しています。
モードは、
- ターンテーブルを使って3Dスキャンを行うオートマティックスキャン
- 自由自在に3Dスキャン出来るフリースキャン
の2種類です。
フルカラーテクスチャにも対応しているので、obj形式およびstlでのファイル出力をすることもできます。
カラーはブラックで統一され、シンプルで洗練されたデザインが魅力的な3Dスキャナーです。
②折り畳み式でコンパクト!3Dスキャナー MATTER AND FORM
引用:Amazon
3Dスキャナー MATTER AND FORMは、個人でも業務用としても使える3Dスキャナーです。
MATTER AND FORMは、ターンテーブルに物質を乗せて角度を調整するだけで、3Dスキャンが出来ます。
標準スキャン時間は約5分で、クイックスキャンを行うならばわずか65秒で完了します。
フルカラースキャナーが出来るMATTER AND FORMは、スキャン中はデータが構築されていくのを目で確認することも可能です。
操作はクリックするだけなので、簡単に使いこなせることも特徴です。
未使用時はターンテーブルごと折りたたんで収納することも可能。
幅広いユーザーが活用できるように、低価格かつシンプルでクールなデザインに作られています。
③ハンディタイプで楽々!Zebra Technologiesレーザースキャナー
女性でも簡単に取り扱うことが出来る超軽量なZebra Technologiesレーザースキャナー。
ハンディタイプなので、物体の細かな部分から読み取りにくい形状まで何でも簡単にデータ化することが可能です。
Zebra Technologiesレーザースキャナーは、ハンディタイプでありながら650nmの半導体レーザーを用いています。
読み取り性能が非常に優れているために、1秒に100スキャン実行することが可能な3Dスキャナーでもあります。
ハンディタイプは使用中に落下する恐れがあるために、1.5mの落下にも耐えられるように耐久性を高く作られています。
手にフィットしやすい流線型の形状で、見た目もシンプルかつおしゃれにデザインされています。
3Dスキャナーの中でも、かなりリーズナブルに設定された価格も人気の秘密です。
④移動も据え置きもOK!Sick セーフティレーザースキャナTiM-S
Sick セーフティレーザースキャナTiM-Sは、移動も据え置きも可能なオールマイティ3Dスキャナーです。
Sick セーフティレーザースキャナTiM-Sは、持ち運びができるので固定式では困難な測定範囲までカバーできます。
検出距離も幅広く、0.05 m~最大25mまで対応可能。
電力量は代表値で4W、最大16Wであるために、わずかな電力消耗で利用できるのも特徴です。
Sick セーフティレーザースキャナTiM-Sには回転鏡が統合されているので、保護フィールドを自由に定義することも可能。
さらに二次元で監視することもできる3Dスキャナーとなっています。
ターンテーブルの付属がない為コンパクトで使いやすく、さらに持ち運びにも便利なデザインも魅力です。
日々進化している3Dスキャナーを導入しよう
3次元の物体にレーザーを当てることでデータ化できる3Dスキャナー。
3Dプリンターの普及に伴い、3Dスキャナーも年々高い注目を集め始めています。
現在進行形で需要が高まっている3Dスキャナーは、今後利用する企業がどんどん増えていくでしょう。
この機会にぜひ3Dスキャナーの導入を検討してみてください。
